酷い議員がいたものである。
日米首脳「ケミストリー合った」自民・木原稔氏 会談は公明「100点」れいわ「10点」
2025/2/9 13:48
~~略~~
一方、国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)の地方行政官などを務めたれいわ新選組の伊勢崎賢治・政策委員(外交・安全保障担当)は、首相について「一緒に活動した盟友だからきついことは言いたくない」と言及したうえで、「100点満点の10点くらいだ。間違った政治判断で自衛隊員を1人も犠牲にしたくない。その可能性がこの日米会談で濃くなった」と懸念を述べた。
産経新聞より
日米首脳会談の評価について、NHK番組「日曜討論」で話が出ていたのだが、僕自身はこれを偶然ながらラジオで聞いていた。
日米外交の総合的な評価
事務方の努力で実った安倍外交
この記事の本筋とは違うのだが、日米首脳会談の評価について軽く述べておこう。
日米首脳「ケミストリー合った」自民・木原稔氏 会談は公明「100点」れいわ「10点」
2025/2/9 13:48
与野党幹部らが出演した9日のNHK番組「日曜討論」では、石破茂首相が7日に行ったトランプ米大統領との首脳会談の内容を評価する声が相次いだ。自民党の木原稔前防衛相は、両首脳の相性について「ずいぶん心配する声もあったが、ケミストリー(相性)が合ったという人が多い。いい意味で化学反応が起こったのではないか」と指摘した。
産経新聞より
自民党の木原稔氏は、「ケミストリーが合った」という評価を下しているが、僕はそうは思わなかった。お世辞にも石破氏とトランプ氏の関係が両行であったとは思えなかったし、トランプ氏はずっと安倍晋三に秋波を送っていた。
結局のところ、日本側は石破氏が失敗しないようにお膳立てし、アメリカ側はトランプ氏が失敗しないようにお膳立てし、なんとか日米同盟の強化を図るように腐心した。
トランプ氏が今回の会談をぶちこわさなかった理由は、石破政権が安倍路線の承継を表明したからである。
ワーキングランチで
重要なポイントは、以下の記事で概ね含まれていると思う。
続いて食事をとりながら意見を交わす「ワーキングランチ」を行ったあと、両首脳はそろって記者会見し共同声明を発表しました。
それによりますと、両首脳は世界に平和と繁栄をもたらす日米関係の新たな黄金時代を追求するとしています。
そして安全保障分野では、日米同盟をインド太平洋地域の平和と安全の礎だと位置づけた上で、同盟の抑止力と対処力をさらに強化するとしています。
また沖縄県の尖閣諸島にアメリカの防衛義務を定めた日米安全保障条約の第5条が適用されることを確認しています。
経済分野では、二国間の投資と雇用を大幅に増加するほか、AIや半導体などの重要技術の開発で世界をけん引するために協力するとしています。
さらに、互いに利益のある形でアメリカのLNG=液化天然ガスの日本への輸出を増やすことでエネルギー安全保障を強化する方針を盛り込んでいます。
一方、石破総理大臣は共同記者会見で「日本は経済面でもアメリカにとって最も緊密なパートナーだ。きょう私から『対米投資額を1兆ドルという、いまだかつてない規模まで引き上げたい』とトランプ大統領に伝えた」と明らかにしました。
NHKニュースより
結局のところ、石破氏はアジア版NATOとかいう妄言を述べるのではなく、キッチリと安倍晋三の敷いた路線を承継した。
- 日米同盟の強化を図る
- FOIP路線を続ける
- 尖閣諸島の防衛方針を確認
- エネルギー安全保障の強化で同じ方向を向く約束
- 対米投資額を1兆ドルとする
トランプ氏にとっては、安倍路線の承継は歓迎するところであったし、対米投資額を「増やす」ことは歓迎すべき内容だったと思う。ただ、2023年時点で対米投資額は7833億ドル(約120兆円)程度あったので、更にそこから積み増しするという意味である。
日米首脳会談、石破首相が対米151兆円の投資表明…「日本の投資は5年連続で世界1位だ」
2025/02/08 11:18
石破首相は7日午前(日本時間8日未明)、ワシントンのホワイトハウスでトランプ米大統領と初めて対面で会談した。首相は日本の対米投資額を1兆ドル(約151兆円)に引き上げると表明し、米国産液化天然ガス(LNG)の輸入を増やす考えも伝えた。懸案の日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収計画を巡っては、対米投資との認識を共有し、事態打開を目指す方針で一致した。
讀賣新聞より
その中身は、日本製鉄の投資や天然ガスの輸入を大幅増加するという話を加味すると、さほど無理な目標とは言えない。
要は、ここも石破氏の指導力発揮というよりは、既定路線であるという意味なのだろう。石破氏はこの話について「民間企業が達成することだ」などと後に表現していて、積極的に関わろうとはしないと予想される。
今回の一番の石破氏の功績は「余計なことを言わなかった」という事に尽きる。
「ケミストリー」って何だっけ?という風に感じた理由は、そういう話だと理解したからだ。
拉致問題の解決のためには
対北朝鮮問題
さて、日米首脳会談で気にかかったのは対北朝鮮外交絡みの話なのだが。
同氏はまた、大統領2期目も北朝鮮の金正恩総書記との関係を継続するつもりだと明言。金氏と良好な関係を築くことが誰にとっても大きな利益になると示唆した。
トランプ氏に金氏とのやり取りを再開してもらいたいかどうか問われた石破氏は、米国が決めるべきことだと答えた。
その上で、北朝鮮との複数の問題が解決するのは素晴らしいことだと発言。今後も日米は北朝鮮の完全な非核化に向けて取り組んでいくと述べた。
CNNより
石破茂首相は首脳会談後の共同記者会見で、拉致問題への「強い切迫感と解決への決意」を会談中にトランプ米大統領に伝え、「即時解決に向けた力強い支持を得た」と明らかにした。
産経新聞より
アメリカの対北朝鮮外交に関して、トランプ氏は金正恩氏と一対一で話をして問題解決に漕ぎ着ける積もりであり、恐らく日本はそこに干渉できる余地はない。
そして、拉致問題について言及した石破氏に対して、「北朝鮮との複数の問題が解決するのは素晴らしいこと」と、力強いとは思えはしないが支援を得た格好になっている。
そのこと自体は悪くないと思う。
だが、これについて冒頭に紹介したようにれいわ新選組の議員は阿呆なことを抜かしよった。
問題解決は真相究明?!
引用するのも腹立たしいのだが、伊勢崎氏は「拉致被害者は帰ってこなくても良い」という風にもとれるような発言をした。
北朝鮮による拉致問題の解決を巡っても「全員返せと願いたいが、『真実の究明』にマインドセットを切り替える必要がある。首相の掲げた連絡事務所の設置を支持したい。『真実の究明』のための日朝国交回復の正常化を支持したい」と述べた。
産経新聞「日米首脳「ケミストリー合った」」より
巫山戯た政治家が居たものである。
日本は良くも悪くも人道に関して重きを置く国である。最近の話でいえばこんなケースがあった。
残念なことに、被害に遭われた方を未だに探索しているが、生存は絶望的だろう。
埼玉 八潮 道路陥没 大型管の撤去完了 本格的な捜索へ作業急ぐ
2025年2月8日 15時27分
男性1人が安否不明になった埼玉県八潮市の大規模な道路陥没で、崩落するおそれがあった大型の管の撤去は完了し、県は本格的な捜索に向けた作業を急いでいます。
NHKニュースより
周辺住民の方々には非常に不便を強いている状況が続いているが、それでも捜索作業の打ち切りはしていない。当然、この対応が全てスバラシイ等というつもりはないが、それでも日本はそういう国である。
それを「全員返せと願いたいが」などと言い放ったのである。これは、国民が万が一被害に遭ったときに見捨てる可能性があると示唆する言葉で、流石に看過出来ない。
もちろん拉致に関する真相究明は必要である。だが、真相究明と人命を天秤にかける必要はない。先ずは、拉致被害者を取り戻す、話はそこからである。
連絡事務所の設置に意味はない
ちなみに、石破氏が提唱した北朝鮮への連絡事務所設置だが、やる意味はない。ちょっと古い記事を紹介したい。
北朝鮮が南北共同連絡事務所を爆破=韓国統一省
2020年6月16日更新 2020年6月17日
北朝鮮の朝鮮人民軍はこの日、軍事境界線がある非武装地帯(DMZ)に進入する準備ができていると警告しており、それからわずか数時間後に爆破した。
北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は、連絡事務所の爆破は「人間のクズどもと、これを黙認した連中に罪の代償を払わせるべきだと、そうやって怒る民心に応えた」ものだと、独特の言い回しで強調した。
BBCより
このニュースは、韓国が北朝鮮に設置した連絡事務所が、北朝鮮によって爆破された話である。
爆破に対する明確な理由はなかったが、単なるパフォーマンスだろう。そして、この連絡事務所が何の役に立ったのかは不明だが、爆破されたのはムン君が大統領であった時代だ。従北派が大統領であってもこの始末なのだから、日本が連絡事務所を作って有効に機能するとは思えない。
人質を北朝鮮に贈るようなものだ。
そういう意味では、石破氏もこの看板を下ろさない限りは支持できない(人質を帰さなくて良いと直接言わなかっただけ未だマシ)ってなことになるのだが、れいわの外交安全保障担当の伊勢崎氏とはこういう思想の持ち主だということである。いつまでもこんな人物を議員にしておいてはならない。
支那は侵略者じゃない?!
なお、日曜討論会における伊勢崎氏の発言は、どれも酷かったが、支那に対してもこんな発言をしていた。
中国に関しては、一つ申し上げます。ジミー・カーターさん。亡くなる前に、確かNewsweekだったか、こういうことを言っております。米中が国交正常化した1979年以来、中国がいくつの国に対して戦争を始めたか、侵略戦争をしたか。これは別に珊瑚礁を埋め立てるんじゃなくて。ゼロなんですね。ゼロ。
Xのポストより
平気で嘘をついたので、早速コミュニティノートが弾着している。
- 1948年~1951年 : チベット侵攻・併合
- 1950年6月25日~1953年7月27日 : 朝鮮戦争への大規模派兵
- 1953年~ : 九段線の主張
- 1970年代~ : 尖閣諸島の領有権主張
- 1979年2月17日~同年3月16日 : ベトナム侵攻開始
1979年以降という風に線を引いているんだけど、そうすると少なくともベトナム侵攻の話は引っかかる。そもそも、1972年2月21日にニクソンが支那を訪れる。そこから国交正常化の話が出てきて、1979年1月1日に国交正常化を果たす。その後にベトナム侵攻をやらかしているので、ゼロというのはあり得ないんだよね。どういうカウントをしているのだろうか?
こんな認識で、支那との関係改善を!と訴えるのだから、もはや国賊ではないかと疑ってしまうほど。まあ、れいわがそういう政党なんだけれども。
コメント
真実の究明?
真実は日本人を暴力で誘拐して監禁して返さず人生を破壊した!
そういう事でしょう。それが真実だ!!
優先すべきは被害者奪還ですから、そのために政治をやって欲しい。
こんにちは。
>アジア版NATOとかいう妄言を述べるのではなく、キッチリと安倍晋三の敷いた路線を承継した。
ここまでの数日で、きっちり「再教育」が成されたのではないでしょうか?
誰がやったかまでは分かりませんが……
れいわに関しては、いずれ発言の責任を取ってもらいましょう。
あ、人質交換でもいいかも。
……あっちも、こんなクズはいらないか……
こんにちは。
まさに「再教育」ということなのでしょうが、トランプ氏側も随分と言いたいことを封印した雰囲気が。
日米双方の裏方が頑張ったということなんでしょうね。
れいわは……、ないわ。