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最新鋭潜水艦をネタにセールスをかける韓国

韓国海軍
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早いな、KSS-III販売するの。でもあれ、未だ韓国海軍でテスト中では?もう大丈夫そうだって話になったのかな。

最新鋭潜水艦を前面に押し出し…韓国ハンファ、ポーランドでフランス、ドイツと受注競争

2024年9月3日 8:00

韓国の大手防衛産業「ハンファ」グループ傘下の「ハンファエアロスペース」「ハンファシステム」「ハンファオーシャン」の防衛3社は3~6日、ポーランド中部キェルツェで開催される国際防衛産業展示会(MSPO)に出展する。MSPOは1993年から毎年開催されている東欧最大の防衛産業展示会で、今年は世界35カ国から約700の企業が参加し、2万6000人以上の関係者が訪れる。

AFPより

島山安昌浩級潜水艦1番艦「島山安昌浩」の就役は2021年8月なんで、かれこれ3年程は使っているハズなんだけど、どういう状況か噂は聞かない。確か、バッチIは3番艦までは就役しているんだが。

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潜水艦を世界に売り出す

最新版の潜水艦をひっさげてセールス

このブログでも、韓国の潜水艦の話題は定期的に取り上げている。

いろいろ迷走している気がするが、何処を目指しているのだろうか?

さておき、そんな潜水艦のプレゼンをポーランドでやってきたというのが、冒頭のニュースである。

ポーランドの次期潜水艦プロジェクト「オルカ」を控えるなか、今回の展示会でハンファオーシャンは潜水艦を前面に押し出す。新羅の海軍提督として名をはせた英雄、チャン・ボゴ(張保皐)の名を冠した独自設計の3000トン級「チャンボゴ-Ⅲ」は、中型魚雷の発射管や潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)用の垂直発射装置を基本装備している。また、ハンファエアロスペースが開発した潜水艦用リチウムイオンエネルギー貯蔵システム(ESS)と水素燃料電池ベースの空気不要推進システム(AIP)を動力源とし、最大3週間の潜航が可能だという。

さらに、ハンファオーシャンは潜水艦の保守、修理、整備(MRO)技術をポーランド企業に段階的に移転する「MRO現地化」も検討中だ。

AFP「最新鋭潜水艦を前面に押し出し」より

また、ポーランドか。

韓国はポーランドに対して、K2戦車とK9自走砲のセールスを成功させている。で、次に売りたいのが潜水艦なんだとか。

なお、受注競争する相手はフランスとドイツである。

ハンファは最新鋭の潜水艦「チャンボゴ-Ⅲ/KSS-III)」を前面に押し出し、フランスやドイツとともにポーランドからの受注を狙う。

AFP「最新鋭潜水艦を前面に押し出し」より

韓国の潜水艦、設計のベースになっているのはドイツの214型潜水艦なんだけれども、ドイツと受注競争するのか。

どれを売るのか

なお、韓国、KSS-IIIなんだけど、バッチIを3隻就役させた後、バッチIIに移行している。

ハンファオーシャン、1兆ウォン台規模の3600トン級潜水艦「張保皐Ⅲ」受注

登録 : 2023-12-06 11:17:06 修正 : 2023-12-06 11:17:06

ハンファオーシャンが1兆ウォン台規模の3600トン級の張保皐(チャンボゴ)Ⅲ潜水艦を受注した。

5日、防衛事業庁と関連業界によると、ハンファオーシャンは前日、HD現代重工業を抜いて「張保皐-Ⅲ Batch-Ⅱ」3番艦建造事業の優先交渉者に選ばれた。 今年4月、ハンファグループへの編入後、初の潜水艦建造事業受注だ。

亜洲日報より

この話、ブログでも取り上げたんだっけ。探してみたけど、スルーしてしまった模様。いや、どこかで……。あ、こっちでネタにしたっきりか。

3600t級潜水艦となったKSS-IIIのバッチIIでは、単純に艦体がデカくなっただけではなくって、リチウムイオン電池を搭載することになっているはず。

ハンファオーシャンは張保皐-Ⅲ Batch-Ⅱの先導艦である1番艦と2番艦も受注し、現在建造中だ。

亜洲日報「ハンファオーシャン、1兆ウォン台規模の3600トン級潜水艦「張保皐Ⅲ」受注」より

とはいえ、リチウムイオン電池を搭載しているっていうニュースは見かけていないんだよね。あくまで予定のところまでで、燃料電池も搭載しているハズなんだよね。

で、この燃料電池って、ドイツがパテント持っているんだよね。ここもどうすんの?という。

流石に作っている最中のバッチIIを売るという話にはならないと思うが、バッチIが良いかどうか(実績に関するニュースを見かけない)も、実のところ良く分かっていない。提案通りだとすると、3000t級のバッチIのような気がするんだけど。

MOU締結

なお、冒頭引用したニュースの翌日のニュースで、MOU締結したって話があった。

ハンファオーシャン、ポーランド代表の防衛産業グループ「WB」と潜水艦同盟構築

登録 : 2024-09-04 17:45:00 修正 : 2024-09-04 17:45:00

ハンファオーシャンがポーランドの代表的な防衛産業会社とともに、両国間の潜水艦同盟構築のための礎を築いた。

ハンファオーシャンは3日、ポーランドのキエルチェ(Kielce)で開かれている東欧最大の防衛産業展示会「MSPO 2024」に参加し、ポーランド代表の防衛産業グループであるWBグループと潜水艦事業協力のための了解覚書(MOU)を締結したと4日、明らかにした。

今回のMOUは、ポーランド政府が推進している海軍現代化事業の一環であるORKA潜水艦建造事業の受注に向けた両社間の協力強化が目的だ。

亜洲日報より

まーた、空手形もらったのか。MOU締結好きだよね?韓国は。まあ、こういった企業努力を見るにつけ日本のやる気の無さを嘆くのだが、韓国の商売のうまさも実感する。

それが「商売になっているか」は不明ではあるが、その努力は凄いと思う。

今回の協力で、ハンファオーシャンとWBグループは独自のMRO(維持·補修·整備)パッケージを構成し、効果的な現地化を通じてこの事業に成功するという目標だ。 さらに、今後、艦艇分野で包括的な協力も拡大していく計画だ。

亜洲日報「ハンファオーシャン、ポーランド代表の防衛産業グループ「WB」と潜水艦同盟構築」より

潜水艦本体は安めに売って、現地でメンテナンスすることで利益を上げる構造にしたいという思惑が透けて見える。が、それで正解だろう。できる目処がたっていれば、の話だけれども。

現地に合わせたMROソリューションを提供するための準備も充実してきた。 今年5月、ポーランドで「インダストリー·デー(Industry Day)」を開き、潜水艦の機材や部品事業に関する両国メーカー間の交流活性化や技術移転の協力を具体化した。

続いて6月にはハンファオーシャン-PGZ-英国バブコック社の共同MRO計画をポーランド軍費庁に提出したりもした。

亜洲日報「ハンファオーシャン、ポーランド代表の防衛産業グループ「WB」と潜水艦同盟構築」より

技術移転の話ねぇ。

原発を売りつける時もこんな話があったけれども、あっちはメンテナンス契約なんて存在しませんでした、みたいな話になったような。

なかなか頑張りが見えて凄いとは思う。思うが、できることとできないことの線は引いた方がいいよね。本件は、外国の技術が多いことと、そもそも競合先の技術を使ってセールスしているというのが、ちょっと筋悪なんだと思う。

追記

そうそう、ドイツの潜水艦技術がベースになっている話を強調してしまっているが、そればっかりでもなかったことを思い出した。そういえば、バブコックスの技術もあったよね。実は、本編で引用した記事にもその名前はあったんだけど。

ハンファオーシャンが英国グローバル防衛産業企業のバブコックインターナショナルと手を握りポーランド·カナダなど海外潜水艦事業受注のための実務協議体を稼動する。

ハンファオーシャンが29日に明らかにしたところによると、両社は最近ポーランド·ワルシャワで会議を開き、ポーランド·カナダなどグローバル市場での潜水艦事業受注のための「共同協議体」を構成するなど、協力強化のための協力合意書に署名した。

これを受け、両社は3000トン級潜水艦3-4隻の導入を骨子とする約2兆ウォン規模のポーランド「オルカプロジェクト」入札を控え、協力を本格化するものとみられる。

毎日経済より

2024年2月の記事で、バッチリ本件絡みの話である。

これに先立ち、バブコック·インターナショナルは今年1月に訪韓し、ハンファオーシャンの潜水艦研究開発と設計·建造の力量を点検し、協力の意思を伝えている。

毎日経済より

こうやって各国企業との連携を強めている割に、「自国技術で100%開発した」とか言い出すのが韓国の悪い癖である。

何が問題かと言うと、特許絡みで輸出に制限がかかったりすることが多いのだ。原発もそうだったよね。

ただ、「国産化比率が高い」とかいう話をしなければ、他国の技術を取り入れて兵器開発できる事はすごいことだし、そのバイタリティも素晴らしいとは思う。ソレくらい面の皮が厚くないと、国際的な商売をやってくのは難しいのかもしれないね。

コメント

  1. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    >日本のやる気の無さを嘆くのだが、韓国の商売のうまさも実感する

    もう、これにつきますよね。
    日本も、民は(メシの種だから)乗り気でも、官がまるで物事を分かってない、緊張感がない。
    防衛省は最近少しマシになりましたが、外務省と経産省と国交省は……
    特に国交省。あいつら、頭は良いけどそれだけの典型的頭でっかちのとっちゃんぼうやだから。
    ま、経産省も同様だろうし、外務省なんかもっとダメダメだろうし。
    多分、「馬鹿は死ななきゃ治らない、(お勉強が出来るだけの)利口は死んでも治らない」のではないかって思ってます。
    それが、省庁、官僚の生態系なのでしょうけれど……西側各国で大なり小なり見られる光景ですから……
    ※東側は、酷いなんてもんじゃないけど、その分、専横するやつが突っ走るから妙に動きが速い部分もあって、結果的に西側に先んじる事が多い気がします。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      韓国は先走りすぎだとは思うんですが、それでもその熱意だけは凄いと言わざるを得ません。
      商売をやるのは民間でも、兵器が関連してくると、政府が前に出ざるを得ない。そこをやっているのは素直に凄いと思いますよ。