そんなことだとは思ったけれども。
韓国軍「創軍以来最悪」の誤爆…操縦士個人の過ちなのか [韓国記者コラム]
2025年3月18日 6:00
韓国空軍が10日発表した京畿道抱川(ポチョン)での戦闘機誤爆事故に関する中間調査結果で、最も頻繁に登場した言葉は「慣行」だった。空軍は、戦闘機の操縦士が自ら座標を入力して自己点検をする「セルフチェック」、さらには指揮官の計画書チェックが不十分だった点について、いずれも「慣行」であったと説明した。
AFPより
あってもなくても韓国軍として守らないマニュアルなんだろうけれど、「存在しなかった」というのは随分と違う意味になってくるね。
規則違反は問われない
誤爆でクビ
先ずは、何の関連ニュースか、ということなのだけれど、コレは先日の誤爆事件の続報に当たるニュースである。
米韓合同演習中に、爆弾投下の実弾訓練をしていて、民家に誤爆しちゃった事件なのだが、この続報が幾つかあったのでお伝えしておこう。
抱川爆破事件で空軍高官2名が解雇
2025年3月11日 17:19
韓国空軍は火曜日、 先週38人の死傷者を出した 京畿道抱川市の村への誤爆に関わった部隊の幹部2人を解雇した。 空軍は、大佐と中佐の2人の幹部が安全管理を怠り、法的義務に違反したことを確認したと発表した。当局は、彼らの行為は「重大な職務怠慢」であり、不十分な監視に当たると判断した。
Korea JoongAng Dailyより
安全管理の指導が徹底されていないということで、「重大な職務怠慢」にあたるから解雇という流れになった。
安全管理義務違反を問われたのは、部隊の指揮官であった大佐と、射撃任務の安全検査をしていた中佐の二人であるようだ。
空軍は火曜日、部隊の指揮官である大佐は、兵士に安全指示と命令が伝えられたかどうかを監督すべきだったと述べた。当局はまた、指揮官が訓練と実弾射撃訓練計画を十分に検討せず、安全検査の職務を中佐に委任していたことを突き止めた。空軍は、中佐が射撃任務の安全検査を不十分に実施していたと非難し、演習が実弾射撃訓練であったことを考慮して、パイロットの準備を徹底的に積極的にチェックすべきだったと付け加えた。
Korea JoongAng Dailyより
この話、パイロット二人がマニュアルを無視して手順を省略し、その結果、チェックミスにより誤入力した座標に爆弾を投下してしまったという風に報道されていて、そのパイロット二人の上司が解雇されたという話である。
誰かの責任を問う必要はあったと思うが……。
パイロット二人は起訴される
更に、誤爆したパイロットは起訴された。
43人が負傷した抱川爆破事故でパイロット2人が起訴
2025年3月13日 10:41
国防部は木曜、先週京畿道抱川市の町に誤って爆弾を投下したパイロット2名を業務上過失で書類送検した。
国防部の捜査本部は、パイロットが座標を入力しなかったことが事故の直接的な原因であることを確認した。この事故で民間人29名、兵士14名、計43名が負傷した。
Korea JoongAng Dailyより
民事的な処理が行われる事になったようだが、軍事訓練をしていてミスをしたらこの始末である。ただでさえ、韓国空軍のパイロットの待遇は低いらしいので、これでまた技量を持ったパイロットが減ってしまうかもしれないね。
死傷者数は事故当日の7人から火曜日には38人、水曜日時点では43人に増加した。
Korea JoongAng Dailyより
それにしても、報道には悪意を感じるな。誤訳かも知れないけれど「死傷者数」って、今のところ死者は出ていないハズなんだが。
韓国国防部調査本部、戦闘機誤爆操縦士2人を刑事立件
2025.03.13 13:09
韓国国防部調査本部は爆弾を誤って投下して民間人を含む43人の負傷者を出した戦闘機誤爆事故と関連し、操縦士2人を業務上過失致傷などの容疑で13日に刑事立件したと明らかにした。
中央日報より
ともあれ、業務上過失致死に問われて起訴されたので、パイロット二人が刑事罰を受けることは避けられない。
マニュアルがないと前提が変わるのでは
ただ、このような流れになっているにも関わらず、蓋を開けてみたら「慣行」で行われていてマニュアル化されていなかったという話が出てきてしまった。それが、冒頭のニュースなのである。
今回の調査によると、操縦士は▽飛行任務計画装置(JMPS)への座標入力時▽飛行データ伝送装置(DTC)を戦闘機に接続し、離陸前に機体を点検する時▽射撃地点で目視により標的を確認する時――の3段階で座標を確認する手順となっていた。
だが、この3段階の点検は、軍が公式に定めた規則ではなく、米軍の方式を模倣しつつ、操縦士らが長年にわたり自ら構築してきた「慣行」に過ぎないという。
AFP「韓国軍「創軍以来最悪」の誤爆」より
そうすると、「慣行」を守らなくても良いという話が出てきてしまうのではないかと思う。
結果的にミスをしたパイロット二人が罪に問われるのは仕方がない面はあると思うのだが、しかし、過失があったかどうかは別な話になるし、クビにされた上司二人も本当に監督不行き届きを問われるのかは疑問である。
部隊の戦隊長や大隊長は、操縦士が作成した計画書を受け取り、標的に関するブリーフィングを確認するだけで安全措置を施していたとされる。筆者は現場すべてを見たわけではないが、指揮官らが安全に関する全ての状況を細部にわたり把握していなかったことは、容易に想像できた。
事実上、操縦士の「個人スキル」に安全の全責任が委ねられていたと見るべきだろう。
AFP「韓国軍「創軍以来最悪」の誤爆」より
ブリーフィングも慣行で行われたんだね。形骸化していたというよりは、元々慣行に従ってなんとなくやっていたのが実情だったというのだから、随分とおかしな事になる気がしてならない。
しかし、「しっかりとした安全管理システムがある中で個人が犯したミス」と、「まったく管理体制が存在しない状況での個人のミス」を同じように評価することはできない。
AFP「韓国軍「創軍以来最悪」の誤爆」より
記者も指摘しているが、そもそもしっかりした安全管理システムがある前提だったのに、蓋を開けたらそうした管理体制がなかったので、個人の罪を問う展開になってしまったという話。
その結果、刑事事件化されたということなのだが、本来であればこれは韓国空軍が罪を被って賠償責任を問われる展開にならねばならない。業務上過失致死罪が問われるのも、少々違和感がある。
……なお、日本で万が一同じことが起きるとやっぱり民事事件、刑事事件になってしまうね。だから、日本も他山の石として考え直すべきだと思うんだ。え?どうすれば良いって?自衛隊を軍隊にするということだよ。憲法も改正すべきだよ。国防を考えると言うことはそういうことだから。
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