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イギリス暴動を巡り、ネットで偽情報を流した人物に実刑判決

北欧ニュース
この記事は約7分で読めます。

ネット上で「放火」した結果、実刑判決になったようだ。

イギリス各地の暴動あおった「キーボード戦士」に実刑判決、死傷事件めぐる偽情報を投稿

2024年8月17日

イギリス各地で、7月末のサウスポートでの死傷事件をきっかけに2週間近く続いた暴動で、人種的憎悪をあおるような内容をソーシャルメディアに投稿した男に16日、禁錮3年の実刑が言い渡された。

BBCより

これで何か解決した訳ではないが、ネット上での公序良俗を問われたケースとしては象徴的な出来事だと思う。

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実刑判決に至った理由

キーボード戦士の末路

8月初めに発生したイギリスでの冒頭に関しては、このブログでも触れている。

切っ掛けとなったのは7月末のサウスポート殺傷事件なのだが、この犯人は外国人の両親を持つ少年であった。

ダンス教室に刃物持った少年侵入 子供3人死亡、多数負傷 英イングランド北西部

2024年7月30日

英イングランド北西部サウスポートで29日午前、子供向けのダンス教室に刃物を持った男が押し入り、子供3人を殺害し、複数の子供を負傷させた。子供たちを守ろうとした大人2人も重体という。近隣の村に住む17歳少年が、殺人や殺人未遂の疑いで逮捕された。

~~略~~

警察によると、犯行動機は「不明」だが、テロ関連の事件としては扱っていない。共犯がいるという認識もしていないという。

BBCの取材の結果、逮捕された17歳少年はウェールズ・カーディフで生まれ、2013年にサウスポート地域に引っ越していたことが分かった。両親はルワンダ出身で、同じカーディフで生まれた兄がいるという。

BBCより

犯行動機は未だ明らかにされていないようだが、これに対して冒頭で紹介した「キーボード戦士」は「イスラム教徒によるテロ攻撃だ」と主張して煽ったようなのだ。

ソーシャルメディア「X」(旧ツイッター)に9万人以上のフォロワーを持つウェイン・オローク被告(35)は、7月29日にイングランド北部サウスポートのダンス教室で女の子3人が刺殺された事件について、偽情報を投稿した。

BBC「イギリス各地の暴動あおった「キーボード戦士」に実刑判決」より

裁判所は被告の書き込みを「虚偽情報」だと認定したようだね。なお、この件はちょっと前に記事にした極右活動家の話とはちょっと違う。

スティーヴン・ヤクスリー=レノンに対する訴訟はまた別に処理されることになるハズだ。

殺人罪で起訴された少年

今のところ、サウスボード殺傷事件の内容はハッキリとわかっていない。犯人の少年は、アクセル・ムガンワ・ルダクバナというイギリス生まれのイギリス国籍を持つ人物で、外国にルーツを持つ人物である。

17歳少年を殺人罪などで起訴、英サウスポート殺傷事件 ロンドン中心部でも暴力的な抗議

2024年8月1日

英イングランド北西部サウスポートで7月29日、子供向けのダンス教室が刃物を持った人物に襲われ子供3人が殺害された事件をめぐり、マージーサイド警察は31日、逮捕されていた17歳少年が3件の殺人罪で起訴されたと発表した。この日、ロンドン中心部などでは、この事件に絡む暴力的な抗議が発生。ロンドンでは100人以上が逮捕された。

被告は8月1日にリヴァプール治安判事裁判所に出廷する予定。未成年のため名前は公表されていない。3件の殺人罪に加え、10件の殺人未遂と1件の刃物所持の罪でも起訴されている。

BBCより

が、被害者はかなりの数に上っており、幼い子供達が犠牲になったという点でイギリス国民の怒りは深い。犠牲になった3人の他に、ダンス教室に参加していた6~10歳の子供達と、その保護者が負傷している。

マージーサイド警察のセリーナ・ケネディー本部長は、「今回の起訴は、この捜査における重要なマイルストーンだ。しかし、捜査はまだ継続中で、我々はランカシャー警察や北西部のテロ対策警察のパートナーとの協力を続けている」と述べた。

BBC「17歳少年を殺人罪などで起訴、英サウスポート殺傷事件」より

慎重に捜査を進めている案件で、裁判の日程は2025年1月20日となっていることから、動機や犯行に及んだ経緯が明らかにされるのは先のことになりそうである。

社会不安の増大

ただ、この手の事件はイギリスで少なからず発生していて、2024年4月にもこんな事件があった。

Hainault: What we know about London sword attack

2 May 2024

Just as the Tuesday morning rush hour and school run got under way, the quiet residential streets of a north-east London suburb were overtaken by panic and screams.

In the space of less than half an hour in Hainault, schoolboy Daniel Anjorin and four other people were attacked.

A few hours later, police confirmed the 14-year-old had died of his injuries.

Witnesses captured footage of a man prowling the streets brandishing a samurai-style sword, as residents were warned to lock their doors.

~~対訳~~

ヘノー ロンドン刀剣テロについてわかっていること

火曜日朝のラッシュアワーと通学路が始まると同時に、ロンドン北東部郊外の閑静な住宅街がパニックと悲鳴に包まれた。

ヘノーでは30分足らずの間に、小学生のダニエル・アンジョリンと他の4人が襲われた。

数時間後、警察は14歳の少年の死亡を確認した。

住民が戸締まりをするよう警告されるなか、侍風の刀を振り回して通りをうろつく男の映像が目撃者によって撮影された。

BBCより

ロンドン郊外のへノー地区で、刀を振り回して無差別攻撃を行った36歳の男性、マーカス・アルドゥイニ・モンゾ被告により、1人が殺され4人が負傷している。

この人物はスペインとブラジルの二重国籍者で、犯行動機は現段階で不明だとされている。

凶悪な犯罪なのに、犯行動機が不明という点で今回のサウスポート殺傷事件と同じで、こちらは外国籍の方の犯行なのでより神経質になっていると思われる。

多数の暴動に乗じた人々が起訴される騒ぎに

で、冒頭の判決は類似したような話がいくつもあったと報じられている。暴動に乗じて色々やっちゃった人々も逮捕されている。

イギリス暴動、有罪判決相次ぐ 禁錮6年も

2024年8月17日

7月末にイングランド北西部で起きた死傷事件をきっかけに2週間近くイギリス各地で相次いだ暴動について、イングランドとウェールズでは16日までに少なくとも395人が起訴された。複数の罪状が適用されている被告人もいる。

BBCより

なんと、548件の罪状が確認され、395人も起訴されているのだ。

BBCニュースが精査した罪状548件のうち、暴力的な騒乱が251件で最も多く、救急隊員への暴行、いやがらせや脅迫なども続いて多かった。ソーシャルメディアなどオンラインでの不法行為で起訴された人も29人いた。

イングランド35カ所の騒乱に関連して起訴された395人の平均年齢は32歳。43人が18歳未満。

BBC「イギリス暴動、有罪判決相次ぐ」より

その中で、「オンライでの不法行為」に認定されたのが29人で、冒頭のニュースはその中の一人だったというわけだ。

被告の弁護人ルシア・ハリントン氏は、被告はこうした内容をけしかけるために、アカウントを開設したのではなく、「メディアの過熱報道に巻き込まれた」のだと主張した。

被告はかつて、小荷物仕分けの仕事をしていたが、パートナーの介護者になるために離職したと弁護士は説明した。

BBC「イギリス各地の暴動あおった「キーボード戦士」に実刑判決」より

被告は何やら不幸な境遇であったとされ、情状酌量の余地があったかどうかはともかくとして、やったことは許される事ではないとの判決である。

見せしめ的な側面のある判決であるように思うが、今後はこうした犯罪の類型も増えていくかも知れない。ネット上だからといって、危険な言論が野放しになることは余り宜しくないことだからね。

コメント

  1. 河太郎 より:

    あれ? 何故かここだけ投稿が無い。後出ししようとしていたのに。
    ええとっすね、地震だのテロだのの直後に…
    フェイクニュース流して大陸の連中とかが
    誘導する可能性を考える。
    すると「取り締まり」は当然です!
    仮にすよ、沖縄で地震と台風のコンボが来たとする。デニーが中国に応援を求めた。
    「それを日本政府が認めた」とフェイクニュースを奴らが流したらどうします??
    いかようにも偽旗作戦てきてまう!!
    今までがいい加減すぎたのですよ。
    ウクライナ観てくださいよ。ゼレンスキーが元役者なのはあるが、ロシアにしてもウソニユース流して情報戦でないすか。
    ハイブリッド戦やられる事をかんがえたら、取り締まりを始めないと大変な事が将来に起きる。

    • 木霊 木霊 より:

      最近の記事を書いていて思っているのは、日本もハイブリッド戦争を仕掛けられているとすれば、かなり厄介な状況なのかと。
      イギリスはわかりやすく暴動が発生していましたが、日本の場合は分かりにくく内部進行している。
      もちろん、妄想の域を出ない話ですが、NHKの話といい、沖縄の話といい、どうも「仕掛けられている」と考えても良さそうなケースがチラホラと。尖閣諸島のケースは寧ろ防衛側の仕掛けのようにも・・・。そうすると、韓国は完全に「あっち側」の動きですかね。
      まあ、そうでないことを願ってはいますし、現段階では陰謀論的な結びつけではあるんですが。

  2. 七面鳥 より:

    遅刻コメントで失礼します。

    ふと、こんな分野でさえ、日英の立ち位置に「戦勝国と敗戦国」の違いがあるのでは、とか思いました。
    正確には、敗戦による「戦って勝ち取る事へのアレルギー(ヒステリー)」と、それを増長する「飼い慣らし洗脳」とでも言いましょうか。
    もし仮に今、日本で、(悪意の)移民や(擬装)難民に対して声を上げたとすると、「戦前の行いを蒸し返すつもりか!」とか「はやり日本人は!」とか言い出す輩が国内外にいっぱい、しかも国内においておや、日本人ですら、そんな感じでなはいかと。

    そのあたりの「粛正」が必要な時期に来ていると感じます(かなり手遅れ気味ですが)。

    ※韓国も中国も「戦勝国」ではないはずなんですがねぇ……

    • 河太郎 より:

      七面鳥様。
      良く言うて下さいました。パチパチ???? 
      そう「粛正」するべき時なのですよ。
      ただ粛正には、それなりの「危機」が必要
      正直、米国が分断内紛とか、中印戦争とか、台湾有事に、イランvsイスラエル戦争、ロシアの北海道侵攻などキッい事態が必要となると思うす。だから私は国賊よびわりされようと尖閣を中国に奪われたり、対馬をキムチに奪われる方が良い思う。
      それぐらい殴られれば、売国者どもを一掃する粛正の大義名分ができる。片端から投獄して外患誘致罪で処刑してしまえ!!

      • 七面鳥 より:

        「この国は、一度大きな危機がないと目覚めない」
        なんて、パトレイバーあたりで聞きそうな台詞ですが、そういう意味で基本的に河太郎さんに同意です。
        差し迫っては、台湾事態における西南諸島がその舞台になりそうですが……
        ※先に手を出させるという意味でも、尖閣は人的被害が最小で理想的かと。
        ※対馬は人的被害がシャレにならないので……
        その上で、敵味方識別装置を作動させる臨時法案、ないし規制を通せると良いのですが。
        その為にも、是非、高市さんないしは川上さんに総理になっていただきたい。
        国際的にも「初の女性首相」で受けが良いでしょう、ね、フェミの方々?

        実際問題「外患誘致」で縛り首、の実例を作っておいた方が、睨みは効くと思います。
        猿もカラスも、二~三匹絞めて吊しておけば寄ってこなくなりますからね。