対潜哨戒機の購入で色々揉めていた気がするけど、結局P-8Aにしたんだね。
「潜水艦キラー」最新鋭海上哨戒機P-8Aが韓国到着
2024.06.19 10:50
最新鋭の対潜哨戒機P8Aポセイドン3機が19日、韓国南東部・浦項の韓国海軍航空司令部に到着した。韓国海軍が発表した。
聯合ニュースより
選択肢は実質コレしかないとはいえ、入手するのには時間をかけたなぁ。すっかり忘れていたよ。
韓国海軍の対潜紹介能力は向上できるか
対潜哨戒能力の向上
対潜哨戒機に関する記事はこちら。
対潜哨戒機として対潜哨戒機P-8A「ポセイドン」の購入を検討していたのは2013年の記事で、それから11年も経過している。
まあ、直ぐに手に入れられるモノではないにせよ、ちょっと放置しちゃった印象ではある。

しかし、この時にも書いたのだが、セット運用するMQ-4C「トライトン」は導入したんだっけ。
P8Aは米ボーイングが韓国海軍に納品するため製造した6機の一部で、残り3機は30日に到着する。
聯合ニュースより
購入したのは6機らしい。確か、運用しているP-3Cは8機、P-3CKが8機の計16機だったはず。しかし、韓国海軍がP-3Cを購入したのは1995年で、P-3CKとしてP-3Bを調達して改修して2010年に就役させているので、2010年までに16機体制になっている。
しかし、先に調達したP-3Cは登場から半世紀経過しており、韓国海軍が導入してからも25年越えの機体になっているのでそろそろ更新が必要で、そういう意味でも今回のP8A導入というのはある意味当然なのである。
ターボファンエンジン2基構成
さて、P-8A「ポセイドン」なのだが、P-3C「オライオン」がターボロップエンジン4基構成だったのに対して、ターボファンエンジン2基構成になっている。
この結果、巡航速度は向上したが戦闘行動半径は低下。
P8Aの最高速度は時速907キロで、韓国海軍が運用している海上哨戒機P3(時速749キロ)より速く、作戦範囲も広い。数百キロ離れた海上の標的を探知できる長距離Xバンドレーダーなど高性能の監視偵察装備や電子戦装備のほか、海上の標的を精密打撃できる空対艦誘導弾、潜水艦を打撃できる魚雷などを搭載している。
聯合ニュースより
記事では作戦範囲が広いと書かれているものの、滞空時間は15時間から10時間、つまり2/3になっている。まあ、ターボファンエンジンを採用しているので仕方ない面はあるんだけど。
そして、低速での長時間哨戒が苦手なので、アメリカ軍ではMQ-4C「トライトン」と連携して運用される構成となっているんだよね。先に書いた「MQ-4Cは?」というのはそういう意味である。
ただ、韓国海軍はMQ-4Cを採用する積もりはなさそうだ。まあ、P-8Aを導入する他国も、MQ-4C買わない国はあるから、特段おかしいという話ではないんだ。
P-8Aは最高時速907キロと、海軍の従来の海上哨戒機P-3(時速749キロ)より速く、作戦半径も広い。最大で数百キロ離れた海上の標的を探知できる長距離Xバンドレーダー、数十キロの距離の標的を高解像度で撮影・探知できるデジタル電子光学(EO)/赤外線(IR)装備など高性能監視偵察装備と電子戦装備を搭載している。また、海上標的を精密打撃できる空対艦誘導弾と水中潜水艦を打撃できる魚雷などで武装し、敵の潜水艦の信号を探知して識別・追跡できる音響探知浮漂(ソノブイ)を約120発搭載できる。P-8Aは今後1年間、作戦遂行能力評価を行った後、来年半ばから作戦現場に投入される。
中央日報より
しかし、総合的に見て性能は向上するにせよ、現行16機体制のP-3C/P-3CKは退役できるのか?という点は心配ではある。6機体制に縮小するというのは現在の対潜哨戒能力をカバー出来るのか?ということだ。
一番アリなのは、MQ-4Cを18機ほど導入して併用してあげることだ。が、その積もりはないとすると、何らかの形で対潜紹介能力の担保をする必要があり、今のところその戦略は見えていない。どうなっているのやら。
追記
もしかしたら以前触れた記事かも知れない。
韓国海軍次期哨戒機、「潜水艦キラー」米国製ポセイドンを選定
2018.06.27 07:30
韓国海軍が使う次期海上哨戒機は米ボーイングのポセイドン(P-8A)が選ばれた。25日に国防部の宋永武長官主宰で開かれた第113回防衛事業推進委員会の結果、防衛事業庁はボーイングのポセイドン(P-8A)6機を米国政府との対外軍事販売(FMS)方式で購入することにした。
中央日報より
2018年にP8Aの導入を決定していたという記事なのだが、やっぱり当面は6機運用を考えているようだ。P-3C系の対潜哨戒機と当面は一緒に使っていくという方針なんだと思う。
韓国は、アメリカからFMSで兵器を買う時に特殊な仕様にしがちなんだけど、今回は余り特殊な事は書いていないようで。
この辺りは分かったらまたお伝えしたいが、特殊な仕様にしたら胸を張って報道することが多いので、そのうち出てくるだろうと思う。
コメント
インド海軍のP-8I ネプチューンと同様の仕様かな?
インド海軍は近海様にIl-38、遠海用のTu-142MをP-8Iに更新。
インド海軍は特別なカスタマイズして購入したようですね。
こんにちは。
対潜哨戒機……空中給油機……うっ、頭が……
というわけで、またぞろ共食い整備の餌食にならないと良いのですが。
※P-8とMQ-4のペア運用は、潤沢な予算(最近はそうでもないが)と、それがないとどうにもならない広大なシーレーンを持つアメリカならでは、母機は後方の高高度で待機していて良い条件だからこそ成り立つコンビだと思ってます。
※しかるに、日本海では「後ろに下がる後方」はほぼ存在しない。即応能力が重要(見つけ次第殺さないと、悠長なことをしている時間(=余裕距離)は無い)、となると、低空での機動性・運動性に振ったP-1の有効性が光るわけで。
※P-8しか事実上選択肢は無いですが(欧州産は性能が……)、果たしてこれがベストかと言われると、どうなんでしょうね……鳥を裂くのに牛刀、でも研いでないから刃こぼれ錆だらけ、って事になりかねない気がしてます。
※鳥だと思ったら「赤いバケモノ」が見つかる可能性も多分にありますが。
自己レスです。
空中給油機じゃなくて早期警戒機でしたっけ、うろ覚えですみません。
こんにちは。
そうですね、空中給油機も買っていましたし、対潜哨戒機も早期警戒機も買っていましたね。
本当に必要なのか……。
なお、韓国海軍にMQ-4を運用しろとは言いませんが、大型無人機シーガーディアン(MQ9B)辺りは使っても良いのではないかと。
省人化を目指している韓国ですから、実績のある無人機の導入はやっても良いと思うんですよね。
まあ、RQ-4「グローバルホーク」を購入していますから、何か連携することを考えるかも知れませんね。
対潜哨戒機って、実は日本のお家芸ですよね。あれってレーダー技術と電子技術の塊なのですけれど。
戦車の動力ブラックボックスを勝手に開けて、元に戻せなくてドイツに見捨てられたり、沈んだら浮かんでこれない潜水艦を作る国に、メンテなんで出来るのですかねぇ?
横合いから……
そういったブラックボックス系はもちろん、定期交換部品にも事を欠くのが韓国ちゃんの日常ですから、ここは生暖かく行く末を見守りましょう。
※遠くない将来、こいつらが役に立たないで潜航艇の侵入を許すならまだしも、赤い星付けて飛ぶようになったら大笑いしてあげましょう(笑えないって)。
対潜哨戒の世界は、一番大切なのはハードではなくてソフトなんだと聞いています。
故に「レーダー技術と電子技術の塊」というのは正にその通りで、その経験の蓄積こそが対潜哨戒の要となります。
韓国軍がどれだけ積み上げているのか?が問題で、積み上げが嫌いな民族性を考えると、「ダメなんじゃないかな」とは思っています。