このネタ、過去には取り上げたことのある内容なのだけれど、ブログの記事を飛ばしてしまった時に失われてしまったようだ。改めて取り上げておきたいと思う。
「日本は教えてくれぬ」道路陥没「東京の100倍」で東京の技術力にすがる韓国ソウル市長の必死
2015/5/3 06:00
2月6日までの日程でソウル市の朴元淳市長が日本を訪れたのに合わせ、東京都は2日、ソウル市と「道路陥没対応業務、技術的協力に関する行政合意書」を締結した。双方が都市の安全に向けて、お互いに技術を供与するという内容だ。
産経新聞より
この産経新聞の記事は同じ題材のネタを扱って奇麗に料理してあって読み易い。一読いただければ、何があったのかは分かっていただけると思う。ただ、産経新聞の記事なので、裏どりは必要だ。時々、厄介なネタを仕込むことがあるから。
調査はタダで!
2015年、ソウル
さて、このネタを書くにあたって、こちらの記事へのリンクを貼っておく。
この記事では、シンクホール調査の隊員が足りない。だから、シンクホール地図を作ろうとしたら出来なかったという記事を紹介している。
でも、何かズレているんだよね。
だって、冒頭に紹介したように、2015年にはソウル市の地下の空洞が大変な問題になるってわかっていて、対策を採るはずだった。それが10年経過してこの有様である。
2015年のソウル市長はもうちょっと勤勉だったのに。
ソウル市長が東京訪問 道路陥没対応など学ぶ
2015.02.02 13:48
ソウル市が、韓国より20年進んでいると評価される日本の道路陥没防止技術を積極的に導入し、道路陥没対策で事後対応から未然防止へと方針を転換する。
聯合ニュースより
アナタ、勤勉ですね?
……いや、朴元淳氏といえばソウル市のトップを勤めた人権派弁護士で、第35代ソウル市長に当選後、第37代まで9年間市長をやっていた。2015年の仕事はそんなさなかのものである。ただし、朴元淳氏は元秘書の女性にセクハラをした容疑で告訴状が警察に届けられた翌日、失踪してしまい遺体となって発見されている。晩節を汚しちゃったね。
と、話が逸れてしまったが、とにかくソウルの道路を何とかしたいという思いがあった当時のソウル市長は、東京都にその技術を求めたのである。
1日から5泊6日の日程で日本を訪問中の朴元淳ソウル市長は2日午前、昨年道路が陥没した東京都内の現場を訪れ復旧した道路を視察した。
東京はソウルよりも地質がぜい弱で、地震や下水管の老朽化で毎年約1000件の道路陥没が見つかる。
だが、予防対策を取ることで事故につながるケースは1%未満にとどまっている。
聯合ニュース「ソウル市長が東京訪問」より
東京都はソウル市の10倍の予算を毎年つぎ込んで、陥没対策をやっている。それだけ技術も進んでいる。だからこそ、ソウル市長は学ぼうと思ったんだ。
ソウル市の惨状
……と思った方、残念ながら違うんだな。
近年、ソウル市では下水道の老朽化などが原因とされる道路陥没が毎年約30%のペースで増加。2010年に435件だったが13年は854件に、14年は1~7月で568件と被害は拡大しつつある。
昨年8月にはソウル市の教大駅付近で、深さ約1メートルの陥没に走行中の乗用車が落ち込む事故もあった。道路陥没に伴う交通事故は、過去10年で2000件超に上ったとのデータもあり、大きな社会問題となっている。
産経新聞「ソウル市長が東京訪問」より
当時のソウル市も、既に下水道の老朽化によって道路の陥没が頻発している状況だった。シンクホール発生は今に始まった話ではないんだよね。
つまり、対策待ったなしの状況を2015年に既に迎えていたんだよ。
で、2015年の東京都知事は誰だったかといえば、舛添要一氏である。歴代トップレベルの親韓派知事である。おそらく、先代第18代の猪瀬氏やその前、石原慎太郎氏であればソウル市長も「日本に学べ」などとは考えなかっただろう。
そして、東京都の地価調査を当時支えていたのが、ジオ・サーチ社である。国内シェア9割以上のトップ企業で、おそらく世界最強の技術を誇っている。
ソウル市は市販の地中レーダーなどを用いて地下調査に乗り出したが、技術やノウハウの不足により、めだった成果はあがっていない。やむなく昨秋、ソウル市は道路の地下空洞調査で高い技術を持つ東京の調査会社、ジオ・サーチに協力を要請した。
昨年12月に同社が主要地下鉄駅付近の道路約60キロメートルを無償調査したところ、わずか4日間の調査で未発見の地下空洞が41カ所発見された。うち18カ所は地表から30センチ以内の崩落リスクが高い空洞だったという。
ジオ・サーチは空洞の分布や、補修の優先順位などを地図に示した報告書を提出した。これに対し、朝鮮日報は1月2日の社説で「韓国にはそうした作業の設備も技術もない」と自国を批判しつつも、「(日本企業は)正確な大きさや危険性の分析技術については秘密だという理由で教えてくれなかった」と恨み節をのぞかせた。いかに地下調査の技術を必要としているかの証左だ。
産経新聞「ソウル市長が東京訪問」より
2014年に、ソウル市はジオ・サーチ社に調査依頼をした。おそらく、ジオ・サーチ社はデモンストレーションのつもりだったのだろう。4日間の調査で未発見の地下空洞41箇所を発見して見せた。
で、マップを作って補修優先順位などを教えたのだけれど……、地下調査結果のデータ全ては渡さなかった。そりゃ、無料調査の範囲以上の仕事をしたのである。「全部よこせ」というのは流石にムシが良すぎるだろう。仕事で受けた話ならともかく、ソウル市から請われて結んだ「無償空洞探査施行に関する業務協約」という約束に基づいた調査である。その協約に書かれた以上のことを無償で行う理由はなにもない。
だが、韓国には地下調査技術がない。そこで、東京都に泣きついたのである。
道路陥没対応業務技術協力に関する行政合意書
で、舛添氏は、ホイホイと日本の技術を売り渡しちゃった。
ソウル市と東京都は2日、「道路陥没対応業務技術協力に関する行政合意書」を交わし、道路陥没先進技術分野での交流を進めていくことで一致した。
ソウル市は東京都から陥没道路の調査方法や復旧に関するノウハウなどを学び、自主開発した舗装路面のくぼみを見つけるシステムなどを教える。
聯合ニュース「ソウル市長が東京訪問」より
個人的にはこの1件だけでも舛添氏を「売国奴」と呼びたい気分ではあるが、すでに過去の話だ。このようなやらかしを、日本は過去何度もやらかしたので、舛添氏一人が悪いというわけではない。
ソウル市は東京都から ①路面下空洞発生の原因把握と調査方法、マニュアルの作成 ②空洞発見及び道路陥没発生時の対応措置や復旧方法に関するノウハウを提供されます。また、東京都はソウル市が開発・運営中の③IT基盤のポットホール通報システムに関するノウハウを伝授するなど、市民の安全に向けた戦略的パートナーシップを構築することで合意しました。
SEOUL市のサイトより
ハッキリ言うが、技術のなかった韓国から日本が学ぶことなどなにもない。
ただ、ソウル市のIT技術というのは、ボランティアのタクシー運転手が道路の陥没を見つけた際、カード決済機に設置したボタンを押し、GPS(衛星利用測位システム)で破損情報を集約するという仕組みだ。発生後に情報を集める仕組みで、トラブルを未然に防ぐものではない。
それだけに、3日の舛添知事の定例会見では、記者から「相互協力だが東京がソウルに学ぶところがあるのか?」との質問も飛んだ。舛添知事も「道路陥没について言うとわれわれのノウハウが進んでいる」と認めた上で、「得意なところを教え合うようになればと思う」と述べた。
聯合ニュース「ソウル市長が東京訪問」より
その当時も、「教えてもらうことなんてあるの?」と聞かれて、舛添氏も「ない」と答えている。その状況は2025年になった今も何ら変わることはない。むしろ、ソウル市の状況は悪化している。
装備が必要?
韓国全土での装備は…
さて、別の記事を引用していこう。
韓国・道路陥没2年で264件…なのに探知装置は全国にわずか10台、深部探査も困難
2025年4月3日 12:30
韓国全土で過去2年間に発生した道路陥没は264件に上る一方、これを事前に検出できる地表透過レーダー(GPR)装置は、全国にわずか10台しかないことが分かった。しかもこれらの装置は最大でも深さ2メートル前後までしか探査できず、より深い地中の異常兆候を捉えるのは困難だと指摘されている。
野党「共に民主党」のチャン・チョルミン(張哲敏)議員が国土安全管理院から提出を受けた資料によると、2025年3月時点で同院が保有するGPR装置は計10台にとどまっている。2024年は9台で、そこから1台増えただけだ。
保有する装置の内訳は、車道用RSVが4台、歩道用c-RSVが3台、共用調査用のGPR探査装置が3台。
地盤探査班の人員は2023年に9人だったが、2024年には12人に増員され、装置数も5台から9台に増加。点検実績も524件から601件へと増えた。
AFPより
日本からの技術支援を受けてGPR装置の導入をしたはずなのに、10年経過して技術者は12人だけ。それも、2023年には9人しかいなかったのである。
2014年に1台目が導入されていたはずなのに……。
今回の探査には、ジオ・サーチ(株)が有する先端探査装備である車両搭載型GPR1台と空洞探査内視鏡1台が使用されます。探査は、▲1次空洞探査 ▲2次内視鏡確認調査の2段階に分けて実施されます。車両搭載型GPRで空洞を探査し、空洞であることが疑われる地点が発見されたら穴を掘り、内視鏡装備で精密調査する方式です。
~~略~~
同社はこれに先立ち、11月19日(水)に締結した「無償空洞探査施行に関する業務協約」に基づき、今回の探査のための装備を無償でソウル市に提供し、韓国で探査活動を実施しました。
SEOUL市のサイトより
あまりやる気が無かったのだろうか?




これが、そのとき無償提供された車両搭載型GPRである。最後の一枚は、おそらく地中を調べるスコープだと思うんだけど。これらは日本でも現役で活躍中の機材で、最高時速100kmで、探査深度1.5mの調査が可能なスタンダードモデルである。日本には100台以上あるようだが。
浅い地盤までしか探査できない
ところが、この調査機にも文句があるようだ。
現行の装置はすべて「浅い地盤」までしか探査できず、深層の事前把握は事実上困難である。10台中、車両型装置の探査深度は1.5~1.8m、歩道型は0.6~1.5m、手動型は0.1m程度で、中心周波数500MHzクラスの装置が使用されている。
AFP「韓国・道路陥没2年で264件」より
韓国のメディアはこんなことを書いているが、実際に地下10m程度まで調べる方法というのはボーリング調査などに頼らねばならない。先ずは浅層の調査を調査して怪しいところをボーリングや孔内観察などによって更に深い層までの調査を行う。表面波探査や電気探査などの物理探査方法もあるようだが、車両搭載型GPRで調べるような高速調査は無理だ。
ええと、韓国ではこの車両搭載型GPRは何台あるって?え?4台?
あまり言いたくはないのだが、韓国に一番必要なのはやる気とノウハウなのではないだろうか?10年でどれだけ技術を高めたのさ。まあ、その惨状に関しては前の記事で触れているので、あえて書きはしないんだけども。
コメント
ホントに全土で12人なんすね。慌てて前記事を読み直したら「全土で」とあり「ソウル全市で」ではなかった……お前ら何をやっていたの??
で、地中探査なんてすが難しいでしょうね。ボーリングしないと10mはムリで、それでも手はずを整えるのに面倒。
コレはヒストリーチャンネルの「スキンウォーカー牧場の怪」とか「山下将軍埋蔵金を探す」とか観てると解るすビジュアルに
私も埋蔵金探索を趣味にしてるから、地中レーダーは観た事がある。レーダーでなく
台車に載せた金属探知機(水道管用)なら何度か。あれも1.5m越すとキツイ!
埋蔵金や怪奇現象調査みたく、先行して目標の目星をある程度つけていても、それでも地下空洞を発見するのは厳しい!
まずはソウル市の「とりあえず危険地域マップ」に載った「単に配管が集積してる場所」を重点調査して、ノウ・ハウ蓄積と、人員の経験値を上げるのが先決。
それと予算編成ですねぇ。
ただ…ソウル市だけの問題でないから、国策として予算たてて、助っ人外人技術者をあつめるしかないのでないすかね?
信じられませんが、ソウル市以外は対策すらしていないのでしょう。
そして、国費で対策が行われているにも関わらず12人。
それでも、9人体制から3人も増えている!
まあなんというか、このままなんじゃないでしょうか、韓国さんは。
こんにちは。
舛添なぁ……
あれくらい「ねずみ男」のコスプレが似合いそうな奴、他に知らないです。
一時的とは言え、何をどうしたら全くキャラの違う片山さつきと夫婦でいられたのか……
※ググったら、見合い結婚で、3年で×だそうで。それでもすごいや。
こんばんは。
あのネズミ男、ロクなことしてませんからね。
それでも政治家としてはそこまで駄目だったというわけではないんですが。
10年経っても同じことを言っている、と。
確か「水車(だったような)を我が国も作ろう」と、400年ごし(だったような)で言っていた国でしたよね。
どうしてこうなったのやら。
水車が作れないという噂はありましたが、流石にどうなんでしょう。
でも、技術者を大切にしないという民族性は、今も昔も変わらないようですよ。