観光立国だとかインバウンドビジネスだとか、声高に叫ぶ方々がいる。特に国交省辺りが積極的なのだが、外国人観光客を誘致するというのは良い面ばかりではない。
「ひどすぎる」 日本で民泊した中国人観光客5人が大量のごみ放置したままチェックアウト、ブロガーの投稿が話題に
記事入力 : 2024/12/06 11:34
日本の民宿で、宿泊した中国人観光客が部屋をごみだらけにして帰っていったことが分かり、物議を醸している。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が4日、報じた。
朝鮮日報より
このニュース、何故か朝鮮日報からの引用だが、外国人観光客に関連したゴミ問題は割と深刻である。
観光公害は世界的な問題
ゴミ問題は深刻
支那とゴミの問題としては、こんなニュースがあったことを思い出す。
ビルの隙間から大量のゴミが出現…不法投棄の住人は「これが自分たちのゴミの捨て方だ!」と逆ギレする
2022.3.10
アパートの隙間から、大量のゴミが出てくる事件が起きた。問題になったのは中国、重慶に立ち並ぶアパート。
中国メディア「极目新闻」によると、このアパートの住人から「異臭がする」との通報を受け、環境職員が現地へと向かった。現場には一階が店舗で、二階以上が居住スペースになっている同様のアパートが立ち並んでいる。職員がはしごをかけて、建物の隙間に入っていくと、そこには大量のゴミが捨てられていた。
COURRiERより

もっと昔の写真もあったのだが、これは2022年のニュースである。不心得者がおかしなゴミの捨て方をしていたというニュースではあるのだが、こういった事案は過去にはもっと酷かった。
個人のブログではこんな記事もあって、支那人のゴミに対する認識は近年急速に改められてはいるものの、一昔前はかなり酷い状況であった。
一部、強烈な法律を作って対処する事例もあって、最近は少しマシになったとわれている。
中国は「ゴミ強制分別時代」へ 大都市で法制定進む
2019年06月26日16:26
年初以来、北京と上海、広州などの超大型都市で生活ゴミの管理をめぐる法律の改定や制定が相次いで行われ、規制メカニズムによって、思いのままにゴミを捨ててきた人々のこれまでの習慣が徐々に変わりつつある。中央テレビ網が伝えた。
人民網より
民度を向上しようという話なのだが、一昔前は日本人も支那人のマナーに苦労していたのである。

こういった生活習慣は早々簡単に改善しない。それが冒頭に紹介したようなニュースに繋がったのだと思われる。安値を理由の観光客が増えれば色々な層の人が来るよね。
富士山に入山料を
こうしたゴミ問題は富士山などでも頭を悩ませている。
静岡県 富士山「入山料」1人4000円を徴収へ
12月06日 19時27分
夜通しで山頂を目指す「弾丸登山」などが問題になっている富士山の登山規制について、静岡県は、登山者1人あたり4000円を徴収する方針を固めました。 次の夏山シーズンからの実施を目指すことにしています。
NHKニュースより
こうした入山料の徴収には色々な背景があるのだが、登山客がマナーを守れないことが問題の一因である。
世界文化遺産 富士山 混雑や環境保全対策は?登録決定10年の課題
2023年6月22日
~~略~~
富士山の世界文化遺産登録にあたって、ユネスコの諮問機関・イコモスから登山者数の管理や環境保全のあり方について厳しい指摘を受けています。
環境保全の課題のひとつにごみの問題があります。弁当の包み紙やたばこ、それにペットボトル、食べ残しも珍しくありません。ここ数年、目立つのが衣類で、登頂するときに着ていた服を、下山の際に脱ぎ捨てていってしまうということです。
回収されたごみは一部の登山だけで1シーズンに600キロに達したこともあるといいます。外国人も含めた登山者の増加で、登山で発生したごみは持ち帰るというルールが徹底されないということです。
NHKニュースより
色々なタイプの登山客がいて、ゴミを投げ捨てていく人も少なくないようだ。中には、衣類を脱ぎ捨てていく人も居ると言うから、なんというか凄いな。また、「回収されたごみは一部の登山だけで1シーズンに600キロに達した」とあるけれども、回収出来ないゴミも結構な量になることはここには紹介されていない。


もちろん、ゴミの不法投棄は日本人のモラルが問われる話でもある。だが、外国人観光客も気軽にゴミを投棄している実態があり、正に観光公害の弊害と言える。
そういった話は、そこかしこにあって、「安く旅行が出来る」という状況は歓迎出来ない事態を招くこともあるのだ。韓国でも、似たような話があるようだが。
あと、韓国人も日常的にこんな感じらしいな。
まあ、この手の話は程度の差こそあれ色々民族性が出るものだよ。
観光公害は世界でも
「観光公害」という言葉があるが、こういった人を集めるビジネスというのはなかなか厄介な問題を孕むことが多い。
ベネチアで観光客から入場料徴収 観光公害対策、効果に疑問の声も
2024年4月25日 19時00分
「水の都」として知られる世界的な観光地イタリア北部のベネチア市は25日、旧市街を訪れる観光客から入場料を徴収する制度を試験的に始めた。「オーバーツーリズム(観光公害)」による住民生活への影響が深刻で、観光客の抑制を決断した。ただ、効果を疑問視する声もあり、市が「世界初」とする試みは波紋を呼んでいる。
朝日新聞より
トレビの泉、有料化検討 観光公害対策で―ローマ
2024年09月06日15時21分配信
イタリアの首都ローマ市当局が、市外から観光名所「トレビの泉」を訪れる観光客を対象に、有料予約制の導入を検討していることが4日、明らかになった。オーバーツーリズム(観光公害)対策という。
時事通信より
古代遺跡ポンペイ、入場者数制限へ 1日2万人、観光公害抑制―イタリア
2024年11月09日14時59分配信
イタリア南部の古代ローマ都市ポンペイ遺跡を管理するポンペイ考古学公園は8日、1日の入場者数を2万人に制限すると発表した。オーバーツーリズム(観光公害)を抑制するための措置で、15日から適用する。
時事通信より
イタリアは観光業が盛んだが、一方で環境公害の問題で頭を悩ませている。各地で入場料を取ったり、入場者数を制限したりといった対策をとっているようだ。
スペイン辺りも、結構大変なようだ。
「外に出たくもない」欧州の観光公害はもう限界
2024/09/08 8:00
観光開発に反対してハンガーストライキを行うデモ参加者。違法な観光客向け賃貸宿泊施設に対し水の供給を止めると脅しをかける地元当局。観光客に水鉄砲で水を浴びせる地元住民——。
夏の終わりが近づく中、スペインのバルセロナ、ギリシャのアテネやサントリーニ島といったヨーロッパの人気観光地は限界に達し、観光客に大きな反感が向けられている。
東洋経済ONLINEより
結局のところ、観光公害の話は日本だけの問題ではない。キャパシティを超えた観光客の押し寄せは、世界各国で問題視されていて、解決する良い方法は見つかっていないようだね。
インバウンドビジネスは儲かるのか
それって売り上げですよね?
なお、こうした事実に目を瞑りながら、日本経済新聞はこんなニュースを垂れ流している。
訪日客消費が初の5兆円超 23年、人数はコロナ前8割に
2024年1月17日 16:16 (2024年1月17日 21:01更新)
訪日客の消費が新型コロナウイルス禍前を超えた。17日公表の2023年訪日客の旅行消費額は計5兆2923億円で過去最高だった。同年の訪日客数は2506万人でコロナ禍前の2019年の8割に回復した。消費の目的別では宿泊費が最も多く、買い物よりも体験を重視する傾向が強まっている。企業は戦略転換を急いでいる。
日本経済新聞より
「2023年の訪日客の旅行消費額は計5兆2923億円で過去最高」と大喜びしているのだが、コレが良いことかどうかについては言及していない。

こんな状況が続くことが本当に良いのか、考え直した方が良いだろう。
そして、5兆円というと大きなお金のように感じるが、コレは利益ではなくて売り上げである。
消費額は政府が目標として掲げていた通年5兆円を初めて突破した。目的別では最も多かった宿泊費で1兆8289億円で、買い物代が次いで1兆3954億円だった。構成比でみると宿泊費は19年の29.4%から23年は34.6%に増え、買い物代は34.7%から26.4%に減った。
日本経済新聞「訪日客消費が初の5兆円超」より
記事にもある様に、構成比で見ると宿泊費は増えたが買い物代は減っている。つまり、一人当たりの消費傾向は減退しているのだ。円安効果が出る一方で、買い物代が減ったということは、観光客の消費行動に大きな変化があったと見て良い。
そうすると、おそらく利益率は減っていると考えるべきだろう。
もちろん、計5兆2923億円の売り上げがあったことは、喜ぶべき事かも知れない。だが、それに比例してトラブルが増えていることも忘れてはならない。
トラブルの増加
人が増えれば増えるほどトラブルも増える。それが冒頭のゴミ問題などに繋がっていく。
白タク、クルーズ船寄港増の清水港で横行 訪日客目当てで相次ぐ摘発
2024年11月9日 11時00分
大型クルーズ船の寄港が増えている静岡市清水区の清水港で、外国人観光客目当ての無許可タクシー(白タク)の摘発が相次いでいる。静岡県警によると、5~9月に外国人5人が清水港での白タク行為で摘発された。清水港には今年度、過去最多の86隻のクルーズ船の入港が見込まれており、県警や国土交通省などが警戒を強めている。
朝日新聞より
こういった白タク問題も、「ライドシェアを解禁しろ」という話に結びつけるには都合が良いと思うが、トラブルに繋がるケースも多い。
冒頭に紹介したゴミ問題もそうだが、観光客が増えることで一般市民の生活にも大きな影響が出る。
移動手段が足りなくなったことも白タク問題に拍車をかける原因となっていて、一気に観光客が増えたことで観光インフラが整備されていないことが大きな問題で、ライドシェアの解禁と民泊の解禁で手を打とうとしたのだが、これがトラブルを招くことに。
こちらの記事で紹介したのだが、支那人のコミュニティーが形成されて、ここで白タクや買い物、民泊まで整備されると、日本には余りお金が落ちないということになってしまう。
外国人投資家が観光業に手を伸ばす
更に、こんな話も出ている。
中国人富裕層による「熱海」「箱根」の旅館の買い占めが始まる…地元民が漏らす彼らの「ヒドい」言動
2022.12.11
山梨県笛吹市にある石和温泉といえば、高度経済成長期からバブル期にかけて全国随一の歓楽温泉として人気を集めた温泉地だ。そんな「京浜の奥座敷」で、“異変”が起きている。
~~略~~
「’22年12月上旬に、さくら温泉通り沿いのとあるホテルが中国人に3億円で売却されることが決まったばかりです。年商5億~6億円はあったのですが、日本人オーナーが高齢になったため引退するということで売りに出されたそうです」
辻氏によれば、ここへきて中国資本による東京近郊の温泉地にある旅館やホテルの買収が加速度的に進んでいるという。中国資本の入った温泉宿の正確な数は行政も把握していないというが、同地の旅館従業員はこう語る。
週刊現代より
この記事の内容の信憑性がどうかとは思うが、星野リゾート トマムの買収劇などの話もあって、支那資本が観光ビジネスに手を伸ばしているのは事実である。
「富士山が見えないから切った」《中国資本ホテルによる隣人宅ヒノキ伐採事件》実行犯逮捕の翌日に「日本脱出」した経営者の「正体」
2024.12.05
山梨県富士河口湖町にある中国資本ホテルが「あなたの家の木のせいで富士山がよく見えない」という理由で隣人宅のヒノキを無断で伐採、さらに除草剤を注入した事件。
前編記事『「私たちは日本の警察には捕まらない」…隣人のヒノキを無断伐採した中国資本ホテルの実行犯が逮捕、実刑判決も首謀者の中国人経営者は「国外逃亡」』でも紹介したように、器物損壊の罪に問われた実行犯の中国人男性に対し、甲府地裁は12月2日、求刑通り罰金30万円の判決を言い渡した。
週刊現代より
こういったトラブルは一例かもしれないが、外国人投資家による観光業への投資というのは、良い部分ばかりではないのは事実だ。
他の事例でもこんな話がある。
対馬の神社で一部韓国人客の迷惑行為相次ぐ、苦渋の立ち入り禁止措置も「あまりにひどい」
2024/6/8 11:00
韓国・釜山から約50キロに位置する長崎県対馬市の神社で一部の韓国人観光客の迷惑行為が問題視されている。境内でたばこの吸い殻のポイ捨てや進入禁止場所への立ち入り行為が相次ぎ、一部神社は韓国人の立ち入りを禁じる苦渋の措置を取った。神社側によると、中には境内での排泄行為も確認されているという。祭祀施設と観光施設の区別がついていないなど神社に対する無理解があるとみられるが、関係者は「マナーの問題だ」など眉をひそめている。
産経新聞より
対馬の悩みは韓国に近いことで、かなりの割合で観光客は韓国人が占めている。
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で、観光業への影響も出ている。
どう見直すべきか
観光公害の話は、そこに住む人々の生活にも悪影響を及ぼす。
元々想定している生活インフラには想定されている許容量があって、上水にせよ下水にせよ交通インフラにせよ、電気にせよ、ゴミ回収にせよ、許容量を超えてしまっては対応できなくなる。
そんな訳で、過去にはこんな記事も書いたのだが、簡単に言えば来訪者数を減らして利益率を上げようぜ、という話である。
地域単位で入場数を減らしたり入場料を取ったりという発想だと、入り口の敷居が高くなってしまって逆効果だという話もあるのだが、付加価値を高めたツアーを企画するという発想もあるようだ。
そして、日本全体でそういう方向を目指す必要があるとは思う。格安ツアーはお断りする方向でお願いしたい。
何より、観光業を第一に掲げるのは極めてリスキーであることが、武漢ウイルス感染症蔓延の際に浮き彫りになってしまった。観光業を中心にした経済は外乱に対して非常に脆いのである。サービス業を中心とした産業を形成するよりは、一次産業や二次産業を活性化させて稼ぐ手段の分散化をしておく必要がある。
勿論簡単ではないのだが、日本はそもそも物造りの得意な民族性を持っているのだから、三次産業だけに傾倒させることは判断ミスといわざるを得ない。
コメント
こんにちは。
4000千円でも手ぬるい、と思います。
いっそ、
「霊峰富士山への入山は精進潔斎して後のみ、宮司の指示の下によって行う」
「それ以外の一切の登山はこれを禁ずる(学術調査その他公的に必要なものを除く)」
「なお、一切の手続きは都合三日ほどのパック化とし、衣食住含め○万円とする」
みたいなのでいいと思います(カミサンも賛成)。
こんにちは。
富士山登山は2万円くらい取っても良いような。
一般人が登るのには辛い金額ですが、ここは公平に負担して貰うべきだと思いますよ。
富士山は信仰の対象である、ってことを皆さん分かっていない。もちろん、信者さんたちのものだけではないんだけど、だからといって荒らして良いわけではないし、多くの日本人に根ざす富士信仰は、信仰の形をとっていなくとも、何らかの形で現れるものだと思います。信仰ではなく愛着を持たれると言い換えてもいいけれど、何年経っても綺麗な山の状態を維持したいものです。
外国人観光客は「旅の恥は掻き捨て」であって、環境美化になど興味ないのでしょう。
もっと早く登山料を導入すべきでしたね。
つかですね、50時間の滝打たれ水業に
座禅50時間、断食10日を認定所で達成したら「修験者」として認め無料とするのは?
だいたい宗教目的と武者修行と炭焼き業にマタギいがいは山入らんで良い!
そこに山があるから的な(マロリーしたか?)アルピニズムって、19世紀ロマン派から発したもので、そういう登山って有史以来ずっと誰もやってなかったですね。
山に森林オオカミを放って鹿猪熊を減らすとともに、人が食われても行く奴が悪いと。
それでも構わんという者だけ自己責任て山に行けば良し。
だいたいわざわざ安全な里から、危険な山に入っておいて、何か在るとすぐ救助呼ぶの気に入らねーです。自分で身を守らないなら山など入るな想うので。
山の遭難凍死はほとんど夏季です。舐めてかかって薄着に地図やコンパスや替着も雨具も持たずに行って疲労凍死。んなやつ放置すれば良い。救助に行く警察や自衛隊が迷惑です。幼い子供が遭難したなら命かける意味もあるが、クソみたいな中高年登山なんざ放置しておけ!って思います。
生きるべき運命なら自力で(指や手足を失っても)帰還しますよ。山舐めんな!っての。
横合いから失礼。
「狼復活プロジェクト」は、総論としては賛成であります。
各論は色々と問題山積してますが。
ヤマってのは、本来怖いところ、「カミのおわします所」であって、日本のカミってのは、人の事なんざ基本どうでもいいんですよね。
だから、ご機嫌取って良くしてもらう。
「ルール守らないヤツは助けない」を徹底して、少し山の神の人柱になってもらえばいいって思ってます。
ヤマノススメとかゆるキャンとか、緩いアニメが流行りましたが、自然と付き合うのはなかなか大変なことだという意識が現代日本人には薄くなっている気がします。
登山を趣味する人が増えるのは良いのですが、準備をせずに気軽に行く人が増えるのは厄介ですね。外国人観光客が登山して遭難する話は度々聞きますが、観光資源にするのはちょっとどうかと思います。
日本人が自然に親しむこと自体は悪くないのですが、同時にリスクはしっかり教育したいですね。外国人に観光目的で開放するのは……、リスクしかないように思いますよ。
富士山登山は意外に安全性が高いと思われがちですが、高山病も怖い病気ですからねぇ……。
ちなみにアレすね、私が住む農園の周りにもその辺の対立ありますよ。
農園は海の上なので、下の方には漁港ある。もう漁師でなく釣船を経営してる。
そこに観光客くるのてすが。
まぁ第二の人生のために越してきた新しい住民には、この外人観光客ウロウロは迷惑。けど釣船屋は代々に漁師してきた地元民で、んな事を新参者に言われたくない。
でも観光客を相手にしてない側からすると、自分らには1円も懐に入らないのに、
被害だけ被るのは不公平だと。それはそれで一理あるので、観光客をめぐる対立は平行線のままです。