これ、案外笑い話にできない。
前線部隊の「中国製」防犯カメラ撤去 国産と偽った1300台=韓国軍
2024.09.13 10:54
韓国軍が国産として北朝鮮に近い前線部隊などに設置した約1300台の防犯カメラが中国製と判明し、すべて撤去したことが13日、分かった。軍当局が7月末、情報機関と合同で軍に納品された装備を調べたところ、これらの防犯カメラが国産ではなく中国製であることが確認された。
聯合ニュースより
日本の主要施設や防衛施設は本当に大丈夫ですか?という話だ。まあ、その辺りはまた別の話として扱うが、韓国軍としても流石に放置できなかったらしい。
情報漏洩リスクがあった
国産と偽って設置
ええと、話としては納入業者がやらかした話である。
防犯カメラの納品業者は中国製を国産と偽ったという。軍は国産の防犯カメラに取り替えている。
軍関係者は「問題の防犯カメラで捉えられた映像が中国の特定のサーバーにつながって流出されるよう設計された」としながらも、「実際に流出された情報はない」と明らかにした。
聯合ニュース「前線部隊の「中国製」防犯カメラ撤去」より
韓国軍ではまあまあある話で、納入業者が安さだけを理由に支那製の製品を選定してしまった話ではあるが、今回は結構悪質な手法で偽装されている。
韓国軍使用の防犯カメラ1300台、中身は中国製 映像も中国の特定サーバーに送信の設計
2024/9/15 13:25
韓国軍が国産だと信じ10年にわたり使い続けてきた防犯カメラ約1300台が実は中国製と判明し、交換を迫られる事態となった。
~~略~~
カメラは陸海空3軍の訓練場などに設置。軍が情報機関と装備品を調べ、外装のみ韓国製で中身は中国製と分かった。
産経新聞より
外装は韓国製で、中身が支那製というキメラバージョンとなっていたらしいのだ。そこまでやってもコスト削減ができると言うところが、ある意味凄い。
「10年にわたり使い続けてきた」と書かれているところから、かなり安い頃の機器であったとは思うが。
外部通信機能
今回問題になったのは、データ流出リスクである。
韓国軍、基地内の中国製監視カメラ撤去=聯合ニュース
2024年9月13日午後 4:49
韓国軍は最近、基地内に設置されていた中国製の監視カメラ約1300台を撤去した。聯合ニュースが13日、軍関係者の話として報じた。安全保障上のリスクに配慮した。
カメラは中国国内の特定のサーバーに接続される設計になっていたが、実際のデータ漏洩はなかったという。
ロイターより
具体的な通信仕様が明示されていないので、どのようなリスクがあったのかは想像するしかないのだが、恐らくはネットワーク接続によってデータを取得するタイプなんだろうと思う。
そのデータの取得にあたって、外部サーバーを利用するタイプであったと。
……これ、設置した段階で分かりそうなものなんだけど、サーバーも偽装されていたのだろうか??
普通は、軍のサーバーにアップロードして管理する感じにすると思うのだけれど、そういう意識は無かったのかな。
何れにしても、「漏洩被害はなかった」ということになっているので、早急に対応できて良かったとは思うんだけど。
10年間情報をサーバーにアップしていて、「漏洩なし」はちょっと信じられないのだけれど。
写真が気になる
ただね、僕自身は今回のニュースで気になったポイントは別のところにある。

これは中央日報に添付されていたキャプション映像で、「画像はニュースに関係ない」と書かれていた。
ところが、冒頭に紹介した聯合ニュースの写真は違う。

お分かりだろうか。
天井の壁際に設けられた監視カメラの写真だが、随分と杜撰な取り付けられ方をしている。
これに対して軍は、問題の中国製監視カメラをすべて撤去し、韓国製に代替している。現在までに韓国製監視カメラ100台ほどが新たに設置された。
中央日報より
中央日報では、このニュースに際して1300台の支那製監視カメラを全て撤去、新たに韓国製監視カメラを100台設置と報じている。
監視カメラをコンクリートに穴を開けて、ボルト1本だけで留めるようなやり方をしている点で、監視カメラの設置はかなり低コストで進められたと考えられる。配線の養生も考えられていないことから、劣化を気にしない運用だったのかもしれない。
安かろう悪かろうで導入したけれど、韓国製の監視カメラ(おそらく反省して結構お高いものを入れた可能性が高い)を導入せざるを得なくなった。でも、予算の関係で100台程度しか設置できていないと。
監視カメラは韓国製に追い風
そして、関連して気になるニュースがこちら。
中国製排除が追い風 韓国製防犯カメラ、欧米市場でシェア拡大
記事入力 : 2024/05/14 11:25
韓国企業が製造した監視カメラが欧米など海外市場でシェアを高めている。監視カメラは路上や地下鉄駅だけでなく、軍施設、政府機関、研究機関、学校、マンション、ビルなど都市のあちこちで設置が急増している。中国企業である杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)、浙江大華技術などが低価格で世界市場を掌握すると、ハッキングを懸念した主要国が中国製品の使用を禁止し、韓国製品を購入しているのだ。
~~略~~
それを契機として、韓国製品の需要が大幅に伸びている。韓国最大手の監視カメラ業者、ハンファビジョンは売上高が2019年の5801億ウォン(約660億円)から2022年には1兆ウォンを超え、昨年まで2年連続で1兆ウォン以上の売り上げを達成した。昨年の営業利益は過去最大の1533億ウォンを記録した。世界シェアは2018年の7%から昨年は9%に上昇し、順位も4位から3位に浮上した。
朝鮮日報より
何というか……。
データ流出のリスクはあっても、漏出したデータは確認できていなかった、と。で、お安い支那製監視カメラは使えないので、国産品を採用せざるを得なかった。
公共機関では、2007年から韓国国内の中小企業の製品のみが設置されている。しかし、業界によれば、一部メーカーが中国製の重要部品を輸入し、再組み立てして供給しているとみている。業界関係者は「公共機関は価格競争入札が原則だが、一部業者が中国製のマザーボードとカメラを輸入して再組み立てしたり、中国製品のラベルだけを交換したりして、低価格で入札を勝ち取るケースがある」と話した。警備会社関係者は「中国製部品を使ってもソフトウエアは独自開発して使用しており、昨年3月から公共機関は『韓国情報通信技術協会(TTA)認証』を取得した製品の購入を義務付けているため、ハッキングの懸念は少ない」と話した。
朝鮮日報「中国製排除が追い風」より
でも、韓国製品であっても中の部品は支那製である……。そして、マザーボードやカメラと言った心臓部が支那製であると。通信機能も支那製じゃないの?
だめじゃん。
本当に漏洩していなかったの?
もう一つ気になるのは、こんなニュースだ。
韓国軍、監視カメラに5回映っても越北を見逃す…警戒に問題
2022.01.05 15:52
脱北者が1日、江原道東部戦線軍事境界線(MDL)の鉄柵を越えて北朝鮮側に向かう場面が軍のGOP(一般前哨)の監視カメラに5回も映っていた。しかし監視警戒兵力がこれをすべて見逃したことが明らかになり、軍は最前方部隊の警戒態勢に問題があったことについて「国民に申し訳ない」と伝えた。
韓国軍合同参謀本部によると、1日に陸軍第22師団GOPが管轄する地域鉄柵を越え、陸路を通って北朝鮮に向かった脱北者A氏(2020年に脱北)が柵を越える場面はGOP内の監視カメラ3台に計5回も映っていた。
中央日報より
監視カメラで国境を監視している韓国軍だが、割と脱北者の通過を許している。
◆別の時間帯の録画画面を再生
軍のGOP監視カメラ3台にはA氏が南側の鉄柵を越える場面、北側の鉄柵を越える場面がそのまま映っていた。しかし該当部隊はその後、録画された映像を再生した時にも、A氏が鉄柵を越えて北側に渡った事実を逃した。
録画映像再生時にサーバーに入力された時間と実際の撮影時間に差があり、柵を越える場面をまともに確認できなかった。このため特異状況はないと判断したことが明らかになった。
人が鉄柵を越えた時間帯の映像を再生したのではなく、関係のない時間帯の映像を再生して問題がないと判断したということだ。
◆普段の装備同期化を怠る
軍関係者は「勤務指針上、一日に2回、装備の時間を互いに合わせる同期化作業をする必要があったが守られず、4分ほど(サーバーに記録された時刻と撮影時間に)差が発生した」と話した。
中央日報より
そして、監視業務に穴があったことは把握されているわけだが……、この話は、データが筒抜けだったと仮定すると、北朝鮮にもデータが渡っている可能性があるのではないだろうか。
本当の脱北者が、こういった監視データを把握していたとも思えないが、スパイ目的で韓国に浸透しようと思えば、こうした穴がある状態であれば容易に利用可能である。
真相は分からないが、結構情報漏洩は深刻だったりしないか?
コメント
こんにちは。
最初、タイトルの「支那製防犯カメラ」が「支離滅裂カメラ」に空目出来てしまったのはナイショです。
あまり間違ってない気もする……
韓国って、監視カメラの画像がネットからアクセスして見放題になってるとか、以前ありませんでしたっけ?
あれは、韓国じゃ無くて違う国でしたっけ?……
ケンチョナヨとポッケナイナイは、本当に国技ですよね。
例の壁画が証明してます(違
こんにちは。
支離滅裂な話なんで、まあ何というか。
監視カメラ画像が流出していた話も、確か韓国だった気がします。あの時も支那製のアイテムだったような……。
例の万能壁画の出番ですかねぇ。