これ、どちらの責任かはちょっと判断しかねるなぁ。
[単独]「米国産武装の約束を守れ」ポーランド輸出した「FA-50」またノイズ
2024.10.3 20:04
政府が誇ってきたポーランド武器輸出、その中でも国産戦闘機FA-50をめぐってノイズが続いています。装備不良問題に続き、今回はポーランド側で「米国産ミサイルを装着してくれることにした約束を守ろう」と要求して出たのです。
Daumより
ポーランド当局側の主張とKAI側の主張が異なるので、どちらが確からしいかは判断が付かない。ただ、韓国企業が口から出任せをいうというのは、然程珍しくはないんだよね。
というわけで、予想が随分入ってしまうけれども、その点は気をつけて読んでいただきたい。
契約書にある空対空ミサイルがないよ!
あれ?空対空ミサイルが付いていないんだけど
で、先ずは基本的なところで、FA-50軽戦闘機に関するリンクを。
こちらで紹介したように、そもそもFA-50軽戦闘機はT-50高等練習機から派生した機体で、そのベースはF-16戦闘機であり、設計はロッキード・マーティン社である。この軽戦闘機を近代化改修したブロック20というバージョンがあって、ポーランドはそのブロック20(FA-50 PL)を買うという話になった。
そうした経緯があって、取りあえずは12機を2023年末までにポーランド空軍に納入し、追加で2025年~2028年に36機輸出する約束をしたのだ。
で、ここで面白い話が。
ところが、ポーランド側が最近、「米国製空対空ミサイル」の装備問題をめぐって問題を提起していることが確認されました。
「米国製の空対空ミサイルを装備する約束を守れ」と主張しているのです。
ポーランド側は契約書上の文言を根拠に苦情を申し立てたと伝えられています。
Daum「米国産武装の約束を守れ」より
ええと、どういうこと?

2023年末までに納入する12機は、そもそも韓国空軍向けに作っていたFA-50軽戦闘機をブロック10相当の性能に改良して納入する約束であった。
ポーランドに最初に輸出するFA-50は、正式にはFA-50GFになるのだそうな。GF(Gap Filler(穴埋め))は、FA-50PL納入までの繋ぎという意味合いらしく、20mmバルカン、AIM-9サイドワインダー、ハイドラ70ロケット、Mk82/83 JDAM、Paveway IIなどが搭載出来る事になっている。
ブロック20(FA-50PL)には、レイセオン製のPhantom Strikeという小型航空機向けのAESAレーダーが搭載されるとして、紹介された。この実績を踏まえ、アメリカにも売り込もうと鼻息が荒かったことも紹介している。
ところが、この先行納入した12機に問題が生じているということで、この先の納入にもトラブルが予想されるという話なんだよね。
AMRAAM統合
FA-50 ブロック20には、上にも触れたように空対空ミサイルのAIM-120C7 AMRAAMと、AESAレーダーであるPhantom Strikeが統合される話になっていた。
当然、先行納入する12機にもこれが統合されると良かったんだけど、ポーランドも随分急がせたらしく、FA-50PL(ブロック20相当)ではなく、FA-50GF(ブロック10相当)というバージョンを最初の12機として輸出したんだよね。で、そのFA-50GFバージョンにはLIGネックスワン開発のAESAレーダーが搭載されていたんだけど……。
ポーランドが文句を付けているのはここ。翻訳の仕方の問題かも知れないが、「装備する約束を守れ」が、「武器をくれ」ではなく、もしかすると「統合されていない」という話の可能性がある点には注意して欲しい。
で、どんな話か?なんだが。
韓国とポーランド首脳会談 防衛産業分野の協力推進で一致
2023年7月13日 22時23分
韓国のユン・ソンニョル大統領は、訪問先のポーランドでドゥダ大統領と会談し、両首脳は防衛産業分野の協力のさらなる推進に向けて努力していくことで一致したと明らかにしました。
NHKニュースより
去る2023年7月に、ユンユンはポーランドに出かけて「防衛協力をしましょう!」とにっこにこで握手を交わしている。ここから年末までにFA-50戦闘機12機をポーランドに納入している。よっぽど、売り上げに貢献できたことが嬉しかったのだろうけど、随分と急いだよね。
会談後の共同記者発表でドゥダ大統領は「ポーランドの兵器が韓国製に大きく置き換わっている。ただ、単に新兵器を買うだけでなく、ポーランドで生産することが重要だ」と述べ、韓国の兵器を自国内で生産するよう求めたことを明らかにしました。
NHKニュース「韓国とポーランド首脳会談」より
この時にもポーランド国内で兵器製造できるようにと、お強請りをされている。これもまあ、正にそこが狙いで韓国製品を購入したのだから、ポーランド側の主張としては正当だと思う。
で、韓国が強気のセールスを出来た背景にはこんな話があった。
[単独]FA-50、’米AESAレーダー+AMRAAM’搭載..同級世界最強性能改良、輸出青信号
2022年9月23日 09:36
国産FA-50に米国製能動位相配列(AESA)レーダーと中距離空対空ミサイルAIM-120C AMRAAMミサイルが搭載され、軽攻撃機の中で同級世界最強の戦闘機に生まれ変わる。FA-50の悲願であったAESAレーダーと空対空ミサイルを連動させて搭載できるように米国政府が承認したことで、FA-50は2025年頃に4.5世代戦闘機に生まれ変わり、輸出に青信号が灯った。
Daumより
2022年に、アメリカからPhantom StrikeとAMRAAMのFA-50へのシステム統合が許可されている。FA-50は以前、イスラエル製のASEAレーダーを搭載していて、それはそれで性能が良かったのだが、アメリカ製の小型ASEAレーダーの搭載が可能になったことで、更に性能向上が期待出来るようになった。詳細は省くが、Phantom StrikeはASEAレーダーとしてはかなり小型で画期的なのである。
そして、ASEAレーダー「Phantom Strike」の搭載と同時にシステム統合が許されたのがAMRAAMである。AMRAAMは中距離空対空ミサイルで、それまで主流だったAIM-9「サイドワインダー」よりも射程が長くなり、小型・軽量化がなされたため、戦力としてはかなり増強されることになる。多分その事を自慢げに宣伝したんだろうね。
FA-50のAESAレーダー搭載及びAIM-120C AMRAAM中距離空対空ミサイルとの連動が確定されたことで、最近、ポーランドへの48機輸出が成立する決定的なきっかけとなったという。
Daum「FA-50、’米AESAレーダー+AMRAAM’搭載」より
実際、そこが決め手になったようだし。
契約書に書かれているんだが
ところが、ポーランド側が契約書の記載を盾にしてごねているらしい。
特に先月2日、ポーランドの国防次官がキム・ヨンヒョン国防部長官に会った席でもこの問題を言及したことが知られています。
しかし、メーカーであるKAI側はポーランドが無理な要求をするという立場です。
KAIの関係者は「そもそも当該ミサイルの装備を約束した事実自体がない」とし、「契約書に’可能性検討’程度の内容しか含まれていないだけで、義務条項ではない」と反論しました。
Daum「米国産武装の約束を守れ」より
この書き方ではどちらに責任があるとも言えないんだけれども、まあ、契約書に「空対空ミサイルも付けちゃうよ。でも、実現可能性の検討だけしておくね」と調子の良いことを言ってしまったんだろう。
そこを「いや、付けてくれるっていいましたよね」と迫っているわけだ。格安でFA-50軽戦闘機を買って貰った上、武器までおまけしてくれとはポーランドも随分とムシの良いことを言っている自覚はあるだろう。だけど、「契約書にはそんなこと書いていない」といっても、すんなり引き上げるかといえばそんなことはあるまい。
そういえばこんなニュースもあったな。
ポーランドがFA-50航空機の契約を締結、韓国の軽戦闘機は30億ドル
2022年9月16日 18:17
最初の協定は、韓国空軍が現在使用しているFA-50ブロック10の12機に関するもので、2番目の協定は、将来のFA-50ブロック20に近い新構造のFA-50PL36機に関するものである。最初のFA-50は、銃、AIM-9サイドワインダー、AGM-65マーベリック・ミサイル、数種類の爆弾で武装し、FA-50PLはより高性能な誘導武器システムも搭載する。
Defence24より
これ、原文は英語なんだけれども、これを読むと最初の12機には武器がフルセットで付いてくるように読めるんだよね。
The first FA-50s will be armed with guns as well as AIM-9 Sidewinder and AGM-65 Maverick missiles and several types of bombs, while the FA-50PLs will also carry more capable guided weapon systems.
~~対訳~~
最初のFA-50は、銃だけでなくAIM-9サイドワインダーやAGM-65マーベリック・ミサイル、数種類の爆弾で武装し、FA-50PLはより高性能な誘導武器システムも搭載する。
Defence24より
原文で「with」と書いてある。AIM-9とAGM-65が使えることになっているね。そして、一応後の方で別途調達って書いてあるんだけどね。
The first FA-50s are to be delivered in 2nd half of 2023, while the 36 FA-50PLs – between 2025 and 2028. The contract net values are USD 700 million and USD 2.3 billion, respectively, so the total value is USD 3 billion. Both contracts include training, spares and logistics support, though the weapons will have to be procured separately.
~~対訳~~
最初のFA-50は2023年後半に、36機のFA-50PLは2025年から2028年に引き渡される。契約純額はそれぞれ7億米ドルと23億米ドルで、総額は30億米ドルとなる。どちらの契約にも訓練、予備品、後方支援が含まれるが、兵器は別途調達する必要がある。
Defence24より
どんな契約だったのやら。
装備できないという可能性
ただ、流石にポーランド側が「兵器セットが付いてこない」と怒っていると理解するには、強欲に過ぎると思う。
そこでもう1つの可能性、AMRAAMの統合が出来ていないという場合だ。こっちのケースだと、韓国側はかなり悪質である。
つまり、ASEAレーダー「Phantom Strike」の搭載と、AMRAAMの統合はセット販売になっていると理解していたのに、いざ購入して使ってみようとしたら、AMRAAMは装備できなかったという場合だ。韓国だとコレが十分にありうるのが怖い。AMRAAMの統合が上手くいっていないけど、ASEAレーダー「Phantom Strike」は搭載出来たんだから、イイヨね?という場合だ。
いや、輸出したFA-50GFは、ブロック10相当なので、アメリカのPhantom StrikeとAMRAAMは含まずに、韓国製AESAレーダーが搭載されて空対空ミサイルAIM-9「サイドワインダー」が発射出来る仕様だってことなのだろう。そして、この韓国製AESAレーダーではAIM-9「サイドワインダー」すら発射出来ないという可能性はある、と。
ポーランド側からしてみたら「冗談でしょう?」という反応になるだろう。
ポーランド、米国から数百本の空対空ミサイルを購入
投稿日:2024年8月19日
ポーランドは8月9日、米国から数百本の空対空ミサイル「AIM-120C AMRAAM」を購入する契約に署名したことを発表した。契約額は8億5500万ドル(約7億8300万ユーロ)という。
KSMより
Poland – AIM-120C-8 Advanced Medium-Range Air-to-Air Missiles
WASHINGTON, March 12, 2024 – The State Department has made a determination approving a possible Foreign Military Sale to the Government of Poland of AIM-120C-8 Advanced Medium-Range Air-to-Air Missiles and related elements of logistics and program support for an estimated cost of $1.69 billion. The Defense Security Cooperation Agency delivered the required certification notifying Congress of this possible sale today.
~~対訳~~
ポーランド – AIM-120C-8 先進中距離空対空ミサイル
ワシントン、2024年3月12日-国務省は、ポーランド政府に対するAIM-120C-8高性能中距離空対空ミサイルおよび関連する兵站・プログラム支援の対外軍事売却の可能性を、推定費用16億9000万ドルで承認する決定を下した。防衛省安全保障協力局は本日、この売却の可能性を議会に通知するために必要な証明書を提出した。
DSCAより
調べたら、ポーランド軍は急いでAIM-120C AMRAAMの購入を進めている。韓国政府から付属品として供給されるのであれば、こんなに急いで買うわけもない。そうすると、なんとなく「AMRAAM使えるよね?」の可能性の方が高そうだね。
また整備問題
整備不良の率が高すぎる
ところで、この記事ではこんな下りがあって、こっちの方が気になっている。
FA-50の輸出と関連し、最近、優先的に引き渡した12台のうち11台で装備不良問題が浮上しました。
Daum「米国産武装の約束を守れ」より
12機納入して11機に不具合って、酷すぎるだろう。
これに関しては、こんなニュースも報じられている。
ポーランド国防次官「韓国産FA-50軽攻撃機契約手続き監査推進」
2024.09.13.午前03:26
ポーランド国防省が前政権で締結された韓国製FA-50軽攻撃機の購入契約手続きに対する監査を推進すると明らかにしました。
YTNより
ええと、もの凄く急いで最初の12機を納入したようなのだけれど、どうも手続きに不備があったようなのである。
PAP通信などによると、チェザリ・トムシクポーランド国防次官は議会に出席し、「購入決定が数日で非常に早く行われ、ポーランドとポーランド軍の利益は全く考慮されなかった」とし、監査室に徹底的な調査を要請すると述べました。
トムチク副大臣は、装備する武器が契約に含まれておらず、訓練用としてしか使用できないことを指摘し、この機種に合う武器の生産が中止され、中古品を探していることを明らかにしました。
YTNより
ええぇ。
武器云々で文句を付けている背景には、こんな話もあったのかな?「AMRAAMも統合してくれるって言ったよね?」という話になった背景には、そもそも購入段階で問題があったと。
ポーランド側の政治的トラブル絡みという側面もあって、今回のニュースに繋がった可能性はありそうだね。
ポーランド輸出FA-50軽戦闘機12機、一部飛行不能…「整備・部品需給の問題」
2024.09.26.4:41
ポーランドに販売された国産軽戦闘機FA-50「ファイティングイーグル」12機のうち、一部が正常な飛行が困難な状態であることが明らかになりました。
韓国航空宇宙産業KAIの関係者は、輸出した飛行機の一部が飛行が困難な状態であることを把握したとし、整備と部品需給問題のためだと説明しました。
YTNより
12機中11機でも「一部飛行不能」には違いないんだけど。正確には「大半が飛行不能」だと言わないか?
そして、飛行不能な理由はこの記事には書いていないんだよね。
整備不良や部品需給の問題とは
しかし、そもそも完成品輸出の段階で「部品が揃っていない」なんてことが発生し得るのだろうか?
トムチク次官は装備する武器が契約に含まれておらず、訓練用途にのみ使用できると指摘し、この機種に合った武器生産が中断されて中古を調べていると明らかにしました。
YTN「ポーランド国防次官「韓国産FA-50軽攻撃機契約手続き監査推進」」より
そして、よく読むと、「この機種に合った武器生産が中断」とある。どういうことですかね?整備不良との関係性も気になるところだ。
ただ、上の記事との整合性を考えると、空対空ミサイルにAMRAAMが使えるって聞いてたのに、統合されていないから空対空ミサイルのAIM-9サイドワインダーを買う必要があると。で、型が古いので、中古から購入する必要があったとも解釈できる。(AIM-9は現役の空対空ミサイルだが、最新は第4世代で、FA-50は近代化されていなければおそらく2013年頃の仕様のままなので一世代前までしか使えない)
そして、FA-50に搭載の20mmバルカンは頻繁に故障して、2019年には故障が多数発生したという話が出ていたな。
韓国が「国軍の日」で誇示した戦闘機、実は故障だらけだった?=韓国ネットからは擁護の声も
2019年10月3日(木) 6時20分
韓国は1日、「国軍の日」記念式典を盛大に開催した。しかし韓国メディア・チャンネルAは「実のところ韓国空軍の戦闘機は相次いで欠陥が発見されており、波紋を広げている」と報じた。
~~略~~
これについて記事は「大げさなPRであり、実際は違っていた」とし「FA-50は戦力化後から昨年まで7回にわたり機銃に故障が発生している」と説明している。機銃がしっかり固定されず射撃中に振動が発生し、そのために弾丸が自らの機体を傷つけてしまう事故や、薬きょうが中から飛び出し、大事な内部配線が切断される事故が発生したという。記事は「命中率が下がるだけでなく、機体損傷につながって操縦士の安全まで脅かされる可能性のある問題」と指摘している。
度重なる機銃の故障により、空軍はこれまでに3回も射撃訓練を禁止にしたという。その日数は計331日に達し、実戦配備された5年のうち約1年は機銃なしで出動していたことになる。空軍は現在、損傷の恐れがある配線にカバーをかける「一時しのぎ」で機銃射撃を行っているという。
レコードチャイナより
アレは改善されていなかったのかな。
ううーん、意味が良く分からない。
また、すでに引き渡された12機に加えて、ポーランド空軍の要求が反映された36機も9ヶ月まで引き渡しが遅れる危険性があると主張しました。
YTN「ポーランド輸出FA-50軽戦闘機12機、一部飛行不能」より
そして、追加調達が遅れる可能性が指摘されていて、なかなか信用されない感じである。
飛べないFA-50の原因は不明
というわけで、ちょっと良く分からないニュースなんだけれども、恐らくは翻訳の精度の問題もあるので、後に情報を集めて修正するとして、可能性を考えていこう。
[単独]大統領室、KAIカン・グヨンに激怒…ポーランド輸出FA-50飛行不能事態への緊急
2024-09-26 08:42:28
韓国航空宇宙(KAI)がポーランドに輸出したFA-50戦闘機12機の一部が飛行不能(以下飛行不可動)状態であることが分かった。
これと関連大統領室でカン・グヨンKAI社長を呼び、事態解決の無能さを強く叱責したと伝えられた。
~~略~~
この場で新元式国家安保室長は川社長を通じて飛行不可状態のポーランド向きFA-50に対して責任を問ったが、KAIが明確な解決策を提示できずに激怒したと伝えられた。
これと関連するKAI側は「一時的な欠陥によるポーランド向けFA-50の飛行不可動の原因を把握し、整備を通じて問題を修正中」と解明した。
アルファBizより
この整備不良の方の問題は、かなり深刻であるらしく、FA-50を整備したKAIには解決策すら提示できない状況のようだ。
この関係者によると、KAI側は飛行不能状態のポーランド向きFA-50のために専門人材をポーランドに急派したが、原因すら把握できなかったと伝えられる。
アルファBizより
慌てて現地入りさせたのだけれど、原因不明。
KAI内部事情に詳しいある関係者はアルファ経済に「大統領府がポーランド向けFA-50の飛行不能事態のためにカン社長を召喚したと知っている」とし、「問題のポーランド向けFA-50は、韓国軍が使用するのと同じ機種である「ギャップフィラー」(Gap Filler)12機が故障の原因で飛行ができないと伝えられている」と話した。
アルファBizより
あれ、この文の通りだと12/12ってことになるんだが……。
まあいいや。
ここで推測なのだけれど、おそらくはFA-50のブロック10が未完成だからこんな話になっているということなのだと思う。まさか韓国国内でテストしていないの?という話なんだけど、やってない。何故ならば、韓国空軍に納入するTA-50 Block2を改造してFA-50GFとして慌てて横流ししたからだ。
防衛産業界によると、現在ポーランドがFA-50全48機のうち36機を4.5世代改良型として2025年頃に導入する予定だ。
Daum「FA-50、’米AESAレーダー+AMRAAM’搭載」より
2022年に統合の許可がでて、突貫工事で取り付けて2024年には12機の納入が終わっているのだが、テストをして結果が良好だったという話は聞かない。よって、韓国製ASEAレーダーの取り付けは出来て、地上でテストはやったけど、AIM-9「サイドワインダー」が使えるという確認も出来ていない状態で売りつけた、と。
だけど飛行できないレベルでの不具合を抱えていて、KAIも頭を抱える事態に。
AIM-9の新型が取り付けられないので、中古で探しますってのが、今回の話の本当のところなのではないだろうか。それだと辻褄が合うよね。
韓国の輸出あるあるなので、特に驚く要素ではないんだけどさ。
追記
ええと。
[単独]FA-50PL 納期遅れ必至…米国産レーダーが足かせ?
2024年10月03日 17時37分25秒
今日はFA-50軽攻撃機のポーランド輸出状況を緊急点検します。
~~略~~
仮に試作品を受け取ってテストに合格したとしても、レーダー完成品をPL1号機に搭載しポーランドの最終承認を受けるまでは1年程度かかることが知られています。
そのため、そもそも国産レーダーではなく米国製のレーダーを使うという契約を結んだ背景に疑問が投げかけられています。
MBCより
あー、こちらの記事では、「残り36機の方も遅れそうだよという話」があったけれども、どうやら、アメリカからASEAレーダー「Phantom Strike」の供給がされないので遅れるんだ、ということになるようだ。
Phantom StrikeはT-7Aなどに搭載可能で、アメリカ国内での需要も高いのだと思われる。

AMRAAMもだめ、Phantom Strikeもだめ、ということになると、流石にポーランド政府としても黙っていられないだろう。契約違反で違約金を支払う展開も予想される。
レーダーが搭載できず納品時期が遅れれば、契約条件に従ってKAIはポーランドに違約金を払わなければなりません。
MBCより
仕方がないよ。
記事の中では国産のAESA搭載の話にも触れているんだけど、ポーランドが欲しがっているのはソレじゃないんだよね。
追記2
ええと、これの続報なんだけど……。

ちょっとソースに当たれていないので、Money1様のところの情報を引用する形になるのだが、いろいろ契約に不具合があったのは事実のようだ。ポーランド側も韓国側も、しっかりした契約に漕ぎ着ける努力を怠った感じだね。
ポーランド行きの飛行機の上での言い争い。 「これは不合理だ」
木曜日の国会会議で、国防省副長官は、韓国製FA-50戦闘練習機の購入、導入、運用に関するKO国会議員の質問に答えた。ポーランド空軍は 12 機の FA-50GF (ギャップ フィラー) 航空機を保有しており、第 23 戦術航空基地のパイロットによって運用されています。最終的には、FA-50PL バージョンのさらに 36 個を含む 48 個になる予定です。
トムチク氏は、さらに36機の契約が「大幅に危機に瀕している」と述べた。
~~略~~
副大臣が説明したように、ブワシュチャクが発注したバージョンでポーランドに到着した12機は「おそらく世界初の非戦闘訓練機」である。同氏は、実施契約には戦闘機用の武器の購入は規定されていなかったと説明した。 「そのため、我々は訓練兼戦闘機を保有しているが、これは訓練ではあるが戦闘ではない」と同氏は語った。
MONAY.PLより
契約の不備は前国防大臣のせいらしいぞ。また、FA-50戦闘機に搭載された射出座席の爆発物に関する認証が欠如していたらしいのだけれど、その状態でポーランドで飛行させていたというのはちょっと驚きである。
テスト飛行だから問題なかったのだろうか?
しかしそうなると、整備問題で飛べなかったという情報はちょっと怪しいか?ポーランドの報道によるものなので、間違った情報だと言うことではないと思うんだが。
それと、兵器に関する話なのだが。
さらに、国防省副長官は、FA-50用の兵器はもはや生産されていないと発表した。 「この飛行機は生産されていないため、今日この飛行機用の兵器を購入するのは困難です」と彼は強調した。同氏はさらに、軍需庁は航空機の運用や訓練・戦闘モードでの訓練を可能にするために、市場で中古兵器をリースまたは購入する可能性を模索していると付け加えた。
~~略~~
FA-50 は韓国の軽複座戦闘機です。基本武装は 20 mm 砲と、AIM-9 サイドワインダー空対空ミサイル、AGM-65 マーベリック空対地ミサイル、および数種類の航空爆弾を含むさまざまな種類の懸架兵器です。
MONAY.PLより
兵器に関しては、一部が使えないのか全部が使えないのかは不明だが、しかしそうなると韓国国内に配備されているはずのFA-50は一体どんな武装をしているのかが謎である。
恐らくは使用可能な兵器の統合に関して、情報更新がなされていないのが問題なのだと思うのだが。もうちょっと詳しい情報が欲しいなぁ。
コメント
実態は、心にもないリップサービスをして、後で言った言わないのトラブルを起こすあの国の平常運転事案ですね。その本質は、現実離れした誇大妄想と実力に見合わない誇大主張にあるんでしょう。
国際社会への警句
支那:出来ました!
韓国;出来ます!!!
日本;出来ません
ポーランドもあの国の実態を理解するでしょう。
まさに「心にもないリップサービス」だったんでしょうね、今回の話。
そして、契約書は公開されていませんが、内容的にはポーランド有利のような気がしていますよ。
国際社会にこの警句は浸透するんでしょうかね。
こんにちは。
【信じてはいけないアジアビジネスでの事】
日本人の【できません】
韓国人の【できます】
中国人の【できました】
まさにこの案件ですね。
多分、ろくに統合のテストとかもしてなかった、というか、何もしてなかったのでは。
出来るといいな、が、いつの間にか出来るに違いない、になって、後頭部を以下略になるのはチャメシ・インシデントの国技ですから……
大小中華には、西側資本主義の契約主義はまだ早かったんですよ……
※いつになったらいいのかというと、そんな未来は多分来ませんが……
こんにちは。
身にしみて分かる警句ですね。
実際のところ、韓国より支那の方がマシな感じですが、似たようなモノですよね。