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【アメリカ情報漏洩】イエメン空爆作戦が事前に漏れる

北米ニュース
この記事は約4分で読めます。

大切な軍事情報が漏洩してしまった(情報の質の問題ではない)事件であり、再発防止が大切だね。

「大した情報ではない」「うそつき」空爆作戦チャット誤共有 トランプ政権、責任回避躍起

2025/3/26 10:30

トランプ米政権が通信アプリのグループチャットで報道関係者にイエメン空爆作戦の詳細を誤って共有した問題で、チャットに参加していた政権高官らからは25日、責任を否定したり転嫁したりする発言が相次いだ。

産経新聞より

この件は、トランプ政権の弱点、これまでの慣習的なやり方を知らない政治の素人が要職に就いているという部分が出てしまった事案だろう。

そうそう、一応お断りはしておくが、この記事ではアメリカの空爆作戦の是非について言及するつもりはない。

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情報管理を徹底すべき事案

野党側の攻撃

アメリカ野党の民主党が、この件で詰め寄っているらしい。

野党・民主党はこの問題をトランプ政権による情報管理やガバナンス(組織統治)のずさんさのあらわれととらえ、追及を強める構えだ。

産経新聞「大した情報ではない」より

でも、民主党政権時には結構やらかしてましたよね?それは棚上げなんですかね?と、ちょっと疑問には思う。

思い出して欲しいのは、ヒラリー・クリントン氏の情報漏洩事件である。彼女がアメリカの国務長官だった時代、公務で使うメールを指摘のサーバーに送信して3万322通の電子メール及び添付ファイルの中身が漏洩してしまった。

この件はFBIが捜査に乗り出したものの、特に何か処罰されたという話は今のところ聞かない。

FBI、情報流出懸念しクリントン氏のメール捜査を公表=関係筋
米大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン氏が国務長官時代に私用メールを使用していた問題に絡み、連邦捜査局(FBI)のコ...

それどころか、民主党の重鎮として自由勲章が贈られるなど、アメリカの国益などに貢献した人物の扱いである。

バイデン大統領 ヒラリー・クリントン氏らに「自由勲章」贈る | NHK
【NHK】アメリカのバイデン大統領は、国務長官などを務め、主要政党では史上初めて女性の大統領候補に選ばれたヒラリー・クリ...

漏洩した情報に価値があったかどうかは定かではないが、重要情報が漏洩した事件である。民主党はこうした「実績」を棚上げにして、情報管理が甘いと詰め寄っているのだからお笑いである。

情報漏洩事件には変わりない

ただし、事件そのものは結構大きな問題であって、軍事作戦の漏洩によって不利益を生じる可能性はあった。

ウォルツ氏は、通信アプリ「シグナル」で問題のチャットグループを立ち上げた人物。そこに米誌アトランティックのジェフリー・ゴールドバーグ編集長を誤って招待し、それに気付かずに他の高官らと空爆の是非を巡る意見や軍事情報をやりとりしていたとされる。ゴールドバーグ氏は経緯を伝えた24日の同誌記事でウォルツ氏と面識があったとしていた。

産経新聞「大した情報ではない」より

記事にある様に、情報漏洩した相手がジェフリー・ゴールドバーグ氏で、この人物はアトランティック誌の編集長を務める人物だが、何というか胡散臭い人物である。アトランティック誌は民主党支持を表明している雑誌で、トランプ氏に対して強い批判を展開する週刊誌である。2024年選挙ではカマラ・ハリス氏を支持していた。

まあ、立ち位置としてはアメリカの文藝春秋みたいなものだろうか。

というわけで、とんでもない人物を機密情報を扱う会議に招待してしまったというのが、今回の事件の発端である。

両氏は当初、チャットに機密情報は含まれていなかったとの立場を主張。だが、空爆の標的などの詳細が事前に共有されていたことを指摘されると、「機密指定するかどうかの権限は国防長官にある」などと責任回避の姿勢を強めた。

産経新聞「大した情報ではない」より

ただ、「大した情報ではなかった」「機密情報は含まれない」という説明はちょっと、ねぇ。アトランティック誌側も、「なら公開してやる」という展開になりがちである。

米軍事作戦チャット、アトランティック誌が全記録公開に踏み切る

2025年3月27日 2:51 JST

米誌アトランティックは米政府高官らがメッセージ通信アプリ「シグナル」を用いて実施したグループチャットの履歴を公開した。イエメンの親イラン武装組織フーシ派に対する攻撃のタイミングや使用される兵器システムの詳細が、チャットで共有されていたことが明らかになった。このチャットには同誌のジェフリー・ゴールドバーグ編集長が誤って招待されていた。

Bloombergより

火消し下手か!

情報の重要性の有無に関して議論しているのは、情報漏洩の事実に関してはもはや言い逃れ不能であるため、ダメコンを図っているのだろう。だが、問題なのは情報が漏れたという事実なので、そこはしっかりやっていって貰うしかない。

幸いにも、情報漏洩によって大きなトラブルが発生したと言うことではないので、体制の引き締め直しを図って欲しい。

コメント

  1. 山童 より:

    ああ…メルケルにヒラリーからまたか…。
    ええっと、イエメン空爆の是非は是だろうと非だろうと文句でないと想うすよ。
    イエメンはもう統一後(20世紀は二つだった)も、ずうっと内戦下なので、壊したら市民に迷惑かけるようなインフラが残ってない。不幸中の幸いなのか悲劇なのか知らんですけれど。
    なにしろ1990年代には政府が「復讐推進強化月間」を設けてましたかりねぇ。
    あちこちの氏族(戦車や攻撃ヘリまで持ってる)が政府軍より「強い」ので、内輪揉めしてくれるように、
    「親の仇を討ちませう!」と復讐戦を実行できるよう「日没から日の出までの市中の銃撃戦を許可します」というベルセルクも真っ青な法律してました。あーあと外国人にも「拳銃携帯するように」でしたね。
    狂犬病ウイルス感染してる野良犬がいるので、積極的に射殺してくれ!って😁
    まぁ1980年代から「そういう国」なので、
    いまさら空爆しても市民に影響ないすよ。
    だって山賊とゲリラと軍閥みたいのしか生き残ってないから。無辜の市民など死に絶えてますから遠慮はいりません!

    んで、イエメンは「好きにしてくれ」できればフーシ派は皆◯ししてくれ!ですけど。

    問題は「流出」ですね??
    未だに「それ」なのかよ??
    ヒラリーもメルケルも何で国家機密を流出したかと言うと、「公用の携帯」で「私用アクセス」するからなんですね。
    それで一斉通信してしまったり(バカ!)、
    バックドア仕込まれたりする(バカ!
    単にリテラシーの低さなんすよ。

    まぁ、まさかネットショップとか相手ではないでせうけど、テメエに都合良い記事書いてくれる御用記者とか「公用スマホ」に入れておいてさ、うっかり秘書官を通さずにアクセスしちゃうわけ。
    バイデンやトランプが自宅に機密書類を持ち帰りました……みたいのとは別レベルなケアレスミスなんてすよね。

    誰だろうと、どの組織だろうとヒューマンエラーはある。それは仕方ない。
    けど、今までに何度も「そういうミス」を
    各国がやらかしていて、なんでまた初歩的なミスやらかすかね??
    実を言うと、イエメンなんかより、このミスの方が深刻な気がしますけれどね。

    • 山童 より:

      ちなみにメルケルの件は米国の国家安全保障局がバックドア仕掛けたとか聞いてますけど、そういう携帯を首相に持たせる治安機関や、それを私的に使うメルケルも問題有りですよね。
      ヒラリーはロシア辺りが裏で動いてるだろうけれど、また大統領選で民主党代表候補に選ばれてる奴が、んな無自覚で良いのか?と「ロシアも悪いが、悪い奴がいるのに無人機なヒラリーが悪い!」です。

    • 木霊 木霊 より:

      アメリカとしては今回の情報漏洩ってかなり不味いと思うんですよね。
      まあ、ミスは誰にでもあるんですが、今回のこれって一歩間違えば味方を殺すような話でありまして。
      JSF氏が「おそらく、現地協力者の命を危うくしただろう」とポストされていましたが、本当にそういう意味でもかなり不味いミスで、誰も責任をとらないというのは宜しくないと思います。
      トランプ支持者もがっかりのようですが、何よりアメリカ軍としても上司がこれというのは許容できないのではと。

  2. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    >特に何か処罰されたという話は今のところ聞かない。

    アメリカは司法取引の国ですから、何か裏であったのでしょうね。
    そして、それは、この世が終わるまで表に出ることはない。

    メールだなんだは、大小取り混ぜて誤送信の温床ですから、この先のこういう事故は無くならないでしょう。
    ※どんなに対策したって、メアドを間違えたら何の役にも立たない。

    まあ、北爆出撃と同時に目標をマスコミに記者会見するよりはマシだったかと思いますが……
    ※これ、ベトナム戦争時にやっていたと聞きますが、北爆に行くパイロットはペンタゴンとワシントンに爆弾落としたくなったでしょうね……

    • 山童 より:

      北爆の話ひどすぎ!
      おそらくは、政府高官としては、
      「ミッション遂行後の報道」であると反戦勢力に「独断専行だ!」とデモられるのが恐ろしかったのでないすかね?
      なにしろベトナム戦争は派兵については議会の承認を得てない(軍事顧問派遣からズルズルと引き込まれた)戦争なので。
      だからって対空砲火とミグが待ち受けるミッションで、事前発表しちゃうのは利敵行為いがいの何でもないのですが。
      でも七面鳥様のお陰で、納得した事が。
      実はジョン・ウェインの「グリーン・ベレー」のクリエーターとか、かなり右派のハリウッド人が、戦後やたらと反政府な映画を作るんですよ。
      「合衆国最後の日」とかね。これは、ベトナム戦争の敗北の政府責任をめぐり、資料公開を求めて軍人たちが核ミサイル基地をハイジャックする映画。
      映画化名は失念しましたが、ウエストポイント出身の軍人が、プルトニウムを盗んで核テロやろうってのも有りましたね。
      それだけ軍人らにも反発あるしょ?
      ブルース・スプリングスティーンの「ボーン・イン・USA」にも復員兵の憤懣がプンプンしてるし、映画「ランボー」では「俺たちが負けたんでない!」とスタローンが言うし、「ランボー2」では上官に「今度は勝てますか?」と言って潜入に向かう。
      上層部の無責任で負けたんだ!な意見は、
      落合信彦のルポ「傭兵部隊」に出てきたベトナム帰還兵も言ってたし。そうそうフランク・キャンパーだ。割とかつての傭兵業界では有名な人ですね。

      • 七面鳥 より:

        ナム戦、空軍は(海軍の航空隊も)「目視するまで撃っちゃイカン!」(ので、高性能ミサイルが持ち腐れ)
        地上戦は、誰が敵か分からない(民間人に紛れるベトコンは識別不可能だし、南ベトナム軍自体にベトコンが浸透している)。
        爆撃機の飛ぶところは事前に知らされる(当然、相手は逃げるか、ミサイル持ってくるか)。
        北ベトナム軍の輸送ルートに対する破壊工作(地上も空爆も)は出来ない(一応、隣国にはみ出すから、というのは理解出来ますが……)
        これで、どうやって勝てと?って感じですね……
        ※初期のM16が故障ばかりだった(これはメンテサボった兵士も悪いが)ってのも……

        いつの世も、上がアホだと闘えませんね……(大本営の方を見ながら)

    • 木霊 木霊 より:

      こんばんは。

      裏でなにかあったにせよ、表向き誰も責任をとらない感じの話は不味いと思います。
      アメリカのことですから、なにかしろと云うことを言う気はありませんが。