うん、まあ、当然の流れというか。
トランプ関税に議会で懸念や批判 効力停止決議案、身内の共和党からも同調の動き
2025/4/2 16:26
トランプ米大統領が打ち出す関税措置に対し、景気への打撃を懸念する産業界だけでなく、連邦議会でも警戒が強まっている。成果を急ぐトランプ氏が大統領権限を躊躇なく使い、続々と関税引き上げを表明することを問題視し、身内の共和党からも「トランプ流」への異論が出ている。
産経新聞より
常人だったらやらないからねぇ。
過激な政策から利は得られるか
長期間耐えられない
トランプ氏の一連の行動は、脅しとしてはそれなりに有効だと思うけれども、何度も使えるカードじゃないんだ。
トランプ政権は鉄鋼とアルミニウムの輸入品に一律25%を課す関税措置を発動。メキシコとカナダへの追加関税も一部実施し、4月2日には新たな措置を表明する。
産経新聞「トランプ関税に議会で懸念や批判」より
実際に関税が上がってしまうと、その影響を最も大きく受けるのはアメリカ国民である。
トランプ氏が交渉カードとして、高率関税をかけて他国を威圧することで、政治的な成果を得ようという狙いはなんとなく理解できるんだけど、そんな関税は長期間維持出来るモノでもない。
カウンターで関税引き上げを喰らうと、更に苦しくなるから。
マッドマンセオリーの話は前にも書いたけれども、これで一度失敗しているんだよね、アメリカ政府が。
マッドマンセオリーを好んだリチャード・ニクソンは、確かにデタントの推進(冷戦の緊張緩和)やベトナム戦争からの全面撤退、軍需産業への発注削減と軍の規模削減政策を大規模に遂行して、一定の評価を受けている。
だが、経済的失敗によりニクソン不況と呼ばれる不況を引き起こしてしまう。尤も、その引き金を引いた疑いのあるブレトン・ウッズ体制の解体・終焉(ニクソン・ショック)は、トータルで考えると全く失敗だったというわけではないんだけれども。ドルの大幅な切り下げにも成功したしね。
思いついても誰もやらないようなことをトランプ氏がやったことは凄いとは思うが、成果が上がらねば意味はない。
トランプ氏が一部の関税措置で、国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠とする大統領権限を活用していることには、議会のチェック機能をないがしろにしているとの批判が根強い。決議案は今週に入って採決の動きが本格化。コリンズ氏ら数人の共和党議員が賛同姿勢を示した。
産経新聞「トランプ関税に議会で懸念や批判」より
そして、強引な手法は禍根を残すよ。
トランプ3期目
なお、トランプ氏、最近は3期目の話をしているらしい。
【解説】 トランプ氏はアメリカ大統領を3期務められるのか?
2025年4月1日
ドナルド・トランプ氏は、アメリカ大統領として3期目を務めたいと考えていることについて「冗談ではない」と発言した。
BBCより
エイプリルフール?
トランプ氏の支持者たちは、憲法の抜け穴があると主張している。裁判で争われたことのないものだ。
憲法修正第22条は大統領に2期以上「選出」されることをはっきり禁止しているだけで、「継承」については何も言及していないというのが、その言い分だ。
この理論によると、トランプ氏は2028年の大統領選で別の候補者(おそらく現政権のJ・D・ヴァンス副大統領)の副大統領候補になることができる。選挙でこの陣営が勝ったあかつきに大統領候補は、宣誓就任した直後に辞任する。そして、継承順位1位の副大統領が代わりに大統領になる。つまり、トランプ「副大統領」が継承によって大統領になるというからくりだ。
BBCより
プーチン・メドベージェフ方式か!
まあ、冗談はさておき、トランプ氏が3期をやる気があるかどうかは分からないけれども、長期的な視野で政治を行っているだろうことは、伺えるエピソードである。
そうすると、高率関税を長期間続ける積もりはないということは言えると思う。でも、短期的でも影響は大きいわけで。
トランプ氏、支持を失う前に何か大きな手を打つだろうか?成果として戦争を止めたいと考えているようだけど、ウクライナを侵略しているロシア軍は一筋縄ではいかないと思うよ。
追記
とはいえ、こういう立場の方々も。
ウォルマート、中国サプライヤーに値下げ要求継続-政府圧力にめげず
2025年4月2日 15:05 JST
世界最大の小売企業、米ウォルマートはトランプ米大統領の関税による影響相殺に向け中国のサプライヤーに引き続き値下げを迫っている。同社幹部が先月、この件について中国当局から呼び出しを受け協議したが、状況に変化は見られない。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
同社は関税が課されるごとにサプライヤーに最大10%の値下げを要求することをやめず、トランプ氏の関税の肩代わりを事実上、求めているという。関係者が情報の非公開を理由に匿名で語った。
Bloombergより
ウォルマート、強いな。
ウォルマートは中国当局から呼び出されたほか、中国から報復を受ける可能性も政府系ソーシャルメディアから指摘された。それでもウォルマートが態度を崩さないのは、国内景気減速にトランプ氏の関税が逆風に加わる中、中国企業が苦境にあるためだ。
Bloombergより
売れなくなったら売れなくなったで支那も困るんだよね。だからこそ、そこにウォルマートはつけ込んでいるわけで。
追記2
車の販売
酷い記事だなNHK。
“トランプ関税”狙いは?経済政策のキーパーソンに聞く
2025年4月3日 12時25分
大統領就任以降、各国への関税措置など、さまざまな経済政策を矢継ぎ早に打ち出すトランプ氏。
自動車関税、相互関税など、日本への大きな影響が懸念されています。
トランプ氏の狙いはどこにあるのか?今後日本に何を求めてくるのか?
トランプ政権に関税政策の強化を進言した政権ブレーンの一人、オレン・キャス氏(41歳)に話を聞きました。
NHKニュースより
敵を知る上でアメリカ側の主張を聞くというのは、確かに大切な事である。だが一方で、その狙いについてどのような評価が出来るのか、日本側からの視点までセットにしてこそ、報道の価値があるのではないか。
アメリカ側の主張を一方的に垂れ流して、意味があるのかどうか。
Q. 関税の意図
A. 交渉の道具の側面と、経済政策の側面がある。
この主張は理解できて、「交渉道具」という側面に関して、メキシコやカナダとのディールに使っているのは見て分かる話。特に麻薬関連の話は深刻で、その流入を抑える上でのこと(注:メキシコやカナダに求めるだけでは効果が薄いが)という主張は、一定程度理解できる。
一方で、貿易赤字に関してはどうかなぁ。
アメリカには1兆ドルの貿易赤字があります。背景には、外国がアメリカの製品を買ってくれないこと、そして、アメリカ人が海外の製品ばかりを多く使っていることがあります。貿易にはバランスが必要ですが、今はそれがない状態です。関税で、価格を少し調整し、アメリカ製のものを優遇することが必要です。
NHKニュースより
ここの部分、トランプ氏は日本にアメリカの車を売り付けようと画策しているようだ。
「日本では自動車の94%が日本製」トランプ大統領が“不公平”と強く不満 3日から“自動車への25%の追加関税”発動も改めて強調
2025年4月3日(木) 10:17
アメリカのトランプ大統領は、貿易相手国と同じ水準の関税を課す「相互関税」について、日本に対しては24%を課すと発表しました。ワシントンから中継です。
~~略~~
トランプ氏は「日本はコメに700%の関税をかけている」と主張したほか、「日本では自動車の94%が日本製だ。トヨタはアメリカで100万台の外国製の車を販売しているが、日本でゼネラルモーターズの販売はほとんどない」などと批判し、日本との貿易は不公平だと強い不満を示しています。
TBS NEWSより
しかし、アメリカ国内での2023年の新車販売台数は1,561万6,878台、2024年は約1,600万台と予測されている。
一方、フォードの2023年世界販売台数は441万3000台、GMは約259万5,000台で、合計しても700万台に満たない。テスラは180万8581台で、ステランティスは332万7000台だった。全部合計してもアメリカ国内の新車販売台数に満たない。
アメリカ製の自動車が売れていないという傾向はあるが、武漢ウイルス感染症からこっち、販売台数はデータを見る限り増加傾向にある。作れば売れるわけだ。だが、日本国内でアメリカ車の需要は少ない。デカくて重くて燃費が悪いから一般ウケしないし、ガソリンが高騰している現状では尚更である。更に整備費用もえげつない。よっぽどの愛好家しか使わない理由はそこにある。
そうすると、今回の対日関税引き上げによって何が起きるかというと、単にアメリカ国民が自動車を手に入れづらくなるという結果に。尤も、トヨタもホンダもスバルも日産……は売れていないが、何れもアメリカ工場を持っている。関税対象外だ。
となれば、日本にとってアメリカの対日関税引き上げがデメリットになるのは間違いないんだけど、アメリカでの主力商品はアメリカで製造している日本車メーカーにとってそこまで大きな影響があるのか?という点と、日本製部品の値上がりで寧ろアメリカ自動車メーカーの首を絞める結果になるのでは?という懸念がある。
つまり、ロジックに少し無理がある。
日本製鉄の話
更に、日本製鉄の話にもちょっと無理がある。
Q. トランプ政権は日本製鉄はUSスチールの買収を認めるか
A. 無理。
ええ、無理なのは分かるけれど、理由が酷い。
「もし日本製鉄が『160億ドルで新規の製鉄所をアメリカで建設する』と言ったら、誰も反対せず、スタンディングオベーションが起きたでしょう。しかし、その資金でUSスチールを買収するというのであれば、それはまったく違います。日本はこれまでアメリカに多くの鉄鋼製品を売って利益を得てきました。その対価としてアメリカから何かモノを買うのではなく、アメリカの鉄鋼会社そのものを買収しようとしています。つまり『日本が鉄鋼をアメリカに売り、アメリカは鉄鋼会社を日本に売る』という構図になり、これは長期的に見て、ひどい戦略です」
NHKニュースより
うーん、その主張は分かるんだけど、感情論だよね。
別に、日本製鉄アメリカ支社を作っても良いんだけど、そうなるとUSスチールは潰れるけど良いの?「長期的に見て、ひどい戦略」というけれど、USスチール潰して良いのか?というだけの話なんだよね、これ。
日本製鉄にとって、アメリカに新会社を立ち上げるとなると環境アセスメンスとか色々な手続きが必要なので、時間がかかる。USスチールを買収できれば、既存の設備をある程度流用できるからメリットがあるよということと、USスチールのネームバリューを利用出来るメリットはある。
だけどアメリカ側にもメリットがある話なんだけども。まあ、別にイイヨ。
追記3
何を言っているんだ?
ベッセント米財務長官 報復なければ今の数字が上限、報復すれば事態は悪化すると警告
2025/04/03(木) 07:24
ベッセント米財務長官 報復なければ今の数字が上限、報復すれば事態は悪化すると警告
ベッセント米財務長官は各国はパニックにならず報復しないようにと述べた。報復しない限り、今提示されている数字が関税率の上限だ。各国が報復すれば事態は悪化すると警告。交渉がこれからどうなるか見てみましょう。取引時間外で何が起こっているかを見ないことを学んだとしている。
MINKABUより
報復はするなよ、と。
うーん、まあ、正直、報復関税かけたところで余り意味はないんだよね、日本は。何しろ、アメリカからの輸入品って食料品が多いんだけど、関税をかけると国民にダメージが。政策的にも報復関税はあまりメリットがないんだな。
とはいえ、この言い分にはカチンとくる。
コメント
こんにちは。
日経、開始早々ガツンと下げましたね@2025/04/03
さて、どうなりますことやら。
※ここでドタバタ騒いで株を手放すのは素人の悪手と見てます。
※相場師ならむしろ買えと。
こんにちは。
下げましたねぇ、日経は。
トランプ氏としてはディールを期待しているわけですから、石破氏はさっさとアメリカに行って膝詰めで交渉すべきでしょう。
おそらくは何か日本側から条件を引き出したいのでしょうが、いわれる前にこちらから打って出るべきでしょうね。
さすがウォルマート。市場規模最大産業のトップだけある。産業別の市場規模ではスーパーマーケット業が最大で、その中でもウォルマートはトップ級でせうからね。
ハイテクな軍事産業とか業界別の規模だと15位以下。その中のトップであるボーイングでも軍事部門の売上は民需部門の10%。
それ考えればウォルマートの底力がどんだけ凄いか解る。
とはいえ……無理を承知で言ってます!って状態であるのでは?
米国の生活が辛い苦しい中間層より下レベルは、シナの安い物質を安く買うことで生活を成り立たせてます。
高関税はその安い生活を成り立たせなくなるから、いつまでトランプ流がいけるか。
長引けばトランプ支持層から離反が出る可能性は高い。
正直、米国を観ているとローマ帝国末期の症状に似てるゆですよね。
帝国拡大させて安い穀物を入れたから、貧困層に無料小麦(現代のフード券)が可能になったけれど、軍を背負う自営農民層が没落した。この自営農民層は中世のヨーマン(自由農民)にあたり耕作するたけでなく家畜を飼い毛を毛織物にしたり、中小企業でもある。それが連鎖倒産すると、ますます大手(元老院階級の輸入)に頼らざる得ず、何某かの動乱で物流が滞ると、一気に都市市民の生活が危機になる。
そこへ来て属州を増やした(EU拡大)事で
大量の移民を抱えこみ、これが貧困層のライバルとなる。麻薬こそないものの、正体不明のパンデミックは数度襲ってる。
似てません?
商圏を拡大して、輸入単価を下げるやり方は、支配国の輸出量が輸入量(国内消費)を上回ってる場合は良いんですが、米国みたいに消費大国であると、長期化すると首絞めると想うんすよね。
ん?山童さんっぽい書き込みですな。
さておき、ローマ帝国末期の話にも似ていますし、世界恐慌の時の話にも似ている気がします。
いずれにせよ、どこかが戦争を起こすフラグが立っている感じですな。
アメリカが長期にこの政策を維持出来ないのは、多くの人が指摘するところだと思っています。短期的にも株価に影響しそうですけれども。