まーた、支那人の犯行だろうか。
バルト海でまた海底通信ケーブル損傷 スウェーデン、関与の疑いある船を拘束し捜査
2025/1/27 18:51
バルト3国のラトビアと北欧スウェーデンを結ぶ海底通信ケーブルが26日、外部要因によって著しく損傷していることが分かった。
産経新聞より
数日前のことだが、バルト海でまた海底通信ケーブルが損傷してしまった。
前回も、最初はロシアの関与が疑われたのだけれど、支那人の闇バイト的な犯行だったようだ。今回はどうなんだろうね。
ハイブリッド戦に繋がる話
再び海底通信ケーブルが狙われる
まずは前回の記事を。
2024年11月17日頃にバルト海にて、2本の海底ケーブルが切断されてしまった。
1つはフィンランドとドイツを結ぶ海底ケーブルで、もう1つはリトアニアとスウェーデンを結ぶ海底ケーブルである。
そして、後に犯人が発覚。
犯行に用いられたのは貨物船「伊鵬3」という支那人の運航する船で、どうやらロシアからお小遣いを貰って犯行に及んだ疑いが強いという話であった。
さて、今回の海底ケーブル損傷は誰の犯行だったか?なのだが……。
スウェーデン当局が損傷に関与した疑いがある船舶1隻を拘束して捜査を始めた。
産経新聞「バルト海でまた海底通信ケーブル損傷」より
既に船舶が拿捕され、どうやらマルタ船籍だった模様。
バルト海ケーブル損傷でスウェーデン・ラトビアが捜査開始 船舶拿捕も
2025/01/27 21:48
北欧バルト海でスウェーデンとラトビアを結ぶ海底の通信ケーブルが損傷していることが確認され、スウェーデン当局は、捜査の一環としてマルタ船籍の船舶を拿捕しました。
gooニュースより
何処かにも書いたが、便宜置籍船の話はかなり厄介な問題である。
何しろ、犯人の逮捕ということが難しいのである。前回の支那人の犯行も、取り締まりができていないと思う。
疑わしいロシア
さて、前回も指摘はしたのだが、真っ先に疑われているのはロシアで、恐らくは実行犯は別の国の人間だと言うことなのだろう。
バルト海では昨年11月以降、ロシアの破壊工作が疑われる海底の電力・通信ケーブルやパイプラインの損傷が相次ぎ、NATOが今月から監視と取り締まりの強化に向けた作戦を発動した。
産経新聞「バルト海でまた海底通信ケーブル損傷」より
去年11月の犯行も、ロシアの関与が疑われていた。しかし、ハッキリしたことは分かっていない。犯行に及んだ支那人は支那に帰国してしまったし、支那共産党は取り締まりに協力的ではない。貨物船「伊鵬3」は支那船籍だったので、支那に捜査協力を依頼したのだが……。
バルト海ケーブル断線、関与疑い船の捜査要請に中国応じず スウェーデン外相
2024年12月24日 10:23
スウェーデンのマリア・マルメル・ステネルガード外相は23日、バルト海で海底通信ケーブルの断線が相次いだことに関連し、関与の疑いが持たれている中国船を対象とする各国当局による調査への協力を中国が約束していたにもかかわらず、スウェーデン検察の捜査要請は拒否されたことを明らかにした。
AFPより
拒否されたらしい。
今回は、マルタ船籍なので捜査協力というのも端から期待できないのだが、果たして何か捜査に進展はあったのだろうか。
多分、そう簡単には行かないのだろうね。
では、何故ロシアが?という話なんだけど、これはスウェーデンがNATOに加盟したことと関係している。
バルト海は「NATOの海」に:スウェーデン加盟がロシアに与える打撃
2024.03.06
スウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟によって、バルト海のほぼ全域が「NATOの海」と化し、バルト三国の防衛・抑止態勢も大幅に強化される見通しとなった。昨年のフィンランドに続くスウェーデンの加盟は、ウクライナ侵略戦争がもたらした地政学的反作用であり、ロシアのプーチン大統領には手痛いしっぺ返しとなりそうだ。
nippon.comより
ロシアにとって黒海とバルト海は海軍を運用する上で極めて重要である。ただし、NATOの勢力拡大と共に両方の権益を失いつつある。それはロシアにとって看過し難い話なのだ。
もう1つの戦争
ロシアがバルト海を失うと言うことは、海軍機能の大半を失うことになりかねない。

バルト海に面する都市、サンクトペテルブルグ近郊のクロンシュタット。そして、ロシアの飛び地であるカリーニングラードは古くからのロシアの軍港があり、現在はカリーニングラードにその機能が集約されているそうな。司令部はサンクトペテルブルグにあるそうだけど。

ここを拠点とするのがバルチック艦隊(現在はバルト艦隊と呼ぶらしい)である。
ロシアにとってこの艦隊と軍港の機能は、代替する場所がないだけに失う訳にもいかない。
【ロシア制裁で起こる“もう一つの戦争”】バルト海でのロシア・NATO衝突の火種
2025年1月14日
2024年12月15日付のウォールストリート・ジャーナル紙は、ロシアとドイツ両海軍による緊張状態を例に、バルト海が北大西洋条約機構(NATO)とロシアの衝突の火種になりかねないと警告し、同じくバルト海で発生した海底ケーブル切断事件との関連で、ロシアによるハイブリッド戦争への対応の難しさを解説している。
Wedge ONLINEより
ここの解説がナカナカ興味深かったが、スウェーデンとフィンランドのNATO加盟はロシアにとってはかなり衝撃的な出来事だった。
海底通信ケーブルの損傷は、ロシアが関与していると疑っているのはこういった流れによるもののようだ。
中国の貨物船「伊鵬3号」がバルト海における2つの海底ケーブルを故意に切断した疑いで11月19日に拘束された。同船は現在、警察船とNATO艦艇に囲まれている。捜査官らは、中国船長がロシアの諜報機関にそそのかされて、同船の錨でケーブルを切断したと考えている。
Wedge ONLINE「バルト海でのロシア・NATO衝突の火種」より
何しろ、通信ケーブルの切断によるインターネットの遮断は、各国にとって極めて影響が大きい。
衛星通信を使ったら良いという方もいらっしゃるが、無線通信は有線通信よりも信頼性が低いんだよね。
そして、こういった通信ケーブル破壊の影にはロシアからの原油輸出にも関連があるとか。バルト海はロシアにとってはチョークポイントになるのだ。
バルト海のほぼ中央に浮かぶゴットランド島も随分と物騒なことになっているようだね。
追記
コメントいただいた件で、少し追記を。
「インターネットを囲い込む」ロシアがウクライナ占領地を分断、その狙いとは?
2022/8/17(水) 7:16
ロシアがウクライナから占領地のインターネットを分断している――。
間もなく半年となるロシアのウクライナ侵攻で、支配地域での新たな動きが指摘されている。
ロシアが占領地のインターネットを、ウクライナのネットワークから次々と分断しているのだ。それまで首都キーウ経由で世界のインターネットにつながっていた地域が、占領後にはウクライナから切り離され、ロシアの「デジタル鉄のカーテン」の中に囲い込まれているという。
その結果、ユーザーはグーグルやフェイスブックが使えないだけでなく、通信や通話の監視にもさらされているという。
「ハイブリッド戦」となったウクライナ侵攻では、インターネットもサイバー戦や情報戦の”戦場”となった。
Yahooニュースより
戦争における通信・情報の重要は古来から比較的よく知られている話だと思うが、第一次世界大戦頃になると無線通信による通信と傍受が戦略の鍵となっていた。この頃から、通信の発達と共に通信の暗号化が進んでいくことになる。
そして、通信と暗号の技術開発に血道を上げるのが第二次世界大戦である。
開戦直後に海底ケーブルを切断した英国
1914年6月、セルビア人青年がオーストリア皇太子夫妻を暗殺した「サラエボ事件」に端を発した第1次世界大戦。英国はドイツへ宣戦布告したその日のうちに、ドイツの海底ケーブルを切断した。
これによりドイツは海外との通信を、無線か英国経由の国際ケーブルで行わなければならず、必然的に通信の暗号化を迫られることになる。一方の英国は、傍受した電信を通称「40号室」と呼ばれる海軍省暗号局に回し、無線や英国を経由する電信を通してドイツの暗号解析に励んだ。40号室の成果として上げられるのが「ツィンマーマン電報」の解読である。
HH News & Reportより
海底通信ケーブルは、1851年にイギリスとフランス間のドーバー海峡に敷設されたのが最初で、それ以降様々な工夫がなされてはきたものの、未だに破壊に対しては脆弱である。
無線通信化が有効であればそうなっているのだが、通信速度の問題を考えるとどうしても有線の方に軍配が上がる。そして、大量のデータに支えられた社会インフラが構築されると、そこを攻撃されるときの脆弱性が。
そもそもインターネットの発達は軍事技術によって支えられたという話は結構有名で、ARPANETがその基礎となって分散型ネットワークの構築という変遷を辿っていくようだ。ただし、便利なネットワーク通信の発達によって、政府機能や経済機能までネットワークに依存するようになっている。その基幹インフラとなっているのが海底通信ケーブルなのだから、ここを攻撃するという戦略は比較的容易に思いつく話で、更にこれがかなり有効である事は実証されてしまっている。
分散型のネットワークなので、海底通信ケーブルを1本切断したところで直ぐに通信できなくなるという事はないのだが、通信トラフィックが増大することで結果的に機能麻痺してしまうという。EUは電力網も発達しているので、通電ケーブルの破壊も有効なんだろうけれども。
確か、パリ五輪ではそこを狙われたテロが発生したのではなかったっけ。いや、あれは鉄道が狙われたのだったか。
何れにしても、インフラ破壊は社会の混乱と停滞を招く。戦争を有利に進める上ではこういった施設を破壊していくという思想に至るのは、実に理に適った話なんだろうね。
コメント
海自さんにはケーブル修復架設船あるそうですね。これ木霊様の記事を読むうちに興味もって解ってきたんですけれど。
私はVRゲームとかやって(VRゾンビゲームやりたくて買ってしまった????)サイバースペースとかな気分してたんですけど。
実際、木霊様や七面鳥様のお子様の世代はもう疑似サイバーパンクな世界に生きてる。でも、そのサイバースペースが「らしい」のは送信施設から端末までの上での事であって、それらを支えるのは海底ケーブル、海底ケーブル、巨大データセンター、発電所…なんですね。
サイバーどころか徹底的に物質的なインフラに支えられている!
で、最も大事なのは海底ケーブルで。
つまりは非常に脆弱なインフラに支えられてるんですね。
もちろん軍事用とかは、インディペンデントだったり、衛星回線利用とかあるんでしょうけれども。もはやインターネット無しでの生活は存在し得ないので、それらの大半が簡単に破壊活動されうる海底ケーブルに頼ってるってのは、海底ケーブルと、接続する地上施設を「新たな地政学的な要衝」として国防戦略を改訂する時期に来ているとも思えるのですよ。どーなんだろ??
ご指摘の通り、重要インフラだと捉えて破壊する手法が色々と研究されているようですね。
この辺りはロシアがしっかりと戦略に組み込んでいるようですね。
2014年のロシア軍によるクリミア侵攻の時にも通信環境が狙われたそうで、この時狙われたのは電波だったようですけれども。
こんにちは。
懲りねぇな。
というか、
・「もうお金もらっちゃったしな……」で、あまり深く考えずに走錨した
・ご時世がこうである事を全く知らずにやらかした
・確固たる意思の元、回りに流されることなく初志貫徹した
マルタ船籍のアホンダラは、このどれでしょうかね……
もう、この際、
・事故発生時間帯に、事故発生地点付近に居た奴は全部「黒に近いグレー」で拘束
・ケーブル修理費は船会社に請求
・もし、トランスポンダ切ってる奴が居たら(入港出港履歴である程度追えるでしょう)、海賊行為疑いで武力行使も可
くらいの対応しないとダメでしょうね。
翻って、海保と海自には、他山の石としていただきたい所です。
おはようございます。
お仕事を請け負っても、逃げ切るだけの環境があるので平気でやっちゃうんでしょう。
そこを国際的に罰する法制度を構築すべきだと思いますよ。故意にケーブル切断した疑いがあれば、積極的に調査を行い、それを国家として拒むのであれば経済制裁するくらいの仕組みを作っても良いように思います。
ロシアと支那が、バルト海海底ケーブル切断の黒幕でしょうけど、
一連の破壊工作は、ひとつにはノルドストリーム1&2の破壊に対する報復であり、
またもうひとつにはウクライナ戦争の延長線上のバルト海非対称戦なのでしょう。
木霊さんの以前の記事「ウクライナはテロ支援国家だったのか?」(2024.09.07)で、
“ウクライナがフランスと握って、ロシアとアフリカで場外戦をしている”、
とコメントしましたが、同じようなことが今度はバルト海で行われているようです。
おそらくロシアは、支那からより高度な非対称戦のテクニックを学び、
さらに支那の現地協力を仰ぎながら、EUに非対称戦を仕掛けているんでしょうね。
いずれは日本も支露から同じことをやられる可能性が高いと思いますよ。
ノルドストリームの話もありましたね。
ウクライナ犯人説は色々と浮上していましたが、あれも本当だったのかどうかは。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR145RH0U4A810C2000000/
ドイツ連邦検察庁が動いたとしていますが、ドイツとロシアの関係を考えるとねぇ。
そして、ご指摘の非対称戦の話も、今後一層注意しなければならないと思います。
実際に、サイバー攻撃など一部の犯行は非対称戦の関連が高いと思いますし。