近況は「お知らせ」に紹介するようにしました。
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日本はオーストラリアとの軍事協力体制を深める

安全保障
この記事は約4分で読めます。

ブログで触れなかったニュースだが、先日こんな話があった。

中国艦隊のタスマン海での実弾演習、「謝罪する理由ない」=駐豪大使

2025年2月28日午後 2:35

中国海軍の艦隊がオーストラリアとニュージーランドの間のタスマン海で先週実施した実弾演習により、少なくとも49便の飛行中の航空機が針路を変更する事態となったことについて中国の肖千駐オーストラリア大使は28日、「中国側が申し訳なく思ったり、謝罪しようと考えたりする理由はないと思う」と訴えた。オーストラリア放送協会(ABC)のニュース番組のインタビューで語った。

ロイターより

なかなかふざけた話なのだが、全体像を理解していなかったので、この時には深刻な事態だとは思っていなかった。

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即時連携を深める必要がある

最新鋭護衛艦のアピール

だが、こちらのニュースでなかなか支那の傍若無人ぶりが発揮された件なのだと言うことに気がついた。

海自の最新鋭護衛艦がオーストラリアに そのねらいは?

2025年3月12日 19時39分

海上自衛隊の最新鋭の護衛艦がオーストラリア海軍との共同訓練を行うため、現地に到着しました。オーストラリアは、多数のフリゲート艦を他国と共同開発する計画を進めていて、最終候補に残っている日本としては、能力をアピールするねらいもあるものとみられます。

NHKニュースより

昨日のニュースで、海上自衛隊の護衛艦がオーストラリア海軍との共同訓練を行うことが報じられた。

この共同訓練に関しては、冒頭に説明されている「フリゲート艦の共同開発」の件ももちろんあるのだが、それ以外の狙いがあるということについても言及されていた。

こちらの記事で言及しているように、オーストラリア海軍は現在、次期フリゲート艦の選定に入っている。

最首候補に残ったのが日本とドイツ。日本が提案しているのがこのタイプである。

三菱重工案イメージCG

そして、同タイプとなるのが引用したニュースで触れられている護衛艦「のしろ」なのである。この件はかなり期待している。

対支那防衛作戦

しかし、今回の共同訓練には別の狙いがある。

それが冒頭のニュースと関係することで、ここ最近、支那はオーストラリアに対してかなり圧力を高めている。

こうしたなか、オーストラリア政府は先月中旬、北東の海域で中国海軍のフリゲート艦など3隻が確認されたと発表しました。

その後、これらの艦艇は南下し、先月21日、オーストラリアとニュージーランドの間の海域で実弾を使った訓練を行うと直前に通告し、周辺を飛行していた複数の旅客機が、急きょ飛行ルートの変更を余儀なくされました。

このあと、中国海軍の艦艇は今月上旬にかけてオーストラリアの南、続いて西の海域と時計回りにオーストラリア大陸の周辺海域を回るコースをたどりました。

NHKニュース「海自の最新鋭護衛艦がオーストラリアに」より

なかなかふざけた話ではあるが、放置できないニュースである。

img

「謝罪する必要はない」と強弁している人民解放海軍だが、やっていることはオーストラリアに対する恫喝であり、非常に失礼極まりない軍事行動である。

オーストラリアのマールズ国防相は先月22日、オーストラリアの公共放送ABCの取材に対し「国際法には違反していない」としながらも「異常な事態だ」と述べました。

NHKニュース「海自の最新鋭護衛艦がオーストラリアに」より

国際法に違反していないというのは事実ではあるが、恫喝していることは間違いない。なにしろ、実弾射撃をしながら「演習」と嘯いているのだ。

日本もロシア空軍や海軍、或いは支那の人民解放軍から同様の恫喝を受けており、他人事ではない。インドネシアやフィリピンなども他人事じゃないハズなんだが、フィリピンはともかくインドネシアはなかなか政治体制的に難しいようだ。オーストラリアとインドネシアがあまり仲良くないことも関係しているみたいだね。

中国海軍の艦艇がオーストラリアを周回するように航行したことについて、防衛省・自衛隊もこれまでにない動きだとして動向を注視しています。

オーストラリア国防省によりますと、今回、確認された中国海軍の艦艇は、▽「レンハイ級巡洋艦」、▽「ジャンカイ級フリゲート艦」▽「補給艦」の3隻です。

NHKニュース「海自の最新鋭護衛艦がオーストラリアに」より

しかし、オーストラリアにとっては補給艦まで引き連れての実弾演習を、オーストラリアの回りを周回して行った支那に対して早急に対応できる体制を採らねばならない。

これは日本にとっても同じことであり、そういう意味でも護衛艦をオーストラリアで製造できる体制を整える必要がある。そういえば、「みちびき」さんはオーストラリアもカバー出来るんだよね、偶然だけど。

コメント

  1. 砂漠の男 より:

    当時、豪州-NZ間の航空便が迂回飛行を余儀なくされたとか、近海漁船が出漁を取りやめたとか、Sky News(豪)が報じていました。
    支那海軍が、遠路はるばる豪州とNZの沖合まで”実弾演習”に行った理由が不明なんですね。豪州に対する恫喝や牽制にしては明らかにやり過ぎで、それ以上の理由がないと、単なるカネの無駄遣いにしか見えないんですが。
    最近の変化としては、豪州(とNZ)の入国・移民管理政策の変更くらいで、それでも厳格化したとはいえず。参考までに、どんなふうに変更されたか資料だけシェアしておきます。
    https://www.thinkvisa.com.au/immigration-news/how-australian-immigration-is-changing-in-2025-what-migrants-need-to-know
    むしろ、穴だらけの日本のイミグレのほうが大問題であり、いま支那人が日本に怒涛の如く流れ込んでいて、危険水域にあると思っています。

    • 木霊 木霊 より:

      正直、支那の人民解放軍が何を考えているのかは分かりません。
      ただ、第3列島線を現実のものとするためには、アメリカとオーストラリアの間に亀裂を入れておく必要があり、軍事行動での威嚇というのは必要だとの判断でしょう。政治的妥当性と軍事的妥当性は意味が随分と違うでしょうし。

      移民問題については、既に何十万人も外国人が日本国内にいる現実を考えれば、これ以上入ってくるというのも間違いありません。
      そうであれば、「移民政策は採らない」という世迷い言を口にする前に、実際に居着いている外国人の扱いを含めて法整備すべきでしょう。そうでなければ間に合いません。

  2. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    周回遅れの帝国主義の支那は、砲艦外交がいまだに有効だと思ってるのでしょう。
    実際、ある程度以下の国力と国防力の国には有効でしょうけれど……

    「泰平の眠りを覚ます上喜撰たった四杯で夜も寝られず」を、周辺国でやりたいのでしょう。
    周辺と言うには豪州はちょっと遠いですが。
    眠れる獅子が、獅子身中の虫だらけだったというオチに(130年ぶり2度目)なるような気がしますが……