「ブロックII」なの?!と思ったら、CH-47FのブロックIIか。
100年乗っても大丈夫? 最新型「チヌーク」米陸軍へ納入 自衛隊にも波及するか
2024.07.04
アメリカの航空機メーカー、ボーイングは2024年7月1日、CH-47輸送ヘリコプターの最新モデルであるCH-47FブロックIIの量産初号機をアメリカ陸軍に引き渡したと発表しました。
乗り物ニュースより
CH-47Fは2001年に試作機が出てきて、2005年に量産が開始された改良モデルだ。
最新のF型ブロックII
古き良き?
CH-47「チヌーク」は1961年に登場してからずーっと使われ続けている名機で、基本構造は登場以来余り変わっていない。エンジンは改良に改良が重ねられて、その出力は既に3倍近くになっているんだけどね。
CH-47FブロックIIは、胴体を強化し、ドライブトレインを改良するとともに燃料タンクなどを再設計しているのが特徴で、これにより積載量と活動半径の拡大が図られています。具体的には、最大離陸重量はブロックIの5万ポンド(約2万2680kg)に対し、ブロックIIは5万4000ポンド(約2万4500kg)に増加しています。
アメリカ陸軍はCH-47FブロックIIを最大465機調達する計画で、ボーイングによると今後30年以上にわたって運用できるとしていることから、トラブルなどが発生しなければ、2060年ごろまで現役であり続ける計算になります。
乗り物ニュース「100年乗っても大丈夫?」より
今回のブロックIIがアメリカ陸軍に納入され始め、同じ機体を使っている自衛隊としても更新に期待がかかる。
陸上自衛隊はCH-47J(CH-47Dに準拠)を使用しているが、昭和59年度計画で初号機が発注された以来15機が運用されている。が、流石にコックピットの使用などは古くなっていて、近代化して欲しいところ。
諸外国は刷新
なお、同様にCH-47を運用していたエジプト空軍だが、2026年からD型をF型に更新する予定になっているようだ。
エジプト空軍、CH-47Fで近代化 26年からD型更新
2023年1月4日 12:24 JST
ボーイングは現地時間1月3日、エジプト空軍向けに12機の大型輸送ヘリコプターCH-47F「チヌーク」を米陸軍が発注したと発表した。米国防総省のFMS(対外有償軍事援助)を通じ、2026年からエジプトへ引き渡す見通し。
Aviation Wireより
オランダ空軍も20機のCH-47Fを2022年末までに受領しているので、D型からF型への刷新は完了している。おそらくどちらもブロックIだろうとは思うが。

我が国はやらないんすかね?
恐らくは優先順位の問題なのだとは思うけれども。
追記
CH-47FのブロックIIの導入の話を見て「羨ましいなぁ」と思ったのだけれども、コメントで日本のCH-47JAも頑張って改良している旨のご指摘を頂いた。
そういえば、そういう話は調べていなかったなと思って、チョット調べてみたのだが、ナルホド、たしかに情報は出ている。

これがJA型なんだそうな。
鼻が黒いのは性能向上の証 覚えれば簡単 自衛隊「チヌーク」ヘリの識別ポイントとは
2020.09.04
自衛隊が運用するCH-47「チヌーク」輸送ヘリは、圧倒的な積載量の大きさから、あらゆる災害派遣において頼りにされる存在ですが、陸上自衛隊の保有機にJ型とJA型の2種類あります。2機種の違いについて見てみます。
乗り物ニュースより
この記事で、鼻が黒くなった理由も紹介されている。
実はこの黒い部分には気象レーダーが収められているのです。このレーダーは戦闘機などが搭載するもののような火器管制能力はありませんが、進行方向にある雨雲などを事前に探知することができ、進む先の天候を検知してより安全な飛行ルートに切り替えるといったことが可能です。
乗り物ニュースより

最近のヘリコプターは随分と高性能なレーダーを搭載するようになったけれども、チヌークも色々と更新されているんだね。
たとえば「チヌーク」は機内容積を最大限広く採るために、燃料タンクを機体側面のバルジと呼ばれる張り出し部に設けています。この張り出し部を、CH-47JAでは大きくして搭載燃料を増やし、航続距離の延伸を図っています。横から見るとあまり差がありませんが、前から見ると一目瞭然です。
なお気象レーダー搭載による機首部の形状変更や、バルジ部分の拡大などで機体の重量バランスが変化したため、それに対応するため、CH-47JとCH-47JAでは車輪の取付位置も変わっています。また機首下部に赤外線暗視装置が装備できるようになり、コクピットも液晶ディスプレイが設置された新たな仕様になっています。
乗り物ニュースより
ナルホド、色々改善はなされているようである。
こういった細かな改善が常に行われているということは、それだけ需要があるということでもある。当面は色々と改良を重ねながら調達を続けていくのだろう。
コメント
ドローン時代で、オスプレイもあるのに
ヘリ必要なんですか?
ヘリって静電気が凄まじい(だから救助ヘリは洋上、地上を構わず、救出用具を先に水面か地上に落とす。アースしてるんです。人が直接掴むとスタンガン級の衝撃が来てしまうから)ですし、
実は凄く脆くて、回転ローターがちょいとでも接触すると簡単に落ちる!
どー考えてもオスプレイに敵わないし、
戦車や塹壕の攻略ならドローンなのはウクライナの善戦で解りますか。
いるんですかヘリって。
チヌークは輸送ヘリコプターなので、ドローンやオスプレイでは代替できないのですよ。
…いや嘘をつきました。実際のところチヌークとオスプレイでは役どころが違うので、代替し難い面があるのは本当です。
ですが、残念なことにオスプレイの生産ラインって2026年に閉じてしまう予定なんですよね。
長年使われてきたチヌークに対して、オスプレイはその能力が見込まれながらもあまり売れていません。現場でも、整備性の問題で運用し難いと言われています。現在開発中のV280は一回り小型になっちゃいますしね。
攻撃用ヘリコプターや、偵察用ヘリコプターはドローンに取って代わられつつありますが、輸送用ヘリコプターにはまだ活躍の場があるのではないでしょうかね。
横合いから。
費用対効果で言えば、ヘリは不滅でしょう。
オスプレイとその光景とされるバローは、行動半径と速度で勝りますが、それは「低速あるいはホバリングでの使いやすさ」を犠牲にしたものなので。
※構造上のメンテナンス費とか、そもそもの調達価格とかはさておきましょう。
「機外に野砲やジープを吊して運ぶ」なんて使い方は、多分、オスプレイ系統ではかなり困難なのだと思われます。
ペラの効率から言って、直径デカいのをゆっくり回すのが一番良いので、ティルトローターはかなり無理をしているのは確かなのです(高速巡行時は話が違ってきますが)。
タンデムローターは、重心位置の融通が利く範囲が大きい事もあり、これからも便利に使われていくことでしょう。
※ダウンウォッシュは機体の重量が支配的ですが、ローターがデカイ方が影響面積が広い為に、まだナンボかマシでしょう。
※セットリングwithパワー問題も、純ヘリの方がティルトよりかなりマシだったと記憶してます。オートローテーションも効きますし。
※ドローンのいわゆるクワッドロータは、「小さいペラをいっぱい、高速で回す」ので、ペラの効率から言うと最悪なんですよね……そりゃ、操縦舵面が要らない(モータの回転数制御だけで3軸制御出来る)からコストは安いかもだけど……二乗三乗の法則で、大型化にも問題有りなんだと理解してます。
でもさぁ、離島&島嶼防衛を迅速に行うには、重火器を含めた装備と、訓練された兵士を一気に運ぶ必要があり、それを考えるとオスプレイだと想うんですね。
実際にオスプレイ反対の声があがるのは、プロ市民の背後にいる中国が嫌がってるからだと想うですよ。
オスプレイの不安定性が報道で語られるのも、あれは偏向報道では。
もともと軍用機は輸送であれ戦闘であれ、敵の対空砲火をかい潜りの強行着陸を想定されているから、普通の民間機みたいな訓練では足りない。それゃあ墜落するリスクも(訓練でも)高まる。
ただ、それを言うと「そんな危険のある訓練は今すぐやめろ!」と騒ぐ奴らがいるからと想うのですよ。
離島防衛を考えると、やっぱりオスプレイをたくさん揃えて欲しいと想うのですけれどね。
そのご指摘は正しいと思います。
離島防衛を前提とするのであれば、やはり距離と時間を縮められる回転翼機のほうがアドバンテージがありますから。
そして、オスプレイが飛行において不安定なシーンがあるのは構造上避けられませんが、それは危険性が高いということにはなりませんし、普通のヘリコプターで良いんだという話でもありません。報道内容は大いに不満です。
ただ、前のコメントでも書いたように、今後はV-280に切り替わっていくようで、そうすると輸送用ヘリコプターの用途でチヌークは残す必要があるのだろうと、僕は考えています。
再び横合いから。
>離島防衛を考えると、やっぱりオスプレイをたくさん揃えて欲しい
これは全くその通りです。
足が速くて遠くまで行ける機体で、ある程度の数を一気に投入しないと。
詰まるところ、ご指摘のように、中共としてはそれをされたくないわけですね。
で、橋頭堡を確保し、ある程度の「制空エリア」を確保したところで、力持ちのチヌに野砲その他を持って来てもらう。
ハイローミック思想なのだと思ってます。
木霊様、七面鳥様
私は大事な事を忘れてましたよ!
東北大震災の時に原発の上を被爆覚悟でヘリで水袋を運ぶ、水をかけてくれた陸自のヘリです。地上からは消防士の方々が命がけで接近し放水してくれた(T_T)
放射能霧の恐怖に関わらず補給してくれたトモダチ作戦の米軍人たち。
あのような時にホバリングと宙吊りが可能なヘリはやはり必要ですね。積載ではなく宙吊りハンギングはヘリの方が得意ですね。ううむ。とはいえ映画「シン・ゴジラ」の時にアパッチがゴジラ攻撃するのに燃えましたが、あれから十年もせんうちにヘリ不要論になるとはねぇ。
>ヘリ不要論
用兵は矛盾の関係ですから。
○○不要論は、だいたい後に覆されてる印象です。
※さすがに「大艦巨砲主義の戦艦不要論」はいかんともしがたいですが……波動エンジンがあればワンチャン。
あと、恐らくバローもですが、オスプレイには「ガンシップ(AC-130系ではなく、地獄の黙示録的な、AH-1の元になったアイデア的なもの)化出来ない」という弱点もありまして……
※AH-1のスタブウィングとか、ああいう兵装パイロンが使えない、ペラが邪魔で前向きに撃てない、と言う意味です。
ガンシップといえば、ナウシカに出てくるアレですよ、アレ!

アレって、どうやって狙い付けるんでしょうね?
七面鳥さま。
どうやって照準を……
笑いました。宮崎駿はルパンで組んだ大塚さんみたく麻薬Gメンあがりでないから、銃には詳しくなさそうですな。
ルパン三世でワルサーp38がブローバックするのは大塚さんの描写だし。
皆様、初めまして。
2点ほど、語らせてください。
まず、CH-47ですが、本邦は独自規格のJAを採用しています。これは段階的な能力向上が図られており、最新型は47Fに相当するとなっています.
ですから、他国と違い、早々に47Fを採用する必要が無い、と言う辺りだと思われます。
次にドローン、さらにはティルトロータとの話ですが、H-47系列は極めて大きい搭載量と言う強みがあります。車で言うと大型トラックのようなものです。
加えて、半世紀以上運用されていると言う信頼性の高さもあります。
搭載量と信頼性。
この二つを凌駕する機体が現れない限り、H-47は今後100年飛ぶ事を否定出来ません。
乱筆乱文失礼致しました。
初めまして。
なるほど、CH-47JAの最新型はCH-47F相当だと。床レベリング装置とか日本独自の機構などを採用しているという話はどこかで聞きましたが、色々と改良が進められているのですね。
ノーズが黒い機体は、改良型でグラスコックピットも採用しているみたいですね。
https://pex.jp/point_news/9cd420701920ec83f3c7b13e8f25b29c
参考になりました。