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海上自衛隊も無人機「シーガーディアン」を導入

安全保障
この記事は約7分で読めます。

これで海上自衛隊の仕事が捗るね。

海自導入の洋上監視無人機、米国社製の「シーガーディアン」に決定

2024年11月15日 18時20分

海上自衛隊が2028年度からの導入を目指す洋上監視用の滞空型無人機について、防衛省は15日、米ジェネラル・アトミクス社製の「シーガーディアン」を選定したと発表した。23機を導入する計画で、1機あたりの取得費は約120億円を想定。来年度予算案に取得費の一部を盛り込む。

朝日新聞より

スルーしていた記事だったので、忘れないうちに言及しておきたい。

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海上運用する前提では最適

海上保安庁が運用するシーガーディアン

調べていたのは、海上保安庁に導入されるシーガーディアンの話であった。海上保安庁がシーガーディアンを運用しているという話は以前も書いたのだけれど、「増やすかも」という話があったので、調べようと思った次第。

海上保安庁に導入されたシーガーディアンの数は、現在導入予定も含めて5機になる。

海保、遠隔無人機「シーガーディアン」追加導入 北九州に2機、25年度運用へ

2024年8月16日 20:56 JST

双日(2768)は8月16日、海上保安庁向けの遠隔操縦無人機MQ-9B「シーガーディアン」2機の購入に関する契約を開発元の米GA-ASI(ジェネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズ)と締結したと発表した。今回の契約分は2025年度に海保へ引き渡し、新たな運用拠点となる北九州空港での運用を予定している。

Aviation wireより

ええと、内訳だが、以下の通りである。

  • 2022年10月 1機目導入
  • 2023年5月 3機に拡充
  • 2024年8月 追加で2機購入する契約を締結

で、先日、こんなポストを見かけたので思わず突っ込みを入れてしまったのだが、なかなか残念な内容である。流石立憲民主党議員だな。

海上保安庁は定員割れが続いているからこそ、海上情報収集の効率化を図る目的で無人機を増やすという話で、立憲民主党議員はなんとも的外れな話をしている気がするよ。

ポストの内容は、令和6年の補正予算額に、「無操縦者航空機」とあり、「新規3機:218億円」とあってコレを「爆買い」と表現してしまっていて苦笑いである。この記事を見たので、更に3機増やすのか、2機から3機に増えたのかを知りたかったんだよね。

海上自衛隊も

で、成り行きで冒頭に紹介したニュースを見つけたんだよね。その内容は、海上自衛隊もシーガーディアンを導入するというもの。忙しい時期だったのでスルーしてしまったが、海上保安庁が導入したがっているのは、以前からなんだよね。

日本周辺の海域で近年、中国軍艦艇による活動が活発化していることを念頭に、政府は22年策定の安全保障関連3文書で、洋上監視用の滞空型無人機の導入を明記。同機は全長11メートル、全幅24メートル、全高4メートルで、最大飛行高度は約1万2千メートル。武器や弾薬の搭載は考えていないという。赤外線カメラやレーダーなどを備え、地上から操縦し艦艇などを監視する。

選定にあたり、防衛省が提案を募集したところ、応募は同機のみだった。防衛省が機能や安全性などを評価し選定した。海自は昨年5月以降、日本周辺海域の警戒監視活動が無人機で代替可能かどうか、同機を試験運用して検証を進めていた。

朝日新聞「海自導入の洋上監視無人機」より

「応募は同機のみだった」と書かれているんだけど、もうこれ決め打ちのような話なんだよね。

そもそも海上保安庁のMQ-9B「シーガーディアン」も、海上自衛隊八戸飛行場が運用していた。

海上保安庁の方は、福岡県にある北九州空港に移転する(2025年に移転の予定)ことになっている。

img

この運用ノウハウがあるので、海上自衛隊に配備するのもシーガーディアンでイイヨね?という話になるのは当然の流れ。

他に適当な機体がないというのもあるのだろうけれど、順当な判断だと思うよ。

海自ついに導入「シーガーディアン」一体どう使うの? 新たな“空の眼”となる無人機 減っていくかもしれない有人機とは?

2024.11.24

防衛省は2024年11月15日、選定作業を進めていた海上自衛隊の滞空型無人機(UAV)の機種を、商社の双日が提案したジェネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズ(GA-ASI)の「MQ-9B シーガーディアン」に決定したと発表しました。

シーガーディアンは海上保安庁も洋上監視用無人航空機として導入し、すでに実績があります。同庁がシーガーディアンの導入に先立って実証試験を行った際、海上自衛隊もまた、この試験の本拠地として青森県の八戸航空基地を提供する関係でした。

海上保安庁は2024年11月現在、運航を担うGA-ASIが収集した情報を購入するという形で、3機のシーガーディアンを運用しています。これらのシーガーディアンは海上保安庁との契約時間外は「フリー」ということになりますが、海上自衛隊は2023年5月から、海上保安庁のシーガーディアンを借用する形で試験を行っており、それを踏まえての導入となります。

乗り物ニュースより

乗り物ニュースに紹介されているように、海上保安庁では既にテスト済みだし。

23機導入

それにしても、海上保安庁では5機しか使っていない(+3機となる可能性もあるが、現時点ではハッキリ分からなかった)のに、23機も導入するのか。

海上自衛隊のシーガーディアンは、防衛省が海上自衛隊に滞空型無人機の導入を検討する際に掲げた広域洋上監視に使われるにはもちろんですが、将来的には海上自衛隊航空機の最大の使命である「対潜水艦戦」にも使用されると筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は思います。

乗り物ニュース「海自ついに導入「シーガーディアン」一体どう使うの?」より

何に使うのかは明らかにされていないのだろうけれど、どうやら対潜哨戒にも使う可能性があるそうで。

ちょっと前にこんな記事を書いたが、もしかしたら関係するのかも知れない。

え?早期警戒管制機の話ではない?むしろ対潜哨戒機の話だ?そりゃそうなんだけど、今出ている話を総合すると、どちらかというと海上での哨戒任務にシーガーディアンを使うという話で、対潜哨戒に運用出来るかはテストしてからでないと分からない。

日本は太平洋戦争中、連合国の潜水艦に多数の商船を撃沈され、資源が枯渇したことが敗戦の一因となったことから、海上自衛隊は創設以来、対潜水艦戦能力を重視しています。その一環として、空から潜水艦を捜索して対処する「哨戒機」戦力の整備に力を注いできました。

海上自衛隊は2024(令和6)年3月末の時点で、P-3C哨戒機32機、P-1哨戒機34機、合計66機の哨戒機を保有しています。

66機という哨戒機の保有数は世界的に見ても多く、一見する限りにおいては盤石にも見えます。しかし、なかでも1981(昭和56)年から1997(平成9)年にかけて導入されたP-3Cは老朽化により急速に退役が進んでおり、2020(令和2)年には50機を保有していた機数は32機に減少しています。

乗り物ニュース「海自ついに導入「シーガーディアン」一体どう使うの?」より

でも、対潜哨戒機の話はP1哨戒機があるんだけど、それだけでは足りないので無人機を増やそうという発想になるのは分かる。

陸上自衛隊はイスラエル製のヘロンMK2をテストしている話があったが、海上自衛隊はシーガーディアンで行くってことなんだね。

それはそれでちょっと面白い。

残念ながら対潜哨戒の話はまだ噂レベルの話ではあるんだけど、タダでさえ人手不足で悩んでいる海上自衛隊が無人航空機を導入して運用し、効率化をしようという動きになっている事は、歓迎すべきだろう。

海上保安庁とのデータ連係とかも出来ると良いね。

コメント

  1. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    「海保の爆買い(笑)にケチ付けたら海自が本気の爆買いで目にもの見せに来でござる の巻」
    というのは先日ネットで散見しまして、腹抱えて笑いました。
    ・数は正義、戦は数だよ兄貴
    ・運用拠点をまとめるのは良策
    ・ノウハウある機材を共用するのも良策
    ・自律性の高い無人機は省人化に最適
    いいことずくめですよね。
    これに文句付けるヤツの気が知れない、親の顔が見たい。

    今のところ、P-1の取得は終了予定無し、みたいなので、必要があれば能増するのでしょうけれど……本機で国内専用機ですから、お高くなっちゃうのは仕方ないですね。
    ※ゲルが難癖付けなければ良いが。F-2の二の舞は許さない。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      正に、海上保安庁の3機購入にケチ付けたところで、海上自衛隊は23機買うんだからという話ですよね。
      個人的には連携して使うのが良いかなと思っていまして、海上保安庁で8機、海上自衛隊で23機というのは中々の数ですし、同じ機体に同じ海域を担当させる意味はありません。合計31機で日本の周辺海域を隈無くというのが理想ですね。

      P1哨戒機の話も含めて、自衛隊はコレから無人航空機の活用を模索していかねばなりませんから、丁度良いタイミングか遅いくらいかもしれません。

  2. 山童 より:

    えーと……筋違いな感想なので1コメは流石に控えていたのですが、まぁ感想なので一つ。
    新鋭の無人機を観ていて、やはり大気圏を非常するのは翼のある鳥型飛行機だなぁと。と言いますのは11/13に米国政府が公聴会を開いたのですね。UAPの。所謂UFO。
    そして国防総省の元UFO研究責任者が、
    「UAP現象は實在する」と。
    何言ってるんだ? 実在するから予算貰ってたんだろう? 
    問題はそれがエイリアンクラフトとは限らない事ですね。気球とか光学的現象とか。
    どれも「それ」でせう!
    んで、どの政府のクラフトてもない!と。
    いやぁ、そういう物があるとしたら、大気圏を飛行するなら鳥型にするでないすか?
    地球生物の進化を観ても、それが最も適応した形たから生物も鳥類もあーいう形になる。んで、いや常識外のテクノロジーだと言うんですが、政府がその技術をリバースエンジニアリングしてるとも別の担当者が言う。しかしAAARでしたっけ? 2022年に設立された米政府のUAP現象専門研究機関は、
    「地球外テクノロジーなどない」と申している。どっちやねん!と。
    んでんで、そもそもリバースエンジニアリングを地球外文明から貰ってるならば、今ごろこんな形状の無人機なんか作ってねぇよ!と???? 既存の航空力学なんか大幅に変わってるでしょう。けど「翼持った鳥型フォルム」は複葉機時代からラプターまで変わってない! つまり「既存のまんま」す!
    それでエイリアンクラフトのリバースエンジニアリングとか言われましてもねぇ????
    それならば、こういう無人機なんか生産しないでせう!
    つまり、米国政府が何で理由の解らない公聴会を開いて地球外技術とか言うのか、何か政治的意図があるのでせうが、何しろ、
    根拠も定かでないco2温暖化でEVとかやってまふからねぇ、似たような大衆操作としか思えない。んな技術あるならば、なんで無人機が円盤型とかでないのよ??
    まぁ、そういう「筋違い」な感想を持ってしまいましたね????

    • 山童 より:

      私自身は月刊ムーも良く読む愛好者てすが????、あーいうのはファンタジーとして愉しむもので、現実とは考えませんね。
      私が想うに、アメちゃんは大のUFO好きすね。カルト宗教なんかそれ取り入れてるし。想うに、宗教右派の強い米国でも、キリスト教の影響力はどんどん落ちている。
      特にプロテスタントは。そこに入り込んて勢力を伸ばしているのがラティーノのカトリックなんですね。どんどん不法移民来るから。エマニュエル.トッドが指摘してます。
      あのソ連崩壊を予言した家族制度の研究者すね。
      で、公明党の記事でも書きましたが、
      宗教てのは創始者カリスマだけてはダメで、
      必ず中興の祖が必要なんですよ。創業者カリスマはやがては亡くなりますから。
      でも、先進国では信仰というものがどんどん衰退している。
      対抗というか、国民を何か統合してゆく方便として、脱炭素の次にエイリアン持ってきているのではないかと疑うんですね。お粗末さまでした。m(_ _)m

    • 木霊 木霊 より:

      宇宙人がいるというのは、ロマンのある話ではありますが、それに予算をつけてガッツリ調べてもらっても、と言う気はします。そういう意味で、アメリカも凄い予算つけるなぁと思います。
      いるかいないか、はともかくとして、地球外からの技術が入っているというのは、僕自身はちょっと否定的なんですよね。
      ご指摘のように、地球外生命体から技術もらうなら、もっと理解不能な凄いの貰ったほうが説得力がありますしね。