また、ニッチな分野に金を出すんだね。
消火用ドローン、東京消防庁が開発へ…「木密地域」対策やマンション火災対応を強化
2025/03/17 15:00
東京消防庁は2025年度、上空から火元に向けて放水する「消火活動用ドローン」の研究開発に乗り出す。首都直下地震も見据え、木造住宅密集地域(木密地域)での延焼リスク低減や、中高層建物での都市型火災に迅速に対応する狙いで、26年度中の実用化を目指す。
讀賣新聞より
狭い路地なんか、車が入っていけない地区もあるようなので、意味はあると思う。思うんだけど、ね。
ドローンの用途
え、消火活動に使うの?
ドローンは、軽量な機体であるが故に小型のモーターを使って飛行が可能である。ところが、「消化」となると、消化に使う媒体が不可欠。水って重いよね。
こうした火災への対応として、同庁は消火活動用ドローンの研究・開発を決定した。20メートル以上の高さまで上昇して水平方向に12メートル以上放水でき、屋内消火栓と同程度の毎分130リットルの放水量を持つ性能を想定している。実用化後は消防署などに配備し、火災現場に持ち運んで、ポンプ車による放水前の初期消火に生かしたい考えだ。
讀賣新聞「消火用ドローン、東京消防庁が開発へ」より
130L/分の水を出す蛇口を持たせて、果たして飛行できるのか?はちょっと良く分からない。それも、ホースつきで高度20mまで飛び上がる必要がある。やっぱり重量はかなり……。
大体、20mまでホース持ち上げて放水始めたら、ウォーターハンマーでドローン振り回されそうなんだが。そんなことは心配しても仕方がないのかな。それとも、ホースだけ持ち上げて消防隊員が上で受け取る構想なんだろうか?
もちろん、重量物を運ぶドローンの研究はなされている。需要もあるしね。
空飛ぶ軽トラは可搬重量1トンで飛行距離1000km、ガスタービン発電機で実現
2023年06月28日 06時30分
「Japan Drone 2023」(2023年6月26~28日、幕張メッセ)でひときわ目を引く存在となったのが、ドローンや空飛ぶクルマの最大の課題であるペイロード(可搬重量)や飛行距離を大幅に拡大できる可能性を持つガスタービン発電機に関連する展示だ。
モノリストより
一応、可搬重量1tのドローンの開発も行われているみたいだけど、ガスタービンエンジンが必要なんだとか。
三菱重工がペイロード200kgの大型ドローンの機体を披露、作業員の相棒も開発中
2024年06月07日 07時30分 公開
三菱重工業は、「Japan Drone 2024」(2024年6月5~7日、幕張メッセ)において、現在開発を進めているペイロード200kgの大型ドローンの機体を披露した。併せて、ダクテッドファンの採用などによって機体を水平に保って飛行できる、作業員の「相棒」をコンセプトとするドローン「MTD(Mitsubishi Multi Task Drone)」も公開した。
モノリストより
この辺りは実現しているっぽい。
防水・耐熱は必須
さて、あと必要な機能はといえば、防水と耐熱性能だろうか。よく知られているように防水ドローンは実在するし、販売もされている。トイグレードなら実現は結構容易だと思うよ。
開発にあたっては、給水方法や耐熱性、墜落防止などの対策が課題になる。
讀賣新聞「消火用ドローン、東京消防庁が開発へ」より
でも、耐熱性はどうするんだろうね。と思って調べたら、そこそこ耐熱性のあるドローンもあるっぽい。
スイス連邦材料試験研究所とインペリアル・カレッジ・ロンドン、耐熱ドローンを開発。火災危険源を至近距離で分析
2023年6月30日
昨年、スイスの消防署は、12,000件以上の消火活動に出動した。燃え盛る建物の温度は、致死的な約1,000℃に達することもあるため、不必要なリスクは避ける必要がある。空飛ぶロボットは、そのような任務をサポートできる。スイス連邦材料試験研究所とインペリアル・カレッジ・ロンドンの研究者たちは現在、ホットスポットからの初期データを提供できる耐熱ドローンを開発している。
DRONEより
これは重量物が運べるドローンではないけれど、状況の偵察をするような用途に用いられるようだ。
同庁は、東京都議会に提出した25年度予算案に、研究開発費として2億4000万円を計上した。
讀賣新聞「消火用ドローン、東京消防庁が開発へ」より
今ある技術を組み合わせれば、それなりに実現性のある話なのかどうか。まあ、研究するのは良いと思うんだけど、余り機能を盛り込むとスゴイ高価な機体になりそうなんだけど、大丈夫なのだろうか。
そういえば、レッドサラマンダーって、元気なのかな?

コイツも機能としてはスゴイと思うんだけど、色々盛り込みすぎた結果、使えるシーンが殆どないという噂である。まあ、洪水災害の時には時々出動したというニュースを見かけるけれども。
開発はやって貰っても構わないが
そもそも、記事にもある様に山火事対策でドローンを使うようなシーンは最近もあったようだ。
消防活動の現場では現在、ドローンが情報収集に活用されている。岩手県大船渡市の山火事に出動した東京消防庁の部隊は、上空からの映像で延焼状況を確認し、活動場所を選定したという。
讀賣新聞「消火用ドローン、東京消防庁が開発へ」より
ドローンによる空撮で、消火活動をすべき場所を確認するみたいな用途に使うというのは、割とニーズがあるようで、外国でもそうした事例が幾つも聞かれる。
だけど、「消火活動」が出来るところまでやれるのだろうか?
どちらかというと、偵察用ドローンとパイロットの数を増やす方に力を割いた方が良いような気はする。まあ、研究開発はしっかりやって下さいな、とは思うんだけどね。
追記
コメントを貰って調べたが、ホースを引っ張って飛ぶというコンセプトは既にあるようだ。

そして、思いのほか高性能である。
従来の空中散布用ドローンは平均10~16リットル程度の液剤タンクを装備し、そのタンクに搭載した液剤を散布するため、一度に散布できる液状の量はタンク容量に依存していました。
Arial Worksより
それに対し、散水ホースアタッチメントシステムは、地上の大容量タンクに繋がった散水ホースを通して液剤の散布が可能となるため、これまで不可能だった大量の液剤散布(平均130リットル程度)が可能となります。
ここの他にも研究しているところがあるようで。
ケーブル→送電 ホース→送液 ドローンで長時間散布
2024年4月23日
福井県工業技術センター(福井市)は、ドローンに送電ケーブルと農薬を供給するホースをつないだ状態で、長時間飛行と大量散布を可能にするシステムを開発した。垂れ下がるケーブルとホースを後続の複数のドローンがつり上げることで、安定して散布できる。何度もバッテリーや農薬タンクを交換する必要がなく、省力化が期待できる。
日本農業新聞より

こちらのニュースの面白いところは、ホースのねじれ対策として3機飛ばすコンセプトらしい。
これまで行った試験では、ドローンにつなげたホースとケーブルを2機の後続ドローンが20メートル間隔で持ち上げた。ねじれや脱落などの不具合はなく、安定的な飛行ができた。バッテリーやタンクの大きさ、ホースの長さを変えれば、さらに長時間、大容量の散布も可能になるという。
日本農業新聞より
散水する1号機と、ホースを持って飛ぶ2号機、3号機。
130L/分の水量をばら撒くのでも、このやり方ならホースの重量を分散できるだろう。なる程、僕がモノを知らないだけでした。失礼しました。
コメント
中国かどこかでホースを引っ張って消火するドローンを、なんかの映像で見たことがあります。
日本では、狭い道で梯子車が入れないようなところではいいかもしれませんね。
ホースつけないなら、積載1Lぐらいの小さなものでも1000機2000機、数で勝負するのなら山火事では有りかもしれません。(実際問題として、ヘリと比べてどっちのほうが効率的なんだか分かりません。金銭的にも。)
かの国のオリンピック開会式で蚊柱と呼ばれていたのがありましたが、水辺から飛び立てば、まさしく蚊柱みたいになりそうですが。蚊遣り火ならぬ火遣り蚊なんてね。
まさか、と思って調べたら、あるんですねぇ。
追記で、ホースを引っ張って飛ぶドローンを紹介させてもらいます。思い込みは良くないですね。
水平放水じゃなく下方放水にすればウォータージェット推進?
絞りと 偏向ノズルも付けて(笑)
噴出質量速度 130L/分=0.13m3/sec≒2.17kg/sec
仮にノズル2cm角=0.0004m2まで「頑張って絞る」と噴出線速度0.13/0.0004 = 325m/sec
∴ 推力
= 噴出質量速度 ×噴出線速度
= 2.17kg/sec × 325 m/sec
≒ 705 N(=kgm/sec2)
≒ 72kgf
ロスを見込んでも50~60kg程のペイロードはウォータージェットだけで賄えるので
プロペラは微調要素として、
あ、ホース繋げるなら電力も有線で良いよね?
何とか、ならない、かな?(笑)
ん? 何故かたまたま(笑)
水の噴出速度 325m/secが 空気音速 340m/sec に とても近い
マズイかも?
だけど水中音速1500m/secより十分遅いのでノズルまでは大丈夫ですよね?
偉そうに計算したけど 他にも見落とし、抜け あるかもなので
上の計算鵜呑みにしないで下さいm(_ _)m
計算自体は合ってるはず、根拠仮説が 間違ってるかも
どなたかお教え下さいm(_ _)m