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僅かな宇宙開発予算で火星探査成功を目指す韓国

迷走韓国宇宙開発史
この記事は約7分で読めます。

楽韓Webさんで取り扱っていたネタで、このブログでも韓国の宇宙開発事業に関して触れていたので取り上げさせてもらった。

「それで火星に太極旗を差し込むか」 韓国宇宙予算、米国の0.86%…日本にも5倍遅れて

入力2024.11.19 修正 2024.11.19.午前8時07分

韓国の宇宙予算規模が主要国と比較して非常に小さく、衛星体や発射体関連の核心技術水準も大きく遅れているという指摘が出た。

韓国経済人協会(以下ハンギョン協)は、宇宙航空産業専門家のクァク・シンウン国民大学教授に依頼して進行した「宇宙航空産業発展方案」報告書を通じてこのように明らかにした。

NAVERより

予算が全てではないし、効率的な宇宙開発が出来ればそれに越したことはないと思う。そして、韓国が色々なモノの開発費を低く抑えることは別に珍しい話ではないんだよね。

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宇宙開発強国を目指せ

いきなり完成品の韓国

過去の事例を挙げるまでもなく、韓国での製品開発の傾向として、いきなり完成品が出来上がって販売が行われるケースが多いという特徴がある。

ロケット開発にしても似たような傾向にあって、色々な国から得た技術を組み合わせて「自国開発品」として自慢をすることが多い。

2022年基準の米国宇宙予算は695億ドル、中国は161億ドル、ロシアは37億ドル、日本は31億ドルだった。しかし韓国の宇宙予算は6億ドルで、米国の0.86%水準に過ぎなかった。GDPに対する宇宙予算の比重も韓国は0.033%で主要国(米国0.278%、ロシア0.147%、日本0.095%、中国0.088%)との格差が大きいと調査された。

NAVER「韓国宇宙予算、米国の0.86%」より

韓国の技術力は優れているので、プロトタイプが作られずに唐突に完成品が出来上がっても不思議はない(棒)のだが。

例えば、最近の事例だとKF-21戦闘機なんかはそれに当たる。実証機とか、そうしたものを見かけないまま、いきなりジェット戦闘機が出来上がる辺り、「凄い」としか言いようがない。

それにしたって宇宙開発費としての予算が6億ドル相当か。

日本もアメリカと比較して随分と少ないと指をさして笑われていた実績があるが、その1/5というのは中々のモノである。

各種技術水準は低めだが

また、必要と考えられる技術の水準だが、宇宙開発に力を入れている他国よりも低いと見積もられている。

宇宙観測センシング技術水準は米国(100%)に比べて65%水準に過ぎず、EU (92.5%)、日本(81.0%)、中国(80%)より低いと調査された。宇宙発射体の核心技術である大型多段燃焼サイクルエンジン技術水準も米国(100%)に比べて55.0%水準だった。中国(86.0%)、日本(82.5%)、EU (80%)などに比べても低かった。

NAVER「韓国宇宙予算、米国の0.86%」より

この数字が一体何を基準に算出されているのかサッパリ分からないのだが、比べてみると「ちょっと低めだね」という自覚はあるようだ。

ただ、こうした技術水準が低いという点に関しては、他国から入手すれば問題ない。その為にお金を積めばなんとかなるのだから、金で買えるのであれば合理的だ。今ならロシア辺りが安売りしてくれるのではないだろうか?

報告書は、限られた予算をもとに韓国が強みのある特定の部分に「選択と集中」をする方式で宇宙産業を発展させなければならないと主張した。クァク教授は宇宙産業で70%に近い比重を占める地上装備、衛星通信サービスなど衛星通信産業を最優先に育成すべき分野として提示した。

NAVER「韓国宇宙予算、米国の0.86%」より

……強みのある分野?

IT製造強国の自負

どうやら、韓国にとって得意分野というのは「IT製造強国」というワードに象徴されるIT技術のことらしい。

IT製造強国の力量をもとに端末、管制・受信装備など地上装備市場を育てなければならないと主張した。また、人工衛星の製作単価を下げる生産技術の開発を通じて、市場規模が大きい低軌道衛星通信サービスに注力しなければならないという説明だ。また、数百台以上の衛星を管制し、数万枚以上の衛星写真を分析するのに必要な衛星用AI新技術の開発、大容量衛星映像のダウンロード速度を速めるなど、軌道上情報処理技術の高度化も必要だと強調した。

NAVER「韓国宇宙予算、米国の0.86%」より

随分と欲張りなことを言っているな。

確かに、サムスン電子とかLG電子とか色々と頑張っている分野はあると思うのだけれど、あれって民生品レベルの話で、宇宙空間に持ち込んで大丈夫かというと又別の話だと思うんだが。

大丈夫なんだろうか。

例えば、韓国が保有する気象衛星って、千里眼って名前のヤツがあるんだけど、天気予報の精度の方はサッパリらしい。

韓国気象衛星「千里眼」も日本の衛星も撮影した…韓半島に接近する台風11号の威力

2022.09.06 08:08

台風11号「HINNAMOR」の強力な威力を示す映像が韓国や日本、米国など世界各国の衛星に相次いで捉えられた。

気象庁は気象衛星「千里眼2A号」が観測した台風の映像を分析した結果、台風11号が最近北上する過程で弱くならずさらに発達する姿を見せたと明らかにした。

中央日報より

韓国の気象衛星の1号機、「千里眼1号」は2010年6月に打ち上げられ、2021年4月1日に運用を終了。千里眼2A号は2018年12月5日、2B号は2020年2月19日に打ち上げられて、現在はセットで運用されているらしい。

【韓国ライフ】韓国の天気予報は当たらない?!(検証結果あり☆)
皆さんこんにちは、KOARIキュレーターmimoです。 2023年6月から韓国在住となった私ですが、実際に住んでみて驚くことが多い韓国。 “近くて遠い国”と言われる理由もわかってきました

これが当たるか当たらないかみたいな話を検証しているサイトもあって、地域性もあって天気予報を当てにくいのだという説明はなされているが。まあハッキリ言ってしまえば、運用期間が短く経験値が低いと言うことなんだろう。

日本は気象衛星「ひまわり」を運用しているが、現在利用しているのは9号で、それでもまだ天気予報の予測精度はイマイチな部分もある。それなりの歴史と知見はあるんだけどね。

気象衛星のことだけでなく韓国保有の人工衛星は少なく、それを用いた分析経験や運用実績も少ない。自前でロケットを飛ばせるようになったのだから、もうちょっと増やしても良さそうなモノなんだが。

話はそれからだろう?

もっと予算を増やそうぜ

というわけで、この記事では予算の確保と、確実な運用実績を増やしていこうぜと結んでいるんだが。

報告書は宇宙航空産業発展のための政策課題で、▷宇宙予算の拡充、▷民間主導の開発、▷宇宙情報の開放、▷支援制度の強化などを提示した。

まず、2027年までに政府計画通り、少なくとも年1兆5000億ウォンの宇宙予算を確保し、宇宙強大国との宇宙予算格差を減らさなければならないと説明した。国策研究所が開発した技術を民間に破格的に移転し、宇宙開発を国策研究所主導から民間主導に転換しなければならないという主張もした。政府・公共衛星発射を民間に任せ、民間主導のコスト削減と技術開発活動を奨励して発射体制作単価を画期的に下げなければならないとも付け加えた。

NAVER「韓国宇宙予算、米国の0.86%」より

うんうん、少なくとも年1兆5000億ウォンね。

……。

え?1,500億円相当だと、まだ日本の宇宙開発予算の1/5程度なんだけれども(2024年度は8,945億円:今年度予算は宇宙戦略基金3,000億円が積み上げられた)。

別に宇宙開発費を積み上げたら偉いんだとか、そういう話をする積もりはないんだけど、火星まで行こうと思ったらなかなか大変なことである。アメリカにお願いして打ち上げて貰えれば良いのだろうけれど、衛星軌道までならともかく第二宇宙速度を突破するためのロケットをチャーターするのはなかなか難しいだろう。

そうすると、自国で打ち上げるというのが現実的プランになるんだけど、韓国のロケット技術だと低軌道までしか人工衛星を投入できていないので、ヌリ号4号機は来年とか言っていないで、次なるロケットの開発を急ぐべきだろう。

まあ、韓国大統領のユンユンは宇宙開発を加速する気でいるみたいだけど、国民に夢を持たせることは大切なのかも知れないね。

コメント

  1. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    >韓国の技術力は優れているので(略)いきなりジェット戦闘機が出来上がる辺り、「凄い」としか言いようがない。

    いや、これは本当に凄いと思います。掛け値も皮肉も無しに。
    その程度には、高い工業力を持っている証左であると。
    ……ですが、その弊害として、『技術の蓄積』、言い換えるなら「失敗の歴史」「苦労の記憶と解決策のノウハウ」がすっからかんになるんですよね……

    >韓国にとって得意分野というのは「IT製造強国」

    ……宇宙からG5で通信するとか言っていたような気が……

    結局、「何の為にそれをするか」という動機づけとそのための予算を出すスポンサー、何よりも「絶対に成し遂げてやる」というガッツのある人材がからっきし不足しているように思えます。
    隣国が持ってるから、とか、持ってないと体裁が、とか、そんなんばっかり。
    だから本田宗一郎に嫌われるんですよね……

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      以前、日本でトヨタとかホンダとかがロボットを作っていた時代に、韓国でもいきなりロボットが出来上がってきてビックリしたことがありました。
      トヨタやホンダは、その部署の維持に興味は薄かったようで、トヨタはパートナーロボット開発という方向で細々と継続、ホンダはアシモ開発を細々と続けているみたいですね。
      韓国のソレがその後どうなったかは知りませんが。

      韓国は色々な分野に首を突っ込んで完成品を手に入れますが、その技術を手に入れた節がないという不可思議な国であります。
      それでも、完成品を作り出せるだけの技術力は持っているんですがね。
      ただ、ソレを改良となると、色々迷走してしまって、最後に放り投げてしまう。

      入手方法も非合法なことが結構ありますが。

      • 七面鳥 より:

        次から次に新しいことに手を出して、モノになったものはほとんどないあたり、「何ちゃらメソッドで大もうけ!」のセミナーを受けまくる会社経営者にさも似たり、何て思ったりします。

        ※「なんちゃらメソッド」は、それで儲かってるなら人に教えるはずが無いし、教えるという事はもう儲からないから、最後の一儲けに講演会、ってのがセオリーなんですが……

        • 木霊 木霊 より:

          二番煎じでも、コストダウンして作ることが出来るという、ジェネリック兵器が韓国のウリでしたから。
          今はもうちょっと良いモノができるのかも知れませんが、信頼性という意味ではこれからなんだと思います。

          「韓国の兵器は優れたモノが出来るようになったから売れるんだ」という方も、最近はよく見かけるんですが。
          僕自身は売ったモノがしっかり使えていることが確認できてから、評価したいですね。

          • 七面鳥 より:

            「自国で自動車が生産出来る(ノックダウンを除く)」
            っていうのは、工業先進国の指標の一つとして分かりやすいと思ってます。
            これの発展型で
            「~戦車が~」とか「~軍用機が~」もありますが。
            最後発とは言え、仮にも第三世代戦車を自国開発出来たあたりは評価に値すると思ってます。
            ※輸入部品も多いですが、それ否定するとアメリカでさえ成立しなくなる。
            そして、その性能と値段が、買いたい国の需要とマッチしている、というのも。

            「お、値段以上」なのか以下なのかは、おっしゃる通りコンバットプルーブンされてみないと分からないですが、そうならないための抑止力という一面もありますから、その時点で役立ってればまあアリなのでは。
            コンバットプルーブンには、必ず流血がつきまといますので。
            ※使ってみないと実力はわからない、というのは全くもって同意です。