毎回毎回、鬱陶しい!
領海侵入を正当化 「国際海峡の通過」主張―中国外務省
2024年09月02日20時27分配信
中国外務省の毛寧副報道局長は2日の記者会見で、中国海軍の測量艦が8月31日に鹿児島県・屋久島周辺の日本領海に侵入したことを巡り、「(中国艦が通過した)トカラ海峡は国際航行に利用される海峡だ。完全に合法的な権利の行使だ」と正当化した。日本政府は、トカラ海峡を「国際海峡」とする主張を認めていない。
時事通信より
どう考えても無理筋なのだが、言うだけは言うってスタンスを崩すつもりはないようだ。こっちも考えがあるぞ。
権益拡大を狙う
無害通航を第一に主張しなかった
今回、領海侵入したのはトカラ海峡である。

何をもって、「国際海峡」だと言うのか良く分からないが、「無害通航だった」ことを全面にださなかったところが、今回の大きなポイントである。
中国の領海侵入に「抗議」控える日本 触れたくない特殊事情
毎日新聞2022/8/16 20:02(最終更新 8/16 23:34)
中国海軍が7月、鹿児島県の屋久島南西の日本領海「トカラ海峡」に艦艇を侵入させた。中国はこの海峡を他国艦艇も比較的自由に航行可能な「国際海峡」だと主張しており、航行の実績を積み重ねることで既成事実化を図る狙いだとみられる。日本政府は中国に懸念を表明したのみで「抗議」などの強い態度は取っていない。理由を探ると、平和国家・日本の特殊な事情が見えてきた。
~~略~~
日本政府は海上自衛隊の補給艦や哨戒機を警戒監視に当たらせた。併せて外交ルートを通じて中国に「懸念」を伝達。しかし外交上、より強いクレームである「抗議」には踏み込まなかった。
毎日新聞より
毎日新聞の記事は会員限定なのでこれ以降読めないのだが、「平和国家だから黙っている」というのは違う。
一応、支那も「無害通航」は主張した。
中国外務省 毛寧報道官 「中国の船がこの海峡を通過するのは通航権の行使であって、完全に正当で合法だ」
TBS NEWS DIGより
しかし、その前置きとして「トカラ海峡は国際海峡だ」と言ってのけたのである。
国際的には日本の領海
この手の話は、国際海洋法条約に基づいて決定されており、トカラ海峡は明確に日本の領海ということを主張することができる海域である。
中国の測量艦がこの海域を航行するのは去年9月以来10回目で、林官房長官はきょうの会見で、外交ルートを通じて抗議したと説明しました。
TBS NEWS DIGより
そんなことは支那は承知の上なのだが、それでも「国際海峡だ」と主張するのは、今回に始まったことではない。
日本側は「外交ルートを通じて抗議」ということなので、毎日新聞の内容と齟齬があるね。
鹿児島沖トカラ海峡は国際海峡、艦艇の航行は正当=中国外務省
2024年9月2日午後 5:15
中国外務省の毛寧報道官は2日、中国の船舶は鹿児島県南方沖のトカラ海峡を航行する権利があり、通過は完全に合法的なものだと述べた。
林芳正官房長官は2日午前の会見で、中国の測量艦が8月31日に日本の領海に侵入したとして、外交ルートを通じ強い懸念を伝え、抗議したと語った。
ロイターより
ただ、ロイターは「懸念を伝え」と表現し「抗議したと語った」としているので、事実上の抗議であったという理解で良いと思う。
問題は、通航した船が支那海軍シュパン級測量艦であるとのことで、将来的に潜水艦を潜航したまま航行させるための準備に成功した可能性があるということだ。このあたりはJFS氏が詳しく解説されている。

支那はなし崩し的に国際海峡であるという実績を作ることが目的で、潜水艦の潜航通路を増やそうという狙いがあるのだと思われる。国際海峡なら、先行したまま潜水艦を航行させても文句は言われないからね。
案外、無害通航を全面に出して主張しなかった理由は、「測量行為をやっていた」からなのかもしれない。そうすると、無害通航とは認められず、寧ろ敵対的軍事行動ということにすらなりかねない。
領空侵犯との関係
なお、支那側はこんな主張もしている。
先月26日には中国軍の情報収集機が長崎県沖で初めて日本の領空を侵犯していますが、毛報道官は一連の動きについて「故意に結び付け過度に解釈する必要はない」と主張しました。
TBS NEWS DIGより
この件はこのブログでも触れている。
「威嚇行動」と表現をしたが、一連の話を考えると、実益を伴った行動と解釈すべきなのだろうと思う。
支那の報道官も「無関係だ(ということにして欲しい)」と自白しているし、計画的に日本に圧力をかけているのだろう。
NHKの件だって無関係というには、少々タイミングが悪い。
全てが支那の狙い通りだとは言わないが、様々なことを仕掛けておいて、当たればラッキーくらいの積もりでやっているというのであれば、腑に落ちる。そして、恐らくはガス抜きにも最適なんだろう。
厄介な話である。
追記
あー、ね。
中国軍機の領空侵犯で日中ホットライン使用せず 形骸化浮き彫り
2024/9/4 17:49
中国軍機が8月下旬に日本領空を初めて侵犯した際、日中両政府が防衛当局幹部間のホットライン(専用回線)を使用していなかったことが4日分かった。昨年5月にホットラインの運用開始を発表して以降、防衛当局間の交流行事での利用にとどまっており、形骸化の実態が浮き彫りになった。複数の日中外交筋が明らかにした。
産経新聞より
そりゃ、使う訳がない。
使ったら都合が悪いもの。そもそも、今、この動きを活発化させている理由は、支那国内の状況が悪いことと、日本の国内でトップが変わりそうだということが関係している。つまり、支那なりの選挙介入なのである。
追記2
専門家の話を聞いて、なるほどそういうこともあるのか、と。
何が国際海峡を決めるのか― 海峡の利用事実、法的枠組みとその実践 ―
(コラム159 2020/05/21)
国連海洋法条約は、国際海峡において外国艦船及び航空機に特別な通航を許容する通過通航権を規定している1。ある海峡が条約上の国際海峡となるかどうかは、地理的条件と国際航行に利用されている事実という機能的条件の2つの指標によって判断される2。地理的条件が物理的に明確な一方で、国際航行の事実については、その程度の設定や把握の方法について、国ごとに解釈の余地が残る。
近年、船舶自動識別装置(AIS)が搭載され、以前よりも船舶の航行状況を定量的に把握できるようになったことから、数値によって国際海峡を判定すべきだという主張がある3。しかし、国際海峡の機能的条件について、諸国はいまだ遍く一致しておらず、数値によって機械的に適用できるほど、この基準が成熟しているとは言い難い。日本が通過通航制度の定着について見極めを続けているように4、国際海峡制度の受容を留保し、独自の国内法を制定する国家も少なくない5。
海上自衛隊学校のサイトより
僕自身はしっかり認識していなかったのだが、領海内で潜水艦の潜没航行を許容する通過通航制度というものがあって、支那が狙っているのはコレなのだという。
国際海峡制度の共通利益が、通商のための自由航行であることには疑いを差し挟まれない。そして、通航量はこの共通利益の度合いを端的に表す指標となる。ところが、海峡は安全保障上の利益という側面を併せ持っており、そこでは国ごとに異なる利害が見出される。この結果、機能的条件は本来の趣旨を離れて、国益によって決定される諸国の態度のコロラリーとして解釈される現状にあり、一律な国家実行を導く客観的基準になっていない。国際海峡制度が機能する鍵は、通航量の多寡という技術的論点ではなく、領海内での潜没潜水艦の航行をどの程度まで許容し得るか、ないしは、潜没潜水艦の沿岸への接近をどの程度まで許すのかといった、沿岸国の安全保障上の懸念解消と、通航国の利益確保の調和をどのように図るのか、という問題に懸かっているのではないだろうか。
海上自衛隊学校のサイトより
分かりにくい話なのではあるが、そもそも国際海洋法条約が定める「無害通航権」とは通商のための自由航行がメインである。
米ソはコレを拡張して、通過通航制度をごり押しで通してしまった。つまり、無害通航の範囲であれば軍属の船であっても航行でき、潜没潜水艦の航行も認められるべきだという話に繋がるのである。
詳しくは読んで頂くとして、要は支那の狙いは「国際海峡制度」の適用であって、領海内での潜没潜水艦の航行を狙うという話に繋がる。
コメント
同じような事をそこらじゅうでやっていますね。東シナ海、南シナ海で、インドとの国境で・・・。
このような「実績」を積み重ねて、タイミングを見はかっらって「歴史的にも国際法的にも明白な中国領である」と言いだすのだろうな。中国の伝統的なやり方ですね。九段線、十段線、第2列島線・・・なんせ、「見えるものは全部中華皇帝のもの」ですからね。困ったもんだ・・・
楽しいんですかねぇ、その遊び。
困った火遊びをそこら中でしていますけど、支那経済も火の車なんですよ。あれ、どうするんだろ?
結局のところ、核武装して、仕掛けてガチな戦闘になると、ただではすまないと思わせるしかないのではないですかね。
インドとは数年前の高山での戦闘では、石と棒と拳で戦ったでないすか。(死者の多くは戦死ではなく、高山病による急性肺水腫だと思われます)
やはり核武装してる国には、あからさまに戦端を開かない。
あと連中がガァガァ騒ぐ時は、足元は火がついてる事が多いですね。弱みかあると吠えるんですよ。経済立て直しがムリぽいから、こうした形でガス抜きするしかないんでしょう。ただソレは暴発に至る事もありますから、タカをくくって黙ってるのは悪手としか言いようがない。
日本はまぁ、ガチ殴られて、危機感を持つまで変わらないとも想うので、これまた困った話ではあります。
本件で核武装が直ちに有効かどうか、或いは日本の核戦略は?と、考え出すと政治的に揉めますから、できるところからやっていくべきでしょう。
そして、そういう意味でも長距離弾道弾や長距離巡航ミサイルを保有して対地攻撃できる態勢というのは必須でありましいて、コレなら現行法制でも保有だけはできますからね。
更に策源地攻撃の議論をして、方向性を修正すれば、十分に「自衛権行使」の建前でやれることは増えます。
殴られる前に準備だけは何としてもやっておきたくて、そういう意味で岸田氏は実に有能だったと思います。
なるほど。岸田嫌いを前面に出してきた私も、殴り返す用意を進めてきた点は評価せざる得ません。
しかし……小泉jrか…なら岸田氏のまんまでも…後ろから撃つ奴は論外。
女性首相はたぶんムリなのだろうし。
で、セクシィですか。頭痛い。それなら岸田氏のまんまが……。庶民の事など考えてもいなそうだが、少なくともバカな人ではない。やれやれ、岸田やめろと連呼してきた結果こうなるとは。
今さらながらブーメランを味わうか。
我ながら先見のなさを呪うとは…(泣)
正直、今の情勢で岸田氏を看板にして選挙をやるのが難しい、というのが自民党の事情なのです。
神輿は軽いほうが良いし、クリーンなイメージが強く、目立った失言のない小泉Jr.は実はかなり有望だと思っています。ただ、財務省の言いなりになりがちなところがヤバいので、彼を神輿にするなら強力なブレーンを付けなければダメでしょう。使いやすい神輿だけに、右からも左からも狙われやすい。
序に、女性首相の可能性ですが、おそらくは上川氏はかなり硬い人選でしょう。でも彼女にはビジョンがない。そこへ行くと高市氏は良いのですが、彼女には人望がなく、経験が足りないところがネックですね。
河野太郎氏、石破茂氏、野田聖子氏は論外。トップに立つべき人材ではありません。
茂木氏もトップに据えても組織は機能しないでしょう。案外林氏は硬い人選だと思いますが、林氏に任せるなら岸田氏続投でも同じ話。積極的には推せません。むしろ、岸田氏続投のほうが良いかもしれません。
加藤勝信氏も悪くはありませんが、林氏より一枚落ちる感じですね。
そうすると、有望なのは小林鷹之氏ですが…、政治経験が薄いのが辛い。せめて閣僚経験があればまた違うんですが。信念もあるし人望もあるという点で、将来性は高いんですがね。彼の場合、高市氏とも近いので、直接対決すると票を食い合う結果になるのも辛いところ。
あとは、目立たない斎藤健氏ですが、悪くはないそうですがこの後に控える解散総選挙を考えると選挙の顔としては宜しくない。華がありませんからねぇ。
最後に、メディアに無視されがちな青山繁晴氏ですが…、この人は実に評価が難しい。信念や政策は悪くないし、おそらくは外交もこなせると思います。でも、話を盛りがちなのと、既存メディアを敵に回しガチなのがネックで、何が起こるかわからない、危なすぎてトップに担げない人材だと思います。
そんなわけで、総合的には小泉進次郎氏、小林鷹之氏、高市早苗氏の3氏で、林氏、茂木氏、加藤氏は閣僚に起用。使いこなせるのであれば河野太郎氏も閣僚に取り込むというのが良いように思います。青山氏は閣外に置いたほうが安全ですが…、刷新感を出す意味では取り込むのも一案かなぁと。副総理には安定の麻生太郎氏を対財務省兵器として置いて、もう少し頑張ってもらえれば。上川氏は個人的にはあまり評価していないんですよね…。
これは支那による航行の自由作戦ですね。
国連海洋法条約はさておき、各国はそれぞれの領海法で領海を定義していますが、
トカラ海峡が国際海峡かどうかを決めるのは日本政府です。
日本政府が、国際海峡ではないと決めれば、国際海峡ではありません(国内法優位の原則)。
よって、支那軍艦の無断通行は危険な軍事的挑発といえます。
これも岸田政権が舐められているからですね。
対策は、トカラ海峡内に機雷を敷設することで、第三国船舶の通航を拒否することでしょう。
つまり、我が国も航行の自由作戦を自前でやるべきでしょう。
「オタクの国がやるなら、ウチがやっても文句ないよね」くらいのことを、サラッとやってこそ、交渉になるというものです。
岸田政権が舐められているのは、事実ではありますが、次の首相は毅然とした態度とメッセージを強く打ち出すことのできる人にやって貰いたいものです。
機雷敷設は……、ちょっと大変ですよね。
周辺海域で、海上自衛隊の訓練をやるか基地を設置するというのが、現実的かも知れません。
こんにちは。
周回遅れの拡大主義、帝国主義国ですから。
100年前の国際ルールでやってるやつに、最新の常識はそりゃ分からないですよね。
吠えれば通る、ってのも、もう時代遅れだってのも。
あとは、本邦国内の媚中派を一掃しておかないと……
※リン元外相が総裁選に出るそうですが、「媚中派」と言われて「知中派」だと言い返したとかなんとか。認めたも同然じゃねーか(笑)
こんにちは。
「指導部」が言うことは絶対と、国内ではそういう建前になっていますから、外に向かってもそんな雰囲気で主張すれば通ると勘違いしちゃうのでしょうね。
日本国内にも指導部からの指示を待っている人達がいますから、困ったものですね。
自民党総裁選挙は、まあ、党員じゃないので傍観するのみなんですが、支那にしっかり対峙してくれる人物が当選してくれると嬉しいですね。