久しぶりに支払い関連のニュースを見かけたが、未だ揉めてるのか。
戦闘機KF21共同開発 インドネシア分担金減額で韓国航空機メーカーにとばっちり【独自】
記事入力 : 2025/03/13 11:25
韓国が、インドネシアと共同で開発している韓国型戦闘機 KF21(通称「ポラメ=若鷹」)のインドネシア側の分担金を当初予定の3分の1に減額することを決めたことで、そのとばっちりが開発企業の韓国航空宇宙産業(KAI)に及んでいる。
朝鮮日報より
この件に関してはインドネシアを擁護する気はない。韓国にとっては、なかなか厳しい話になっているね。
開発に時間がかかっている
共同開発を選択した韓国
前回、輸出を画策するようなニュースを紹介したが、輸出が決まればまだマシなんだろうね。
韓国が開発しているKF-21戦闘機は、良くも悪くも中途半端な戦闘機である。前回も言及したが、「韓国には戦闘機開発経験がなく」「未だ完成していない」のがKF-21戦闘機だ。
実際、この話はよくもまあインドネシアは「共同開発」に参加したなという印象ではあった。
詳しくはこちらの記事に経緯を纏めているが、2001年3月の韓国空軍士官学校の卒業式で、F-4戦闘機の後継機開発の話が出た。計画がぶち上げられてから21年で出庫式まで辿り着けたその技術力に関しては、素直に凄いとは思う。いや、出来上がってから褒めるべきだろうか。飛行はしたものの、まだ完成には漕ぎ着けてはいないからね。
コンセプトとしては、F-16戦闘機と同程度の性能をもつ双発機ということだったようだ。
ただ、韓国が戦闘機を作り上げるにあたっては技術力も足りないし、予算も足りない。そこで、インドネシアを巻き込んで「共同開発しようぜ」ということになった。本当はトルコとか中東諸国とか巻き込みたかったようだが、実現はしなかった。トルコとの契約はかなり良い線までは行ったみたいな報道はあったんだけどね。
韓国が共同開発にこだわった理由は、量産効果が出したかったという事もある。戦闘機の価格は開発費を生産台数で割るので、輸出を考えれば初期ロットの生産台数を増やして、できるだけ利益が上がるようにしたいってことなんだね。
とにかく金を出してくれ
インドネシアも過剰な期待はしていなかったとは思うが、とりあえずは2割開発費を負担するという話で計画がスタートした。で、当初の予定だと、2023年に戦力化をするという計画だった。ところが、韓国はちっとも戦闘機開発をはじめない。仕様がなかなか固まらなかったのである。
流石のインドネシアも、「もう、共同開発を降りる」と言う話を何度も出していた。まあ、そもそもあんまり金を出す気はなかったのかもしれないと思えるのは、支払いを何度も渋っていて、最近では他国の戦闘機を物色していたからだが。
そのうちに減額交渉が始まって、事実上の撤退というのがインドネシアの今のスタンスだ。そりゃ、開発の遅れはあったし、今なお完成するかは怪しいしね。早急に完成している戦闘機を手に入れたいと思うのも無理はない。
韓国はインドネシアと共同で、2015年から26年までの予定で約8兆1000億ウォンを投じてKF21を開発している。当初、インドネシアは全体事業費の20%に当たる1兆7000億ウォン(後に1兆6000億ウォンに減額)を投資し、試作機1機と技術資料の提供を受けた後、次世代戦闘機48機をインドネシア国内で生産することになっていた。残りの80%は、韓国政府が4兆9000億ウォン(60%)、KAIが1兆6000億ウォン(20%)を負担することが決まっていた。
事業の満了が約1年後に迫っているが、インドネシアがこれまでに納付した金額は4000億ウォンにとどまっている。これはKF21の開発分担金総額(1兆6000億ウォン)の25%だ。インドネシアは財政難を理由に分担金の削減を要請している。韓国政府は昨年8月、インドネシアの分担金を6000億ウォンに減額する調整案を提示した。これを基に、インドネシアは24-26年に年平均1070億ウォンを納付する予定だという。
朝鮮日報「戦闘機KF21共同開発」より
実際の支払い実績はこんな感じらしい。

まともに支払ったのは初年度と2024年だけだね。噂によると、パーム油とかで払う計画もあったらしい。現物支給とはなかなか新しいね。
穴埋めが必要
ということで、韓国としてはインドネシアがカネを出さない分の補填がどうしても必要になってくるわけだ。
KAIは開発過程で費用を削減し、総開発費を7兆6000億ウォンへと約6%減額したが、インドネシアの分担金の一部がKAI側に上乗せされたため、逆に多額の費用負担を強いられることになった。もともとの1兆6000億ウォンに追加の分担金1200億ウォンを合わせると、1兆7200億ウォンを負担することになる。これは昨年の営業利益(2407億ウォン)の7倍を上回る規模だ。
韓国防衛事業庁の関係者は「政府と企業は、不足する財源を共同で分担するという大原則に合意した上で、国家財政の状況や企業の経営状況などを考慮し、さまざまな方法で協議している。分担比率はまだ決まっていない」と説明した。
朝鮮日報「戦闘機KF21共同開発」より
ところが、政府が金を出すか開発を分担しているKAIが金を出すかで揉めているのが現状のようだ。
今わかっている範囲では、KF-21戦闘機の価格が高額になっているという話は漏れ聞こえてきていて、1機あたり890億ウォン(97億円相当)を超えているらしい。
一方で、F-35Aの価格が7000万ドル台(940億ウォン台)に下がってきているという話なので、性能はF-35Aのほうが断然良いのに、KF-21の方がお高いなどということに。
さらに、減産して様子を見るなんてことをやっているので、更に価格は上がる可能性は高い。開発が完了していないうちは、まあ、頑張れ、としか。
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