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フィリピンのドゥテルテ前大統領がICCで裁かれる理由

アジア
この記事は約14分で読めます。

事件自体は数週間前の話なのだけれど、当時記事を読んでも何が起きたのか理解できていなかったのでスルーしていた。

フィリピンのドゥテルテ前大統領、逮捕されハーグへ移送 麻薬対策の殺人に絡み国際刑事裁が令状

2025年3月11日 更新 2025年3月12日

フィリピンの警察は11日、ロドリゴ・ドゥテルテ前大統領(79)を逮捕した。前大統領が推し進め、多数の死者を出した「麻薬戦争」での人道に対する犯罪の疑いで、国際刑事裁判所(ICC)が逮捕状を出していた。ドゥテルテ氏はマニラからICCの本部があるオランダ・ハーグへ、航空機で身柄を移送された。

BBCより

コメントを頂いて、調べて、「ああなるほど」と腑に落ちたので、少しだけ言及して行きたい。

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ICCへの送致は意味不明だが

ICCが乗り出してきた

先ず、この話の意味不明なところはICCが乗り出してきたことである。

ドゥテルテ氏の報道官を務めたサルバヴァドール・パネロ氏は、フィリピンが2019年にICCを脱退していることから、逮捕は「違法」だと非難した。

ICCは先に、フィリピンが脱退する前にあったとされる犯罪行為については、ICCに司法権があるとしていた。

BBC「フィリピンのドゥテルテ前大統領、逮捕されハーグへ移送」より

ICC(International Criminal Court:国際刑事裁判所)とは、本来、国際社会全体の関心事である重大な犯罪を侵した個人を、国際法に基づいて訴追・処罰するための裁判所だが、原則として国権を超えての権利行使は行われない。

管轄権行使の前提条件

  1. 犯罪の実行地国が締約国である場合
  2. 犯罪の被疑者が締約国の国籍を有する場合
  3. 犯罪の実行地国又は被疑者の国籍国が非締約国であって、当該非締約国が裁判所の管轄権を受諾した場合

前提条件として、この3つが掲げられているが、これには例外が存在する。それが、「国連安保理が国連憲章第7章に基づいて事態をICC検察官に付託した場合」である。

今回の場合、国連安保理がドゥテルテ氏を裁くことについてICC検察官に付託したか?というと、どうもそうではないようだ。

そうすると、この話は極めて不可解なことになる。

何が不可解かと言えば、本来であれば、ドゥテルテ氏がフィリピン国内で犯罪を侵したのであればフィリピンの司法が裁くべきだからである。

ICCは国際的な組織だが、ICPO(インターポール)同様に末端組織を持たない。

日本で有名なインターポールの職員は銭形警部だが、彼は警視庁から出向している設定になっていて、映画「カリオストロの城」では埼玉県警のパトカーが駆り出されているが、この映画では銭形警部は埼玉県警の所属ということになっている。カリオストロ公国で埼玉県警が警察権を行使して王城に乗り込む辺り荒唐無稽な部分はあるが、その辺りはご愛敬である。

要は何が言いたいかというと、現地警察の協力なしにICCは動けないってことだ。だが、実際にドゥテルテ氏はICCに連行されてしまった。ニュースによると現地警察の協力があったようだね。

なぜフィリピン警察と司法は動かない

では、何故こんなことになっているのか?

それに関しては、当時のドゥテルテ氏の麻薬戦争に関して少し言及して行かねばならないだろう。

激しい言葉を用い、麻薬犯罪の容疑者らを治安部隊に射殺させた。この取り組みでは、容疑者6000人以上が警察や正体不明の襲撃者によって射殺された。人権団体は、この人数はもっと多い可能性があるとしている。

過去の国連報告書によると、殺された人の多くは都市部の若い貧困層の男性だった。警察は、捜査令状や逮捕令状なしに家宅捜索が可能で、容疑者に無理やり犯罪を認めさせた。従わない容疑者には、殺傷力の行使もちらつかせた。

ドゥテルテ氏に批判的な人たちは、この麻薬対策について、都市部の貧困層の売人をターゲットにし、大物の逮捕にはつながらなかったとしている。家族を殺された多くの人々は、自分たちの息子や兄弟、夫は、単に悪いタイミングで悪い場所にいただけだと主張している。

BBC「フィリピンのドゥテルテ前大統領、逮捕されハーグへ移送」より

過去、フィリピン警察がドゥテルテ氏の指示に従って、実動隊として動き、ドゥテルテ氏自身が直接手を下したという事例ではない。

そして、ドゥテルテ氏は法科大学院を修了して検察官となった経歴を持っていて、フィリピンの法律にも詳しく、本人は「フィリピンの法を犯してはいない」と主張している。

それが本当かは知らないが、少なくとも対策はしているだろう。

だから、容易にフィリピン警察はドゥテルテ氏を逮捕出来なかったし、フィリピン司法が有罪判決を出すことは難しかったのだと推察する。

この辺りはハッキリしないが、少なくともフィリピン警察は証拠を揃えられなかったし、フィリピン司法は彼を裁くことはなかったのは事実である。

ICCの権力は及ぶのか

さて、もう一つ問題がある。それは、フィリピンは現在ICC加盟国ではないという事実だ。

2011年11月1日から2019年3月16日の期間、ICCに加盟していた実績はあるが、ドゥテルテ氏が第16代大統領在任期間中(2016年6月30日~2022年6月30日)に脱退している。

ドゥテルテ氏がICCに提訴されたのは2018年2月で、この時点から捜査が始まり、2019年3月にフィリピンがICCから脱退した後も捜査は続けられた。そして、2021年9月に捜査継続が決定されている。

ここが不思議なところで、2018年2月から2019年3月の間の捜査は恐らく有効であり、ICCからの委託を受けてエージェント(おそらくはフィリピン警察の一部)が捜査したのだと考えられる。ところが、2019年3月以降は捜査権限はICCにはないわけで、2021年9月に捜査継続が決定されたところで、フィリピン国内での捜査は違法ということになりかねない。

本来、逮捕も司法判断も「法と証拠」に基づかねばならないのだが、今回はどうもそうではない可能性が高い。少なくとも証拠の方は違法な手法で集められた可能性が高い(フィリピン警察が証拠集めした可能性は高いが、それは法に基づいた捜査ではなかった可能性がたかく、したがって証拠能力がない)のだ。

ICC側は2011年11月1日から2019年3月16日の期間中の出来事に関しては、ICCの権限が及ぶという主張をしているが、どうにも無理筋の主張である様に思える。

〈解説〉ドゥテルテ逮捕の衝撃 フィリピン・マルコス政権との政争、事実上の国外追放、しかしさらなるカリスマ化の懸念も

3/18(火) 5:02配信

国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状(3月7日付)が発行されていたフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ前大統領が3月11日に逮捕され、即日、ICCがあるオランダのハーグに送致された。フィリピン政府は逮捕状執行のため、ドゥテルテの地盤ミンダナオ島ダバオを含め複数の帰国予想地に警察を配備していた。

Yahooニュースより

しかし今回の逮捕劇は、フィリピン警察がICCの要請を受けて行い、彼はオランダのハーグに送致されることとなった。

だが、そもそもフィリピン警察はフィリピン政府がYesと言わなければ動けない。つまりこれ、結局、ICCが出てきたように見えるが、フィリピン政府の問題なのである。

政争である

大統領と副大統領の衝突

ちょっと前の話だが、こんなとんでもないニュースが流れた。

大統領への「殺し屋雇った」、フィリピン副大統領発言 警備強化

2024年11月24日午後 2:25

フィリピンのサラ・ドゥテルテ副大統領は23日早朝の記者会見で、自分が殺された場合にマルコス大統領を暗殺するよう「殺し屋を雇った」との趣旨の発言をした。フィリピンの治安当局は安全対策を強化した。

ロイターより

これもまあ、前代未聞でなかなか凄い話である。マンガでも「荒唐無稽だ」「現実味がない」と編集者に怒られる展開である。ギャグ漫画なら、OKだろうか?

ドゥテルテ氏は、殺し屋と話をし、自分が殺された場合には、大統領夫妻とロムアルデス下院議長を殺すように命じたと公言。「彼らを殺すまでやめるなと伝え、(殺し屋は)イエスと言った」などと述べた。

ロイター「大統領への「殺し屋雇った」」より

だが、これが意味するところは、大統領のマルコス氏と副大統領のサラ・ドゥテルテ氏との間の確執がある事を意味していて、何というか、世も末だね。

そもそもボンボン・マルコスとの愛称のある大統領は、前マルコス大統領の息子である。フェルナンド・マルコスは、フィリピンの独裁者として長く君臨した人物であり、エドゥサ革命(1986年2月)によって大統領から失脚する。そして、名誉回復しないまま亡命先のハワイで客死している。

日本ではその妻、イメルダ・マルコス氏の方が有名かも知れないね。映画「イメルダ」の主人公としても描かれ、革命後に彼女が住んでいたマラカニアン宮殿からは1,060足の靴が出てきたことでも有名になった。権力を笠に贅を尽くした人物と報道されたんだよね。

こういった両親の名誉を回復するのがボンボン・マルコス氏の願いであり、大統領に出馬するにあたってドゥテルテ氏と手を結んだ背景にもそういった事情があった。

一方、ドゥテルテ氏側は大統領の職に留まりたいという願いがあったが、法律で大統領の任期は6年で再選禁止という風に定められていた。そこで、娘のサラ・ドゥテルテ氏を大統領に擁立することを考えたが、選挙戦略的にはボンボン・マルコス氏を大統領に、サラ氏は副大統領にという形に落ち着いた。

2022年の大統領選挙では、マルコスとドゥテルテの長女サラが協力し、サラは副大統領になった。次の2028年の大統領選ではサラが大統領になるという密約があったという。しかし、マルコス派はそのような密約の実現を避けようとして、ドゥテルテ家の排除を決めたのである。サラは、これに反撃し、両家の対立が激化した。

そこで、マルコス側はICCの逮捕請求に応じることにしたのである。ICCはICPO(国際刑事警察機構)を通じて、フィリピンに逮捕状を出したが、マルコスがそれを基にして、今回の逮捕を敢行したのである。

残念ながら、今回のケースは、ICCが政争の具にされた側面が否めず、ICCが傷ついたとも言えよう。ドゥテルテは80歳という高齢であり、ハーグでの拘束、公判中に命を落とす可能性もある。

現代ビジネスより

とまあ、そのような事情があることから、今回の事態はドゥテルテ家とマルコス家の間の権力闘争だと解かれることが多い。

戦略的撤退

そして、今回、ドゥテルテ氏が逮捕に応じた理由は、ドゥテルテ家のためだという報道もある。

しかし、政治的実利から考えれば、ドゥテルテが逮捕されることを選択したことは、実はしたたかな決断でもあった。すなわちICCで裁判に付されても、あくまでも自らの正当性を訴え、祖国への「殉教者」として振る舞うことで、支持者の信奉を維持するだけでなく、むしろ自らを「レジェンド」化させることも可能となる。  

これは大衆にカソリックのロジックが深く浸透するフィリピンでは、効果的な戦略でもある。これにより、マルコス派との政争で追い込まれたドゥテルテ派は、政界での血脈を保つことも可能となるであろう。  

なお、ドゥテルテは数年前から重症筋無力症を患い、年齢も重なり健康悪化が深刻とも言われている。そして、ICCでの裁判については、公判が始まるのは早くとも26年と言われ、さらに結審までには数年以上かかるといわれる。しかし、少なくともオランダでの拘置中の生活は、安全かつ人道的なものとなる。そのように考えれば、彼は毀誉褒貶ある政治家として、最も「政治的」な判断によって、自身の「終活」方法を選んだのかもしれない。

Yahooニュースより

実際、フィリピン国内では、今尚根強いドゥテルテ氏支持層があり、抗議集会なども散発的ではあるが行われているという。

2022年の大統領選挙では、マルコスとドゥテルテの長女サラが協力し、サラは副大統領になった。次の2028年の大統領選ではサラが大統領になるという密約があったという。しかし、マルコス派はそのような密約の実現を避けようとして、ドゥテルテ家の排除を決めたのである。サラは、これに反撃し、両家の対立が激化した。

そこで、マルコス側はICCの逮捕請求に応じることにしたのである。ICCはICPO(国際刑事警察機構)を通じて、フィリピンに逮捕状を出したが、マルコスがそれを基にして、今回の逮捕を敢行したのである。

現代ビジネスより

これは桝添氏の解説の一部だが、割と的を射た解説だと思う。おそらくは、副大統領であるサラ・ドゥテルテ氏を大統領にしたいという思惑は、前回、2022年の選挙の時にもあり、今尚諦めてはいないのだと思う。

フィリピン国内で、ドゥテルテ氏が「祖国のために殉じる」という絵が描かれれば、既に関係悪化してしまったボンボン・マルコス氏が約束を守る気がないとしても、娘が大統領になる道が開かれる可能性は高い。

親米か親支那か

このように「政争だ」という風に解けば分かり易いのではあるが、ではそれだけでICCが動くかというと、それもちょっと不可解ではある。

ところが、ドゥテルテ氏が親支那派であるという点と、サラ・ドゥテルテ氏がどちらかというと親米派である点を考えると、また違う景色が見えてくる。

こちらは別件ではあるが、イスラエル関連のニュースである。

中国、ICCに「客観的」立場求める ネタニヤフ氏への逮捕状で

2024年11月22日 19:23

中国政府は22日、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の逮捕状を出した国際刑事裁判所(ICC)に対し、客観的かつ公正であるよう求めた。

中国外務省の林剣報道官は定例会見で、ネタニヤフ氏に対する逮捕状に関する質問に答え、「中国はICCが客観的かつ公正な立場を堅持し、法に基づきその権限を行使することを望んでいる」と述べた。

AFPより

この件で意味が分からなかったのは、支那はICCに加盟していない。習近平氏がICCに訴追されない理由もその辺りにあるわけで、当然ながら口出しするのもおかしな話だ。

だが、明確な圧力をかけている。資金的にもそういった流れがあると言われているが、表向きにも批判して見せたということである。

中国はイスラエルや米国同様、ICCの加盟国ではないが、「パレスチナ問題に関して国際社会が公正と正義を実現し、国際法の権威を維持するためのいかなる努力も支持する」としている。

AFP「中国、ICCに「客観的」立場求める」より

実は、アメリカもイスラエルもICCの加盟国ではない。無関係なので、ICCの訴追は無意味だとは言わないが効力はない。

そして、笑えることに支那こんな指摘もしている。

林氏はまた、米国がネタニヤフ氏に対するICCの追及に反対する一方、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対する逮捕状発布を支持していることについて「二重基準」だと非難。「中国は一部の国が都合の良いときだけ国際法を利用し、二重基準を採用することに一貫して反対している」と述べた。

AFP「中国、ICCに「客観的」立場求める」より

ロシアもICCに加盟していない。つまり、大国はICCに加入していないのに政治カードとして遣うケースがあるという意味だ。

ICCは逮捕出来ない

ちょっと寄り道するが、ロシアに関してプーチン氏はICCから逮捕状発布がなされている。

プーチン氏がモンゴル訪問、逮捕状が出てから初めてICC加盟国へ 歓迎受ける

2024年9月4日

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が2日夜、モンゴルを訪問した。国際刑事裁判所(ICC)が昨年プーチン氏の逮捕状を出して以降、同氏がICC加盟国を訪れたのは初めて。

プーチン氏は3日、モンゴルの首都ウランバートルのチンギス・ハーン広場で行われた豪華な式典に臨み、ウフナーギーン・フレルスフ大統領の歓迎を受けた。式典では騎馬隊が並び、楽団が演奏した。

~~略~~

ICCの加盟国は、逮捕状が出ている容疑者を拘束することが求められている。だが、それを強制する仕組みはない。

BBCより

だが、ICC加盟国のモンゴルは、プーチン氏を歓待しても逮捕はしなかった。

ICC絡みの話で言えばもう1件。

ハンガリーがICC脱退へ、「政治的」と批判 ネタニヤフ氏訪問受け
ハンガリー政府は3日、国際刑事裁判所(ICC)から脱退すると表明した。ICCが逮捕状を出しているイスラエルのネタニヤフ首...

ハンガリーがICCから脱退すると言い出して、ちょっと面白かったニュースなのだが、こちらもネタニヤフ氏の逮捕に絡んだ話なのである。

つまり何が言いたいかというと、ICCは政治利用されるカードのように扱われて、決して正義ではないのである。そうすると、ドゥテルテ氏がICCに逮捕されたからといって、何ら罪を犯したからという話にならないということになってしまう。

ボンボン・マルコス氏の思惑

それが分かっていても、ボンボン・マルコス氏がそのような協力をした背景には、ICCを利用しようとする外国勢力の動きと共鳴したという可能性がある。

ICCはEU加盟国からの影響が大きく、思想的にもEU的な判断がされがちである。

が、今回はどちらかというとドゥテルテ氏が麻薬戦争の勝者として扱われている点が大きいのだろうと思う。すなわち敗者側、つまりフィリピンで麻薬取引に関わる組織の背後にいる一派が関与している可能性が高い。ドゥテルテ氏自身はどちらかというと親支那派ではあるが、習近平氏に対して無礼な態度を取ったことでも知られている。つまり、支那共産党の怒りを買っている可能性は高い。

また、フィリピンの麻薬取引に支那系カルテルやドライアドの影響があったことが知られているから、結果的にICCの動きに作用している可能性は否定できない。

この辺りは陰謀論の類いなので、僕自身断言できる材料を持ち合わせてはいないが、フィリピンにドゥテルテ家の影響が残っている以上は麻薬取引に関わった組織としては動きにくだろうことは想像に易い。

単なる政争と言うだけではなく、そういった要因が絡んでいないかも、見ていく必要はあると思っている。

コメント

  1. 山童 より:

    おお、木霊様記事で大きな絵図が視えてきましたな。マルコス家との間で起きた「政変」なのだとは思ってましたが、もう少し大きな眼で観る必要あるかと。
    ちょいと60歳以上でないとマルコス家を中心にしたフィリピンの政変は解り難いかと思います。
    そもそもはベニグド・アキノ氏をマルコスが暗殺した事に始まってる。この件に関しては絶版だけど石原慎太郎氏の書いた本(カドカワ系のハルキ文庫か幻冬舎文庫のどっちかだった想う)で、暗殺前のアキノ氏や、コラソン・アキノ氏からの一次情報が入っていて、図書館の閉架を探す価値はあります。
    んで、マルコス政権があまりに腐敗してるもんで、ラモス参謀総長がクーデターを起こし、クーデター軍に民衆とコラソン・アキノ氏が合流することで事件は落着。
    マルコス一家はヘリで逃亡と。
    当時マニラにいたんですが、うるせーな…と思って泥酔から目覚めたら、ホテルの正面に戦車が止まってました(笑)
    ヘラヘラした国軍兵士に「旦那大丈夫だからホテルにいな。ところでマルボロあるか?」と言われて、仕方なくタバコの箱に隠した10ドル札を渡すと、
    「大統領はヘリで逃げたそうだぜ。オレらは国民に銃を向けるな命令されてるからお前らは出歩かなきゃ大丈夫だよ」
    んで、米国人実業家と一緒に小隊長の少尉に200$タカられると、
    「とりあえず交戦命令が出て無いからマルコス派の抵抗による戦闘は無い想う。
    外に出ても混乱してるから、ホテルでCNNでも観てる方が俯瞰できるぞ」
    とアドバイスされる(笑)
    つまりマルコス一族は政変で一度は国を追われた連中なんですね。
    と、書けばフィリピンの名家は根強いというか、失脚や国外逃亡でも、代が替われば復活するものだという事が解る。
    このあたりまるで中世ですな。
    アキノ家とマルコス一族が組む事は無いにしても、ドゥテルテと組んで復活は有り得る。そうなったし。
    んで、ここはフィリピンという国柄を考えてみるべきなのですが。あの国は群島のせいもあるが一枚岩てはないです。
    ドゥテルテがそもそもカルテルを陣頭指揮でぶち殺し始めたのは市長なってから!
    市長が警察官の前で「こうやるんだ!」と売人をハチの巣にしたり、ヘリから蹴り落としたりする、できる国なんですよ。
    実際、大統領になってからも「カルテルと組んだ市長」の逮捕に乗り出して、その市長が「仮釈放の上で復職する」と、軍を派遣して鎮圧したりしている!
    これ故石原都知事が警視庁と東部方面隊を率いてオウム真理教や山口組を鎮圧に行ったみたいな話で、実は禁酒法時代の米国なみにローカル政界は腐敗しきってる!
    政治が国家としての統制を取れた国ではないと言う事です。その辺はメキシコなみ。

    で、そういう国だから外国の麻薬カルテルや、その背景にいる国家とは何らかの繋がりかある。麻薬とは関係ないけれど、米国製のAR15が出回っていて、それはベトナム戦争で米軍が残していったもので、それを扱うのがロシア人だったりする(笑)
    三合会は香港の弾圧で思い切り出てきてましたでせう?  それにトン戦争でググれば解るけれど、最盛期のシチリアマフィアがドン引きするぐらい米国のチャイナタウンに根ざしている。
    いや、ガチでwwⅡのシチリア上陸作戦で功績あったラッキー・ルチアーノ(ドンの中のドン)がチャイナタウン進出を諦めてトライアドと同盟してますからね。
    意外と知られてないけれど、米国で新興富裕層にはインドと中国人が多くて、それら新華人は、旧来のチャイナタウンの支配者らの支援を受けて政界や司法界に進出しつつあり、それが北京政府と何らかの繋がりを持って動いてるのは間違いない想うす。
    別に日本だけじゃないす。そういうの。
    同様にメキシコのカルテル連中(シナノアカルテルやCNNJなど。ロス・セタスはかなり減衰してる)も、ラティーノの急増とともに都市部の政界に金を還流してるでしょ。
    彼らは韓国や中華系マフィアと抗争もするけれども、協力して政治的圧力をかける方向性も有り得る。
    ただ、そこには北京などの「大きな国家権力の後押し」は必要です。そりゃカルテルやテロリストが表立って政治活動できませんから(笑)
    そうやって「潰して」ゆくと、木霊様の推察は陰謀論どころか、かなり確度が高いという結果になるんですね。

    • 匿名 より:

      ごめんなさい。CJNGだ。
      ハリスコ新世代カルテルと長ったらしいので、テキトーに略語してました。
      もっかのところ、コレとシナロア・カルテルが二大勢力みたいすね。

    • 匿名 より:

      いま売店で最新号Newsweek日本版の
      タイトルが「引きこもるアメリカ」で、
      サブタイトルが「自己中心なアメリカ」なので大笑いしそうになりましたゲラゲラ。

    • 山童 より:

      たから左翼はダメ!
      生成AIでスタジオジブリ風の画風アニメが席巻し、配信多数で政治利用されとる事を宮崎駿が不愉快と喚いてるそうで(笑)
      つかバカてねーの??
      簡単にできるという事は、大量生産できるって事ですわ。なら宮崎駿とジブリの知名度を利用して、「公式認定クリエーター制度」を作り、それこそ世界で埋もれる若い才能を発掘し「大量生産し返せ」ば良いのに。ほんと頭かてぇな!!
      知人に平成で活躍したゲームデザイナー兼イラストレーターがいるすが、
      生成AIに敵意燃やしてんの!
      「自分の原画を読み込ませて」、「一人でアニメや映画を作れる時代」に突入し、
      それはクリエーター側にもチャンスなのが理解できてない!
      絵描きとか音楽屋は、どのクリエーターも誰かの真似から始まっていて、完全なオリジナルなど存在しない事を忘れがち。
      そういうつまらん矜持を棄てて、到来したウェーブを利用できる者が次世代の覇者となる事がよく分かりますね。
      死ぬ前に面白いものが見れそうだ(笑)