青天の霹靂？！韓国で多発するシンクホール

記事では「乾いた空に雷」となっているけれども、おそらくは日本で言う「青天の霹靂」というようなことを言っているのだろう。「霹靂」という言葉は現代では他に使わないが、これも「急に激しく雷が鳴ること」という意味である。

乾いた空に雷…シンクホール事故補償は誰が？

入力2024.08.31.午後6:24 記事本文

最近、ソウルの都心のど真ん中に「シンクホール」が発生し、車両がそのまま陥没する事故がありました。

このようなシンクホール、毎年100件以上発生しており、ドライバーの心配が大きいです。

もしシンクホールで車両が被害を受けた場合、どこで補償を受けることができるのでしょうか。

NAVERより

ふーん、シンクホールね。韓国では珍しくない光景のようだが

原因が「ハッキリ」しないシンクホール多発

割と多発するシンクホール

韓国で発生するシンクホールの話は、以前もこのブログで紹介したね。

誰も知らない地下道とシンクホール

引っ越し前のサイトで人気があったシリーズ 「ヤバイ韓国建築物」第四弾である。第四弾は、少し編集したシンクホールの話である。そもそも「シンクホール」とは、 地下に空洞が発達し表層が崩落して生ずる陥没孔のことを指している。これが韓国では割と頻繁...

www.kodama-yomoyama.com

2023.04.16

過去に取り上げた際にも「原因不明でした」で終わっていると紹介したのだけれど、相変わらずらしい。

最近3年間、全国の道路で確認されたシンクホールは年平均160件。

もし走行中にシンクホールに遭遇して車両が破損した場合、補償はどのように受けられるのでしょうか。

NAVER「シンクホール事故補償は誰が？」より

冒頭の記事にも、過去3年間で年平均160件発生していると指摘されているが、2日に1回は何処かでシンクホールが発生する状況になっているとか。

流石に多すぎないか？

このシンクホール発生は、韓国の気候が影響していると説明されている。冬季に水道管から漏水した水が凍結、これが溶け出すことで地盤が緩んでシンクホール発生に繋がるとかなんとか。春の風物詩だという話もあるらしい。

ちょっと意味が分からないが、韓国ではそうなのだろう。

過去の有名な事例

そういえば、ネットを騒がせたシンクホールの写真があったっけ？

これは、2022年の記事で、コレの原因もシンクホールだったようだが。

【写真】真っ二つになったコンビニ

2022.08.03 11:18

３日午前６時４０分ごろ、江原道襄陽郡の洛山海水浴場近くの工事現場で大規模な地盤沈下が発生した。これによって近隣のコンビニエンスストアの建物一部が崩れ、現場近くの宿泊施設の宿泊客９６人が避難した。

中央日報より

この報道では「大規模な地盤沈下」と表現されて、工事現場の掘削が問題だったのかな？と思っていたら、後日こんな記事が。

韓国、３日に２件の割合でシンクホール発生…「地下空間地図」の構築が急務

2022.08.08 07:48

３日に江原道襄陽郡の洛山海水浴場の近くで横１２メートル、縦８メートル、深さ５メートルのシンクホールが発生した。シンクホールは一定規模以上の地面が陥没する現象をいう。幸い人命被害はなかったが、シンクホール近くのコンビニエンスストアの建物の半分ほどが地中に落ち込み真っ二つになった。

江原道地域では２０１８年から大小８４件の地盤沈下事故が発生した。体積をすべて合わせると３０５１立方メートルに達する。五輪規格の長さ５０メートルのプール１．５倍に相当する規模だ。襄陽のシンクホールはこの５年間に江原道地域で発生した地盤沈下事故のうち最も大きい。国土交通部は４日に中央地下事故調査委員会を設置し正確な事故原因を分析している。

中央日報より

原因はシンクホールだということになった。

ロッテワールドタワー建設の時にも結構シンクホールの話は騒がれたハズなんだけど、結局有耶無耶に。2022年の事件があってなお、対策は打たれていないようだ。

予測不能？

とはいえ、発生頻度は分かっても発生する場所が分からないのがシンクホールである。

ソウル市内のあちこちに空洞が…予測不可能なシンクホールに市民の不安高まる

登録:2024-09-02 06:17 修正:2024-09-02 08:32

ソウル西大門区延禧洞の道路で起きたシンクホール（道路陥没）で2人が重傷を負う事故が起きたなか、週末、ソウル都心で相次いでシンクホールと道路沈下が発見され、市民の不安が高まっている。自治体の地下調査で問題がないことが確認されてから3カ月後にシンクホールが発生したところもあり、ソウル市の全数調査にもかかわらず安心できないという反応だ。

ハンギョレより

大きさもなかなかである。

このシンクホールによって、乗用車が破損している。

これ、自動車の走行中に発生したそうで。

ソウル都心でシンクホール事故発生…都市ガス爆発の惨事は免れたが

登録:2024-08-30 06:28 修正:2024-08-30 07:33

ウル都心のど真ん中で「シンクホール」が発生し、車1台が転落、運転手と同乗者が大けがをした。その過程で都市ガス管と接触し、大惨事につながりかねない状況だった。警察と国土交通部などは事故原因を調査している。

ソウル西大門（ソデムン）消防署と西大門警察署の説明によると、29日午前11時26分頃、西大門区延禧洞（ヨンヒドン）城山路でシンクホールが発生した。陥没の規模は横6メートル、縦4メートル、深さは2.5メートルに達し、道路を走っていた自動車1台が左に傾き、車体がすっぽりはまった。

ハンギョレより

なかなか大変な話ではあるが、どうやら夏場に良く発生するという認識らしい。

シンクホール現象は大雨が降る夏場によく発生するものとして知られている。特に過去とは異なり短期間に大量の雨が集中的に降って地下水の流入が急激に増加した時、雨水が流れる下水管まで老朽化した場合は、シンクホールの危険性が高まるという。都心のシンクホールは多くが「人災」だということだ。

ハンギョレ「ソウル都心でシンクホール事故発生」より

春の風物詩だというところもあったんだが、これはつまり、年中行事と言うことか？

今回の事故には前兆と思われる現象も起きていた。この日、ソーシャルメディアに投稿された動画には、シンクホールが発生する前、この道路で車が激しくガタガタと音を立てて通り過ぎる姿が映っている。ソウル市立大学のイ・ヨンジュ教授（消防防災学科）は、「地面が不規則にデコボコしたり、車道や歩道が『柔らかく』押される現象が現れたら、前兆と見て注意する必要がある」と述べた。

ハンギョレ「ソウル都心でシンクホール事故発生」より

そして、予兆もあるらしいよ。

バスも沈む

こういった話は、今年始まった訳ではなくて、結構以前からあるのだ。最近ではこんな事件もあった。

大雨の後は「シンクホールの恐怖」…通勤バスが転落し乗客負傷＝韓国

2022/08/13 07:44

ソウル郊外の城南市で、大雨でできた道路のシンクホール（陥没穴）に通勤バスが転落し、運転手と乗客が負傷した。

京畿道消防災難本部は12日午前5時ごろ、城南市盆唐区金谷洞付近を走行中だった通勤バス1台が、直径5～6メートル、深さ1.6メートルのシンクホールに転落する事故が発生したと発表した。

Wowkoreaより

通勤バスがシンクホールに落ちたとのことだ。

大雨の後は、シンクホールが発生しやすいとか書かれているが……。

しかし、「奈落のマイホーム」とかいう作品を作るくらいには社会問題化しているのだから、対策しないのだろうか？

一昔前にもこんな話が。

地雷化する老朽下水管、ソウル各地で道路が陥没

記事入力 : 2015/04/04 09:50

今月2日午後から3日早朝にかけて降った雨が原因で、ソウル各地で大小の「シンクホール（地盤沈下による陥没穴）」が多数発生した。集中豪雨が多い時期ではないにもかかわらず、シンクホールが次々と発生する事態に、市民の不安は増大している。ソウル市は「老朽化した下水管がシンクホール発生の主な原因とみており、持続的に交換作業を行っている」と発表した。しかし専門家らは「ソウル市や韓国政府が前もって古い下水管を交換していなかったのが大きな原因」と指摘している。

朝鮮日報より

ただ、対策は難しいのだとか。本当でゴザルか？

ソウル市や専門家らは、地下に埋設された古い下水管が、こうしたシンクホール発生の主な原因と分析している。下水の中のさまざまな物質が原因で、下水管や接合部は少しずつ腐食していき、腐食でできた穴から水が漏れる。この水が下水管の周りの土を押し流したり、管の中に土が流れ込んだりするせいで、地中の空洞は少しずつ大きくなっていく。この地中の空洞の上にある土や地表面が、ある日、地上の衝撃で崩れ落ちると、シンクホールになるのだ。

問題は、ソウル市内の地下にある古い下水管は総延長およそ3000キロに達するという点だ。ソウル市によると、市内の地下には長さ約1万キロの下水管が埋設されており、このうち30％にあたる約3000キロは50年前に埋められたものだ。学界では、下水管が設置されてから50年以上経つと、新たに設置された下水管に比べ、「周辺道路の陥没の危険」は14倍も高くなるとみている。ソウル大学建設環境工学部の鄭忠基教授は「問題を予想して前もって古い下水管を交換すべきだった。ソウル市や韓国政府が、福祉などを強調する一方で、土木や安全の分野に関心を払わなかったからだ」と語った。

朝鮮日報「地雷化する老朽下水管、ソウル各地で道路が陥没」より

老朽化水道管の問題は日本にもあって、シンクホール発生もある。だが、韓国ほど頻発はしていないようで。諸外国、アメリカやヨーロッパなどでもそれなりにシンクホールの問題はあるようだが、やはり然程問題視されてはいない。

もちろん、老朽化水道管の問題は深刻ではあり、放置して良いことにはならない。なのだが、果たして本当にそれだけなの？という点は少々疑問である。

おそらくは、日本の場合はシンクホールに繋がる前兆があると、さっさと道路補修をしてしまうのが日本で、韓国ではそういったことが放置されているから、問題視される状況に至りやすいのだろう。

これなんかは分かり易い動画である。

さっさと対策

さて、このニュースの後、こんな報道があった。

ソウルの陥没現場近くで道路下に新たな空洞か…路上で地盤沈下を確認

記事入力 : 2024/08/31 11:15

ソウル市は30日、西大門区延熙洞の城山路の道路陥没（シンクホール）現場近くで地下に空洞の存在が疑われる地点を新たに1カ所発見した。現在追加の調査を行っている。

～～略～～

その後もソウル市が30日午前4時まで陥没現場を中心に8車線全体を1キロにわたり地中レーダー（GPR）で調べたところ、1カ所で空洞の存在が疑われた。ソウル市は今年5月にも現場周辺で同じ調査を行ったが、その時は空洞は発見されなかったという。

朝鮮日報より

以前は地中レーダーでの調査技術がなくて日本に泣き付いたというニュースもあったが、最近は技術を手に入れたのだろうか？

道路下の空洞　ソウル市と日本企業が共同調査

2014.12.01 10:31

ソウル市は１日、道路陥没の原因となる地中の空洞調査などを手かげる日本の建設コンサル、ジオ・サーチ（東京・大田）と共同で市内３カ所の道路の調査を実施すると発表した。

聯合ニュースより

道路陥没のソウル市、日本企業が空洞調査　無償で

2014年12月25日 23:00

路面下の空洞調査を手掛けるジオ・サーチ（東京都大田区）は2014年12月19日、韓国ソウル市の要請を受けて無償で実施した市内の道路約60kmにわたる調査の報告書をまとめ、市に提出した。

～～略～～

ソウル市では近年、下水道の老朽化や豪雨などが原因とみられる道路の陥没が多発している。2012年に689件、13年には854件も発生し、大きな社会問題になっている。しかし、市が市販の地中レーダーなどを用いて調査したものの、思うような成果が得られなかったという。今回の調査で見つかった空洞も、発見できていなかった。

市は今回の調査を、近い将来に「安全都市」宣言をするための第一歩とする考えだ。今後、市内全域の調査のため、路面の陥没予防に特化した形で改めて東京都に協力を要請し、日本の空洞調査会社に参画を求めるとみられる。

日本経済新聞より

日本の企業が善意で無償調査をやったら、その後「タダでやってくれ」と厚かましいことを言い出したという、韓国あるある事案なのだけれど。

【メガプレミアム】「日本は教えてくれぬ」道路陥没「東京の１００倍」で東京の技術力にすがる韓国ソウル市長の必死

２月６日までの日程でソウル市の朴元淳市長が日本を訪れたのに合わせ、東京都は２日、ソウル市と「道路陥没対応業務、技術的協力に関する行政合意書」を締結した。双方…

www.sankei.com

10年経っても技術はあまり進んでいないらしい。いや、経費をケチっているだけなんだろうか？

道路に直径50㎝・深さ1mのシンクホール発生、60代男性が運転する車の前輪がはまる　／釜山

記事入力 : 2024/08/22 11:25

21日午前10時16分ごろ、釜山市沙上区内の片側4車線道路のうち2車線にシンクホール（陥没穴）が発生し、走行中だったSUV（スポーツ用多目的車）の運転席側の前タイヤが穴にはまった。

朝鮮日報より

釜山でも先日こんな話があったようなので、シンクホール発生はソウル特有の話ではなく、韓国の都市部では割と起こりがちな事案なんだろうね。全国で年平均160件も発生するというのは、伊達ではないよ。

ビル建てるよりも、こういった地盤調査や技術開発にお金を使うべきなんでは？

追記

えーと、埋設ガス管に関してコメントを頂いたので、ちょっと調べて見たのだが、結局、韓国ではガス管が地上を通っているのか地下を通っているのかはハッキリしなかった。

だけれども、本文で引用した記事も地下に埋設されていたし、過去にはこんなニュースも。

公徳洞ガス爆発事故の原因、ガス管位置道路に誤って表示[移動]

入力1997-04-11 | 改訂 1997-04-11

[公徳洞ガス爆発事故の原因、ガス管位置道路に誤って表示]

●アンカー：昨日発生したソウル公徳洞ガス爆発事故はガス管埋設図面が間違っているのではなく、ガス管の位置が道路上に誤って表示されて起きた原始的な事故であることが判明しました。

●記者：ソウル公徳洞地下鉄工事場で起きたガス爆発事故は、ガス安全点検員がガス管の位置を誤って表示して起きたばかりの事故でした。

警察調査の結果、ガス安全点検員ペ・モ氏は図面を見てガス管の位置を道の上に表示する過程で、実際のガス管の位置と1.45mも差異的に表示したことが明らかになりました。

このためペ氏が表示したガス管位置を避けて作業していた掘削機の記事がガス管を壊して爆発事故が起こりました。

しかし、一部のメディアの報道のように、ガス管埋設図面が間違っているわけではないことが確認されました。

これに伴い、警察は安全点検院のペ氏を今夜召喚し、ガス管を誤って表示するようになった経緯を調査する予定です。

これとともにガス管が埋設された作業現場では、必ず手作業をしなければならないのに掘削機で作業した斗永建設27歳のベクモ氏を業務上過失の疑いで不拘束立件しました。

MBSニュースより

これは1997年に道路に埋設されているガス管を道路工事中に傷つけ、大爆発を起こした事件に関するニュースである。書いてあることの意味はイマイチよくわからないが、まあ、ヒューマンエラーが大事故に繋がった事案だろう。

もう１つ。

ガス安全公社、都市ガス配管CPMS核心技術の特許登録

登録 : 2017-03-08 23:03:14修正 : 2017-03-08 23:03:14

韓国ガス安全公社は、都市ガス配管の総合管理システム（CPMS）を開発し、核心技術を特許として登録したと8日明らかにした。

CPMSは、都市ガス社配管の設置・運営・保守履歴などの配管の精密安全診断に必要な情報を入力して、公社でこれを管理するシステムである。

都市ガス配管の安全管理を高度化するために開発されたこの技術は、配管精密安全診断時CPMSにモノのインターネット（IoT）技術を組み合わせて、科学的な診断を実施して分析する。従来のアナログ式の診断方法に通信機能を加え、公社のCPMSと現場の診断装置が無線でデータを送受信しているものである。

亜洲日報より

これらの記事から、韓国でも都市ガス管は地下に埋設されているということで良いようだ。地上に剥き出しはかなり危険だから、流石に地下埋設をしていると考えるのが妥当なのでは。

追記２

やっぱりというか。

[単独]ヨン・ヒドンシンクホール周辺の地下水位7mぐらい消えた… 「市民不安」

入力2024.09.09.午前5時 修正2024.09.09.午前5時01分

先月、ソウル西大門区ヨンヒ洞で発生した土地消し（シンクホール）事故地点付近で、２年前も地下水位が大幅に低くなるなど地盤沈下の兆候があったことが分かった。地表面から地下水まで離れた距離を意味する地下水位が急激に変化するのは、シンクホールの代表的な兆候の一つだ。

Naverより

兆候があったんじゃん。

青天の霹靂というのも、嘘なのか。

去る4日ソウル市はシンクホール発生原因の一つとして流入管路工事を指摘し、これによる土砂流出量を確認していると明らかにした。しかし事故地域はソウル市の「５段階危険度体系」のうち良好なレベルであるＢ等級に分類・管理されたことが分かった。沈下発生の可能性があるD（未吸）～E（不良）等級はソウル市が管理する梁・車道の約26％だけだ。危険度が低いと評価された区間でさえ土地が消え、安全に対する懸念が提起された。特に事故当日、ソウル市が「昨年５月、地表透過レーダー（ＧＰＲ）探査当時共同が発見されなかった」と説明し、市民の不安をさらに育てた。

GPR探査は地表面から地下2m深さの空洞のみ確認できることが分かった。

Naverより

レーダーに映らないから安全という判定がされたのにもかかわらず、結果は崩落したってことらしく、地下水が減ったことがあったからって、シンクホールに繋がるとは限らないと書かれている。たしかにそれはそうなんだろうけれど、分からないなら調査の意味はないよね。