四川省成都市の建設中の地下鉄駅が崩落

取り上げるかは迷ったのだけれど、結構酷い発言も見かけたので、軽く触れておくことにする。

建設中の地下鉄駅が崩落　周辺マンションとの距離はわずか「１メートル」

2024/06/22 更新: 2024/06/22

21日午前4時前、中国四川省成都市の建設中の地下鉄13号線の駅が崩落し、道路に大きな穴が開いた。

崩落現場のすぐそばにはマンションが建っており、その距離はわずか1メートルだ。現場周辺は高層マンションに囲まれており、現地住民の不安が広がっている。

大紀元より

ソースが大紀元という辺りでお察しだが、支那に対してはかなり辛辣というかデマも辞さないのが大紀元という認識なので、いつも記事の取り扱いには注意しているメディアだ。

道路崩落の原因

地下鉄工事する場合には

先ずは写真を貼っておこう。

陥没場所がかなりヤバかったというのは事実で、危うくマンションが倒壊するところだった模様。

アスファルト舗装の厚みが薄いという指摘もあるが……。

もうちょっと引きの写真がこちら。

手前にグレーチングの蓋がはめ込まれているね。恐らくはこれは地下鉄駅に繋がる吸気口なのだと思うのだけれど。

ともあれ、怪我人や死者が出なかったこと（本当かどうかは不明だが）は不幸中の幸いである。

福岡駅前の事例

さて、こういった大規模な崩落事故は日本でもあって、思い出していただければ分かると思うのだけれど、2016年11月8日、福岡市博多区の博多駅前2丁目交差点付近で陥没事件が発生している。

コレもかなり大規模な陥没事故だった。

博多陥没、施工者の賠償額は10億円超え

2018.04.03

2016年11月にJR博多駅前の地下鉄工事で起こった道路陥没事故で、現場周辺の民間事業者などに対する施工者の損害賠償額が10億円を超えることが分かった。福岡市が3月23日、市議会の条例予算特別委員会で明らかにした。下水道などライフラインの本復旧費用の一部はまだ計上していないので、さらに億単位で増える見込みだ。

日経XTECHより

億単位の損害賠償請求が施工業者に課されることになったという話はあったが、まあ何というか、ご愁傷様である。

ただ、この件はネガティブな部分だけではなかった。

なんと、事故発生が8日、復旧完了は15日と、驚きの1週間でこの通りになったという。

福岡市が世界中から注目された！ 博多駅前の陥没を最速で復旧した一部始終を公開

2018.12.20 4:50

リーダーが決断しなければならない局面はたくさんありますが、とくに非常事態には最初の決断がその後に大きな影響を与えます。

2016年11月8日、博多駅前で大規模な陥没事故が起きました。九州の陸の玄関口である博多駅の真ん前に突如姿を現した直径30メートルの穴は、映画に出てくるような衝撃的な映像で、このニュースは瞬く間に世界を駆けめぐりました。「復旧に半年はかかるだろう」などと言われ、当初は長期化が心配されていました。

ただ、結果的にこの穴は1週間で何もなかったかのように元の道路に戻り、人も車も普通に通行できるようになりました。

DIAMOND Onlineより

まあ、損害賠償は仕方のない面はあったと思うけれども、復旧までの時間が短かったことはプラスに働いた可能性はあるだろう。復旧するまでの休業補償が短期間で終わったという意味である。

なお、崩落の原因は工事にあたって行った地盤調査の誤り、そして想定以上に脆かった地盤が割れたことで地下水がトンネル坑内に流れ込み、それと共に土砂も坑内に流れ込んだことで、支えがなくなって崩落に至ったとの分析であった。

その後も若干のトラブルはあったようだ。

現場が再び沈下…最大７センチ　未明に４時間通行止め

2016/11/26 07:25

２６日午前０時半ごろ、福岡市博多区のＪＲ博多駅前の道路陥没事故で埋め戻しを行った路面が最大で約１・５センチ沈下しているのを同市交通局の職員が確認した。現場は安全確認などのため午前１時４５分から、約４時間にわたって一時通行止めになった。けが人はなかった。

産経新聞より

この際にも地盤の軟弱さが問題になって、地盤改良を行って対策した模様。

水道管が「自然に破断」

さて、支那の地下鉄の話に戻していこう。

報道によると、21日午前3時50分ごろ、成都軌道交通（地下鉄）13号線の建設中の駅で、水道管2本が“自然に破断”したことにより直径約12メートルにわたって路面が崩落した。けが人は確認されていないという。

MSNニュースより

……相変わらず往生際の悪い。

水道管が自然に破断って、何故そうなったかの追求はないんだ。まあ、支那における報道の在り方は、他国とは異なるのでその点を追求しても仕方はない。

ただ、茶飲み話で聞いたところによると、写真から分かる不審な事はあるようだ。先ずは、福岡の件と同様に地盤の脆さが問題だったと考えられること。ただし、福岡の件では水が随分と出ていたが（この水の除去でも随分と議論になったようだが）、成都市の件では水面が見えない。つまり、水は既に流れてしまっていることを意味するわけで、コレが不自然であるようだ。更に、崩落したであろう瓦礫が見えていないのも、腑に落ちないのだとか。

仮に大量の水が流れて瓦礫まで押し流してしまった結果だとすると、水が残っていないということは排水機能があることを意味するわけで。地下鉄用のトンネルだか地下の駅だか知らないが、そこに全て流れ込んだ可能性が高い。そして、その水は既に無くなっている。「破断した水道」とやらはそんなに凄い勢いで水が流れていたのだろうか？？

まあ、「不思議だね」程度の話ではあるんだけど。

原因究明が大切

ともあれ、道路の崩落自体は、調査の不足などが影響して起き得る事故である。

或いは手抜き工事はあったやも知れないが、少なくとも写真や状況からはソレはうかがい知れない。普通はこうなる前に、水が出だしたタイミングで対策を講じるものだが、即座に対応できない事もある。だからシンクホールというのは色々な都市で発生するし、大規模な崩落に繋がることもあるのだ。

だが、その原因はしっかり究明する必要があるし、対策も講じる必要がある。原因から目を背けている状況というのは、極めて危険なことだ。支那の場合はその原因が報じられないだけかも知れないが。