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「弾劾」劇に踊る共に民主党と韓国

大韓民国ニュース
この記事は約6分で読めます。

相変わらず、訳の分からない国ですな。

韓国憲法裁、首相の弾劾棄却 大統領代行に復帰

2025年03月24日10時32分配信

韓国憲法裁判所は24日、韓悳洙首相に対する弾劾訴追を棄却する決定を言い渡した。尹錫悦大統領による「非常戒厳」宣言後、韓氏は一時尹氏の職務を代行していたが、昨年12月27日に国会で弾劾訴追案が可決され、職務停止されていた。棄却の決定を受け、大統領代行に復帰した。

時事通信より

大統領代行だった首相の韓悳洙氏が、「弾劾棄却」との判断になって職務復帰する運びとなった。

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弾劾の乱発

弾劾訴追30回

何度か言及しているが、大統領が弾劾訴追されて憲法裁判所の判断を待っている最中だが、首相も弾劾訴追されてしまった。

そして、先日は代行の代行であった崔相穆氏が弾劾される展開に。

崔相穆・大統領権限代行の弾劾手続きを開始する共に民主、24日の韓悳洙首相弾劾審判宣告で徒労に終わる公算大

2025/03/21 13:45

韓国野党・共に民主党は20日「崔相穆大統領権限代行副首相に対する弾劾訴追の手続きを開始する」と発表した。19日までの馬恩赫憲法裁判官候補者の任命を求めた共に民主党の要求を崔相穆代行が受け入れなかったからだ。

朝鮮日報より

何が何だかサッパリ分からない。

韓国大統領の「代行の代行」に対しても弾劾訴追案(30件目)を発議…共に民主党など5党、実益はある?

2025年3月21日 18:00

韓国の「共に民主党」「祖国革新党」など野党5党は21日、大統領権限代行の崔相穆経済副首相兼企画財政相に対する弾劾訴追案を発議した。尹錫悦政権発足後、民主党が弾劾訴追案を発議したのは30件目。

AFPより

数えて30回目となる記念すべき弾劾訴追が行われるかどうかは不明だが、とにかく現政権に対する弾劾攻撃の手は緩めないということらしい。しかし、ここまで乱発して、訴追に成功したのはどれだけだっけ。

去年2024年5月に共に民主党が勝利して以降の回数なので、なかなかのもの(異常)である。

「棄却」は当然

さて、憲法裁判所の判断なのだが。

韓氏の弾劾審判は2月19日に弁論が開かれ、即日結審した。国会側は、韓氏が尹氏による「非常戒厳」宣言の違憲・違法性を知りながらも「黙認した」と指摘。欠員となっていた憲法裁の裁判官の任命を保留したことも問題視した。

時事通信「韓国憲法裁、首相の弾劾棄却」より

首相は大統領が計画した非常戒厳の宣言について、事前に知っていて、違法性を認識しながら黙認したとと、欠員となっていた憲法裁判所の裁判官の任命を保留していたことについて、弾劾訴追理由となされている。

だが、前者については仮に「何か計画している」ということを事前に知らされていたとしても、「違法性を認識しながら黙認」に関して、先ず、違法性の争いがあるので(注:違法性は高いと僕は見ているが、法律的に判断されてはいない)、認定が難しく、「認識」も「黙認」も立証が難しいことから、かなりの無理筋であると言える。

後者については、バリバリ左派の候補者を任命しろと迫っていたのだから、首相の権限で保留することは、他の案件を優先していたことを立証できれば、認められるだろう。首相の職務も大統領代行の職務も行わなければならない超多忙な身で、アレもコレもやれというのはかなり厳しい。

そんな理由で、8割方は棄却されるだろうと思ってはいた。ところが、8人の判事の判断の内訳は、棄却5、容認1、却下2という驚くべきモノ。却下とは、形式要件を満たさないので門前払いするという意味だ。

今回は、他の判事が棄却または容認を選んでいるので、おそらくは原告適格なしという判断だろう。つまり、今回の弾劾訴追について、「そもそもそんなことを判断する裁判じゃないだろう」と言っているわけだ。

というのも、今回は「大統領の弾劾」の立場の人物に対して首相の弾劾という形で訴追してきたのだけれど、代行の弾劾に関しては法律上明確な規定がない。それ故に、閣僚に対する訴追(大統領訴追に関しては2/3の賛成が必要だが、閣僚訴追に関しては過半数で足りる)をやってきた。

だけど、そもそも大統領代行の立場なのだから、大統領に対する弾劾規定を援用すべきなのでは?という解釈があるのだ。

ああ、あくまでもコレは発表された情報ではなく、「却下理由は、そうではないか」との想像に基づくモノである点にはご注意願いたい。

次は崔相穆氏

というわけで、次に弾劾訴追が計画されている崔相穆氏に対しても、同じ判断が下される可能性が高い。

政界からは「共に民主党には憲法裁判所内の情報が不十分なようだ」との見方が相次いでいる。共に民主党執行部も先日、国会法制司法委員会所属の幹部議員らに「憲法裁判所の弾劾審判に関する情報が足りない」として情報収集を求めたという。ある政界関係者は「共に民主党による崔相穆代行の弾劾訴追強行の動きを見ると、韓悳洙首相の弾劾審判宣告期日を予想できる情報が得られていなかったようだ」と指摘した。

朝鮮日報より

そして、記事にある様に、首相の韓悳洙氏が職務に復帰することで、崔相穆氏の代行権限は解除される。

そうすると、そもそも崔相穆氏に対して行われるハズの弾劾訴追の「理由がなくなる」可能性が高い。

そして、ユンユンの弾劾裁判なんだけれども、こちらは可決される可能性は高めである。よしんば弾劾が棄却された場合、政権運営というのはかなり悲惨な状況になるだろう。

高裁判決は26日

なお、共に民主党のトップ李在明氏に対する判決は3月26日に予定されている。

韓国の最大野党代表、来月26日に高裁判決 次の大統領選に影響も

2025年2月26日 22時52分

韓国のソウル高裁で26日、最大野党・共に民主党の李在明代表が公職選挙法違反(虚偽の事実の公表)の罪に問われた裁判の控訴審があった。検察側は懲役2年を求刑し、結審した。判決は3月26日に言い渡される。李氏は次の大統領選の有力候補とされ、判決は大統領選に影響を与える可能性がある。

朝日新聞より

ここで有罪が確定して収監されると、次期大統領選のトップ候補が不在という状況を迎えてしまう。尤も、高裁の判決後に上告して最高裁に行く可能性が高いので、26日に刑が確定することはないと思うが。

だがそうすると、大統領選挙前に共に民主党も国民の力も有力候補者を失ってしまうという展開に。政治的空白は続きそうだね。

追記

シンシアリーさんのところがもう少し詳しく書いていたので、紹介しておきたい。

公職選挙法により、選挙法違反のは1審は6ヶ月、2審と3審は以前の裁判終了後、それぞれ3ヶ月以内に終了しなければなりません。つまり、2審裁判部が3月26日宣告をすれば、3ヶ月後の6月末までは最高裁判決が出なければならないということです。もし憲法裁のユン大統領弾劾審判決定により、早期の大統領選挙が確定した場合、その選挙日は5月中旬が有力です。最高裁判所の審議スピードが、李代表の大統領選挙関連の歩みに、大きな変数になる可能性があります。1審裁判部は、懲役1年に執行猶予2年を宣告しました。

この判断がそのまま確定すると、李代表は議員職を失い、10年間、大統領選挙に出馬することもできなくなります。最高裁判所の場合、2審裁判所から訴訟記録と証拠物を引き受けるだけでも1ヶ月はかかるとされているだけに、最高裁判所の宣告は大統領選挙の後になる可能性が高いです。

シンシアリーのブログより

これは記事の引用部分の引用なので、シンシアリーさんの考えというわけではないのだけれど、最高裁判決は現状だと大統領選挙に間に合わない可能性も出てきたという話。

相変わらず、裁判が早いか大統領選挙が早いかというチキンレースに興じているようで。

コメント

  1. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    楽韓さんのところでも「危機にあってはまず内紛」って書かれてましたね。
    やあ、誇らしい韓国の歴史的な習慣がちゃんとあるじゃないですか。
    ユネスコにでも登録してもらえばいいのに。

    まあ、弾劾が成立しようが否決されようが、もう、覆水盆に返らずですから。
    ミョンミョンとしてはタイムリミットがあるので気が気じゃないでしょうが、ミョンミョンが大統領にならなくても、どっちにしろ大統領を任せるに足る傑物など今の韓国には居ないのですから。
    ※首相を任せられる傑物がいないのは、日本も同じですが……まだそこに一番近い(かつ、最初の女性首相という『諸外国が喜びそうな』肩書きも手に入る)高市さんを推しておいて、周りが大事に育てる、という体制が出来ないのが今の自民党の凋落を映し出していると思います。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      「危機にあっては先ず内紛」ですか。どうしようもありませんねぇ。「そんなことより内紛だ!」と言われましても。
      そして、それを地で行っているのが今の日本の国会のように見える(特に野党)のが、困った話であります。

      さておき韓国の政治はコレからますます混迷を極めていくわけですが、いっそのことミョンミョンが大統領になってくれた方がすっきりするような気はしています。

      • 七面鳥 より:

        >いっそのことミョンミョンが大統領になってくれた方がすっきりする
        赤と青、どっちの旗掲げるのかは、はっきりしますね。

        >それを地で行っているのが今の日本の国会
        支那においては、他国からの使者は、無能な方を篤く迎えるのだそうで。
        そうすると、報告はザルになり、その使者は出身国で権力を持ち、支那から見ていいことずくめ。
        そういう古典的な策に、経済団体含め片っ端から嵌ってるようにしか見えないのが何とも情けないです。

        • 木霊 木霊 より:

          ミョンミョンは腰の据わらない男のようなので、超反日方針は恐らく続けると思いますが、反米方針をとるかは良く分からないんですよね。
          ただ、また怪しい話も出てきていますから、レッドチーム入りは確実なのかも知れません。

  2. 砂漠の男 より:

    “欲望の拳で殴り合う”が、半島の政治文化らしいですね。まぁ、なんとなく分かります。

    大統領代行弾劾が否決されて、あちらではやれやれといったところでしょうけど、
    憲法裁が新しい弾劾基準を示して、火に油を注ぐ事態になっているようです。

    弾劾訴追の議決定足数、(新たに)「大統領権限代行は151人」と認めた憲法裁に
    韓国法曹界から批判の声(朝鮮日報3/25)
    https://x.gd/bj0M0

    野党が弾劾決議を再提出すれば、大統領代行は次には弾劾されちゃうかもしれません。

    • 木霊 木霊 より:

      指摘頂いて、ああなるほどと思ったので、関連で1つ記事を書かせて頂きました。
      弾劾騒ぎは未だ続きそうですね、残念ながら。