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支那による馬毛島基地建設妨害工作が発覚

安全保障
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朝日新聞が随分と喜んで記事にしているのだが、馬毛島の話はなかなか順調に進んでいるとは言い難い。

馬毛島所有者に中国側が資金提供打診か 別の会合には元閣僚同席も

2024年11月14日 10時00分

政府が自衛隊基地の用地として鹿児島県にある無人島「馬毛島」の国有化を目指していた2019年秋、島のオーナー企業の代表取締役(当時)が、中国の国有企業から資金提供を持ちかけられたと周囲に話していたことがわかった。

朝日新聞より

ストーリー的には、馬毛島を所有していたタストン・エアポート社が、国有化前に支那の国有企業からの融資を打診されていたという話。

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支那にとっては嫌な基地

馬毛島にFCLPが出来る拠点を

これが「危機」かどうかはさておき、様々な面での工作活動が行われていたという話ではある。

過去にも馬毛島の話は取り上げたのだが、国内の活動家が反対運動を繰り広げている島でもある。彼らは基本的に何でも反対するのではあるが。

前回も紹介したんだけど、馬毛島の地理的条件はこんな感じ。

鹿児島県と種子島の間に位置する無人島で、高い山がなく河川もないという、ちょっと人が住むには適さない環境である。

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で、島全体を基地化しようというのが今回の構想で、空母艦載機着陸訓練(FCLP)が出来る施設を作ろうという事になっている。

今までは硫黄島で行っていた

日本国内には空母が存在しないため、空母艦載機着陸訓練(FCLP)が出来る施設というのは限られた場所にしかない。特に騒音などが問題になるため、ある程度距離の離れた場所における訓練が必要となるという事情もあって、今までは硫黄島での訓練が主流だった。

ところが、馬毛島にFCLP施設が出来ると、一気にこれが近くなる。

img

こんな感じだね。

支那が嫌がる理由

さて、FCLP訓練を行える場所が出来上がることで、日本が購入を予定しているF-35B戦闘機(短距離離陸垂直着陸機)の運用や、更には予定にはないがF-35C戦闘機(艦上機)の運用も視野に入ってくる。

訓練場所が近くなるということは、燃料費や時間の節約が出来るという意味ではかなり訓練回数にも影響してくる。訓練の質を高めるうえでも意味がある。

そういうことだけでも、支那にとってはちょっと厄介な島なのだが、どちらかと言うとおそらくは地理的条件が厄介なのだろうね。

img

この図も以前紹介したのだが、馬毛島に基地ができると2番目と3番目の「出口」は使いにくくなる。何しろ、戦闘機が頭上をブンブン飛んでいるのだから、ルートとしては使いにくくなる。序に言うと、尖閣諸島も国有化したので基地を作ってしまえば、支那にとってはかなり厄介なことになる。

沖縄も、そういう意味で重要拠点なんだけどねぇ。

このことの意味は、支那による海洋進出の邪魔になるってことで。支那は馬毛島も尖閣諸島も沖縄県も、とにかく米軍基地とか自衛隊基地とか邪魔になる存在をなくしてほしいのである。

だからまあ、色々と手を伸ばしてきていたという話は腑に落ちるんだよね。

19年秋の時点で島の土地のほぼ全域を所有していたのはタストン・エアポート(東京都)。複数の関係者の証言や同社の代表取締役(当時、21年死去)の発言を記録した動画などによると、代表取締役は19年9月上旬、中国の国有企業側から上海に招かれ、融資や出資を打診されたという。

直後の時期、国有企業の幹部らが来日し都内で開かれたとされる会合の写真には、代表取締役のほか、桜田氏とみられる人物が同席する様子が写っていた。

朝日新聞「馬毛島所有者に中国側が資金提供打診か」より

政治家の写真にスパイが映り込むことなんて、そう珍しくもないのだが。まあ、「脇が甘い」と言われればそれまでかもしれないが、こういう動きはこれからも警戒しなければならないんんだろうね、日本の政治家は。

建設中の事故も

もう一つ気になっているのがこのニュース。

事故で中断の馬毛島の自衛隊基地の建設工事を29日に再開へ

10月29日 12時11分

鹿児島県の馬毛島で進む自衛隊基地の建設工事現場で、今月18日作業員が死亡した事故を受けて、工事を発注する九州地方整備局は工事を中断していましたが、原因究明と再発防止策の検討が完了したことから、29日から工事を再開することにしています。

NHKニュースより

実は、今年10月末に馬毛島の工事現場で事故が発生している。当然、工事現場で事故が発生することなんて珍しくはないのだが、別件でもねぇ。

沖ノ鳥島の工事でも、大きな事故があった。

コチラに紹介した2014年の事故なのだが、これもかなり大規模な事故であったようで工事中断に追い込まれた。2023年になってようやく港湾施設の整備の費用が付いたようだが、これだって不可解な事故と言える。

もちろん、「単なる事故」である可能性は十分にあるのだが、工作であった可能性は考えておかねばならないだろう。

馬毛島の基地に関しても日本防衛にとって重要な施設の話である。是非とも頑張って欲しい。

追記

そういえば、記事にしなかったけれどもこんなニュースもあったな。

空自レーダー配備受け入れ 沖縄・北大東村長が表明

2024年07月22日19時13分配信

沖縄県北大東村の鬼塚三典村長は22日、防衛省の三宅伸吾政務官と同村で会談し、航空自衛隊の移動式警戒管制レーダー配備計画を受け入れると表明した。沖縄本島の東側約360キロに位置する同村への配備は、太平洋への進出を強める中国軍の警戒監視が目的。隊員30人程度が常駐する計画で、同省は来年度に着工する。

時事通信より

日本側も防衛に関して遅ればせながら理解が進んでいる地域もあるので、多少は前に進んでいるんだよね。

コメント

  1. 砂漠の男 より:

    馬毛島については、現在工期遅延が指摘されているところです。
    https://news.yahoo.co.jp/articles/65aaa17884ae57445ef6c7e5c52accef20f5db64

    春頃につべで現地映像を見ましたが、種子島が馬毛島開発の中継基地として使われ、
    経済的に潤う一方で、島内に工事関係者が増えたため、生活物資不足やインフレに
    見舞われており、島民が困っているという話も出ていました。
    また、漁船が渡し船に使われて、地場漁業に支障が生じているとも。
    ゼネコンが日本各地から建設業者をかき集めているとも聞き及んでいますが、
    よからぬ者たちが紛れ込んでいる可能性もあるでしょう。

    • 木霊 木霊 より:

      工事遅延は、資材の調達が難しい面もあって工作云々というところでは無いと思うんですが、入り込まれている可能性も否定できないのが怖いところですね。
      現地の資材高騰は悪いことばかりでは無いと思いますが、混乱に乗じて悪いことも出来ますから気をつけて欲しいと思っています。

  2. 匿名 より:

    中共の嫌がることは、人類の正義。
    デニーが口出し出来ない馬毛島の要塞化は大歓迎だ。

    • 七面鳥 より:

      横合いから失礼。

      >中共の嫌がることは、人類の正義。

      「人の嫌がる事を、すすんでやります」
      本邦と中韓で意味が逆転するので有名なこの一言ですが、この件に関しては、あちらの意味に則ってやりたいところですね。

    • 木霊 木霊 より:

      敵の嫌がることを抑え、有効なカードを切るのは外交の基本ですよね。

  3. 山童 より:

    殲35でしたっけ? 中国が新型戦闘機を開発したとか。双発のF22のバッタもんみたいなの。連中の新型戦闘機がそれなりの性能があるならば、この妨害はさらにシリアスな話になりそうな気配が……。
    自力開発にせよ、ロシアの技術協力によるものにせよ、特に後者は侮れないとおもうんですよね。航空機の事は知らんですが。
    ただ、あの国は技術力より組織と人による形骸化が酷い国ですから、量産なった段階で低レベルな仕上がりになったり、メンテナンスがいい加減で使い物にならなくなったり……ちう事も考えられますが。
    とはいえ油断はてきませんよね?

    • 木霊 木霊 より:

      日本としても空母の運用を前提に練習をしておくに越したことはありません。
      F-35Bの導入も決定していますから、早めに建設して欲しいところですね。

      自衛隊で空母運用を実現するのが現実的な話なのか?という点は、又別に議論する必要はありそうなんですけどね。