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ノルウェー、K9自走砲の追加調達を決める

韓国陸軍
この記事は約4分で読めます。

K9自走砲のセールスは中々好調のようだ。

Norway to nearly double its K9 howitzer fleet for around $534 million

Apr 5, 2025, 12:02 AM

PARIS — Norway plans to nearly double its fleet of self-propelled artillery, proposing to buy an additional 24 K9 Thunder howitzers from Hanwha Aerospace for a budget of 5.65 billion Norwegian kroner, or $534 million.

~~対訳~~

ノルウェー、K9榴弾砲をほぼ倍増へ 約5億3400万ドルで

パリ発-ノルウェーは自走砲の保有数をほぼ倍増する計画で、ハンファ・エアロスペースからK9サンダー榴弾砲24門を56億5000万ノルウェー・クローネ(約5億3400万ドル)の予算で追加購入することを提案している。

Defense Newsより

ノルウェー軍としても、注力しておきたい分野なのだろう。

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売れている自走砲

北欧のトレンド

北欧の話で過ったのは、フィンランドのこのニュースだ。

フィンランド 対人地雷禁止条約から脱退へ ロシアの侵攻に警戒

2025年4月2日 7時23分

ロシアと国境を接する北欧のフィンランドは、対人地雷の使用などを禁止した国際条約から脱退する方針を明らかにしました。条約からの脱退はバルト三国なども表明したばかりで、いずれの国もウクライナ侵攻を続けるロシアへの警戒を強めています。

NHKニュースより

対人地雷禁止条約(1997年3月発効)は、日本も加盟している条約である。ハッキリ言って意味があるとも思えない。

対人地雷が非人道的な兵器だという主張は分かるが、放棄したら平和になるか?と言うとそれは違うのだ。

フィンランド、エストニア、ラトビア、リトアニアは何れもロシアからの侵略を恐れている。そして、ロシアは陸軍による侵攻作戦を得意としているから、それを阻むのに地雷は有効なのである。だいたい、ロシアは対人地雷禁止条約に加盟しておらず、使いたい放題なのだ。

実際に、ウクライナでは多数の対人地雷を使用している。

リトアニア、クラスター爆弾禁止条約離脱模索 ウクライナ侵攻受け

2024年7月13日 7時03分

バルト3国の一つ、リトアニアが「クラスター爆弾禁止条約」からの離脱を模索している。ロシアによるウクライナへの侵攻を受け、国防力を上げる狙いがあるが、非難も少なくない。

朝日新聞より

同じ理由で、リトアニアはクラスター爆弾禁止条約からの離脱を決めたし、冒頭のノルウェーがK9自走砲の倍増という話も同じ理由だ。

K9自走砲の評価は高いか

では、なぜ、K9自走砲なのか?といえば、自走砲を買うと決めた場合に、他にまともな選択肢がないからに他ならない。

金曜日に発表された政府の提案によると、155ミリ榴弾砲は、ノルウェーの極北の防衛を強化するために設立予定のフィンマルク旅団内の新しい砲兵大隊に装備される予定だ 。この購入計画は、機雷除去能力の増強、新しい軍用トラック、施設への支出も含まれる170億クローネの支出案の一部である。

ノルウェー政府は、すでに28台のK9装軌式榴弾砲と14台のK10弾薬補給車を保有しており、ハンファとの契約で追加購入のオプションを行使する予定だと述べた。支出計画はノルウェー議会の承認をまだ受けていない。

~~略~~

政府の提案によれば、この追加榴弾砲により、ノルウェーの155mm砲プロジェクトの総予算は111億クローネに増加する 。バルト海地域でK9を運用している国は他に、ポーランド、フィンランド、エストニアである。

Defense Newsより

K9自走砲の性能について、このブログではマイナス面を取り上げることが多かったし、初期のK9自走砲はガッカリポイントが多かったのは事実だが、今や北欧で大人気の武器である。当然、それなりに「使える兵器だ」という評価でもあるのだろう。

また、ポーランドやフィンランド、エストニアでも運用しているという点も大きいだろう。兵器の種類を揃えておけば、トラブルにあった際に融通が効く。

使用している兵士たちの評価がどうであるかは不明だが、少なくとも「使える」という認識なんだろうね。今や、自走砲界のベストセラーである。

コメント

  1. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    ・対人地雷:
    仮に、対人地雷を全廃した日本に対して、条約批准してない国が攻めてきたとして(どことは言ってない)、その国が大量に戦場に対人地雷バラ撒けば、結局条約なんて何の役にも立たないんですよね。
    性善説に立脚した条約は、紳士協定が結べる国以外では役に立たない。
    ※そして、個人間ならともかく、国家間に紳士協定は存在出来ない(しないのではない)。

    ・K9:
    兵器として、それしか選択肢がないというのも含めて、買い物ではあると思うのです。
    予備パーツも大量に確保しておくか、自国で中身作り替えるくらいのメンテが出来るなら。
    大事なのは、何を使うかではなく、どう使うか、ですからね。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      対人地雷は日本にも重要な兵器であります。
      イギリスもどうやら国内で声が上がり始めているようで、日本もそれに続かねば。クラスター爆弾と一緒に使えるようにしたいところです。

      K9自走砲に関しては……、きっと必要十分な性能なのでしょう。
      日本も必要になりますから国産の99式自走155mm榴弾砲を近代化改修して外国に販売できるようにしたいです。19式装輪自走155mm榴弾砲を導入したばかりではありますが、低コスト化と共通化を図って、海外に売れるようになると良いんですけどね。

      • 七面鳥 より:

        19式は、台車が海外製ですから、あまり旨味はないかも……
        逆に信頼性は確保出来るかもですが。
        ウクライナの戦訓も含め、割と地方まで舗装路が充実しているわーくにには、装輪自走砲は最適だと思ってます。

        • 木霊 木霊 より:

          そうなんですよね。
          19式装輪自走155mm榴弾砲は台車をライメタル社のRMMV HXシリーズを選んでしまったんですよ。我が国も色々トラックを持っていますが、不整地を走らせる技術を磨いていないので、ある程度は仕方がない面はありますが……。でも、本当ならば開発して欲しかったですね。
          だいたい、榴弾砲の砲台のほうも99式の技術を流用していますから、開発に金を使いたくないという意図はありありと見えるわけです。でも、開発してファミリー化すれば、それなりにセールスできるのに。アレですね、海外展開できないところが弱いですね。