冷え込む時期なので、老朽水道管がダメージを受けても不思議はないんだ。
埼玉 所沢 歩道から大量の水噴き出す 上水道管が破損 復旧急ぐ
2025年2月24日 18時56分
24日午後、埼玉県所沢市で道路脇の歩道から大量の水が噴き出し一時、周辺の道路が冠水しました。市によりますと、地中に埋められていた上水道管が破損したことが原因ということで復旧作業を急いでいます。
NHKニュースより
ただ、多くの人々の影響がある話なので、こうした事態に至る前に事前に対策が出来ると嬉しいね。
予算配分に対する疑念
老朽インフラへの対応
埼玉県といえば、先日、下水管が破損して被害者を出してしまった。
直接的な行方不明者は1名だが、地域住民120万人に影響が出てしまった事故であり、その影響は長期にわたりそうだと見込まれている。
また市によりますと、この上水道管は完成から40年以上がたっていて、老朽化のため破損の可能性があるとして、補修工事の対象になっていたということです。
NHKニュース「埼玉 所沢 歩道から大量の水噴き出す」より
今回の上水道管も完成から40年を経過したとしており、早急な対策が求められている。
水道管などの耐震化どこまで?東京・神奈川・埼玉・千葉など関東1都6県
2024年11月1日
ことし(2024年)1月に起きた能登半島地震では、水道管などに被害が出て広い範囲で最大約14万戸で断水が発生し、避難所で水が使えないケースも相次ぎました。 これを受けて、国土交通省は全国の水道管などを対象に耐震化の調査を行ったところ、関東では避難所や病院などの重要施設で上下の水道管がともに耐震化されているのは、東京都で5割に達した一方、そのほかの県では2割以下にとどまることがわかりました。
NHKニュースより
都心ではある程度耐震化工事が進んでいるとされる上水道管だが、その工事が進んでいるとされる埼玉で(それでも耐震化率は2割以下)のニュースだから困ったものである。
全国的には資金不足の上に人手不足
では、全国的な状況は?というと、耐震化どころか老朽化した上水道管すら手当てが出来ていない状況である。
国交省のサイトに色々説明されているが、掻い摘まんで説明すると、以下のようになる。

先ずは上水道普及率と設備投資額の推移だが、「整備のピーク期」というものが存在し、この最初のピーク期に整備した上水道の老朽化が始まっている。

そのお陰で、相対的に老朽化が進行している状況にある。


事業者も職員も減っているのだ。その理由は、水道事業に関わるお金が減っていることも関係している。下水道も同じ理由で困った状態になっていて、
観光庁が推進する「観光立国」
さて、こういった「お金のかかる事業」を抱えているはずの国交省は、そこに所属する観光庁に外国人観光客を増やすように働きかけている。
観光庁は、オーバーツーリズムを未然防止・抑制の為に色々な支援パッケージを用意している。
オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けて、住民を含めた、地域の関係者による協議の場の設置、協議に基づく計画策定や取組に対する包括的な支援を実施します。
観光庁のサイトより
その一例として、以下のような項目を挙げている。
- 受け入れ環境の整備・増強の一例として「手ぶら観光整備」「周遊バスの実証運行」
- 需要の適切な管理の一例として「パーク&ライド整備」「早朝や夜間のツアー造成」
- 需要の分散・平準化の一例として「人流データ収集・分析」「混雑状況の可視化」
- マナー違反行為の某氏・抑制の一例として「多言語案内板やデジタルサイネージの設置」「ICTゴミ箱設置」「マナー啓発看板等の整備」
- 地域住民と協業した観光振興の一例として「地域住民向けのセミナーの開催」「地域住民へのアンケート調査」「住民参加型イベントの開催」
ざーっと見て、どのような感想を持たれるだろうか?
観光庁は、外国人観光客受け入れを更に増やすことを目標にして、そのためのインフラ整備を推奨し、住民にその協力を求めている。「支援する」とあるので、そのために税金を使うという意味である。
2024年の訪日客消費、初の8兆円超 円安追い風 訪日客数も最多
2025年1月15日 16時15分(2025年1月15日 19時05分更新)
2024年に日本を訪れた外国人(インバウンド)は前年比47・1%増の3686万9900人で、これまで最多だった19年の3188万2049人を超え、過去最多となった。訪日客による年間消費額は前年比53・4%増の8兆1395億円で過去最高だった。
朝日新聞より
去年は過去最高のインバウンド収益が上がったようだが、8兆1395億円は消費額であって利益ではない。インバウンド需要はGDPでは輸出扱いになるので、GDPの引き上げ効果があるとはされるのだけれど、本当なの?GDPを0.9%引き上げる経済効果が?
利益なき繁忙で観光関連産業からは悲鳴が上がっているようで、オーバーツーリズムの影響が交通にも悪影響を及ぼしていることを考えると、利益が出ているかは怪しい。
売り上げだけでいえば、スズキ自動車程度の売り上げを全国で分け合っている感じである。

当然、スズキ自動車は利益を上げているので、並べて論じるのもおかしな話だが、しかし外国人観光客を増やすことが本当にメリットがあるのかはこれ1つとってもかなり疑問だ。
製造業を営む企業を誘致して、地元に工場を作って貰った方がよっぽど地域経済に資する。地域によっては自衛隊を誘致するなんてパターンもあるだろう。
国交省はなにやってんの
というわけで、国交省が「どこに税金を投入しているのか」という点に関して、かなり疑問を持っている。


へー。
国交省/24年度予算配分、総額0・4%減7・5兆円
2024年4月2日
国土交通省は1日、2024年度予算を地方整備局や地方自治体などに配分した。一般公共事業費と官庁営繕を合わせた配分対象総額は前年度比0・4%減の7兆5743億97百万円。
建設工業新聞より
へ-。

まあ、現状、観光庁に使っている予算はさほど多くないので、観光促進にお金を使っている点について目くじらを立てる必要はないかもしれないが、どちらかというと上水や下水に負荷をかける方向での施策である。トータルで考えて国民にとってプラスであれば、それでも良いのかも知れないが。
コメント
こんにちは。
漫画家の山本貴嗣先生がツイートしてらっしゃいまして。
現在は西湘にお住みなのですが、引っ越してきて間もない頃、近所からいきなり噴水が上がったとか。
で、水道橋に「水道管、破裂してません?」って電話したらビンゴで、えらく感謝されたそうです。
水道橋じゃねえ、水道局です。
何をどう誤変換したのか……(「きょく」と「きょう」打ち間違えた?)
こんにちは。
水道管の破裂や漏水に関しては、全国でかなりの頻度で発生しているようでして。
そういったケースの早期発見は大切ですよね。
見つけたら水道局に一報をというのは、大切な着眼点だと思います。
所沢市ホームページに、今回の水道管破裂の事故レポートが公表されています
破損した水道管は、”令和7年度に更新予定だった”そうで.. (^^;)
https://www.city.tokorozawa.saitama.jp/tokoronews/press/r6/2/siryo0226_suidokanrosui.html
現場となった所沢市松が丘には、親類が住んでおりまして、興味深く見守っていました
情報ありがとうございます。
そうですか、令和7年交換予定でしたか。……いやいや本当に?
ま、まあ、疑っても仕方がありません。
この手のトラブルは今後増えるんでしょうねぇ。
「関東37自治体で水道料金値上げ 」(NNN 3/2)というニュースがありまして。
国交省よりも、自治体のほうが危機感が強いようで、水道料金の(緊急)値上げで、
上下水道管の更新/補修を急ぐ自治体が増えているようです。今後も増えるんでしょう。
https://tinyurl.com/mtb6z3za
水道料金の大幅値上げは、インフレの上昇圧力にもなり、血圧も上がりそうです。
水道事業はかなりお金の掛かる段階になっていますから、行政側はなんとか「値上げしたい」という思惑はあると思います。
ただ、ライフライン関連のコストの捻出は、国民の生活に大きな負担を強いる話になります。
「インフラ更新にお金が掛かる」というのであれば、行政が債権発行してでも値上げなしに対応すべきだと思います。その部分は、ランニングコストに載せるべきじゃないのですよね。
インフラの整備にこそ国家資本を投ずる価値があるのに、財政均衡を建て前に国民のカネを出し渋る財務省には腹が立ちます。
インフラ整備は将来世代も恩恵を受けるのですから、『建設国債』を発行して、速やかに整備を進めるべきです。
高校授業料無償化や外国人の生活保護、外国人の”国民”健康保険のための国庫負担が必要なのか? 妻が「日本人にカネ使えや!」と凄むんですよ。我が家の家計負担も増えそう。