ちょっと、アドバルーン臭い報道ではあるのだけれど、連絡は取り合う必要はあるんだよね。
日韓防衛交流を再開へ…レーダー照射問題で再発防止策など確認見通し、近く防衛相会談
2024/05/20 05:00
日韓両政府は、韓国海軍艦艇による海上自衛隊機へのレーダー照射問題を受け、事実上中断してきた2国間の防衛交流を再開する方向で調整に入った。5月31日~6月2日にシンガポールで開かれるアジア安全保障会議に合わせて防衛相会談を開き、再発防止策などを確認し、閣僚ら政府高官や制服組幹部の相互訪問の推進で一致する見通しだ。
讀賣新聞より
ハッキリ言って、日韓防衛交流が必要だとはあまり思わないのだが、アジア安全保障会議をやるにあたって韓国を全く無視というわけにも行くまい。
事実を事実と認めない軍隊とは手を組めない
先ずはレーダー照射問題
ただ、防衛交流をする前提として、韓国側に火器管制レーダー照射事件(2018年12月20日)が存在したことを認めさせる必要はある。再発防止はその後だ。
事件のあらましを一言でいうと、警戒監視中の海上自衛隊第4航空群所属P-1哨戒機が、韓国海軍広開土大王級駆逐艦「広開土大王」(DDH-971)から火器管制レーダー照射を受けた事件である。
火器管制レーダー照射とは、拳銃に弾を込めた状態で銃口をこちらに向けてトリガーに指をかけた状態。つまり、トリガーを引けばP-1哨戒機を撃ち落とすことが出来る状態である。
日本と韓国とは同盟国ではないが、アメリカを介して同じ作戦に当たる可能性のある関係にある。つまり、相互に信頼が構築されていなければならないのだが、それをやすやすとぶち壊したのがこの事件なのである。
しかし問題は、事件が発生したことそのものではなく、その後の対応なのだ。韓国側は何故か火器管制レーダー照射を否定し、それどころか自衛隊側が威嚇飛行をしたという意味不明な主張をしている。つまり、「オマエが謝れ」というわけだ。
防衛当局間の最大の懸案となってきたレーダー照射問題に区切りを付け、安保面でも関係正常化を図りたい考えだ。
讀賣新聞「日韓防衛交流を再開へ」より
関係正常化もクソも、後ろから弾を打つ可能性のある組織と仲間になりたくはない。
海上衝突回避規範
したがって、この話は韓国海軍が己の非を認めて謝罪したうえで、再発防止という流れにならなければ話が前に進まない。何しろ、事件発生を否定しているのだから再発も防止しようがない。
レーダー照射問題を巡っては、韓国が照射の事実を否定し、海自機が韓国海軍の艦艇に異常接近したとして逆に日本を非難するなど、両国の主張は平行線をたどった。防衛当局間のハイレベル交流が途絶え、2国間の政策調整や危機管理への影響が懸念されていた。
讀賣新聞「日韓防衛交流を再開へ」より
そして、日本側としてはここで折れる事もできない。「未来志向」などというお為ごかしを唱える人もいるが、信頼関係を回復する為には事実を事実と認める下地が必要であり、そこを解決しない限りは現場の人間も納得できないだろう。
しかし、どうやらそこを回避するつもりのようだ。
両政府は防衛相会談に合わせ、海自と韓国海軍が再発防止に向けた文書を交わすことも検討。海上衝突を避けるための国際基準「海上衝突回避規範(CUES)」を踏まえ、公海上の飛行・航行の自由や安全の確保、現場で接近した際の意思疎通の徹底――などについて合意する方向だ。
讀賣新聞「日韓防衛交流を再開へ」より
そこで、国際基準「海上衝突回避規範(CUES)」を持ち出しているのだが、こんなの事件発生前から両国とも了解していた話。今更持ち出されたところで、「それが何か」というしかない。
日本はもちろんのこと、韓国だって2014年にCUSEに合意している。当然、CUSEには火器管制レーダーの指向に係る話も盛り込まれている。
実は、2013年1月30日に発生した支那海軍艦艇による海上自衛艦に対する火器管制レーダー照射事件が問題視されて、レーダー照射についても規定されたのである。
安易な合意は安全保障環境を改善しない
日本としては、韓国との関係改善は「出来たらやりたい」と思っていることの1つではあると思う。韓国が敵でいるよりは味方でいてくれた方がありがたいのは事実なのである。
アメリカとの手前もあるのだが、朝鮮半島有事が勃発した場合にアメリカ軍の作戦をサポートするためには韓国との関係改善が必要である。また、台湾有事が発生した折にも、韓国が後ろから弾を撃ってくる状況は望ましくない。
だが、形だけの関係修復にどれほどの意味があるのか、正直僕には良く分からない。
敵なら敵であることがはっきりしていたほうが、自衛隊としても動きやすい。事件の発生を認定しないまま「再発防止」等と言われても困るのである。
コメント
こんにちは。
>敵なら敵であることがはっきりしていたほうが、自衛隊としても動きやすい。
御尤もで、全くもって異議無しなんですが、そうは言っても一応は自由主義国で、米韓相互防衛条約もありますし、形だけでも無碍には出来ない。
今のままだと「鎖の一番弱いところ」なのが丸わかり(ほぼ切れてる)ので、形だけでも修繕しないと……という台所事情は分かります。
問題は、修繕しようがしまいが、鎖の一番弱いところである事に変わりがないことで、なんなら、次の大統領選後は絶対に同じ事またやらかすだろうってことですね。
その時のアクションプランは、自衛隊の現場ではきっと作ってるに違いないと、信じています。
こんにちは。
本当に面倒な国なんですよね。
安易に関わらないことが一番良いのですが、いざという時には直ぐにパージできるようにしたいです。
筒井康隆氏の小説に「60億の妄想」とか言うのがありまして。
日韓でタレントに銃と戦闘艇を持たせて、竹島沖でガチな銃撃戦させるです。
これを数年おきに実況中継して、勝った負けた勝った…と互いの国で一喜一憂して、試合(てか殺し合い)の間は冷ややかに付き合うと。
結構に名案だと想うんですけど。
あーでも、負けると火病でガチな戦争やらかしそうですね。南米でサッカーがトリガーな戦争あったけれど、南朝鮮はもっとタチが悪いからなぁ。
韓国との間に紳士協定は成り立たないように思いますよ。
スポーツはルールがあるからこそ成立します。
戦争にもルールはあるんですが、審判はいませんからねぇ。
ともあれ、そういうものだと思って付き合うしかない相手だと思っています。
6月1日、シンガポールで日・韓の国防相が例のレーダー照射問題で再発防止に合意しました。
韓国海軍による海自機へのレーダー照射に直接言及はなかったものの、
この合意によって、”レーダー照射が行われた”ことが、公式に認知されたことになります。
世界は韓国がどのような国かを分かっていますが、しらばっくれる韓国に事実を突きつけ、
それを認めさせることは、<>、大切ですな。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7d77b2307e8c8bb8ebb3e697a4963997eca491a0
この合意に関して批判する向きもありますが、ベストであったとは言わずともベターな結果を引き寄せたのだとは思います。
岸田外交も、殊防衛政策に関しては中々の成果を上げているように思います。
この件に関してはこの先が重要なんでしょうけれど。