韓国陸軍で教育用ドローン100機が離陸と同時に墜落

これは、何処から突っ込めば良いのか。

韓国軍教育用ドローン約１００機、離陸と同時に墜落…「中国製の可能性」調査

2023.08.23 07:54

昨年末の北朝鮮無人機潜入事件を契機に韓国軍も無人機の戦力化に拍車を加えている。ところが最近陸軍が全国に導入したドローンが離陸と同時に墜落する案件が相次いで発生し、軍警察が調査に着手した。

中央日報より

「離陸と同時に墜落する案件が相次いで発生！」って言われましても。

単なるトラブルか別の理由なのか

651機のドローンを納品

墜落したのは教育用ドローンだったらしく、兵士の訓練の一環としてドローンを飛ばす訓練があるのだろう。それが墜落したということみたいだね。

２２日、軍関係者によると、国軍財政管理団は昨年９月「教育用使用ドローン」入札広告を出して国内メーカー１社と１１億８０００万ウォン（約１億２８００万円）でドローンと統制装備６５１機を契約した。

落札した国内メーカーが今年１月にドローンを納品し、陸軍は大隊級部隊まで普及させて今月から運用を始めた。ところがドローン６５１機のうち約１００機が離陸すると同時に墜落する状況が連続して発生した。

中央日報より

しかし、離陸すると同時に墜落って、初期トラブルなのかな。しっかり製品のチェックをしていなかったと言うことだろうか。「今月から運用」って書いてあるんだけど、1月に納入されてから整備はやってなかったのかな。

よく分からないが、訓練に使う兵器は当然ながら整備されているはず。「離陸すると同時に墜落」したというのは、メカトラブルというよりはプログラムのトラブルなんだろうか？そうだとするとチェックは難しいのかな。

部品は支那製

気になるのはここ。

これに関連して企業側はバッテリーやプロペラ、変速機など部品を中国から輸入したが国内で組み立てて納品したと説明したと伝えられた。

陸軍は該当のドローンが作戦用武器体系ではなく将兵の装備操作の熟達のために購入した製品だとし「一部部隊で問題点が識別されて全数調査を通じて原因を調べている」と説明した。

中央日報より

韓国国内でも当然ながらバッテリーやプロペラ、変速機などの部品を作ることはできるはずだ。どうして支那から部品を買ったのか？といえば、支那がドローン先進国だからという理由もあるんだろうけれど、おそらくは「安かったから」だろうね。

陸軍はまた「納品過程で企業の虚偽書類提出など追加で疑惑があり、現在軍警察で綿密に調査中」としながら「調査結果に沿って厳正措置を取る」と明らかにした。

中央日報より

まあ、いつもの虚偽書類の話もある。

アーミータイガー

そういえば、過去にもドローン部隊の話に触れた記憶があるな。記事が消えてしまった関係で、過去記事を引用できないんだが……。

韓国陸軍、ドローン使い効率展開　新設部隊の訓練公開

2023年1月14日 0:00

韓国陸軍は13日、ドローン（小型無人機）や人工知能（AI）など先端技術を活用した地上戦闘のモデル部隊の訓練を公開した。偵察用に開発したドローンを飛ばす様子や、実戦経験豊富な米軍部隊と共同で攻撃地点に踏み込む場面を実演した。効率的な戦い方を追究して対北朝鮮の防衛力を高める。

軍は先端技術を導入した部隊を「アーミータイガー」と呼び、2022年に第25師団所属の旅団をモデル部隊に指定した。40年にすべての地上部隊を切り替える計画で、戦闘時のドローンやAIの活用について研究を進めている。

日本経済新聞より

恐らく過去に引用した記事がコレ。

うーん、飛ばしているドローンはDJI製（支那企業）っぽいんだが。

韓国軍が支那企業の作ったドローンを飛ばしていたとしても何の不思議も無い。DJIといえばドローンメーカーとしてはトップレベルの技術力を誇っている。

韓国軍が使っていたとしても不思議は無いんだ。だけど、軍で使うとなると色々な問題もある。特に情報漏洩的な問題は気にすべきだとは思うんだけど。

ドローン作戦司令部

更に、最近は作戦司令部を作るとか言う話もあった。

無人機で「平壌」攻撃も　ドローン作戦司令部令を公布＝韓国

2023.06.27 14:01

韓国国防部は２７日、９月に創設する「ドローン作戦司令部」の設置と任務遂行の法的根拠となるドローン作戦司令部令を制定し、公布したと発表した。

聯合ニュースより

少子化が凄い勢いで進む韓国にとっては、こうした軍隊の効率化という点においてドローンなどを活用したいという思惑が出るのは理解出来る。

「敵の無人機の攻撃」任務を与えた背景には、北朝鮮の挑発を積極的に抑止し、挑発には強硬に対応するという尹錫悦大統領の意志があるようだ。北朝鮮の無人機が昨年１２月に韓国領空を侵犯した直後、尹大統領は合同ドローン部隊の早期創設、ステルス無人機と小型ドローンの年内生産などを指示していた。

聯合ニュースより

対無人機でドローンを増やすというのはちょっと理解が及ばないが、強硬に対応するためにドローンを飛ばして敵地を攻撃するという理由であればまあ、アリなんだろう。

韓国軍当局は、北朝鮮が再び無人機を韓国上空に侵入させた場合、その１０倍の無人機を北朝鮮の首都・平壌に飛ばして対抗するという強硬な対応を取る方針を固めたとされる。

聯合ニュースより

そういう作戦であれば、作戦司令部を専門に作るというのは理解できる。

支那製品を直接納入か？

ただ、気になるのはここだ。

軍警察は納品企業がドローンを自社製造せず中国製品を購入した後に納品した可能性を念頭に置いて捜査しているという。

中央日報より

納入した企業は、「部品を支那から購入して、韓国内で組み立てた」という説明をしているのだが、韓国の軍警察は「支那製品をそのまま納入したんじゃ」と疑っているらしい。

そのことと、「離陸と同時に墜落した理由」とはリンクしないものの、スパイウェア仕込まれたドローンセットを納入されてもチェックが難しいのでは？と思ってしまう。

まあ、続報に期待したいけれども、斜め上の結果が出ると面白いかな。