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欧州襲う破壊工作はロシアが関与か

北欧ニュース
この記事は約5分で読めます。

ロシアっぽくない手口ではあるが、北欧での騒ぎはたいていロシアの影響が疑われている。なお、サムネに使っている画像は、本件と何の関係もないことはお断りしておく。

焦点:「化粧品と性玩具」の小包が連続爆発、欧州襲う破壊工作の実態 ロシア関与の指摘

2025年4月12日午前 8:14

偽の化粧品と複数のマッサージ器、性玩具。粗悪な自家製爆発物。「戦士」として知られるロシア人、そして「メアリー」という合言葉──。

ロイターより

いわゆる小包爆弾的なアレで、ちょっとした騒ぎになっているようだ。ただ、事件自体は去年の話である。

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ロシア恐怖症の表れ

テロの練習?

記事によると、2024年7月に相次いで発生した小包の爆発について、ロシア主導の破壊工作の可能性が指摘されたようだ。

昨年7月、イギリスとドイツ、そしてポーランドの国際物流倉庫で、小包が爆発する事件が3件相次いで発生した。ロシア主導の破壊工作とみられる各事件を結びつける共通項が、上述した要素だったことが、ポーランド当局の捜査に詳しい人物の話で明らかになった。

ロイター「「化粧品と性玩具」の小包が連続爆発」より

記事を読んでもロシア要素がイマイチ伝わってこないのだが、どうやら実行犯は逮捕され、ロシア諜報機関との関与の証拠が示された模様。

検察当局によれば、容疑者は外国情報機関のために働いていたことを含め容疑を否認し、行動に関する「詳細な説明」を提供したが、捜査の機密性のため、説明は開示できないとしている。

逮捕後の事情聴取で、デルカベッツ容疑者は友人を通じて「戦士」を紹介され、テレグラムでのみ連絡を取っていたと捜査官に話したという。

ロイター「「化粧品と性玩具」の小包が連続爆発」より

ロイター自身は容疑者がロシアとの関与していた証拠を得ていないような感じの書き方になっている。

小包は倉庫で発火し、火災を引き起こしたものの、けが人はなかった。担当者らは、これが将来、米国やカナダ行きの貨物便で小包を爆発させるロシアの計画の予行演習だったとも述べた。

ロイター「「化粧品と性玩具」の小包が連続爆発」より

捜査当局の話では、アメリカやカナダでテロを起こすための予行演習であったということらしい。

去年の8月って、まだ前政権のバイデン氏が大統領だった時代なんだが、一体どんな狙いだったというのか。

ロシア政府は否定

当然ながら、こういった事案に関してロシア側は関与を否定している。

一方、ロシア政府は関与を否定し、「我々は何も知らない」とドミトリー・ペスコフ大統領報道官はロイターに語った。また、ペスコフ氏は「これは単なるフェイクニュースか、盲目的なロシア恐怖症の表れである可能性を排除しない」と述べ、欧州による、ロシアの破壊活動やハイブリッド戦争キャンペーンの主張は全く根拠がないと主張した。GRUはコメントの要請に応じなかった。

ロイター「「化粧品と性玩具」の小包が連続爆発」より

出ている情報だけを見ると、ロシア側の関与は疑わしい気がしている。ロシア政府も否定はするよね。

  • 容疑者はポーランド国境を越え、リトアニアで十数個の品物を回収
  • リトアニアで、小包4つを箱詰めし時限式起爆装置を作動させる
  • リトアニアから小包を郵送しイギリスとドイツ、ポーランドの国際物流倉庫に到着してうち3つが爆発
  • 容疑者は去年8月に逮捕され、ロシア諜報機関のためにテロ行為を行ったとして起訴される

機密情報のため匿名を条件に語ったEUの安全保障当局者2人によれば、ポーランドの工作組織は典型的なロシアの諜報機関の手法だったという。工作員は、計画を実行するために地元の犯罪者を採用し、テレグラムを通じて基本的な指示を与え、1件の仕事につき1人に最大数千ユーロを支払うことが多いとされる。

ロイター「「化粧品と性玩具」の小包が連続爆発」より

何というか、良く分からない話だな。

ウクライナでも似た話が

ただ、この話が全く事実無根のロシア恐怖症から出てきた話かというと、そうでもないようだ。

「贈り物だと言って小包爆弾…ウクライナ、ロシア市民を巻き込んで軍関係者暗殺を試みた」

2024.12.27 07:39

ロシア連邦保安庁(FSB)が「モスクワでロシア国防省の高官と彼の家族を暗殺しようとしたウクライナ情報当局の多数の工作を反故にさせた」と主張した。

タス通信によると、FSBは26日(現地時間)、声明で「国防総省高官に対する一連の暗殺を阻止し、これに関与したロシア人4人を拘禁した」と明らかにした。

「彼らはウクライナ情報当局に巻き込まれ、贈り物や補助バッテリー、文書ファイルなどに偽装した爆弾で官僚を殺害しようとした」とFSBは説明した。

中央日報より

そもそも小包爆弾の手口は、割と古くから知られたテロの手口なので、その手口自体に特色があるというわけではない。

ロシア国内でもウクライナの関与で小包爆弾が仕掛けられたというニュースが流れており、これが去年末の話である。

タス通信は「この10日間、ロシア各地で40件以上の放火・爆発事故が発生し、これはウクライナからかかってきた電話詐欺によるもの」と報じた。

タス通信は「最近、ロシア人は盗まれた金を取り戻すために電話相手の指示に従ってショッピングセンターや銀行、公共場所などに爆竹と火炎瓶を投げつけるなど、社会不安定の行動を犯した」と説明した。

中央日報「贈り物だと言って小包爆弾」より

このニュースもウクライナが関与した証拠は何も示されておらず、タス通信ソースなので内容の信憑性も微妙だ。

ウクライナ側がテロを画策していたとしても不思議はないが、去年、一昨年とロシア国内でも随分と公共設備の老朽化でトラブルがあったと報じられている。国内で公共設備をメンテナンスする人手不足になっているせいだと分析されていたが、そういうこともあるんだろう。

去年末のロシアでの小包爆弾の話は、どうもそういったトラブルを誤魔化す意図があったような気がしてならない。

じゃあ、欧州の事件はどうなのか?というと、これが本当にロシアの関与があったのかどうかもやや怪しい感じがする。何かの前兆のような気もするが、今のところは何とも言えない。

現時点では、記録のために記事にした感じなのだけれど。

コメント

  1. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    小包爆弾は、それ自体は大したことない(わけではない)ですが、飛行機の貨物室でやられると大事ですからね……原因究明にも時間かかるだろうし。
    ※そんなことしなくても、客室の荷物棚で火を吹いたチャイナ機ってのがつい最近ありましたね……
    無差別にヒトを殺傷するテロは、本当に唾棄すべきもの。
    今もロシアはウクライナの市街地にミサイル落としてます、30人から亡くなったのでしたっけ。
    どんな理由があれ、テロを行う組織は絶対に支持できません。
    ※便衣兵も同様。
    ※戦争行為は、そこが戦場であるという認識と、彼我ともに制服を着ているという大前提があって初めて成立する、と理解してます。ので、非対称性戦闘の昨今は、兵隊さんは大変だなと思います、ベトコンが常に居るようなものなので。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      無差別テロは本当に止めて欲しいし、無くさなければならないものですが、無くならないんでしょうね。

  2. 山童 より:

    このデルカベッツなる犯人、エスニック、ルーツ、国籍はどこなんとろう?
    カタカナ表記も限界あるのでアルファベット併記でないからわかりにくいすね。
    たぶんドイツ人と想うすが。
    ドイツ人の名前は「職能」由来が多い。
    ex)メッサーシュミット
    メッサー(ナイフ)シュミット(鍛冶屋)
    でナイフ職人、ナイフ・ギルダー
    で、デルカ+ベッツで分けてみたす。
    デルカはおそらくデリカ(おいしいものexデリカテッセン)なんですが……
    ベッツは普通は固有名詞で個人の姓に使う
    姓には職能が……と言っておきながらアレすが、意味が出てこないんですよ。独語訳機能を用いても。
    んで、なんで「そこ」に拘るか言うと、
    「犯人は移民でね?」と思ったから。
    使い勝手が良いし、移民にやらせる方が当事国や関係国では、社会分断に追い込みやすい(とくにEUでは)なので。
    シェンゲン協定から離脱を検討する国も出てきてますからね。とはいえシェンゲン協定そのものは攻撃かける諜報機関にとっても「都合良い協定」ではあるので、そこを狙った話ではないでせうが。

    • 木霊 木霊 より:

      ウラジスラフ・デルカヴェッツという名前は判明していますが、出自に関わる情報は見かけません。
      カトヴィツェというポーランドの都市に住んでいるところまでは公表されていますが、移民が沢山入っていますから何とも。

      シェンゲン協定の脆弱性はこういうところに出てしまいますよね。