うーん、これに関しては笑えないなぁ。
自走砲10両に3両は操縦士がいない?韓国陸軍の現状に韓国ネット「ただのくず鉄」
2024年10月13日(日) 20時0分
2024年10月11日、韓国・朝鮮日報は「韓国陸軍の自走砲10両に3両は操縦士不足で有事の運用が困難だと指摘された」と伝えた。
陸軍の資料によると、自走砲操縦士の補職率は22年まで80%台だったが、23年は72.2%に急減した。
レコードチャイナより
自走砲の数よりも操縦士の数が少ないというだけの話で、充足率7割ならばまぁ。
少子化が一番の難敵
配備数に対して操縦士が足りない
ええと、K9自走砲は韓国陸軍に約1,300両が配備されている。
このブログでも人気のK9自走砲関連記事だが、K9自走砲は世界でも大人気であり、韓国陸軍が保有する兵器の中では比較的成功した兵器であると言えよう。
最近は色々と改造されているみたいだしね。
そうそう、自動翻訳の精度の問題で、K9A1への改修に関して「OSがWindowsというのは少々不安な面がある」と勘違いしていたが、正確にはウインドウズライクなOSということらしい。流石に、ね。
Q. 前回のEUROSATORI 2016当時まで、K-9 PIPの具体的な内容は公開できないという話を聞いた。ただ、当時、ユーロサトーの現場にいたハンファテックウィン側の関係者は、9月、遅くとも10月にはK-9 PIPプログラムの具体的な内容が公開されると言っていた。今が9月初旬だが、もしかして今、K-9の性能改善について具体的な内容を公開できるのだろうか?
A. まず、オペレーティングシステム(OS)の交換だ。 これまでK-9自走砲の火力制御装置は時代錯誤的にDOSベースのオペレーティングシステムを使用していた。K-9 PIPプログラムを通じて、K-9の火力制御システムOSがDOSからウィンドウベースのオペレーティングシステムに交換される。
Defense Timesより
自動翻訳だと、WindowsベースのOSと訳されるんだけど、原文は「Windows」とは書かれずハングル表記になっている。だから、もともとテキストベースのOS(MS-DOSライク)のが、それがグラフィカルインターフェイス(Windowsライク)に変えられたということなんだろうね。恐らくはLinuxベースということだろう。
ともあれ、近代化も進むK9自走砲なんだけれども、操縦士の補充は難しいようだ。
戦車よりも人気がない?
少子化の影響で、操縦士のなり手が不足しているとの説明である。今後、韓国では深刻化するんだろうね。
人口の崖(Demographic Cliff)と初級幹部の離脱で副士官・将校が不足しているため。戦車(92.7%)、装甲車(93.2%)に比べても、自走砲は補職率が低い。
レコードチャイナ「自走砲10両に3両は操縦士がいない?」より
そして、戦車や装甲車に比べて自走砲の補職率が低いのは、人気が無いからなのか。
韓国陸軍で操縦士が必要な自走砲はK9、K55の2種だが、主力は約1100両が編成されているK9だ。
レコードチャイナ「自走砲10両に3両は操縦士がいない?」より
K55自走砲ってのは、このブログで擦ったことないなぁ。と思ったら、アメリカ製M109自走砲の韓国版だった。
M109A6「パラディン」自走砲が有名だが、韓国に配備されたのはM109A2のライセンス生産品だった模様。そして、M109A6に改修したかったらしいのだけれど、新規開発よりコスト高だったために自国開発に着手してK9自走砲を作り上げたということになっている。
なお、韓国国内で製造されたK55自走砲は改良されてK55A1として活躍している模様。そういえば、K55A1自走砲に関しては触れていないので、どこかで書いておきたい。
記事に纏めたので、リンクだけ貼っておこう。
さておき、自走砲自体に人気がないらしいね。
置物にしておくには
実際の操縦士が一体何人いるのか?は不明なのだが、恐らくは配備数1100両に全て操縦士が付く計算ではあるまい。
陸軍は「K9、K55自走砲の目標稼働率は過去3年間、いずれも110%以上を達成しており、任務遂行に支障はない」としている。しかし、目標稼働率は可変的なものであり、実際の装備稼働率とは異なると指摘される。この資料の提出を受けた与党「国民の力」のユ・ヨンウォン議員は「初級幹部志願率の減少、少子化に伴う入隊将兵の減少により、装備の実際の稼働率が落ちている状態」だと指摘している。
レコードチャイナ「自走砲10両に3両は操縦士がいない?」より
目標稼働率が低めに設定されているために、「110%以上の稼働率を実現している」と言えるのではないか、という疑問が呈されている。実際に即応できるK9自走砲は一体何両なんだろうね。
日本でも配備されたうち5割くらい稼働出来ないという実態が報じられて、危機感を募らせている。
何れにしても操縦士の育成は、韓国陸軍でも喫緊の課題である。これは素直に頑張って欲しいと思うが、韓国の少子化は凄い勢いで進んでいるので、どちらかというと効率化を考える方が優先課題なのかもしれない。
……それにしても、K2戦車に乗るよりはK9自走砲に乗っていた方が安全・安心のような気はするんだけど、戦闘を前提としていなければ戦車乗りに憧れるモノなのだろうか。
コメント
こんにちは。
>戦闘を前提としていなければ戦車乗りに憧れるモノなのだろうか
まあ、それは有り得ますが、以外に、軍内部でのヒエラルキーとか給与に差があるとか、独特の事情がありそうな気もしてます。
K9自体は(まともに動けば)いい自走砲なんですが……
とは言え、前もどっかで言った気がしますが、装軌では無く装輪の自走砲が今のトレンドで、しかし韓国からは開発も調達も聞こえてきませんね、いらないと判断しているのかな?
ある程度道路網が発達している(はずの)南なら、装輪の方が使い勝手良さそうなのに……
あ、北側に進行する事考えるとダメなのかな?
どっちにしても、人材不足は深刻ですよね、本邦も本当に他人事じゃない……
こんにちは。
K9自走砲は優れた機能を備えていると言うより(カタログスペック的に優秀なのは否定しませんが)、価格や納期を含めて欲しいアイテムだと思わせてセールスされているからこそ、売れているのだと思います。そして、売れている分開発にも力が入っている、当たりを引いた兵器だと思います。
装輪装甲車のトレンドは一時期あって、日本はその方向に乗っかっていますが、世界的に見るとやっぱり無限軌道車の方が需要が高いのだと。イスラエルとかウクライナを見ていると、装輪装甲車では「話にならない」というシーンは結構多そうですよ。
韓国では地形的にどうしても渡河性能と悪路走破性を重視する必要がありそうです。北朝鮮も国境の途を爆破していますしねぇ。
K9自走砲の需要は、引き続き継続しそうだと感じていますよ。
人材不足は、本当に深刻です。が、北朝鮮はどうなんでしょうね。
陸自の(と言うか自衛隊の)装備は全体に、防衛装備なんですよね。
なので、基本、国内で使うことに特化すれば良い。
で、とにかく、着上陸されそうになったら、キドセンと19式自走砲を全速力で駆けつけさせて時間を稼ぐ、10式や99式が来るまではそれで支える。
それが出来るのは、舗装された道路網が発達しているから。
※高速道路を自走で駆けつけるのと、キャリアに乗せて現地で下ろすのでは天と地ほど展開速度が違う。
韓国も事情は近いはずですが、あそこは、「防衛する国土」に北が含まれる≒道路網が信用出来ない。
自動的に、渡河作戦やら何やら必要で、装軌が重視される、でしょうかね。
これが、ウクライナの穀倉地帯を侵攻するとかになると、そもそも道路が貧弱な上に(緒戦でロシアの装輪がハマったみたいに)、路外での行動が大半になって来ますから、装輪だと重い車はどうにもならない、軽いのは撃たれて抜かれるからやっぱりどうにもならない……ハイマースも装軌ですからね。そういう事なんでしょう。
今の自走砲は、到着したらすぐに発砲準備して、5~6発撃ったら陣地転換ですから、ハマってる暇なんかないですからね……
北も南も外征能力があるとは思えないので、自走砲を自走させる必要はないのでは?
あんなの飾りです。偉い人には分からんのです。
どうせ、使う場面も実弾備蓄もほとんど無いだろうから。
北朝鮮側の事情は存じ上げませんが、韓国側にとってロングレンジから地上目標を破壊できる兵力は魅力でしょう。
ソウルを占領されて釜山まで撤退せざるを得なかった悪夢を考えると、北の戦車と歩兵こそトラウマモノでしょうから。
そういう意味では朝鮮半島においてはロングレンジの火砲やロケット砲は有用なのでは。