まともな国家のやることじゃないな。
中国軍 “台湾周辺海域で軍事演習を開始する”と発表
2024年10月14日 8時33分
中国軍は日本時間の14日午前6時、台湾周辺の海域で大規模な軍事演習を開始すると発表しました。今回の演習について、中国軍は「台湾の『独立勢力』が『独立』を企てる行為に対する強い警告だ」などとしています。
NHKニュースより
支那は国家と言うよりは、支那共産党支配地域という状態なので、国家扱いしてはいけないのかも知れないが。
日本のシーレーンに対する重大な侵害
切っ掛けは総統の発言?
このような軍事演習を計画した理由は、どうやら台湾総統の演説が気に入らなかったかららしい。
また、発表によりますと、軍事演習には陸海空軍とロケット軍などが参加し、合同作戦の実行能力を検証するということで、主要な港などの封鎖や海上や地上の標的を攻撃するための訓練などを行うとしています。
台湾の頼清徳総統は今月10日、台湾が「建国記念日」と位置づける「双十節」の式典の演説で「中華人民共和国は台湾を代表する権利はない。国家の主権を堅持し、侵犯や併合を許さない」などと述べ、これに対し、台湾統一を目指す中国は強く反発していました。
NHKニュース「中国軍 “台湾周辺海域で軍事演習を開始する”と発表」より
……何がダメなんだ?
ええと、10月10日の記事も引用しておこう。
台湾 頼総統「中華人民共和国は台湾を代表する権利ない」
2024年10月10日 19時10分
台湾の頼清徳総統は「建国記念日」と位置づける「双十節」の式典で演説し、「中華人民共和国は台湾を代表する権利はない。国家の主権を堅持し、侵犯や併合を許さない」と述べて中国をけん制する一方、対等の立場での対話や交流を求めていく姿勢を示しました。
台湾の頼清徳総統は10日「建国記念日」と位置づける「双十節」の式典に就任後初めて臨み、演説しました。
この中で頼総統は「中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しない」と述べ、台湾と中国は別だという考えを改めて示したうえで「中華人民共和国は台湾を代表する権利はない。私の使命は国家の主権を堅持し、侵犯や併合を許さないことだ」などとして、台湾統一を目指す中国の圧力に対抗していく姿勢を強調しました。
そして「台湾海峡の平和と安定の現状を維持する努力に変わりはない」と訴えるとともに、中国に対し引き続き対等の立場での対話や交流を求めていく姿勢を示しました。
NHKニュースより
そもそも台湾には、独立した主権が存在する状態なので、今さら「独立する」なんて必要はない。
それ故に、支那共産党に台湾を代表する権利は今までもこれからも存在しない。それは確認するまでもない話だ。現実がそうなのだから。
ワン チャイナ ポリシー
そもそも、支那の主張する「1つの支那」という発想は、1949年10月1日の建国時に唱えられたものであり、国連で「代表権問題」を提起して否決された話である。
その後、1971年10月25日に採決されたアルバニア決議で、中華民国は国連常任理事国の座を失い、中華人民共和国(このブログでは支那)が常任理事国と見做されることとなった。この時点で、中華民国としては国連を脱退している。
支那の認識としては、この時点を以て「1つの支那」が国際的に認められたということになったようなのだが。
それ故に、頼清徳氏の演説は支那にとってはいたく気に入らなかった模様。
台湾の頼清徳総統の演説について、中国外務省の毛寧報道官は10日の記者会見で「台湾は中国領土の不可分の一部であり、中華人民共和国は全中国を代表する唯一の合法的な政府だ。頼清徳当局が何を言おうと、何をしようと、中国が最終的に統一されるという歴史の流れは止めることはできない」と述べて強く反発しました。
その上で「台湾はこれまで1度も国であったことはなく、今後も決して国になることはない。根本的に『主権』などというものは存在しない」と述べました。
NHKニュース「台湾 頼総統「中華人民共和国は台湾を代表する権利ない」」より
なかなか傲慢な主張ではあるが、支那にとってかつては台湾は「化外の地」であり、統治権が及んでいない時代があった。
そして、台湾のオランダ統治時代(1624年~1662年)が始まり、「抗清復明」の旗印を掲げた鄭成功の活躍によってオランダの勢力を台湾から追い出す事に成功する。台湾では鄭成功を開発始祖として讃えているようだね。
そして、鄭成功の息子による鄭氏政権統治時代が始まる(1662年~1683年)。
澎湖海戦(1683年)によって鄭氏が清国の勢力に破れたことで、清国による統治が始まるのだが……。
大陸が台湾に関与するようになったのは、「反清復明」を図る鄭成功が台湾を支配するオランダに挑んでここを橋頭堡とした1661年以降のことである。鄭氏台湾は一族の内紛と清国からの軍事的圧力によって1683年に崩壊し、この地は翌1684年より福建省台湾府となって、歴史上初めて大陸の版図に正式に組み込まれた。
日本総研より
清国政府も、属国扱いで台湾の経営を行っていた。だが、積極的に領有する気はなかったようで、日清戦争(1894年:明治27年7月25日~1895年:明治28年4月17日)の結果、台湾は日本に割譲されている。
そして、日本が敗戦の日(1945年:昭和20年8月15日)を迎え降伏文書調印(同年9月2日)することで、台湾の地は中華民国に返還された。
歴史的に見ても、どう考えても独立勢力が台湾を統治していた時代があったことは確実なんだが。
演習はいつまで?
さて、そうは言っても支那としてはメンツを掛けて演習を開始すると宣言したのだが……、今回の演習は終わりの時期が発表されていない。
中国、台湾周辺で新たな軍事演習開始 終了日に言及せず
2024年10月14日午前 8:50
中国軍は14日、台湾周辺で新たな軍事演習を開始した。「台湾独立勢力の分離主義的行為」に対する警告だとし、終了時期について言及していない。
台湾の頼清徳総統は10日、建国記念日に相当する双十節の演説で、中国には台湾を代表する権利はないと表明。中国と協力する姿勢も示したものの、中国は反発しており、さらなる軍事演習が警戒されていた。
中国人民解放軍東部戦区司令部は午前5時の声明で、軍事演習「連合利剣―2024B」が台湾海峡と台湾の北、南、東の地域で行われていると発表。
「この訓練は台湾独立勢力の分離主義的行為に対する厳重な警告でもある。国家の主権と結束を守るための合法的かつ必要な作戦だ」とした。
台湾国防部(国防省)は「不合理で挑発的な行為」だとして強く非難し、台湾の部隊を派遣したことを明らかにした。
ロイターより
これ、結構厄介な話で。

日本のシーレーンに台湾海峡は含まれないのだけれど、台湾周辺で大規模演習などやられると、民間船の通航に多大な影響を与える。
もちろん、現時点で直ちに問題になると言うほどのことではないのかも知れないが、日本のシーレーンは、台湾とフィリピンの間にあるバシー海峡から太平洋、つまり台湾南部や東部を通過していることから、全く影響がないとも言えない。
日本政府はこの点について、しっかりと支那に「影響がない」ことを確約させるべきだろう。
追記
台湾は、対応が早かったね。
【速報】台湾の頼清徳総統は中国軍の演習を受け「国家の安全を守る自信と能力がある」と表明した
2024年10月14日13時57分配信
台湾の頼清徳総統は中国軍の演習を受け「国家の安全を守る自信と能力がある」と表明した。
時事通信より
弱気の発言などしたところで、支那に対応するための対策としては下策もいいところ。徹底的に抵抗していくスタンスを見せるしかないので、この対応は間違っていないと思う。
……思うのだが、言った以上は実力行使が必要なわけで。
追記2
おおっと、バシー海峡に。
中国の空母がバシー海峡周辺海域に進入 西太平洋で活動か=国防部発表/台湾
2024/10/13 17:54
国防部(国防省)は13日、中国の空母「遼寧」の編隊が同日、バシー海峡周辺の海域に入ったと発表し、西太平洋に進入して活動を行う可能性があるとの見方を示した。同部は、国軍が統合監視手段を用いて動向を厳密に把握し、適切に警戒、対処したと強調した。
フォーカス台湾より
これ、日本のシーレーンに無関係とは言えなくなってくる展開もあるのでは。
追記3
コレはちょっと説得力のある話。
米軍の複合危機への対応力試した 中国演習巡り台湾識者
2024年10月14日 18:11
中国軍の動向を研究する台湾・淡江大学の林穎佑助理教授は中国の軍事演習について、日本経済新聞の取材に「朝鮮半島でも軍事的緊張が高まっており、中国軍は米軍の複合危機への対応力を試した」との見方を示した。
林氏はこのタイミングの演習開始について、北朝鮮が13日に射撃準備態勢をとると表明したことと関係があると分析した。
日本経済新聞より
北朝鮮の動きと支那の台湾に対応する動き、リンクしていたと考えるとなんとなく整合性がとれる気はする。
そこまで支那が戦略的に考えているかどうかは分からないが、アメリカ大統領選挙を控えた今、対応力を求められていると考えるのは分かり易い。
ただ、今、ベンチマークしているとすると、実行は何時になるのかな?という疑問は出てくる。アメリカ大統領選挙があって、日本の選挙がある。事実上、日本もアメリカも動きにくいタイミングで仕掛けない理由があるだろうか。支那が今行動を起こすとすれば、今は日本にとってもかなり危ういタイミングだと思うんだけどね。
追記4
おいおい、もう終わったよ!
【速報】中国軍は、台湾周辺での大規模演習が終了したと発表した
2024年10月14日19時10分配信
中国軍は、台湾周辺での大規模演習が終了したと発表した。
時事通信より
何だったんですかねぇ!
始まりも唐突なら、終わりも唐突だったよ。
コメント
こんにちは。
>始まりも唐突なら、終わりも唐突だったよ。
「チャーハン作るアル!」
「材料も燃料も無いアル!」
こんな感じですかね?
一応、上の方のヒステリーに軍が対応だけしてみた、って感じですね。
こんにちは。
これに関しては「ヒステリー」とするにはちょっと無理があるね、というような記事を書きました。
演説から演習実施までの時間が、演習規模に見合わない感じなので、演習実施を見据えて準備をしていたのだろうと推測しています。正しいかどうかは、そのうち分かるでしょう。