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【支那の水害】東北部での水害が深刻に

中華人民共和国ニュース
この記事は約6分で読めます。

積極的に触れる必要があるかどうか悩ましいところだが、続報だから軽く触れておくことにする。

中国東北部で水害が深刻に 吉林省では市政府幹部が死亡

2024年8月1日 20:36

中国東北部で7月下旬から続く大雨による被害が広がっている。吉林省では1日、救助活動を指揮していた市幹部の死亡が明らかになった。増水により一般市民も避難を余儀なくされている。東北部は農業従事者が多く、経済的にも甚大な被害が見込まれる。

日本経済新聞より

日本経済新聞は全文読めないので引用するのも気が引けるのだが、検索したらトップに出てきたので、まあ、良いかなと。

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水害対策も大切

毎年のように繰り返される水害

ともあれ、支那の水害の話はここの所何度か取り上げてきた。

7月だけでもこんなに書いているな。

記事で触れている通り、4月辺りから散発的に水害の記事を扱っているけれども、水害そのものは支那においてさほど珍しい話ではないそうだ。

中国穀倉地帯で浸水被害拡大、食料安全保障の懸念高まる
中国北東部の穀倉地帯で豪雨が続いて大規模な洪水が発生し、14人が死亡した。農地の浸水被害も広がり、食料安全保障上の懸念が高まっている。

去年もそうだったし、その前の年も似たような話があった。今年が特別か?というと、頻度が多い様には思うのだけれども、支那人の知人に話を聞いたら「今年はちょっと多いなぁ」程度の感覚らしい。

だからこそ、治水は支那において非常に大切であるという認識だったハズなのだが、習近平氏は一体何をやっているのか。

吉林省周辺へのダメージ

で、冒頭のニュースは支那北東部、吉林省を中心とした地域でも水害で苦しんでいるという話である。

中国の豪雨、吉林省で3万人が孤立 武漢も洪水危機高まる

2010年7月29日 13:08

中国北東部の吉林(記事&category[]=ワールドカップ&category[]=五輪”>Kouqian)で、豪雨による大規模な洪水が発生し、住民3万人が取り残され身動きが取れなくなっていると、国営新華社(記事&category[]=ワールドカップ&category[]=五輪”>Yangtze River)といくつかの支流は危険水位に到達している。

AFPより

長江周辺も古来から水害に悩まされてきた地域なので、それなりに貯水池などの整備が進んでいるはずなのだが、それでも今年はかなり水位が上がり、あちらこちらで溢れてしまったようだ。

……水害?

どうやら、山崩れや鉄砲水などの影響で、各地に被害が広がっているようだ。これの理由の1つが、みんな大好き三峡ダム。

三峡ダムの危機 11門のゲート全開で放流

2024年7月30日

実際、三峡ダムは連日で放流を行っており、7月13日以降、湖北省の11の市が豪雨に見舞われ、河川の水位が急上昇して、これにより多くの場所で堤防の決壊が発生しています。三峡ダムの放流などの影響により、武漢市の水位は7月14日から上昇し続けており、洪水対策に大きなプレッシャーがかかっています。

Vision Timesより

上流から水が流れ込んでいて、ダムを守るために全力で放水している関係もあって、下流域の地域で色々と苦労しているようなのだ。

そもそも三峡ダムは水害対策を主眼に造られていなくって、水量は常に多い状況が維持されている。だから、上流で予定以上に雨が降ると、ダムの崩壊を防ぐ為に積極的に放水してしまう。

この水系図が分かり易いかな。

三峡ダムが溢れそうになると……、下流の武漢やら洞庭湖やら鄱陽湖なんかは当然のように影響を受ける。

洞庭湖はちょっと前に決壊していたんだけど、再び危ないらしい。

長江第3洪水の退却を早めるため、三峡貯水池放水路が閉鎖される

2024-08-01 06:39

記者は7月31日、長江水利委員会から、今年3回目の長江洪水の退却を早め、成陵池区間の治水活動を縮小するためであることを知った。長江本流と洞庭湖一帯の圧力を受けて、長江委員会は三峡貯水池を派遣して放水口を閉じ、水力のフルパワーに相当する流量に応じて水を排出した。

支那メディアより

翻訳精度が怪しいので、意味不明だが、文脈から水門をコントロールしながら綱渡りで決壊を免れている感じではある。

南部でも

なお、南部でも引き続き雨による影響が出ているようだ。

中国南部 山崩れで15人が死亡 大雨被害相次ぐ

2024年7月29日 17時38分

中国南部の湖南省で、大雨による被害が相次いでいて、山崩れの影響で15人が死亡したほか、連絡のつかない村もあり、救助作業が進められています。

中国メディアによりますと、中国湖南省衡陽市で28日、鉄砲水による山崩れが起きました。建物が流され、15人が死亡、6人がけがをしています。

同じ湖南省の湘潭市では堤防が決壊し、29日午前7時半までに、3832人が避難しました。負傷者はいないということです。

また、郴州市では、大雨の影響で8つの村と連絡がつかなくなり、救助作業が行われています。

livedoor NEWSより

各地で水害に苦しんでいるような状況なので、余っている建設力を堤防を作ったり遊水池を作ったり、そういう事に使えば良いと思うんだ。

まあ、それ、金にならないので、中央政府が金を出すしかないんだけどね。

巨大水路の話

そういえば、コメントで巨大水路の話が出ていたので簡単に触れておく。僕はこの話を知らなかったんだよね、恥ずかしながら。

中国の巨大水路、送水始まる

2014年12月12日 21:03

中国南部から北部へ水を運び、北京(記事&category[]=ワールドカップ&category[]=五輪”>South-North Water Diversion、略称:南水北調)」の最初の送水が12日、始まった。当局高官が語った。

南水北調の「中央ルート」は、中国中部から北京と周辺に水を運ぶ水路。匿名を条件に国務院南水北調工程建設委員会の高官がAFPの取材に、水路への「送水は本日正式に始まる」と語った。

中国中央テレビ(記事&category[]=ワールドカップ&category[]=五輪”>CCTV)によると、黄河(記事&category[]=ワールドカップ&category[]=五輪”>Hubei)省・丹江口(AFPより

毛沢東が着想して2002年より工事が始まったらしい。

凄いなぁ。

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どうやら、工事は3ルートを3期にわけて行われるようだ。工事が終わった中央線(2003年着工で2014年に完成)、西線(計画段階)、東線(2002年着工で2013年に完成)。

中国の報道によれば、中央ルートの総工費は330億ドル(約4兆円)近くがかかり、建設には11年かかった。また住民ら33万人が移転を強いられた。

AFPより

完成したお陰で送水量が620億立方mを突破したと喜んでいたのだが、この工事には「地方軽視」だという批判も大きかった。

要は、本来は治水工事に使われるべき労力が、こんな工事に使われていたということなんだろうね。

ただまあ、集中的に雨が降った事実もあるので、全てを「治水の失敗」で片付けるのも違うのだろうね。日本でも随分被害がでているのだし。

コメント

  1. 河太郎 より:

    ああ……ひでぇ。
    吉林省は雨は多いです。もともと満州は正確には満洲てありサンズイが付く。
    吉林省は米どころで、なかなか日本のおコメに負けない美味いですよ。
    東北3省でも吉林省、遼寧省は米取れますし。まぁ黒龍江省になると、はるぴんあたりでもトウモロコシやコーリャンだけるども。そういう訳で「♪赤い夕陽の満洲に……」と軍歌「戦友」から想起するようなパサパサのマカロニ・ウエスタン的な乾燥地帯ではない。
    とはいえ……長白山脈や大興安嶺山脈があるといえ、別にモンスーン気候じゃないてしょうからねぇ。この降雨は変ですよねぇ。んが、そういう気象タームに全地球的に入ってるとすると、「工事して備える」しかないと思うんですが。
    そういう気配ないすね。
    こんだけ毎年繰り返していて、やらんの? 日本は阪神大震災以降は耐震性について厳しく成りましたけれど。

    • 木霊 木霊 より:

      吉林省は去年あたりも結構な水害に見舞われていたように思います。
      降雨の条件が変わっている可能性はありますが、支那の場合は色々ありすぎてどれが原因か良く分からないのですよね。

      そして、ご指摘通り、最近は局地的な豪雨が降りやすい傾向にあるのですから、対策してもいいと思うのですよね。
      尤も、今年決めたら来年から出来るかと言ったら、共産主義国家でも無理なんでしょうけれど。