緊急点検か。
下水道管、埼玉3カ所で異常 陥没事故受け緊急点検―国交省
2025年02月14日11時27分
国土交通省は14日、埼玉県八潮市の道路陥没事故を受けた全国の下水道管の緊急点検の結果を発表した。事故現場とは別の同県内の3カ所で腐食などの異常が確認された。同県は対策に着手しているという。
時事通信より
普段からやっておけよということを言うと身も蓋もないんだけど、現実的には地方自治体にはプロフェッショナルもいないし、予算もないんだよね。
トラブル切っ掛けで点検が進む
下水管の工事始まる
今回、既に3箇所で以上が発見された下水管だが、問題は下水管だけじゃないぞ。
先日、埼玉県八潮市の県道交差点で発生した巨大シンクホールだが、その原因は老朽化した下水管だった。

流石に、被害者捜索を諦めて(下水管下流からアクセスする方法に切り替えた)復旧のステージに移ったようだが、それに伴いバイパス管の設置工事が進められているようだ。
埼玉 道路陥没 排水抑制を解除 捜索に向けて下水道管工事へ
2025年2月12日 18時07分
男性1人が安否不明になった埼玉県八潮市の大規模な道路陥没で、埼玉県は、事故が起きた先月28日から下水道管に流れ込む汚水の量を減らすため関係する12の市と町に排水の抑制を求めてきましたが、これまで進めてきた対策の効果が出ているとして12日正午で解除しました。一方、捜索に向けては現場付近で下水道管をう回させる工事などを進めることにしています。
NHKニュースより
捜索を諦めたわけではないが、周囲への影響も大きいだけに復旧も急がねばならない事情がある。
全国で点検が進む
そして、同じ状況になっていないかを緊急点検し始めたと。
埼玉の事故受け腐食のおそれある下水道マンホールの緊急点検
02月12日 19時35分
1月に埼玉県八潮市で起きた下水道管の破損などが原因とみられる大規模な道路の陥没事故を受けて、徳島県は12日、腐食するおそれがある下水道のマンホールの緊急点検を行いました。
NHKニュースより
予算があるところとか、ちょっと心当たりのあるところから調査が始まったということなんだろうと思うが、冒頭に紹介したように早速異常が見つかったらしい。
異常が見つかった3カ所は、新河岸川水循環センター(埼玉県和光市)につながる下水道管。川越市のマンホール内部で腐食が2カ所あったほか、富士見市の1カ所でパイプの継ぎ目にずれが生じていた。下水道管が原因となる道路下の空洞は確認されなかった。
時事通信「下水道管、埼玉3カ所で異常」より
これを以て「今までやってこなかったツケだ」と怒りを感じる方もいらっしゃるだろうし、「未然に発見出来た」と評価する方もいるだろう。
ただ、実際のところ予算もないわけで。
事故が起きた下水道管は、埼玉県内12市町から汚水が集まり下水処理場につながる太い管路。緊急点検は、同様の管路を持つ7都府県(埼玉、千葉、東京、神奈川、大阪、兵庫、奈良)の計約420キロが対象。管路にある約1700カ所のマンホールで実施した。
時事通信「下水道管、埼玉3カ所で異常」より
今回、点検対象になったのは420kmが対象になって、約1700箇所のマンホールが点検された感じなんだが、全国の下水管総延長は49万kmである。先は長いぞ。
先は長いぞ
耐用年数50年を超えた管渠(かんきょ)の延長約3万km(総延長の約7%)もあるから、この辺りで点検できていない部分がどの程度あるのやら。
ただ、放置気味だった部分に光が当たったことで、下水管の点検はこれから進む可能性が出てきたことは良かったと思う。
でも、グラフで見ると絶望感が出てくるよね。

それと、上水の方も先は長いんだよ。
岸田首相 10月までに重要施設 上下水道設備の緊急点検の方針
2024年7月8日 20時13分
上下水道の設備をめぐり、岸田総理大臣は、老朽化や耐震化の遅れが能登半島地震での長期の断水につながったという指摘があるのも踏まえ、ことし10月までに全国の重要な施設を対象に緊急点検を実施する方針を明らかにしました。
NHKニュースより
直近だと、岸田政権の時代にも「さっさとやれ」という話が出ていて2024年10月までに緊急点検が実施しろという話だったんだよ。だけど、この時には埼玉県八潮市の事件現場は引っかからなかったかというと、対象外だった。八潮市の管は2021年度に点検していたようだが。


上がマンホール点検結果で、下が管渠点検結果である。結構異常があったみたいだけど、ここに含まれなかったというのは残念な。

なお、2024年の報告において要対策箇所が未だ残っている。結構対策にも時間がかかるんだよね。
そして上水道の方にも、ガス管にも問題が。

水道の老朽化率は2021年でこんな感じ。

インフラの整備をした時期があって、そこからずっとメンテナンスがなされていない部分があって、老朽化はあっちこっちで進んでいるんだよね。
そういえば、「コンクリートから人へ」とか訳の分からないスローガンを掲げた政党があったよね。
コメント
埼玉県の八潮市って首都圏ですよね?
おそらくインフラ整備の予算はある県ぢろうに……。
この話、実は農業問題と合わせるとヤバいんですよ。いや、話飛躍してません。
肥料に関わる事だもの!
ロシアが窒素肥料に必須リン鉱石の最大輸出国てすよね。そして戦争やっている。イスラエルとハマスで原油も割高。この中で化学肥料と燃料費が爆上がりして、離農する米農家が激増してまふ。
これが流通と共に米問題の根幹にあると。
んで、下水管の汚泥は20〜30年前まては脱水圧縮して海洋投棄していたのですが、いまは肥料作りに用いられるようなってます。なので、下水管がどこもこういう状況であるとすると、堆肥の代用物となる下水汚泥が回収が難しくなる!
今はともかく今後の農業と食料自給率上げに深刻な(いまでも深刻な自給率なのに)深刻な影を落とす事になると想うです。
インフラ修理は色々同時に押し寄せてきていますから、手が回らないのが実情のようですね。
僕の住んでいる地域の土木課の方に少し聞き取りをしましたが、プロがいないのでなかなか手間取っている感じなんだとか。
そういう時期なんでしょう、プロフェッショナルを育ててこなかったツケでしょう。
農業との絡みは分かりませんので、またちょっと調べて見たいと思います。
いまは……といっても数年前の統計ですが、肥料の10〜15%でしたかな。
少ないのですが、下水汚泥はリンなど豊かな土に必要な無機成分が豊富。
重金属類とか混じらねば、かなり有効な肥料になります。
こういう事こそ科学技術で資源化すすめるべきなのですが、また頭だけロハスな奴らが「洗剤がぁ〜」「汚い〜」とか汎用化に反対するんですよ。
汚泥発酵肥料の開発は色々やられているようで、政府としても推進したいようですね。
https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/mizukokudo_sewerage_tk_000880.html
下水処理が自治体任せなので、自治体が主体となってやっているようですが。
都市部は日中の利用者が多いから、対策していても下水管の負担は大きいもんでしょう。
そこにオーバーツーリズムがのしかかって、消耗は確実に増しているはず。
東京都の場合、R5年度に整備された大口の下水管(幹線)が8kmほど、小口の下水管(枝管)が669ヘクタール相当分(その説明ではピンと来ないが)で、下水管整備を進めているようです。
https://www.gesui.metro.tokyo.lg.jp/data/report/keiei-kankyou/kei-kan2024
東京都には十分な事業資金があるので可能でも、その他の道府県は地方交付税なしには運営ができない状態なのでジリ貧確定状態。
地方自治体は、最高裁で違憲判決が出ている「外国人への生活保護給付」なんかやめちまえ、ってな話です。