以前の記事の後半で扱った話だが、まあ、疑惑の目は向くよね。
地震で建設中のビル倒壊、中国企業に疑惑の目 タイ
2025年04月02日16時40分配信
3月28日、ミャンマーを震源とするマグニチュード(M)7.7の大地震が発生し、タイの首都バンコクで建設中だった高層ビルが倒壊した。このビルは、倒壊した唯一の主要建築物であり、施工を担当していた中国の建設会社に対して疑惑の目が向けられている。
時事通信より
そりゃ、倒壊した唯一の主要建造物なんだから、仕方がないだろう。
低品質の鉄骨と疑惑の構造
ビル、倒壊
先ずは、前回の記事へのリンクを。
支那の企業「中鉄十局」が施工していたビルが倒壊しちゃった話に触れたが、これ、実際のところ地震が関係あったかどうか微妙な情勢になってきた。

完成前の建物が倒壊しちゃったと言うことで、「十分な強度が出る前だった」という擁護をする方もいて、その発言にも一定の理はある。
あるんだけど、日本の作り方だとこの程度の状態で耐震性はある程度あるというのが一般的な作り方だ。何しろ、建設中にも地震が来るのが日本の実情である。完成直前で耐震性を高める措置などしていたら間に合わない。
加えて、筐体を作る時点で耐震設備を組み込むのが一般的で、壁を付けたら壁の外から耐震設備を入れることになる。壁そのものが耐力を持つ意味もあるが、こういった高層ビルにそんな構造を採用するケースは多くは無い。

そうはならんやろ、と。
鉄筋の一部に問題発覚
さて、調査が進んで分かったことは、どうやらカス鉄筋を使っていたことが発覚。
このビルの建設は、人気のチャトゥチャック市場の近くで進められており、中国の建設大手「中国中鉄(CREC)」の子会社「中鉄十局」と、タイの大手建設会社「イタリアンタイ・デベロップメント」が共同で手掛けていた。
タイの安全当局者は3月31日、現場の鉄筋を検査したところ、一部が基準を満たしていないことが判明したと発表した。
時事通信「地震で建設中のビル倒壊」より
「一部が基準を満たしていない」という意味だが、どの程度かは言及されていない。
タイの倒壊ビル、以前から問題指摘 国内大手と中国国有企業子会社の合弁
2025年3月31日午後 7:46
8日にミャンマーで発生した大地震の余波で倒壊したタイの首都バンコクの高層ビルについて、タイの汚職監視団体の責任者は30日、反汚職当局から問題を指摘されていたとロイターに語った。
~~略~~
公共事業を監視する団体ACTの責任者によると、当局は今年1月、作業が著しく遅れているとして建設会社に契約解除を警告したという。
駐タイ中国大使は30日、原因調査に協力する方針を示した。
がれきのサンプル収集作業を主導するエーカナット工業相はロイターに、基準を満たさない鉄筋が使われた可能性があると述べた。同省は半年前から基準に満たない製品を製造する鉄鋼メーカーの取り締まりを実施しており、工場7カ所を閉鎖した。
ロイターより
また、この鉄筋が基準を満たさない低品質なものだったことと、ビルの倒壊が直接的な因果関係にあるかどうかは明らかにされていない。
寧ろ他に要因があった可能性もある。記事中「作業が著しく遅れている」と警告があった点が指摘されているが、この他にこんな話も。
タイの高層ビル倒壊、政府機関が声明「仕様書に従って工事」 構造簡略化報道は「不正確」
2025/3/31 15:40
ミャンマー中部を震源とする28日の地震の影響で、隣国タイの首都バンコクで建設中に倒壊した高層ビルを巡って、タイの会計検査院は30日、声明を公表した。
~~略~~
一方、一部で建物の構造を簡略化したなどという報道があったといい、声明は「不正確な情報だ」と否定した。建築を巡っては、デザイナーが指定した内容に準拠し「一切の変更はない」と強調した。
産経新聞より
タイの会計検査院が、「デザイナーが指定した内容に準拠」「一切の変更はない」とはしているが、そもそもの安全性があったかどうかには言及がない。
調査には時間がかかりそうなのだけれど、パンケーキクラッシュしてしまった以上は柱の強度が低かった疑いはかなり高い。工期を早める手法はコンクリートの強度が出る前に次の施工をしてしまうとか、鉄筋を減らす方法が思いつくが、その他にそもそも設計時点で十分な強度を担保していたかすらも怪しい。
汚職の疑いも
だが、そもそもタイ政府側も支那に全部責任を押しつけている疑いがある。それが、もしかして不正事業に絡んでいる可能性が。
タイ進出中国企業の不正事業摘発が多発 — 規制強化の可能性も
2025/02/25
近年、タイに進出する中国企業の増加が目立つ中、違法行為や規制違反で摘発されるケースが多発している。環境破壊、不法廃棄物処理、違法賭博、さらには不正な不動産運用まで、さまざまな問題が浮上しており、タイ政府も規制強化を迫られる状況となっている。
GDMより
支那の不動産開発業が、そうとう不況で事業的にヤバイ企業が多数ある事は、別の記事で何度も指摘している。
不動産開発業に限らず、製造業もかなり低調なので、その影響が外国に波及しており、タイもその例外ではない。
先述のような状況を受け、タイ政府は外国企業への監視強化を進める可能性が高い。すでに、中国人投資家による違法賃貸問題が懸念されており、コンドミニアムの購入や賃貸に関する規制の強化も議論されている。
GDM「タイ進出中国企業の不正事業摘発が多発」より
タイにおける外国企業への監視強化の最中であったという報道があるが、政府にもその影響は及んでいたようだ。
タイ上院選に不正疑惑、捜査開始へ 背後にタクシン派
2025年3月6日 17:27
タイ法務省特別捜査局は6日、2024年6月の上院議員選挙関連で不正があったとする訴えを受理し、捜査を始めると発表した。捜査の結果次第では上院議員の失職などにつながる可能性がある。
選挙期間中にマネーロンダリング(資金洗浄)があった疑いで捜査を始める。少なくとも上院議員の6割にあたる130人や選挙関係者らが捜査対象になるとみられる。
日本経済新聞より
で、今回のビルだが……。
地震で倒壊したバンコクのビル、違法建築や汚職の疑いで調査
2025.04.01
タイ当局は、ミャンマー中部を震源とする地震の影響で倒壊した首都バンコクのビルについて、違法建築や汚職の疑いがあるとして調査を行う方針を明らかにした。専門家チームの下で調査を進め、4月上旬にも結果を報告するとしている。
倒壊したビルは、タイのゼネコン「イタリアン・タイ・デベロップメント(ITD)」と、中国の国有企業「中国中鉄」の現地子会社による合弁会社が、2020年に着工。2026年に予定していた竣工後は、タイ国家会計監査院の新庁舎として利用するはずだった。
forelandより
どうしてタイの会計検査院がコメントを出していたのかと思ったら、このビルを利用する予定だったのか。
つまり、タイの会計検査院も当事者だと。第三者の立場でのコメントでなかったことには注意すべきだろう。今後、このビルについては調査が進むとは思うが、何処から出した情報か?という点には要注意なのだと思う。
追記
コメントにも頂いて、気になって調べてはいたのだが。
高層の建物はいずれもRC造で鉄骨造はない。タイ・バンコクには地震がなく、台風も来ないという背景から、躯体はとても軽やかである。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/coj/54/8/54_796/_pdf/-char/ja
2012年の記事だが、この記事は建築会社の方が現地に赴任して書かれたモノのようだ。
探してみると、大林組のサイトにも気になる記述がある。
2019年3月に工事がスタート。環境影響評価などの手続きを経て、ウェルネスの観点からさまざまなサービスを提供するビルマネジメントシステムを備えた、最先端の超高層複合施設をめざした。また、タイで2021年9月施行の新たな耐震基準を先行して導入するため、タイでは初となる工法を採用することになった。
その一つが、耐震性や耐火性を高める柱部材で、円・角型の鋼管の中にコンクリートを充てんするCFT(コンクリート充てん鋼管構造)柱だ。日本レベルの品質を確保するには、必要な材料や機材をすべて準備しなければならなかった。柱に充てんするコンクリートは、現地の材料を用いて何度も試験を行い、適切な調合割合を導き出した。
タイで初めての施工となるため、柱のモックアップを製作し、コンクリート圧入の試験施工を繰り返し⾏うことにより、CFT柱の施工を確実に完成させることができた。
大林組のサイトより
CFT(コンクリート充てん鋼管構造)柱のタイでの採用は始めてなのだとか。この大林組の建てた建物の話は前回の記事でも引用したが、今回の地震では被害がなかったようだ。

こんな構造も初めての採用だったようだが、材料を持ち込むのに苦労したみたいだね。
地下駐車場の設置に必要な深さ20mの掘削は、同国では珍しく、地盤が粘土層のバンコクでは、不適切な工法を用いると周辺地盤の沈下を招く恐れがあり、注意深く監視しなければならない。さらに、近隣への配慮のため夜間や日曜日の工事が制限される中、工程遵守のため、限られた作業エリアに効率的な工事車両などのアクセスルートを計画して実施。最初の難関を乗り切った。
大林組のサイトより
そして、この辺りの記載も気になるところ。建物を作るのに強固な基礎を作り上げるのは、日本では常識なのだが、タイではそうではなさそうである。少なくとも支那企業は基礎工事の手間をかけたとは思えない。
崩れたビルがRC造であった可能性は、崩れた写真を見ても理解できる。鉄骨は使われていたことにはなっているが、少なくとも見当たらないし、鉄骨造であればあんな倒壊の仕方にはならない。
だが、タイの多くのビルはRC造であるというから、そもそもの支那製ビルの構造的欠陥があった疑いは強い。
ミャンマー中部で発生した大地震で軍事政権は、死者が1000人以上にのぼったと発表しました。
地震によってビルが倒壊し、多数の安否不明者が出ているタイの首都バンコクから、FNNバンコク支局・杉村祐太朗記者が中継でお伝えします。
ビルが倒壊した現場を見ると、大量のがれきや鉄骨などが積み上がっているのが確認できます。
FNNプライムオンライン
こちらの記事でも「大量の瓦礫や鉄骨など」と表現・報道してはいるが、どう見ても鉄骨が見当たらない。何を見て「鉄骨がある」などといったのやら。嘘じゃねーか。
ともあれ、最初から耐震性が考慮されているとは言い難い構造であったと推測される。
コメント
こんにちは。
このクラスの建物に、鉄骨が入っていない時点でお察しなんですが。
まあ、竹じゃないだけマシ……なんて言ってられないか。
※作業員など数十名が行方不明、とチラッと聞きましたが……地上の作業員が逃げる映像がありますが、って事は、どう考えても中にも作業員が居たはずなんですよね……
こんにちは。
そうなんですよ、瓦礫の何処を見ても鉄骨らしきモノが見当たらない。
その上、鉄筋の質も悪いというわけで、意味が良く分かりません。支那において鉄は白菜よりも安いそうですが、それすらケチってしまうあたりどうなんでしょう。輸送費の方が高くつくということかも知れませんけれど。
報道では70名ほどとの連絡がとれていないとかなんとか。無事でいてほしいですよね。