これ、そもそも議論が必要なの?という疑問はあるんだけど、小泉進次郎氏が寝言を言い始めたのでちょっと触れておくことにする。寝言は寝ていえよ。
小泉進次郎氏「1年でやる」 三つの改革を明言 総裁選出馬表明
2024/9/6 12:21(最終更新 9/6 13:46)
自民党の小泉進次郎元環境相(43)は6日、党総裁選(12日告示、27日投開票)への出馬表明記者会見で、国会議員に月額100万円支給される「調査研究広報滞在費」(旧文書通信交通滞在費)の使途公開や選択的夫婦別姓の導入など三つの改革について「1年以内に実現する」と明言した。
毎日新聞より
「旧文通費の使途公開と残金」とか「雇用規制の見直し」「ライドシェアの全面解禁」「選択的夫婦別姓の導入」「年収の壁の撤廃」「労働時間規制の見直し」とか、今やるべき課題なのか?ということが山盛りな小泉進次郎氏だが、もっと大切なことはないの?
急ぐ必要のない改革だけを掲げる小泉進次郎氏
ポケモンかっ!
小泉進次郎氏の発言について色々センテンスはあるんだけれども、大雑把に見て菅義偉氏の路線継承ということなんだろうと思う。
菅義偉前首相、小泉進次郎氏を支援へ 自民党総裁選
2024/8/22 21:00(最終更新 8/23 07:06
自民党の菅義偉前首相は党総裁選(9月12日告示、27日投開票)で、小泉進次郎元環境相(43)を支援する意向を固めた。複数の自民関係者が22日、明らかにした。菅氏は岸田文雄政権と距離を置く非主流派に影響力があり、複数の「ポスト岸田」が菅氏に秋波を送っていた。「小泉・菅体制」が固まったことで、総裁選の構図に影響を与えそうだ。
関係者によると菅氏は22日、「進次郎に決めたから、よろしく頼む」と周囲に電話で伝えた。周辺議員に対しても、小泉氏支持で連携するよう指示した。
毎日新聞より
「進次郎、キミに決めた!」「いけ、進次郎」ってな感じだな。
個人的に菅義偉氏は評価の高い政治家ではあるんだけど、推進した政策の内容が良かったか?というと微妙なものも多い。
その菅義偉氏がやり残した、微妙な方の政策を、小泉進次郎氏は力強く推進する積もりのように見える。そうじゃないと良いんだけど、そこを論点にしちゃうのかぁという残念な気持ちで一杯である。
プロパガンダ放送に流される
で、今回はその中の夫婦別氏の話をしておきたいんだけど、先ず大前提として、「今それやる必要あるの?」という感想はある。
そうそう、このブログでは夫婦別氏という書き方をしているのだが、報道などで用いられる夫婦別姓と同じ意味だと理解して欲しい。「姓」と「氏」は厳密には違って、法律的には「氏」が正しいからね。
「選択的夫婦別姓」賛成が62% 反対は27%に NHK世論調査
2024年5月1日 5時41分
結婚したときに夫婦で別の名字を選べる「選択的夫婦別姓」についてNHKの憲法に関する世論調査で聞いたところ、「賛成」が62%、「反対」が27%でした。
NHKは先月(4月)5日から7日にかけて、全国の18歳以上を対象にコンピューターで無作為に発生させた固定電話と携帯電話の番号に電話をかける「RDD」という方法で3129人を対象に調査を行い、49%にあたる1534人から回答を得ました。
NHKニュースより
そりゃ、世論はそのように誘導されているし、NHKはその方向で絶賛推進中である。
『虎に翼』から今に繋がる社会問題 夫婦別姓、同性婚、ヤングケアラーを描いた意義
9/6(金) 6:01配信
NHK連続テレビ小説『虎に翼』の最終話まで、残すところ1カ月を切った。第23週は「原爆裁判」を本格的に描き、裁判官の寅子(伊藤沙莉)、そして弁護士のよね(土居志央梨)らは、それぞれ真摯に被爆者と向き合っている。
Yahooニュースより
連続テレビ小説という、茶番ドラマだが、割と視聴者が多いドラマでもあり、それなりに影響力がある。
そこで、コレをぶち込んできたNHKには殺意すら湧くのだが、キモチワルイ盛り上がり方をしている毎日新聞を始めとしたサヨクの方々の論調を見ると、素直に引くわ。

これさぁ、真面目に主張するなら憲法改正を訴えろよ。そうでないところが茶番なんだよね。
論点を整理する
夫婦同氏はいつからなのか
さて、では先ず概形的な話から整理していこう。
「夫婦同氏でなければならない」というのは、民法750条に根拠を求めることができる。
(夫婦の氏)
第七百五十条 夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。
e-Gov「民法」より
で、この民法が作られたのが明治31年(旧法)で、現行の民法が作られたのが昭和22年なので、明治時代からって話になる。
「日本は昔から夫婦同氏である」というのは、実は微妙に間違いなんだよね。
とはいえ、明治9年には夫婦別氏制を採用しようとしていたと説明されていて、しかし妻が夫の氏を称する習慣があったようだから、明治31年の民法(旧法)成立の時には、慣習的に行われていたことをルール化したに過ぎないことになる。
じゃあ、いつからの慣習なのか?というと、コレがハッキリしない。明治9年の法制化は、わざわざ夫婦別氏に使用と画策したのだけれども失敗した話である。
では、歴史的経緯はどうなんだ?というと、ヤマト時代に王族が日本国内で幅を効かせていた時代から、政治的に姓が下賜されることで、その一族の地位が向上するみたいなことがあって、大氏族集団が社会的ステータスを得るという時代が、平安時代まで続いたようだ。
この時代はどうやら夫婦別姓であったようだね。
この傾向は鎌倉時代まで続いていくようで、そういえば源頼朝の妻は北条政子だったなぁ。あとは、足利尊氏の正室は赤橋登子、足利義政の正室は藤原富子(日野富子)とか、鎌倉時代の人物は別氏が基本だった様子が伺える。
ところが、鎌倉時代に入って家業などを継承する「家」という概念が登場し始めてから、家名が苗字として代々承継されるようになったのだとか。この頃から夫婦同苗字となる(夫婦別氏ではあったようだ)。
で、だんだん「苗字」と「氏」と「姓」の扱いが曖昧になって、江戸時代に入ると夫婦別氏が武家の一般常識的な話になりつつ、「家」を説明するために同氏を遣うケースもままあったようだ。
ただ、武家はともかくとして商家や農家は「苗字の公称が許されている武家」以外で「屋号・家号」というものを使う事例がそれなりにあって、越後屋とか加賀屋とか、それなりに名の通った屋号を名字として使用する事例があり、そういうところでは明治以降も名字として使うことも多かった模様。
戦国時代とか、名称がコロコロ変わった時代もあったので、
つまり、「夫婦の氏」という概念が生まれる前から、所属を示す意味で同氏(家号)を使う風習があったってことだね。
まとめると、「日本は昔から夫婦同氏である」は「日本の伝統という意味では間違い」なんだ。ただ、法制化して100年以上制度を継続していたという歴史もあるので、簡単に変えるというのも違う。
民法を作る上で、「家族法(民法725条以降)」は歴史的経緯や慣習を引き継ぐことが多い。それは社会的混乱を防ぐ意味でも必要なことだからだ。家族法は、国民にとって身近であるが故に、ここに手を入れる時は慎重に行うべきなのである。
別氏にするメリット
というわけで、日本の歴史的経緯を踏まえると、性急に別氏制度を導入する必要性は感じない。そりゃ、世界的に見ると、法制度として夫婦同氏を決めているところは日本だけなんだろうけれど、「外国は違うんです」とか言われても、「だから何」としか。

池田信夫氏みたいに「日本の伝統は夫婦別氏」だというのもまたおかしな話だとは思うし、民法を作るときに欧米の「ファミリーネーム」を参考にして制度化したという話も、いきなり同氏制度にしたというのには前述した経緯を踏まえると違和感が残る。
例えば、慣習的に同氏にしていなかった時代に、突然、同氏制度を採用します!とかいうと、社会的に混乱してしまうはずなのだが、そういった話も特に残ってはいない。
逆に、明治31年以降日本では100年以上夫婦同氏を維持してきたのだから、唐突に「別氏にしろ」というのもまたおかしいのである。
実際に、夫婦別氏の話をする人の多くは、「選択的」にしろという風な主張をされる方は多い。
今の法律では結婚した夫婦は同じ名字を名乗ることになっています。これに関して、別の名字を選べる「選択的夫婦別姓」について尋ねたところ、「賛成」が62%、「反対」が27%でした。
年代別でみると、60代以下の年代はいずれも「賛成」が70%台で「反対」を大きく上回ったのに対し、70歳以上は「賛成」が48%、「反対」が40%となり、傾向が分かれました。
NHKニュースより
だから、「選べるなら良いんじゃないの」という話をする人は比較的多いのである。
選択の幅が広がるのは「メリット」といえるのではないだろうか。
デメリットは何だろう
では、デメリットは何か?といえば、これはまず上に書いて来たように社会的な混乱である。100年以上夫婦同氏の制度を維持してきたのに、例外が出てくるのだから、それをどう処理すべきか?と社会に混乱を来す可能性はある。
あるんだけど、それは一気に別氏を選ぶ人が増えた場合なんだよね。
じゃあ、同氏を選ぶ人が多くて、ごく一部の例外という状態になるのか?というと、僕はそうではない可能性もあると思っている。多分、部分的夫婦別氏制度が法制化されると、メディアが「コレからの時代は別氏がスタンダードだ」「外国はそうなっている」と大騒ぎして、別氏を選ぶ夫婦が激増する結果になると思う。
これが社会的混乱に繋がる可能性は高い。
部分的に、女性が旧姓を名乗ることを否定する積もりはないし、会社でも旧姓を呼ぶことは多い。社会的に認知された名前を継続的に使うという話に、違和感はない。
だが、この点に関しては旧姓通称可というところでクリアできる。性急な変化は、どのようなものであっても混乱を引き起こしやすい。先ずは、旧姓通称使用の制度をもう少し広めて使っていく方向で良いのではないだろうか。
実は、調査の結果、夫婦別姓に反対する人もそれなりにいるんだよね。
「選択的夫婦別姓」賛成が62% 反対は27%に NHK世論調査
2024年5月1日 5時41分
結婚したときに夫婦で別の名字を選べる「選択的夫婦別姓」についてNHKの憲法に関する世論調査で聞いたところ、「賛成」が62%、「反対」が27%でした。
NHKより
「選べるんなら良いんじゃないの」という人は結構いて、「選択的」であれば、賛成は62%と。いろいろな調査はあるんだけど、概ね6割位は賛成の方がいる。

ところが、この調査の対象者は殆んど女性だと思われるが、「旧姓使用を続けたいと思ったことはない」が55.8%もいるんだよね。
つまり、結構な割合で「別姓」は他人事なのである。
子供の氏はどうするのか
もう1つ、子供の氏をどうするのか?ということで揉める可能性が高い方が問題だと思われる。実はこの点は明確な答えを出せていない。
「選べるようにしたら良いんじゃないの」という意見はあるんだけど、誰が選ぶの?という点でかなり問題があると思う。
実は支那は夫婦別姓がスタンダートだったのだけれど、近年例外が出るようになった。昔は一人っ子だったから問題なかったんだけどね。
夫婦別姓、子どもは父親の姓を名乗ることが多い中国で、今起きている「想定外」の現象
2021/6/23(水) 18:01
6月23日、「夫婦別姓」を認めない民法と戸籍法の規定が、憲法に違反するかどうかについて争われた日本の特別抗告審で、最高裁大法廷が両規定を「合憲」とする決定を下しました。日本では「夫婦別姓」を認めないという判断です。
~~略~~
ところが、ここで新たな問題も生じてきました。母親の姓を名乗るというケースがまだ一般的ではないため、たとえば「同じ父母から生まれたきょうだいなのに、父親が違うのではないかと勘違いされて、学校でいじめられる」、「1人目が女の子で父親の姓を名乗ったが、2人目に男の子が生まれたので、母親の姓にしようとした。すると、父親側の親族一同から猛反対に遭ってしまい、大問題となった」、「母親が離婚し、再婚後に2人目が生まれたのだろうと、勝手に誤解されてしまう」「きょうだいや家族の連帯感が生まれにくい」といった問題です。
そのため、やはり基本的には、子どもは父親の姓を名乗ることがまだ多いのですが、中には苦肉の策として、こんなケースもあります。
それは、子どもが父母双方の姓をダブルで名乗るダブル姓、というものです。
Yahooニュースより
法律的に父親の方の氏を名乗るというルールになるとは思えないので、日本で主おそらく「どちらかを選ぶ」ということになるんだけど、支那で既に起こっているように、兄弟で氏が違うと混乱を生じるのだ。
これは「良い」とか「悪い」の話ではなく、混乱を生じるかどうかの問題で、今までの慣習が変化するのだから、間違いなく混乱を生じるだろうと思われる。子供に選ばせたら良いという話もあるんだけど、何が良いか僕には理解できない。子供に選択を強要することは、子供にとって幸せなのかね?
そして、日本特有の問題として、戸籍法の改正を必要とし、戸籍に両方の氏を記載する必要がでてくるんだけど、役所的にもかなり混乱しそうだね。何が混乱するかというと、子供の氏に関して「途中で変更が可能」とかにすると、そのたびに手続きが必要とかいう話になるからね。
かといって、ダブル姓とか氏と姓を使えるとかいう話にしても困るだろう。
そうすると、「じゃあもう、戸籍制度をなくしてしまおう」日本だけが維持している制度は無駄だとかいう話にもなるんだろうね。
この辺りの議論は余り見ないんだけど、導入すれば当然問題にはなるんだろうね。
伝統とかそういう話よりも、慣習に変化を促す時には文化に大きな影響を与える可能性が高いんだけど、そこをどうするのか?という話は誰もしないんだよね。
子供たちからは不評?
なお、NHKのアンケートでこんなものがある。中・高生にアンケートを取った結果がコレ。夫婦別姓には違和感があるみたいだね。
第51問あなたは、将来、結婚したとしたら、名字をどのようにしたいと思いますか?

この結果、母数は大きくないようなので、何処まで信用すべきかということには注意が必要なんだけど、こういう意見もあるってことだ。子供たちにとって自分の苗字なんて、特に拘りがないのかと思いきや、意外な結果である。

一応、法務省でもその辺り心配はしているようで、調査はしているようなんだけど、大人にしか聞いていないんだよね。大人の都合で氏が変わるって、子供にとって幸せかを考えるべきだと思うんだ。
パスポートに関する不都合
あと、この件では時々、パスポートの話をされる方がいる。

当事者にとって真面目な悩みなんだろうけれど、これ、ペンネームとか芸名がパスポートに使えないという話と何が違うのか良くわからない。括弧書き?
一応、外務省も色々苦労しているようだが、こういった需要が何処まであるのかは謎だ。
括弧書き対応はしたけど、外国では通用しない可能性がありますよと。
渡航先国での入国審査では、旅券のICチップ及びMRZに記録されている氏名、査証(ビザ)(米国のESTA等を含む)に記載された氏名、航空券に記載された氏名が照合され得ます。そのような場面等で渡航先国の出入国管理当局等から説明を求められる場合には、旅券の所持人御自身から旅券に併記された呼称について御説明いただく必要が生じますところ、都道府県の旅券申請窓口及び在外公館で配付しているリーフレット、または以下にあります英語版資料を御活用ください。
外務省のサイトより
ICチップには情報が書き込まれないから、トラブルになる可能性があるって。
パスポートの利用回数が少ない僕にとって、この話はピンとこない。で、妻に聞いたら「面倒だけど、全部変えたから」と返答が。人それぞれ考え方が違うので、まあ、一つの意見ではあるんだけど。何でもかんでも外国に合わせる必要が、何処にあるのか僕には良くわからない。
そういえば、日本だけのルールというのでこんなのがあったね。
ローマ字表記「姓→名」、来年1月スタート 国の公文書
2019年10月25日 13時17分
政府は25日、日本人の名前をローマ字で書く際、来年1月から国の公文書では「姓→名」の順にすると決めた。萩生田光一文部科学相が閣議後の記者会見で明らかにした。地方自治体や民間にも「配慮を要請」するとしている。来年の東京五輪・パラリンピックを前に、姓→名表記を定着させたい思惑がある。
~~略~~
公用文では、国際機関で指定された様式があるなど特段の慣行がある場合を除き、姓→名で表記する。姓と名を明確に区別させるため「YAMADA Haruo」のように姓をすべて大文字にする。
朝日新聞より
「姓(苗字)」「名」「ミドルネーム」の順番で入力してください
氏名入力欄は、「姓(苗字)」「名」「ミドルネーム」の順番です。
パスポートにミドルネームの記載がある場合は、ミドルネーム欄に入力してください。
JALのサイトより
支那や韓国・北朝鮮などは、姓→名の順番で英語圏での名前表記になっている。日本もそうしようと言い出したのは河野太郎氏だが、実際に公文書における書き方は変更されている。
何が言いたいかというと、日本のルールは日本のルールとして押し通せば良いわけで。別姓が良いという人もいるとは思うけれど……、ルールに従えばイイのでは?
研究者の中では、論文に記述する名前が変わるから困るという人もいるけれども、なんというかそれも都度説明すれば良いわけで。もちろん、不便を感じられる方もいるとは思うけれど、その多くはレアケースだと思うんだよね。
高市早苗氏「家族一体とした氏は残したい」、選択的夫婦別姓に反対 通称使用に法的根拠を
2024/7/24 12:36
高市早苗経済安全保障担当相は23日配信のインターネット番組「虎ノ門ニュース」で、選択的夫婦別姓の導入に改めて反対の立場を示した。「戸籍上のファミリーネーム、家族一体とした氏は残したいと思っている」と強調した。選択的夫婦別姓を巡っては経団連が6月に早期実現を求める提言を公表したほか、共産党の田村智子委員長らが同月の党首討論で岸田文雄首相に導入を働きかけるなど導入の是非が議論になっている。
高市氏は、旧姓が使えないことで生じる社会生活上の不便の解消については、自身が総務相時代に所管する制度を変えたとして「住民票やマイナンバーカードに通称使用届けを出したら、婚姻前の氏も併記されるようになっている。総務省に関わる法令を全部チェックして、あらゆる届け出、資格、制度、『旧氏の併記でOK』と1142の手続きを全部変えた」と述べ、「全部の役所が同じことをやってくれたら」と語った。
産経新聞より
総裁候補の一人、高市氏は別氏制度反対の立場を示しており、既に通称使用届けの制度を整備している。対外国に関する話ではないが、国内であればこのルールに基づけば問題ないという事になっている。
多くの人に影響ある制度変更
というわけで、話を総括する。
- 夫婦同氏制度は、日本が100年以上維持してきた制度であり、「古くからの伝統」ではないが「家族法」という大きな影響を持つ制度である。
- 必要な方は通称使用届けの制度を使えば、国に関する手続きにおいて旧姓の使用が可能である。
- 子供のいない家庭にとっては、同氏だろうが別氏だろうがさほど問題は生じない。
- 子供たちの「氏」は誰がどのタイミングで決めるか、方向性も決まっていない。現状では、大枠で後から変更できるように法整備するという方向だけが決まっている。
- 選択的夫婦別姓導入で社会的混乱が生じるリスクがある
ふむ、ざっと眺めていくと然程、夫婦同氏制度を維持する理由はない。が、別氏を採用する理由も、積極的にはなさそうである。確かに旧姓使用したい人はいるんだけど、その割合は多くはないというのが現状である。
個人的には選択的夫婦別氏の制度導入に反対ではないんだけど、戸籍法の関係とか明らかになっていない部分は結構気になる。戸籍の安定性・信頼性を毀損するような話になるようでは反対するよりない。別氏になったからって、家族の絆が失われたりはしないのだろうけれど……。
メディアを見ると何か感傷的な意見が色々あって、「アイデンティティの消失」とか色々騒いでいる方もいる。反対派の意見をメディアでまず見ないというのも結構怖いんだよね。少数意見を大切にしたいというのはわかるが、ソレを決める前に、どんな影響が出るのかということは今一度見直してはどうかね。
家族法に関わる話である。「1年で目処をつけたい」とか阿呆なことを言っていらっしゃる候補者もいるが、急ぐことなのか?他に山程優先課題があるんじゃないの?というか、総裁選での争点がそれ?
そういう意味では、小泉進次郎氏にはガッカリだよ。
追記
小泉氏、メディアに媚びた戦略が裏目に出るかな。
結局のところ、戸籍制度が邪魔な人達はいるんでしょうな。


日本の「文化」を壊していくのが活動目標という方々はそれなりに存在するようだが、メディアがそれを主導している節があるんだよね。そういう「空気」で大きな話を変革するのが正しいのかどうか。合理性で言えば、「マイナンバーで管理すれば戸籍制度なんて不要だ!」ということになるのかも知れないけれど。
追記2
そうそう、選択的夫婦別氏の話とはちょっと違う話なんだけど、こういう問題もあるので紹介しておきたい。
再婚すると苗字はどうなる?
婚氏続称したら2度目の離婚後は旧姓に戻せない?
離婚後に夫の苗字を使い続けていた方は、その後再婚して離婚しても、旧姓に戻すことはできないため注意してください。
離婚弁護士アトムのサイトより
色々なご事情があって、何度も離婚される方もいらっしゃるようだが、こういう問題はあるらしい。

結婚と離婚を繰り返すと、合法的に「氏」のロンダリングが可能になるみたいなんだけど、離婚後も離婚前の氏を使い続ける選択ができるって法制度になっていて、その状態で再婚すると最初の「氏」を選択できないというルールになっているようだ。つまり、選択できるのは、継続か1つ前の氏にするかの何れかということらしいね。
離婚しても子どもの苗字はそのまま
離婚した母親が氏を旧姓に戻す場合に、母親が親権者となっても、子どもがただちに母親の苗字に変わることはありません。
離婚時、子どもは苗字を変えなかった方の親(多くの場合父親)の戸籍に残り、苗字も変わりません。
離婚弁護士アトムのサイトより
で、子供の氏はどうなるのか?という話なんだけど、離婚後も子供の氏は変わらないのが基本ルールになっていて、母親に親権が移った場合で、子の氏を変えたい場合には家庭裁判所に子の氏の変更許可申立を行う必要があるそうな。
選択的夫婦別氏が採用されると、この辺りのルールにも手を入れなければならなくなるかもしれない。いや、基本的には変わらないのかな?
戸籍にある名前が、親子関係があって別氏を許容している場合、記載事項を増やすだけで済むのか、そうではないのか。何か、色々なパターンができそうな気がするんだけれど。
コメント
別に急ぐ必要はないですね。
中国なんざ古代から夫婦別姓です。近代国家の歴史がないあの国でですよ。
てことは、政治システムとは関係ない問題なわけで、必要なのはその国の文化や実情にそぐわせるか否かが重要。別に否定はしないが、歪みを生じさせてまで急ぐような話ではないでせう。
もうちょっと、マシな公約を掲げて闘って欲しい、と、それだけなんですけどね。
う〜ん……再読しましたが、頭の悪い河太郎にはカオス。
両親の両姓を名乗ったら、孫の代では4つ氏になるの?? すると名乗る氏が2の2乗倍で増えてくる。そのうち
寿限無寿限無…みたくなる?
一昔前の韓国みたく姓が同じであると結婚できない…みたいな氏と血統への拘りほどではないすけど。
明らかに混乱しますよね?
それこそスマホに自分の血統について
「家系図」を入れて、
「ほら彼とは兄弟なんです!」とか
他人に見せるとか(笑)
「君とは姓が違うけど3代前には兄弟だった…」とか。
まるで昔の韓国やね。みんなスマホに系図を入れて証明書代わりにしましたとさ。まさにデジタル中世(笑)
いちいち親族かどうかを確認する為に
は、各自が両親の家系図をデータベースに登録して、AI検索とか(笑)
別氏を選べば、色々混乱はしそうですね。
ただ、同氏制度の下でも、孫の代に氏が増えるのは避けられませんから、その辺りの心配は無用ですよ。
例えば、子供が二人、その子供に子供が二人ずつとして、子供が二人、孫が四人という計算になりますが、本人の名字を子供が継がないパターンだと孫の代では氏は最大4つになりますよね。
尤も、兄弟で氏が違うというケースだと、やっぱり家族であると言うことの説明はしにくいのだと思います。それは社会的慣習から「家の氏は統一されている」という固定観念があるからですから、そうでないケースに出会うと混乱のは避けられません。少数派が別氏であれば特に混乱しないのでしょうが、多くの仮定が別氏を選ぶことになると、やっぱり変革直後から年単位で混乱は生じるのだと思いますよ。そういう混乱は、本来起こる必要のない話ですから、長期間維持してきた制度で特に問題がない状況であれば、特に変革する必要はないのかなと思っています。結局のところ、配偶者だけの問題であると切り分けるのであれば、社会における通称使用というだけに留めた方が無難だと思います。
あと、宗教的な話にはなりますが、墓は困りますよね。
「○○家の墓」ってヤツは、全部、別の何かに置き換えないと、代を重ねる毎に混乱を極めることに。そりゃ、新しく墓を作れば良いんでしょうけれど、佐藤さんのお墓に鈴木さんが入るのはOKかもしれませんが、その子供は結婚して山田さんになったら、最早、無関係の墓石ですよ。そのうち、墓を建てるなんてこともなくなるかも知れませんが。
余談ですが。
アラブ人の名前を「ビン・ラディン」とか訳すマスコミの風習、止めて欲しいですね。
「ビン」は「~の息子」、「ビント」は「娘」だったかと。
なので、「ビン・ラディン」は「ラディンの息子」でしかない。
名前に家系が入る例として一番わかりやすい例ですが、逆にその程度も理解せずに世界情勢やら別姓問題やら語るマスゴミ、片腹痛いわ征露丸であります。
こんにちは。
>真面目に主張するなら憲法改正を訴えろ
まさにこれですよね。
大原則として、憲法を含む法律は、常に現状の変化に合せた修正は必要。
だから、別姓というのも考慮にはあたいする、けれども。
家父長制度もそうだけど、日本の戸籍制度を破壊したいのでしょうね。
少しズレるけど、女性議員を一定数とか、女性経営者を以下略とか、数字合せがしたいのかと。
実力でもぎ取れよと。女性蔑視がとか言うけど、ぐうの音も出ないような女傑を輩出してから言えと。七面鳥はそう思ってます。
なので、「現状の制度を破壊したいだけ」の一定の連中には、断固として抗う次第。
※「女性天皇」はOKですが「女系天皇」はNGです。
別に、婿入りしたら男が名字変えるんだし、今でも籍を入れた時はどっちかの姓で良い(民法750条「夫婦は婚姻の際に定めるところに従い、夫または妻の氏を称する」)わけだし、戸籍はあくまで管理上の制度だから、なんならニックネーム制を導入したって良いわけだし。
戸籍の管理システムを改変するのは、断固として反対ですね。
大体、大中華も小中華も、妻は夫の姓にしないのではなく「ならない」のですから、「別姓」の理由と意味がまるで違うというのに、ねぇ。
欧米も、事実婚や離婚再婚がアホほど多いってのをすっ飛ばしてはダメでしょうし。
こんにちは。
この話の頭に出てきた小泉進次郎氏ですが、戸籍制度を破壊したいわけではないそうです。
ただ、それで「安心して欲しい」とか言われましても、戸籍法から手を加えないとダメってことを理解しているのかを問い詰めたいところです。
まあ、今どうしても進めなければならないことでもないでしょうし、影響が大きいところですから慎重に話を進める必要がありますよね。
そりゃ、「小泉氏は」戸籍制度の破壊など、露程も思っていないでしょう。
ですが、彼を神輿として担ぎたい陣営は……
セクシーを突き詰めてセクシーコマンドーくらいまで行けば、認めるのですが……