おお、すげー。
トルコ独自開発 ステルス戦闘機「KAAN」が初飛行
2024/02/22 09:13
トルコが独自に開発したステルス戦闘機が初飛行に成功しました。
ABEMA TIMESより
トルコは、紆余曲折あって導入を予定していたF-35戦闘機の入手が困難となった。で、このたび新しい戦闘機を手に入れる運びとなった。
トルコが開発する第5世代戦闘機
初飛行に成功
といっても、まだまだ初飛行に成功しただけで、兵器として使えるようになるにはおそらく数年から十数年の年月を要すると思う。特にトルコは初開発の戦闘機だから。
トルコの次期戦闘機計画TFXが持ち上がったのは、2011年のこと。当初は韓国が開発のKFX(現KF-21)に興味を示したり、ユーロファイタータイフーンに興味を示したりもしていた。
が、結局独自路線を目指すこととして、2015年にBAEシステムズ社が協力企業として選ばれた。
トルコ、F-35Aに代わる“国産ステルス戦闘機” お披露目!大統領が「KAAN」と命名
配信日: 2023/05/04 07:24
トルコのエルドアン大統領は2023年5月1日、開発を進めている“国産ステルス戦闘機”「TF-X」のプロトタイプを公開し、「KAAN (カーン)」と命名したことも発表しました。大統領はコクピットに乗り込み、地上走行も披露し、開発が順調に進んでいることをアピールしています。「KAAN」とは、“強大な支配者”を意味するオスマン帝国で使用された男性名詞です。
Fly Teamより
そこから8年かけてプロトタイプが公開できるまで開発を進め、本日めでたく初飛行に漕ぎ着けたというわけだ。
やっぱり、トルコ大統領のエルドアン氏の独裁体制が続いているだけに、少々トラブルがあっても力強く推進できるようだね。
KAANは第5世代戦闘機
さて、KAAN戦闘機の実力がどの程度になるのか?に関してはコレから判明していくわけだが、現時点で分かっていることもある。
21日、アンカラの飛行場で初飛行を行い、無事、成功しました。
エルドアン大統領はSNSに、「きょう我々はトルコの防衛産業の誇り高い1日をまた経験した」と賞賛しました。
「KAAN」は、アメリカのF35やロシアのスホーイ57と同じく、現在、世界最高峰の第5世代戦闘機に分類されるとされています。
ABEMA TIMESより
どうやら、第5世代戦闘機に分類されるような実力を有しているらしい。
第5世代戦闘機と呼ばれるカテゴリー、実は明確な定義があるわけではないので、名乗った者勝ちという状況ではある。ただ、一応、ある程度は方向性が示されてはいる。
- スーパークルーズ性能を有すること(超音速巡航飛行ができる)
- ステルス性能を有すること(レーダーによる捕捉されにくいこと)
- マルチロール機であること(装備を変更することで制空戦闘、各種攻撃任務、偵察などの任務を実施できる能力がある)
このあたりは共通しているようだ。
つまり、少なくともKAAN戦闘機が第5世代戦闘機を名乗るのであれば、それに準ずる能力を有している必要があり、おそらくは技術協力しているBAEシステムズ社にはそのノウハウがある。ユーロファイタータイフーンを製造しているし、F-35A戦闘機の整備を担当する企業でもあるからね。
英BAE、F-35のブロック4電子戦システム受注
2023年4月16日 12:56 JST
英国の航空宇宙防衛大手BAEシステムズは、米ロッキード・マーチンから第5世代戦闘機F-35「ライトニングII」の17ロット向けに電子戦システム「AN/ASQ-239」の最新版となるブロック4(Block 4)を受注した。契約額は4億9100万ドル(約653億円)で、これまでに納入済みの1200ユニットへの追加となる。
Aviationwireより
公開されているイメージ図からも、なんとなくそのコンセプトは伝わってくる。

上から見ると、随分とのっぺりとした印象があるな。形状としてはF-22戦闘機に近い印象を受ける。後半で添付した動画を見ると、更にF-22に近い印象を受ける。
ライバルはKF-21戦闘機?
さて、そんなわけで初飛行に漕ぎ着けたKAAN戦闘機だが、他の第5世代戦闘機とライバルになるのか?というと、ちょっと良く分からない。完成するとして、どんな戦闘機と競合するのだろうか。
「KAAN」は、トルコ航空宇宙産業(TAI)を中心に開発が進められています。空対空・空対地用の、F-22A、F-35A/Bと同じ第5世代ジェット戦闘機。機体はF-35/Aより一回り大きく、最大速度はマッハ1.8です。搭載されるエンジンについては、プロトタイプと初期生産機はF-16戦闘機と同じF110エンジン、量産機は国産エンジンの予定で開発が進められています。
Fly Team「トルコ、F-35Aに代わる“国産ステルス戦闘機” お披露目!」より
実のところ、第5世代戦闘機と呼ばれるのはアメリカのF-22、F-35、ロシアのSu-57、支那のJ-20あたりだとされている。だが、F-22戦闘機は世界最強といわれていても、アメリカから門外不出となっているため輸出はされないし、製造ラインは閉じてしまっている。
今はF-35戦闘機が主流で、外国に積極的に輸出も行っている。順次グレードアップされているのでどの程度の性能になるのか分からない部分もあるが、現時点においてアビオニクスは他の追随を許さない印象を受ける。
開発段階も含めれば、インドのAMCAや支那のJ-31(J-35)があるが、これらはモノになるかどうかは不明。
一方の、ロシア製Su-57戦闘機はロシア国内で実戦配備され、シリアやウクライナで実践投入済みだとは言われているんだけれど、その戦果は不明。支那のJ-20も多数配備されたとされているけど、その実態は不明。何れも輸出実績はいまのところない。
そうすると、登場時期を考えると、おそらくKF-21戦闘機との競合が考えられる。第4.5世代戦闘機と第5世代戦闘機が競合するのか?という疑念はあるものの、何れも初の戦闘機開発という側面があるので、意外に近い性能になるのではないかな。開発スケジュール的には2030年に運用開始を予定しているらしいからね。2026年に就航予定のKF-21戦闘機とは良い勝負になるかも。
開発スケジュール
とはいえ、トルコとしてもまだまだ第一歩を踏み出した程度の話。
動画を見ると、随分とスムーズに飛行しているように見えるのだが、飛ばすだけならばKF-21も成功している。BAEシステムズ社が関わっているので、おそらくはステルス性能についてもそれなりの性能を持っているのだろうと思われる。形状的にもF-22とF-35に似た形状であり、その点もステルス製に配慮されていることが伺えるのだ。
エンジンはF-15E、F-16戦闘機で実績のあるF110エンジンを採用。果たして、実機でもF110エンジンが搭載できるかは不明だが、使用可能であれば実績がある分有利だろう。
いずれにせよ、注目していきたい戦闘機である。
追記
なかなか格好いいな!



こうやって見ると、F22そっくりという気がしてきた。予定通り完成するかはかなり怪しいものの、続報を期待したいと思う。
コメント
こんにちは。
Wikiも英語サイトしかまだ無いようで、ざっと斜め読みしただけですが……
https://en.wikipedia.org/wiki/TAI_TF_Kaan
エンジン含め、西側の技術に頼る部分が多いみたいで(そりゃそうか)。
見た感じはF22とF35のいいとこ取りして、自国の技術の範囲内でそつなくまとめた感じですね。
お手本があると、フォロワーは楽になりますね(フォロー出来る資金と技術があると言う事で、羨ましい)。
本邦も、「孔明の罠」など力業で無力化して、F-3をガンガン推進してほしいものです。
こんにちは。
BAEシステムズ社がやっていますから、完成するのは間違いないと思いますよ。
アメリカの横槍が入ってくると思いますから、どの程度の仕上がりになるかは注目していますが、おそらくは文中でだしたKF-21戦闘機よりちょっと上くらい。ぎりぎり第5世代戦闘機を名乗れる仕上がりが濃厚かなと。
日本は「孔明の罠」を打ち破るところが必要で、ここ一週間くらいが勝負になりそうですね。