立憲民主党も、たまには仕事をするのかと感心したのだが、どうやらちょっと違うらしい。
立民、補正予算の修正案提出 「能登」増額、基金減額
2024年12月11日13時25分配信
立憲民主党は11日、2024年度補正予算案の修正案を衆院予算委員会に提出した。
時事通信より
補正予算案の修正案というからには、その案に立憲民主党の思想が織り込まれていると考えていいだろう。
何が目的の修正安かが不明
立憲民主党提出の補正予算案
政党が掲げる綱領に沿って、それぞれの向いている方向は異なる。自民党中心になって作り上げられた補正予算に異を唱えるのは、立憲民主党としては健全だろう。
願わくば、野党として意見をまとめて提出するほうが望ましいとは思うが、そんな事ができるのなら万年野党はやっていないわけで。
ともあれ内容だ。
能登半島地震の復旧・復興費用を増額し、各種基金への支出を削減する内容。衆院予算委は昼の理事会で、12日に修正案の趣旨説明を行い、政府案と併せて審議することを決めた。
~~略~~
政府案は、一般会計の歳出総額が13兆9433億円に上る。修正案は、24年度予備費を財源として能登の復旧・復興に充てる予算を1000億円増やすよう要求。各基金への積み立てのうち、半導体関連や宇宙戦略、デジタル基盤改革など緊要性が低いと判断した計約1兆3600億円分を減額することを盛り込んだ。
時事通信「立民、補正予算の修正案提出」より
……ん?これマジ?
半導体関連予算は経済産業省発案
先ずは、半導体関連予算についてだ。
半導体・AI支援に1.5兆円 24年度補正予算案―経産省
2024年11月28日16時08分配信
経済産業省は28日、2024年度補正予算案に半導体や人工知能(AI)分野を支援するため1兆5000億円程度を計上する方針を固めた。次世代半導体の国産化を目指すラピダス(東京)などを念頭に、先端半導体の設計などに1兆514億円を充てるほか、半導体の国内拠点整備に4714億円を確保した。
政府は21~23年度、約3兆9000億円の半導体支援を決めた。22日に決定した総合経済対策で30年度までに半導体やAI関連に10兆円以上の公的支援を行う枠組みを策定。次世代半導体の研究開発などへの補助金に6兆円程度を拠出する。国による出資などを可能とするための関連法案を来年の通常国会に提出する方針だ。
時事通信より
予算の概要は概ね各省庁で組まれる。政治家はそれの優先順位を付けて、予算の取捨選択を行わねばならない。
政府にとって、半導体支援は日本として遅れている分野であり、しかしアメリカや台湾の思惑に載ってチャンスを得た。現代の機器を製造するには半導体が不可欠。その産業を取り戻せるのであれば、予算も突っ込むさ。
立憲民主党は、それを「緊要性が低い」と。2位じゃ駄目なんですか?と阿呆な質問が思い返されるが、それはさておき。
1兆円超の補助金、最終決定 インテル、先端半導体を生産―バイデン米政権
2024年11月27日16時57分配信
バイデン米政権は26日、米半導体大手インテルに対し、最大78億6500万ドル(約1兆2000億円)の補助金を交付することを最終決定したと発表した。
時事通信より
アメリカもかなりこの分野に力を注いでいる。インテルが不調なのは周知の事実だが、未だAIなどの分野においてコンピュータの需要はあるので潰してしまうわけにはいかない。何より、この分野を他国に取られるわけにはいかない。アメリカとしてはそういう意思表示なのだろう。
宇宙戦略予算について
では、宇宙関連はどうだろうか。
宇宙予算、7割増の「年1兆円に」 自民党特別委が提言へ
2024年5月17日 15:00
自民党の宇宙・海洋開発特別委員会(若宮健嗣委員長)がまとめた宇宙政策の提言が判明した。宇宙関係予算を現在の約7割増の毎年度1兆円にすることなどを盛り込んだ。安全保障対応の強化や宇宙産業の成長を促す。
日本経済新聞より
宇宙関連予算も、ここのところ力を入れ始めた分野である。
2 総務省計上分により実施するテーマ
・衛星量子暗号通信技術の開発・実証
総務省のサイトより
・衛星コンステレーション構築に必要な通信技術(光ルータ)の実装支援
・月面の水資源探査技術(センシング技術)
・月-地球間通信システム開発・実証(フィージビリティスタディ)
実は、宇宙関連事業は商業化や安全保障にシフトしてきている部分で、これからの成長産業だと見込まれている。日本の宇宙開発事業は独自路線の挑戦が多く、お金になるかどうかははっきりしない面もある。そういう意味では「緊急性がない」と判断することは「あり」だとは思うんだけど、宇宙開発は日本の強みなんだがそれを止めていいかはよく考えるべきだ。
デジタル基盤改革予算
で、デジタル基盤改革予算なんだけど、この分野って日本はすごく遅れている。マイナンバーカードの話も関係してくるんだけど、僕としては保険証機能に是非、お薬手帳と電子カルテまで連携させて欲しい。
特に、自治体システムは自治体毎に手を加えているらしい。あんなもの、共通システムを開発してカスタマイズ出来るようにしたほうがよっぽど効率的なんだが。
自治体システム標準化の費用はどこが持つのか? 河野大臣「国が全額持つ」→「総務大臣が責任持つ」
2023年11月10日 13時25分 公開
政府が進める「自治体システム標準化」施策の費用を巡り、大臣の発言が注目を浴びている──時事通信社が11月9日、自治体システム標準化について、河野太郎デジタル大臣が「移行費用は国が全部持つ」と発言したと報じた。翌10日の記者会見では、財源や予算に関する質問に対し、河野大臣が「総務大臣から、移行経費に責任を持つと聞いている」と答えた。一方、同日の鈴木淳司総務大臣の記者会見では移行経費に関する言及はなかった。
ITメディアより
この辺りの話は、まだまだ混乱はあると思う。でも、地方自治体任せにしていたら、いつまで経っても改革は進まないだろう。
緊急性がないという判断はありかもしれないが、動き出した部分は進めたほうが、トータル予算は少なくて済む。標準化に手を付けた以上はさっさとケリを付けたほうが良いと思うんだけどね。
能登の復旧・復興に充てる予算
一方で、今年の1月1日に発災した能登半島だが、なかなか復旧が進んでいない。
能登半島地震の仮設住宅 豪雨被害の復旧進み 再び入居始まる
2024年12月13日 12時46分
ことし9月の石川県能登地方の豪雨では、能登半島地震の被災者が暮らす仮設住宅の一部も浸水などの被害に遭いました。石川県輪島市では仮設住宅の復旧作業が進められ、13日から再び住民の入居が始まりました。
NHKニュースより
これは地盤的な問題で復旧が進んでいないことと、豪雨災害の影響もあって右往左往することになってしまったからだ。そもそも能登半島にたどり着くために結構道が細く山道を走らねばならないという面も、復旧の妨げになっている。
だから、「予算を1000億円増やすよう要求」という点を否定するつもりはない。それは分かるんだけど、何故、計約1兆3600億円分を減額要求したの?意味が良くわからない。経済もそれなりに回復基調にあって、政府予算が膨らんでいるとはいえ余裕はある。それを補正予算の削減とは……?
立憲民主党によれば、「前年超えありきで膨張しているので、削るべきだ」ということらしい。一応、「年度内に執行するめどが立たない」ということらしく、今年も4700億円使い残していることを考えれば、ある程度削るという主張は全く荒唐無稽というわけではないと思う。
でも、今は経済の後押しをするターンだと思う。
そして、最大の問題は立憲民主党としての主張がこの修正案からはさっぱり見えないんだよね。何がしたいのか、と。せっかく仕事したのかなと思ったのに、実は仕事したフリだったという。
コメント
バカなの??
緊急性が無いから減額?
あのさぁ米中対立が強まる今、米国は先端産業から中国人雇用を首切りしてる。そして、これが勧めば日本に製造拠点を移してくるチャンスなの解って?
九州の大規模半導体工場団地も今は二級品の製造だけど、先端半導体の製造施設も建設中なんだよ!!
能登半島は軍事的に日本海を見渡す場所なので、あそこに防衛施設とレーダーを置くべきなのて見捨ててはダメです。てすけど
その規模て予算削減はアホなのか??
航空宇宙分野も、マジで国防で中露に備えるには絶対に予算必要で「緊急に増額」すへきなんです。そんなにシナやロシアの前に日本の戦力を丸裸にしたいのか?
これ金を貰っての売国ミッションきてるに違いありませんよ! 公安捜査庁は何をやっとる!! 速く売国議員を逮捕せよ!
あと医療も(かつてはマイナンバーカード反対の私でも)木霊様の言われるようにお薬手帳と紐付けすると、不慮に倒れた時に医療機関がすばやく対処てきるんすよ!
不完全たからマイナ保険証は問題あるのて、徹底すれば助かる命は増える!
はっきし言って北京から賄賂をもらい、もしくはハニトラされて、日本の発展と力を削ごう、妨害しようという売国行為しか伺えない!
立憲民主党、何を考えているのかって感じの話でしたね。
やはり、現役世代の財布に訴えかける国民民主党が強い。その存在を意識した感じなのでしょうけれど、随分と外してしまった印象が強い。
立憲民主党は、「紙の保険証を残す」という主張をしていまして、デジタル行政が進んでもらっては困るのでしょうけれど、それって本当に国民のほう向いていますか?という疑問が。
もちろん、それだったらそれで、高齢者の方を向いた政策を予算案修正に反映させればいいのに、それをしないのが意味がわからないのですよね。
自・公も立憲も、ザイムショウに嫌われないように媚びを売っているのでしょう。
世論の動向を伺いながら算盤を弾きつつ、ザイムショウの増税案や財政支出削減案も
恨まれないように組み込む。
いまの政治家たちは、こんなことをずっと続けている姑息な人たちばかりです。
そもそも、今年度補正予算が14兆円程度では少なすぎるでしょう。倍はあっていい。
政治家たちとザイムショウは、国民のほうを向いていませんね。
やっぱりここにも財務省の影響を感じます。
困った話ですねぇ。
経済活性化が困る人々がいるのかもしれませんけれど。
こんにちは。
・予算は、財布の大きさには限度がある。
・その上で、長い目で見た産業育成や国防はおろそかにしてはならない。
・災害支援はイレギュラーなので、上記と同列で語ってはならない(レベルが低い、と言う意味では無い)
・削れるところと言うなら、偽造が横行している健保関係、ナマポ疑惑、偽装難民などを一掃すればそれなりに浮くのでは?
・浮かなくても、スタンスを示しておかなければならない。
・ついでに、減税策を挙げて人気回復しようと何故思わない?
とにもかくにも、
>立憲民主党としての主張がこの修正案からはさっぱり見えない
国家を弱体化し、レッドチームの有利になるように働く、それ以外に主張なんてありましたっけ?
こんにちは。
予算配分のコントロールをしているのが財務省ですから、なんだかんだ言っても官僚にある程度は左右されちゃいますよね。
ただ、これは政治家が不勉強だからそうなるのであって、しっかりと必要な予算をもぎ取れるような状況にできる程度には勉強して貰わねば困ります。
そういう意味でも、不勉強な野党政治家にはウンザリですね。困ったことに、与党議員もかなりアレですが。
結局のところ、議員が大臣になったところでその道のスペシャリストにはかなわない(余談ですが、その意味で、株式会社TOKIOの城島社長には農水相になっていただきたい)のですが、そこは有能な子飼いのスタッフでまかなえばよい、と思うのです。
劉備玄徳はお飾り、諸葛亮はその威を借りてこそ軍を率いれる、という。
同じ意味で、大臣は有能な怠け者、スタッフに有能な働き者の軍師が居るのが理想ですね。
そこんところを上手くやれてる人が果たして何人居るのか……
※その為なら、政党助成金でも裏金でもバンバン使えばよい、と思ってます。