石破政権はバカなの?
サイバー法案、年内見送りへ 首相交代で設計議論停滞
2024/11/03
サイバー攻撃に先手を打って被害を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」に関し、年内の関連法案提出が見送られる方向となった。政府関係者が3日明らかにした。
共同通信より
能動的サイバー防御関連法案など、真っ先に通さねばならない法案だろうに。誤報の可能性も考えられるんだけど、石破氏ならやりかねない。
宿題はさっさと片付けろ!
法案提出を後押しする国民民主党
国民民主党の玉木氏は、さっそく噛みついている。
何というか、正論ですな。
政府は有識者会議を設置し、制度設計を進めてきたものの、岸田文雄前首相の退陣で議論が停滞。交代した石破茂首相は衆院選の与党過半数割れを受けて苦しい政権運営を余儀なくされており、経済対策を巡る与野党協議に力を入れざるを得ない状況に陥っている。
共同通信「サイバー法案、年内見送りへ」より
何か、石破政権は「どこか」に遠慮して法案提出の見送り判断をしたようなのだが、玉木氏は「寧ろ優先しろ」と怒っている。
「国防に精通している」などと言われる石破氏だが、何に詳しいのか説明して欲しいものである。
さっそく「議論」を前面に出しているが
そんな中、石破政権は党首討論を設定しているらしい。
【速報】自民党は9日に公明党、10日に日本維新の会、11日に国民民主、立憲民主両党と党首会談を行うと発表した
2024年11月05日10時44分配信
自民党は9日に公明党、10日に日本維新の会、11日に国民民主、立憲民主両党と党首会談を行うと発表した。
時事通信より
多分、「議論せねばならない」とか言っちゃっているのだろうけれど、今やらなければならないのは岸田政権時代の宿題の後片付けである。
サイバー法案の早期策定明記 政府、年次計画に能動防御
2024年7月10日 22:09
政府は10日、「サイバーセキュリティ戦略本部」会合を持ち回りで開催し、2024年度の年次計画を決定した。サイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」の導入に向けた法案を早期に策定する方針を初めて明記した。
政府は法制化に向けた有識者会議を6月に始動させており、秋の臨時国会への関連法案提出を視野に入れ作業を急ぐ方針だ。
日本経済新聞より
岸田氏が早期策定に力を入れていたのだから、さっさとやれば良いのに。何に躊躇しているのやら。
6月に始まった政府有識者会議では、法的課題を整理して秋の臨時国会に法案を提出するスケジュールを描いていた。ただ8月6日に中間整理をまとめた直後の同14日、岸田氏が自民党総裁選への出馬見送りを表明。以降、会議は開かれずに足踏み状態が続いている。
共同通信「サイバー法案、年内見送りへ」より
先送りしても何の良いこともないのだが、政権の都合で先送りして良いものだろうか?
幸い、野党の国民民主党が乗り気なのだから、さっさと話を纏めて通してしまえば良いのである。
能動的サイバー防御とは
情報収集が肝要
能動的サイバー防御(Active Cyber Defense : ACD)とは、「外部からのサイバー攻撃について、被害が発生する前の段階から、その兆候に係る情報その他の情報の収集を通じて探知し、その主体を特定するとともに、その排除のための措置を講ずること」であることが衆議院の法律案の中で定義されている。
これまでの話と大きく違うのは「能動的」、すなわち予防的な措置を講ずることで、「被害を受けてから動く」これまでのやり方とは異なる。
図解しているものがあったので、紹介しよう。

これは理想論だが、実際には策源地を叩くということになるので、色々な法律との整合性をとる必要がある。
憲法21条
さて、ここで問題とされているのが憲法21条である。
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
② 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
e-Govより
表現の自由などが定義されているメディアも大好きな条文だが、その2項で「検閲は、これをしてはならない」と「通信の秘密は、これを侵してはならない」という記載がある。
この「検閲」というのを見ると、教科書検定のことが突っ込まれるのだが、「検定」は「検閲」には当たらないとされている。これは、竹田恒泰氏が散々やっていたことだが、歴史教科書を作って教科書検定を受け、不合格だったものを「不合格教科書」として販売していた。
つまり、「検閲」に当たらない理由は、「検定」を受けて不合格であっても販売可能であるという構造になっているからだと、そのように理由付けしている。
このロジックと同じで、「通信の秘密」とは「秘密を脱する状態」がいかなるものかを定義してあげれば、これは問題にならない。つまり、通信傍受をした結果、秘密が開示されることがなければ「秘密を脱した状態」とはならない。だから、通信傍受はOKというロジックになる。つまり、国家がお墨付きを与えた捜査権を持った人間が通信傍受をするのであれば、セーフという理屈が付けられる。
まあ、この辺り、高市氏が丁寧に説明しているんだけどね。
ええと、必要な部分を引用しておこう。
例えば、平時からサイバー空間を探索し、大規模サイバー攻撃の兆候があれば、早期に攻撃者を特定して、攻撃を妨害するためには、『日本国憲法』第21条の「通信の秘密は、これを侵してはならない」という規定によって情報収集や同志国との情報共有に制約がかからないように、第12条、第13条の「公共の福祉」との関係を明確にした上で「通信の秘密」を厳格に規定している『電気通信事業法』を改正するべきです。
高市氏のポストより
憲法改正が必要かどうか?といえば、この点についても改正した方が良いのだが、改正せずともやりようはあるのだ。
不正アクセス禁止法の方が問題
ただ、どちらかというと不正アクセス禁止法に抵触する方が問題だろうと思う。
能動的サイバー防御は、防御のために先手を打つという、ある意味で矛盾をはらんだセキュリティ対策です。そのため、実際に能動的サイバー防御を実行しようとした場合、逆に防御側が法令違反を犯してしまうことになりかねません。
docomo businessより
具体的にはこちら。
4 この法律において「不正アクセス行為」とは、次の各号のいずれかに該当する行為をいう。 一 アクセス制御機能を有する特定電子計算機に電気通信回線を通じて当該アクセス制御機能に係る他人の識別符号を入力して当該特定電子計算機を作動させ、当該アクセス制御機能により制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為(当該アクセス制御機能を付加したアクセス管理者がするもの及び当該アクセス管理者又は当該識別符号に係る利用権者の承諾を得てするものを除く。)
二 アクセス制御機能を有する特定電子計算機に電気通信回線を通じて当該アクセス制御機能による特定利用の制限を免れることができる情報(識別符号であるものを除く。)又は指令を入力して当該特定電子計算機を作動させ、その制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為(当該アクセス制御機能を付加したアクセス管理者がするもの及び当該アクセス管理者の承諾を得てするものを除く。次号において同じ。)
三 電気通信回線を介して接続された他の特定電子計算機が有するアクセス制御機能によりその特定利用を制限されている特定電子計算機に電気通信回線を通じてその制限を免れることができる情報又は指令を入力して当該特定電子計算機を作動させ、その制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為
e-Govより
不正アクセスの定義を少し弄らねばならないのだが、恐らくは不正アクセスを疑われるアカウントに関しては、アクセス管理者がネットワークの安全を目的として第三者による調査を許可し、必要に応じてアカウント凍結の措置が採れるように法改正すれば対応ができる。
ただ、不正アクセスの話は、日本国内からというより海外からの攻撃が問題なので、外国との連携も不可欠ではある。
石破政権にソレが出来るのか?といえば、無理だろう。アメリカ大統領選挙も間近だし、自身の支持率は既に低下傾向。とても法案を通せるような体力は無いわけで。要は、能動的サイバー防御関連法案を通せない理由は、石破政権が情けないから、ということに尽きるのである。
追記
おっとぉ、石破氏、背中から狙撃されたぞ?!
まあ、自民党内でこの問題を手掛けてきた人々にとって、「やらない」理由はないのであって、「やる」というより他に無いよね。似たような事は萩生田氏も発進しているので、この話は案外簡単に前に進む可能性はあるよね。
やらないと批判されてしまうし。
追記2
方向転換したのか、或いは元々誤報だったのか。
石破首相 能動的サイバー防御 “早期の法案提出へ作業加速を”
2024年11月7日 14時44分
サイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」をめぐり石破総理大臣は、有識者会議の議論を再開させ早期の法案提出に向けて作業を加速するよう平デジタル大臣に指示しました。
「能動的サイバー防御」の導入をめぐり、政府の有識者会議はことし8月、ふだんから民間などの通信情報の収集・分析を行う必要性などを明記した論点整理をまとめています。
NHKニュースより
その後、自民党総裁選挙や衆議院選挙などの政治日程によって検討が中断した格好となっていることから、石破総理大臣は7日、平デジタル大臣と総理大臣官邸で会談し、有識者会議の議論を再開させ法案の国会提出に向けて作業を加速するよう指示しました。
誤報だったとしたらそれはそれで対応に問題があると思う。誤報が出たことを把握した段階で、石破氏がメディアに明確に否定し、「大変重要は法案なので、予定通り進めたい」と一言言えば良かったことである。
議論中断は事実で、ソレの再開を指示したとのこと。担当者は平氏だということだから、これまで通り作業は進むと思われる。誤報を出した関係者は吊し上げておけ!
そして、「見送り」前提で記事を書いてしまった点に関しては、この場を借りてお詫び申し上げたい。
コメント
こんにちは。
>石破政権はバカなの?
何を今更(笑)
というか、馬鹿ならまだマシで、限りなく「無能な働き者」に近い「悪いオタク」で、ある程度頭は回るけど、自分の意見以外は絶対に認めない、論破されても曲げることが出来ない、そういう人物だと思ってます。
こんにちは。
何も出来ない首相なら、責めて口を出すのも止めて欲しいと思いますよ。
今日は。
石破首相は単なる定見のない軍事オタクに過ぎず、防衛装備の国産反対論の清谷某とも親しいそうです。F-2の生産中止を命じたのも記憶に新しいところです。とにかく、早く退陣させて、まともな人材に後を継いでもらわなければ、取り返しの利かないほど国益を毀損しそうです。国民民主も単発では良いことをいうのですが、獣医学部の件もあり、所詮、民主党の流れであり、いまひとつ、信用できないところがあると思っています。榛葉幹事長は面白い人ですが。
怒涛の更新はなによりですが、無理はなさらずに息長く続けていただきたいと思います。ご自愛ください。
こんばんは。
石破氏の愚行には困ったものですが、周りを固めている人物がまた酷い。
それでも選対委員長に木原誠二氏を招聘したとのことですから、もはや岸田氏の力を借りねば政権運営も怪しいという判断かもしれません。
これは、岸田文雄氏の再登板という可能性も結構出てきましたねぇ。
国民民主党は、確かに信用できるか怪しい部分があるのは事実です。
が、キーマンの榛葉氏が支えている以上は、ある程度信用してもいいかな?という気はしています。
ご心配いただき感謝。
ご紹介のサイバー防衛は
民間だと 例えば超大規模DDNS攻撃に対しての場合
Akamai 等 の「CDN 」メジャーと協業或いは依頼する通信ブロックが非常に効果的で大企業などでは多用される訳ですが
まさか現在は日本の官公庁はCDNと協力してない?
或いは現在 対CDN費用は機密費から捻り出してるが今後、裏金ガーガーで使えなくなりそう?
なら、オモテ金で使えるための法制化はそれこそ急務ですね
あ akamai社とかCDNについて、
詳しくはググって欲しいですが簡単に
2024年現在、世界のインターネットの閲覧要求に対してネット通信容量は全然足りなくて
その代わり世界各地の中継データセンターのキャシュデータを私たちは見ていることも多数
言いかえると、私たちは米国のサイトにアクセスしてるつもりが、実体は千葉やシンガポールのデータセンターにアクセスしてた
てのが恐らく半分~90%以上?
こういう仕組みをCDN、有名な大手CDN運営のひとつがakamaiです。
以上の理由でCDNのデータセンターはサイバー防衛の最前線となり得るわけです
今回の話、CDNとの協力という手段の話ではなく、法整備の話なんですよ。
ネットワーク遮断や通信ブロックは回線が特定できていれば有効なんですが、CDNを利用した形の攻撃形態もあるので、先ずは攻撃先を特定するのが困難というケースも少なからずあります。それ故に常態監視が必要であり、予めある程度怪しいところを特定しておかねばなりません。そして、事態発生時に素早くその怪しいところに当たりをつけて、必要であれば攻撃するといった手法が考えられます。
ですが、法整備がなされていないので、この「常態監視」と「攻撃」というのがなかなかネックなんですよね。そういうお話であります。
先ず…次回からハンドルを「山童」します。
例年ですが、河太郎(河童)は寒くなると頭と背の皿と甲羅を外し、毛皮を着て山に戻り山童となりますので。
さっき、コメ途中で中座して戻ると画面に霧がかかり✖を押して消すとコメも消えた。
何度か起きてるのですが、よもや木霊様の評論原論活動を妨害する者が……
と、ここまで枕。
石破バカでねの? それでもミリタリーオタクなのかね??
いまサイバー戦は「通常兵器」と化していて、先日かな農園にバイト来る子が、
「電撃大賞の応募要項(今年からカクヨミ経由の応募可能つまり七面鳥様も応募できる)を見たいけど、サイバー攻撃で見れないゆですよね」ちう。KADOKAWAがサイバー攻撃を受けているのは知ってたけれど、
気になってググると、同じKADOKAWA系の
MFJ文庫の応募要項もサイバー攻撃され、
要項は「以下からPDFをダウンロードして確かめてね」になっていました!
まぁそういうご時世なわけですよ!
んで、都市伝説の類いな気はしますが……
過日、作動するサーバーの電磁波か何かを調べて、スタンドアローンのサーバーの中を覗く技術が発明された云々。
これ事実なら結構に衝撃的で、先の話にゃなるけれど、覗き見れるならば「干渉」も可能になるでせう。つまりスタンドアローンである核施設や核ミサイルに仕掛ける事ができるようになるって話です。
んで、都市伝説とは想うけれど、近未来に可能になるのでは?とは思っています。
そういうご時世なんですよ今は。
不正アクセスを起きる前に阻止する。そんなのは手ぬるくて、こっちからヤバそうな組織や国家のサーバーに攻撃してやるべきなんですよ。この手の話に反対するのって、
ミサイルの敵基地への攻撃反撃を反対するのと同じで、事なかれ主義の最たるもので、それは事実上の防御すら無効にするものです。石破は軍事オタクとか抜かしていた割には、頭は脳内御花畑で平和の舞いを踊ってる連中と変わらんのね!
とっとと退陣しろ!!
それはともかく、木霊様、大丈夫すかね。
ムリなさらないようにね。
一体何が起こったのやら。流石に、こんな場末のブログにまで攻撃を仕掛けてくるほど、暇な人物はいませんよ。
さておき、石破氏。
実は現状でもサイバー攻撃が問題になっているのを知らないんでしょうね。
https://www.nagoyatv.com/news/?id=026973
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB0767N0X01C24A0000000/
https://www.asahi.com/articles/ASSB62443SB6ULBH002M.html
石破氏のアンテナ感度は低すぎ、周りの状況すら把握できていないというのは、なかなか致命的だと思います。さっさと辞任すべきですね。
そして、心配頂き感謝です。現状は大丈夫ですよ。
>「電撃大賞の応募要項(今年からカクヨミ経由の応募可能つまり七面鳥様も応募できる)
応募しても、PVが一桁の当方では……(;_;)
んな事無い!
GA文庫の「魔物の肉食ってたら王になった」云々のラノベも、
ヒットした「誰が勇者を殺したか」も、そもそもPVが0〜一桁で、まったく無視されていたものが、応募する事により脚光を浴びて正当な評価を受けた作品です。
WEBから書籍へ…という流れは今は動画のもので、WEBで評価されなかった作品が「公募」から再評価を受けるケースが目立ってます!
オレは貴兄の小説は面白いと想うす!
ありがとうございます!
※木霊様のコメント欄でのやりとりを許されているその心の広さにも感謝を!
木霊様いつもすみません。
感謝してます。