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アメリカ、最大3500%の関税を支那製太陽電池に

北米ニュース
この記事は約4分で読めます。

おおう。数字を間違えているかと思ったけど、間違っていないようだ。

米、東南アジア経由の中国太陽電池に高関税 最高3500%超

2025年4月22日午後 12:25

米通商当局は21日、東南アジアから輸入する大半の太陽電池について、最高3500%以上に及ぶ高率の関税を最終決定した。中国企業の不当に安い太陽電池がマレーシア、カンボジア、タイ、ベトナムなどを経由して大量に輸入されているという米企業からの苦情を踏まえた措置。

ロイターより

今日も今日とてトランプ劇場。

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支那からの太陽電池は全て止める

3500%

この数字に意味があるかは分からないが、少なくともインパクトはある。

このうち、マレーシアから輸入される中国企業、晶科能源(ジンコソーラー)製品への関税率は41.56%と最低水準。一方、タイから輸入される中国・天合光能(トリナ・ソーラー)の製品には375.19%の関税が課される。

カンボジアのメーカーは米国の調査に協力しなかったため、カンボジアからの輸入には3500%超の関税を課す。

ロイター「米、東南アジア経由の中国太陽電池に高関税」より

最小でも41.56%の関税を課しているが、最大で3500%か。意味が良く分からないというか、感覚が麻痺したというか。

先日も紹介したが、習近平氏はベトナム、マレーシア、カンボジアと歴訪して「支那に協力してくれ」とお願いして回った模様。

ところが、そのマレーシアには一部製品に対して41.56%の関税をかけ、カンボジアは調査協力をしなかったせいで、3500%課税である。

ジンコ・ソーラー

さて、個別にもう少し見ておこう。

世界・太陽電池出荷量、シェアトップ5社は? 前年比46%増

2023.06.06

~~略~~

2022年のメーカー別市場シェアは、SPVマーケットリサーチのデータによると、1位は、農業や新エネルギーを主力事業とする中国・通威集団傘下のシリコン系太陽電池メーカーである通威太陽能(Tongwei Solar)でシェアは14%。2位は中国JAソーラー(JA Solar)、3位は中国のアイコ・ソーラー・エナジー(Aiko Solar・愛旭太陽能科技)、4位は中国・隆基緑能科技(Longi)、そして、5位は中国・ 晶科能源(Jinko Solar)と、相変わらず中国メーカーがトップ5を独占している。

日経XTECHより

ええと、ジンコソーラーは、市場シェアで5位のメーカー。

中国ジンコソーラー、ペナンで太陽光セル製造へ - NNA ASIA・マレーシア・公益
中国の太陽光発電製品メーカー、ジンコソーラー・ホールディングス(晶科能源控股)は24日、ペナン州で太陽光セルとモジュール...
中国ジンコ、ペナンの太陽光パネル工場完成 - NNA ASIA・マレーシア・IT
中国の太陽光発電製品メーカー、ジンコソーラー・ホールディングス(晶科能源控股)が建設していた、マレーシア・ペナン州プライ...

会員限定記事なので中身は読めないが、かなり支那共産党からのバックアップを受けてモジュール生産能力を拡大したメーカーである。

ジンコ・ソーラー 国際営業・マーケティング副総裁 ジーナー・ミャオ氏|特別インタビュー by 電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
中国のジンコ・ソーラーは、太陽電池(PV)メーカー大手の一角だ。事業規模を毎年拡大し、2015年にはモジュール生産能力で...

日本にも入り込んでいて、その勢いは凄い。当然、アメリカとしても入り込まれては困るメーカーなので締め出したと。

トリナ・ソーラー

とはいえ、太陽光パネルメーカー同士でたたき合いをやっているので、トリナ・ソーラーは既に苦戦しているらしい。

中国のソーラー各社、東南アジアで生産停止-米国が貿易規制強化

2024年6月5日 16:27 JST

中国のソーラー企業が東南アジアの工場での生産を停止している。米国の貿易規制が強化され、東南アジアからの輸出が不透明になっていることが背景だ。

中国のウェブサイト「Arfcg.com」は4日、隆基緑能科技がベトナムの施設で5つの生産ラインを全て停止した後、今週に入りマレーシアの工場で徐々に生産を縮小し始めたと関係者からの情報を基に報じた。

新浪財経は5日、関係者の話を引用し、天合光能(トリナ・ソーラー)がタイ工場での生産を停止したと伝えた。

Bloombergより

去年既に貿易戦争に巻き込まれてタイ工場の生産を止めているとか。軽く調べて見た感じだと、カンボジアに関しては余り詳しい情報が見当たらない。

米政府、東南アジア諸国からの太陽電池に補助金相殺関税

2024年10月2日午前 8:46

米商務省は1日、ベトナムやカンボジアなど東南アジア諸国から輸入する太陽電池に対する補助金相殺関税を発表した。

~~略~~

商務省サイトに掲載された資料によると、同省はマレーシアからの輸入品に対して9.13%、カンボジアからの輸入品に対して8.25%、タイからの輸入品に対して23.06%、ベトナムからの輸入品に対して2.85%の一般補助金率を算出した。

ロイターより

が、少なくともアメリカにはカンボジアからパネルが輸入されていたようなので、在庫は豊富なのだろうし、工場もあるのかも知れない。まあ、カンボジア政府が「低炭素化」を目指し始めたからね。

低炭素化を進めるカンボジア、太陽光発電を推進 | グリーン成長を巡る世界のビジネス動向 - 特集 - 地域・分析レポート - 海外ビジネス情報
カンボジアは低炭素化に向け水力発電の割合を増やしてきたが、電力供給が不安定なことが多く課題となっていた。そこで注目されて...

ここにも書かれているが、日本からも投資がなされているので、少なからず日本企業にも影響は出そうだね。

殺意高めだが、余程腹に据えかねているのかもしれない。

日本も序でに30%くらい関税かけておいたら?太陽光パネルに対して。結構な実害を被っているんだが。

コメント

  1. 山童 より:

    さっ、3500%……(呆然
    殺意高めどころか殺りに行ってますよね?
    最低水準で40%超え。この辺の本気度はまるで戦前の日米開戦前の原油禁輸みたい。
    コレは行き着く先は冷戦でなく熱戦になる覚悟をしておくべきなのでせうか?