「チャイナボカン」シリーズだ!と喜んでいる人が多いが、個人的にはソレとは別の意味で不安を覚えた話であった。切り口としては技術論である。
避難からわずか“3秒後”…電気自動車のバッテリー“大爆発” ズラリ並んだ充電ステーションで紫色の炎上がる 中国・広東省
2024年6月15日 土曜 午後4:40
中国・広東省の充電ステーションで、電気自動車のバッテリーが突然爆発し、炎が火炎放射器のように噴き出す事故が発生した。
FNNプライムオンラインより
さて、概ね原因は分かる話ではあるが、支那広東省の充電ステーションが爆発したらしい。……それにしても、FNNプライムオンラインはもうちょっとマシな記事書けよ。
新技術には失敗が付きものだが
何の火事なのかが不明
このアホ記事は、ネットからインパクトのある絵を拾ってきて貼り付けただけなので、一切背景情報が分からない。

この写真から判断する限り、記事には「電気自動車のバッテリー」と書かれているにも関わらず、取り外しして充電するような場所のようで違和感がある。その辺りの違和感すら仕事をしない記者だった模様。
「何か凄く火が出ている」と、それだけしか分からない記事でビックリである。

現状で、支那ではバッテリー取り外し式のEVを実現しようと躍起になっている。恐らくはその関連ニュースではないかと予想したのだが、今のところハッキリした話は良く分からない。
だが、写真を見る限りはこのステーション。随分と安全性を無視した作りになっているようにも思える。バッテリーの大きさもやけに小さいのが気になるね。「電気自動車のバッテリー」というのは眉唾物ではないだろうか。
とはいえこの話は、現時点では僕の感想の域を出ないので、これ以上掘り下げることは無意味だろう。
バッテリー交換式EVは流行るのか
僕自身も「バッテリー交換式にすればイインジャナイ?」と思っていた時期があった。
電池交換式が「バカ売れ中」、台湾や中国が覇権争う“EV2.0”時代
2022.11.17
電気を使い切った蓄電池を利用者が充電するのでなく、業者が充電した電池に交換する――。このような電池をシェアリングする、または交換するサービスが、モバイル端末、2輪、そして電気自動車(EV)に急速に広がり始めた。
日経XTECHより
実際にその方向に動いているところもあるのだ。たとえば台湾だが、Gogoroというメーカーが電動スクーターを交換式バッテリーで動かそうという着想を得てビジネスモデル化し、台湾では成功を収めたようだ。
確か、日本の沖縄辺りの離島でも採用したという話があったように思う。

これだな。ただ、Gogoroというメーカーは台湾のメーカーなので、そちらの方を取り上げた方が良かろう。
【海外技術情報】Gogoro:バッテリー交換ステーションの先駆者Gogoroが自社スクーターのフラッグシップモデルを発表
公開日:2024.02.05 更新日:2024.02.05
EVスクーター向けのバッテリー交換ステーションのパイオニアとして知られる台湾企業のGogoroだが、実は自社名を冠したオリジナルスクーターも販売している。そんなGogoroオリジナルスクーターのフラッグシップモデルが発表された。
mf-topperより
なかなか先進的な試みではあるが、結構なインフラは必要となる。

まずはバッテリー交換ステーションだ。

スクーターのバッテリーは交換式で、バッテリーを含まない本体が販売されるので価格は安く抑えることが出来る。台湾では電動スクーターのシェア9割を達成したと言うから大したものである。利用者が50万契約突破(2022年8月)という話もあったから、2357万人の人口規模を考えるとなかなかの盛況ぶりだ。
尤も、電動スクーターの市場の大きさはさほどではないので、どの程度の経済規模かは不明だが。
これをEVにも適用させようとしているのが支那で、鼻息は荒いようだ。
「2分半で完了」商用EVに電池交換式、規格統一がカギ…モビリティショー
2023/11/04 07:31
商用車メーカー各社が、電気自動車(EV)の車載電池(バッテリー)を短時間で交換する技術を開催中のジャパンモビリティショーで披露している。充電で車両を動かせない時間がなくなり、配送現場での利便性向上などが期待される。普及に向けては、ルールの整備や電池の共通化といった課題の解決がカギとなる。
讀賣新聞より
日本では商用車に適用しようという話が始まったばかりだが、支那では蔚来汽車(NIO)が電池交換式EVや交換ステーションを普及させる段階に入っているとか。今年3月の記事で、2382箇所の電池交換ステーションを整備したんだとか。

凄いね!
そして「ボカン」
しかし、支那で鼻息荒く市場を席巻しようとしているものの、安全性に関しては疑問がある。そう、冒頭のニュースに関係してくる話だ。
実のところ、バッテリー交換式の問題点は、バッテリーに起因する問題が起きたときに、誰が責任を採るのか?という点が明確ではない。Eスクーター程度ならばまだしも、EVに搭載してバッテリー不具合で唐突にシステムがダウンしたなんて話になると、事故は誰の責任なのか?という大きな話に発展する。
また、バッテリー交換ステーションから出火するような事態になった時、誰に責任があるのかという話になる。使い方が悪かったのか、バッテリーが悪かったのか、管理が悪かったのか。

日本でも国とメーカーが動き出してはいるようだが、主に配達事業者が使う想定と、車の運行からバッテリー交換、システム運行の管理まで1つの会社が責任を持つような体制が想定されている。
しかしそれでも、現状はリチウムイオン蓄電池を運用することを想定すると、火災のリスクというのは十分に想定する必要がある。
郵便局みたいな大きな組織に、EVとEバイクの両方に使い回せるバッテリーを開発して低価格で運用するみたいなビジネスモデルで、老朽化バッテリー管理もバッチリということであればともかく、市販化するにはまだまだ課題の多い話のように思えるよね。
EVから出火する
あの事件はどうなった?
近年、EVからの出火について騒ぎになるケースが増えているが、実のところEVから出火するというケースは多い訳ではない。ただ、出火すると鎮火せずに全焼まで行ってしまうので、目立つのである。
ここ最近で一番驚いたのはこのニュース。
オランダ沖で高級車など約3000台を搭載した貨物船が炎上。消し止めるのに何日もかかった上に出火の原因はEVであったというオチがついた。
続報を探していたら、こんなのがあった。
商船三井、ポルシェを提訴 「運搬船火災は電池が原因」
2024年3月6日 19:32
商船三井が独高級車ポルシェに損害賠償訴訟を起こしたことが6日わかった。2022年にポルトガル沖で起きた自動車運搬船の火災は「積み荷の電気自動車(EV)の電池が原因だった」と判断した。EV運搬時の電池の発火リスクの管理を巡り、議論が起きている。
商船三井は日本経済新聞の取材に対し「訴訟を起こしたのは事実」と話した。ポルシェは訴訟の事実を認めたうえで「進行中のため詳細はコメントできない」とした。
日本経済新聞より
犯人は特定されてポルシェが訴えられたわけだが、船ごと燃えてしまったので損害額は天文学的になると噂されている。それでもポルシェが潰れるようなことはなかろうが、裁判の行方によっては船会社が「EVの運搬はやりたくない」なんてことになりかねない。
韓国ではEVタクシーが暴走
また、こんなニュースもあったね。
こちらの件はまだハッキリしないのか、続報を見ない。ただ、ニュースを見て「でも、韓国だからなぁ」と思ってしまった僕は悪くない。……いや、ごめんなさい。
韓国製EVが衝突事故で車両火災、運転者死亡…ナンバープレート焼失し身元特定できず /蔚山
記事入力 : 2024/01/24 10:45 / 記事修正 : 2024/01/24 16:09
蔚山市内で1台の電気自動車が橋脚に衝突して火災が発生し、ドライバーが死亡する事故が発生した。
23日午前5時9分ごろ、蔚山市北区のソンネT字路で韓国製電気自動車が橋脚に激突し火災が発生した。蔚山消防本部が同日発表した。
朝鮮日報より
それでも、こんな記事を度々見かけると、EV特有の問題というよりは、韓国特有の問題に感じてしまうのは仕方がないよね。
消火が難しい
さておき、EV火災の特徴としては、とにかく消火が困難であるという点である。
「EVは燃える」は本当か 知っておきたい車両火災の危険性 消防署の対応は?
公開 : 2024.05.14 06:05
EVの火災は発生確率こそエンジン車より少ないものの、一度燃え始めるとなかなか消火ができないと言われている。海外の統計や消防当局の対応策を紹介する。
~~略~~
そして、一度出火すると信じられないほど消火が難しい。鎮火したと思っても、数時間後、数日後、あるいは数週間後に再び火の手が上がる。ただ単に水をかけるだけではなかなか火が消えず、消火後もしばらく潜在的なリスクが残るのだ。
AUTOCARより
そして、この火災の原因になるのが二次電池である。衝突によるケースも多いけれど、停車していても出火するパターンも多く、その原因は二次電池の製造工程のエラーであるといわれている。
技術的に確率で不良が発生して、それをゼロにすることは極めて困難である。それでも出火したら直ぐ消火できれば良いのだけれど、空気なしで燃焼を続けられるために水没させて温度を下げるという荒技に出ないと鎮火させることが難しい。
というわけで、後半はEVそのもの問題と言うより、やっぱりバッテリーからの出火が問題という話だね。EV用バッテリーは火災に向かうと被害が甚大になる。それ故にバッテリー問題が解決しないと、取り替え式にすると更に危険度が増す可能性が高い。
逆に言えばバッテリーのブレイクスルーがあれば、EVの普及というのは交換式のバッテリーによって加速する可能性はあるよね。
コメント
交換式でないバッテリーで火災が起きているのに、交換式ならなおさら。
問題はバッテリー技術が上がっても
ステーションや利用者が、安全性に配慮しない保存や利用の仕方をすれば発火リスクは上がるわけで。軍隊の潜水艦のリチウムイオン電池なら厳重な管理するでしょうけれど、企業や一般ユーザーがしますかねぇ?
充電時のリスクというのもありますから、交換式バッテリーはなかなか怖いですね。
今や、スマホですら電池交換出来なくなっていますから、製品として交換式というのは不安な面が大きいのでしょう。
充電密度が高くなると、爆弾を運んでいるのと同じですよ、アレ。
こんにちは。
バッテリ交換式は、理想ではありますが、今はまだ時期尚早でもう2~3ステップの技術進化が必要と思ってます。
理由は、
・バッテリ固定型の車は、バッテリ庫を強度部材としても利用している
・取り外し構造は、単純に重量と空間を無駄にする
・交換用バッテリの履歴が信用出来ない(外れ引いて同じ値段じゃ……)
etc……
バッテリ交換式は、電動トゥクトゥクとかその程度の「小型モビリティ」までなら、重量的にも航続距離的にも有り得るとは思います。
で、中国のアレですが……
七面鳥的には「これだから、エアガンの電池、リポに切替えられないんだよな」以上の感想は無いです。
充電中に燃える電池は、絶対に使いたくないです。
※国産車でもリチウム積んだのいくつかありますが、まだ燃えたって聞かないですよね。ちうごくではバンバン燃えてるのに……
こんにちは。
そうですね、僕自身はバッテリーを強度部品とするのは反対派なんですが、現状はフレームの一部と扱っている状況ですね。
そして、取り外し構造を採用すると、簡単に着脱できてかつ運転中は外れないという矛盾した機能を要求されますね。
最後の「交換用バッテリーの履歴」ですが、この辺りはサブスク的な運用にして解消しましょうという話になるのかと。
僕としても小型Eバイクまでが限界かなぁと。そういう意味では台湾は上手くやっていると思います。
そして、国産車が燃えないのは厳格な安全基準を採用しているからですね。トヨタはそももそもリチウムイオン蓄電池の採用に消極的でしたが、熱暴走関連の技術はアホほど開発していますからねぇ……。
具体的な資料を示せないので、飽くまで風の噂ていどの話として。
経済不況真っただ中の支那では、企業は倒産の嵐、国民はリストラの嵐で、EVや太陽光への
関心はもはやどこ吹く風のようです。EVも太陽光パネルも死屍累々…
BYDは、一説によると、1500億元以上の累積債務を抱えていて、世界的なEV不況のいま、
支那政府は余剰EVをなんとか日本に押し付けようとしているとかww
発火する支那製の自動車なんて、いったいどこの誰が買うんだよ、という話に。
閑話休題
最近、いくつかの日系自動車メーカーが軽自動車EVを開発して話題になっていましたけど、
意味あんのか、それ?と、職場で笑い話になって、日系すら迷走している事情が浮き彫りに。
バカやってばかりいると終いには飽きられて、元の木阿弥になるのは世の常識ですよ。
旧正月で爆竹大好き中国人はスマホも爆発がお好き。
爆発するスマホといえば韓国なんですが、支那製のスマホも結構出火しているようですね。