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トランプ氏の宣言通りパリ協定離脱しDEIからも距離を

北米ニュース
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予定通りだけど、早かったなー。

トランプ新大統領 「パリ協定」から離脱する大統領令に署名

2025年1月21日 9時11分

アメリカのトランプ新大統領は「私はただちに不公平で、一方的なパリ協定から離脱する」と述べて、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」から離脱する大統領令に署名しました。

NHKニュースより

パリ協定離脱か。これでカーボンオフセットトレンドも終了だね。

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アメリカの行きすぎた政策を修正

パリ協定から再び離脱

TikTokの話は昨日書いたが、トランプ氏はその他にも怒濤の勢いで色々と大統領令に署名したようだ。

うん、まあ、トランプ氏らしい。空気を読まずにアメリカの利益を最優先である。

「パリ協定」をめぐっては、トランプ大統領が1期目の政権時に「アメリカの製造業を制約する不公平な協定だ」などと主張して離脱し、その後、バイデン前政権で復帰していました。

NHKニュース「トランプ新大統領 「パリ協定」から離脱する大統領令に署名」より

バイデン氏が余計なことをやったので、再びアメリカはパリ協定に復帰し、再び離脱という良く分からないムーブをとることになった。

だけど、パリ協定に関して言えば、アメリカの努力は確かに必要なんだけど……。

正直、支那が努力しないとこの問題は解決不可能なんだよね。なおこの数字、支那から出た数字をそのまま採用しているので、実態は更に酷い可能性もある。

そして「その他」も増えているので、全世界的に努力が必要という話にはなるんだろうけれども、支那が努力する気さらさらない状況で、アメリカが努力する気になれないというのは、素直に理解できる。

多様性・公平性・包括性(DEI)から距離をおく

更に、DEIも停止する方針のようだ。

トランプ新大統領「性別は男性と女性だけ」 就任演説で表明、多様性推進「DEI」停止へ

2025/1/21 05:37

トランプ新米大統領は20日の就任演説で、「本日から連邦政府が認める性別は男性と女性だけだ」と宣言した。LGBTQ(性的少数者)の権利を擁護してきたバイデン前政権とは対照的な姿勢を鮮明にした。

産経新聞より

正直、アメリカはDEIの方向に舵を切りすぎて社会の混乱を招いてしまっていた。

BLM運動は単なる暴動になってしまったし、LGBTQ権利擁護の方針は女性の権利を蹂躙してアメリカ社会を混乱させただけであった。

トランプ氏は演説で、「公私を問わず生活のあらゆる局面に人種と性別を組み込もうとたくらむ政策を終わらせる」と断言。少数派の権利向上を通じて社会の活性化を目指す取り組み「多様性・公平性・包括性(DEI)」の推進を停止する意向も表明した。

産経新聞「トランプ新大統領「性別は男性と女性だけ」」より

トランプ氏の方針は過激だが、DEI推進は社会の混乱を助長するだけだったというのは、冷静な視点を持つ片なら誰しも思うことだろう。

トランスジェンダー女性が女性と同じ扱いというのは、やはり無理がある。人間は不平等なもので、完全に平等という状態は存在しない。

DEIの理念は尊重されるべき物かも知れないが、行きすぎは問題だと思う。個別の事案には個別に対処するしかない。

WHOからの脱退

更にこれも「やっちまったなぁ」という印象が強い。

トランプ大統領 WHOからの脱退を表明 大統領令に署名

2025年1月21日 10時56分

アメリカのトランプ新大統領はWHO=世界保健機関から脱退すると表明し、大統領令に署名しました。

WHOについて、トランプ氏は1期目の政権時に新型コロナウイルスをめぐる対応が中国寄りだと批判し、脱退することを国連に通知しましたが、バイデン前大統領が就任初日にこの方針を撤回していました。

NHKニュースより

これも賛否両論なんだろうけれど、武漢ウイルス感染症の蔓延を防げなかったWHOの存在価値を問われるのは無理もなかろう。

WHOにとっては、最大の出資国アメリカが脱退することで、支那から資金を得るしかなくなって、更にWHOの支那支配が加速することになると思われるが、正直もう手遅れだと思うんだよね、あの組織。テドロス氏も今頃真っ青になっているのではないか。

不法移民問題には毅然と立ち向かう

そして、アメリカが今一番悩んでいる不法移民問題も、解決する方向に向かうようだ。

トランプ氏「米国の主権取り戻す」 就任演説で不法移民問題に照準、反エリート色も前面

2025/1/21 04:47

米国のトランプ新大統領は20日(日本時間21日未明)、首都ワシントンの連邦議会議事堂で就任演説を行い、その多くを国境や不法移民問題への言及に費やした。また、米国にとっての危機は政府機関などへの「信頼」が失われていることだとし、その原因は「急進的で腐敗したエスタブリッシュメント(既得権益層)」にあると主張。支持者がエリート層に抱く不満に訴えかけた。

産経新聞より

不法移民の容認は、努力したアメリカ国民が報われない社会を作るという意味でもあるので、少なくとも合法的に移民となってきた方々を保護する意味でも、不法移民を野放しにする気はないということなんだろう。

トランプ氏はまた、1798年に制定された戦時法「敵性外国人法」を適用し、都市部での犯罪撲滅に向けて連邦政府と各州政府の法執行機関を総動員すると強調。「法と秩序を回復する」と語った。

産経新聞「トランプ氏「米国の主権取り戻す」」より

不法移民が犯罪の温床になっている事実から目を背けたところで、アメリカ社会は良くならないからね。

とくに支那からのスパイ活動には手を焼いているアメリカにとって、不法移民を放置するのは悪手になりかねない。

領土拡大?!

ただまあ、おかしな事を言っているのも事実だ。

米国は「パナマ運河取り戻す」、トランプ氏就任演説で

2025年1月21日午前 7:46

トランプ米大統領は20日の就任演説で、太平洋と大西洋を結ぶパナマ運河を「取り戻す」と表明した。西部開拓時代に領土拡張を正当化するために使われた標語「マニフェスト・デスティニー」を引き合いに出し、宇宙開拓計画についても触れた。

パナマ運河は米国が数十年にわたり運河の大部分を建設し、完成後には管理権を握っていたが、99年にパナマに全面返還していた。

ロイターより

このパナマ運河発言も、やや突飛な話に映る。

パナマ大統領「中国の関与ない」-運河侵害とのトランプ氏主張巡り

2024年12月27日 4:23 JST

中米パナマのムリノ大統領は、中国はパナマ運河と何の利害関係もないとしたほか、米国の軍艦が支払う通航料は他国と同額だと説明。同運河を巡るトランプ次期米大統領の主張を一蹴した。

Bloombergより

ただ、パナマは支那との国交を樹立したのが2017年で、それ以降、支那からの資本が随分と入っているのは事実だ。

国交樹立から1年、FTA交渉開始へ

2018年06月19日

パナマのアウグスト・アロセメナ貿易産業相は6月12日、中国の鍾山商務部部長と北京で会談し、2国間自由貿易協定(FTA)の交渉を開始すると発表した。第1回交渉会議は7月9~13日にパナマで開催される。2017年6月12日、パナマのフアン・カルロス・バレーラ大統領が台湾との外交断絶と、中国との国交樹立を宣言してから1年の節目での発表となった。

JETROより

友情を経済で圧倒、台湾と断交のパナマで中国支援の鉄道計画

2018/5/20 15:00

昨年6月に台湾と断交し中国と国交を樹立した中米パナマで、中国支援による鉄道建設に向けた調査が始まった。パナマ同様、台湾と断交し中国と国交を結んだ隣国コスタリカに接続する。台湾と外交関係を持つ19カ国のうち、10カ国は中南米とカリブ海に集注する。中国との国交がもたらす果実を目の前で見せる、ショーケースとなりそうだ。

産経新聞より

パナマは一帯一路計画に賛同し、参加するという意味不明な展開になったが、それを契機に支那からの支援を色々と受けられる可能性が広がった。

そして、支那からの不法移民のアメリカへの送り込みを、パナマの犯罪組織が担っていたという事案も発生している。

中国人移民にジャングル迂回の「VIPルート」提供、15人逮捕 パナマ
【8月8日 AFP】パナマの国境警察は7日、「VIPルート」と呼ばれる、隣国コロンビアとの間に広がるジャングルを迂回(うかい)する経路を使って米国に向かう中国人移民の国内通過を支援していたとして、犯罪組織に関係する15人を逮捕した。

トランプ氏はメキシコ湾をアメリカ湾に改称するという発言もしているし、グリーンランドを手に入れるというような発言をしている。更に、カナダに向かって「アメリカの州になれ」などという暴言を。

これらの発言が「領土拡大」に集約されていて、一見荒唐無稽に感じる話ではあるが、トランプ氏の狙いもなんとなく見えてくる。

結局、MAGA(Make America Great Again)なのだ。エキセントリックなトランプ氏の発言は、真の狙いが別にあって、引っかき回すことが目的にようにも思える。が、良くも悪くも、これからの世界はトランプ氏に振り回されていくのだろう。

これに対して日本政府は、日本の利益のためにしっかり備えていく必要があったのだが……、石破政権が何をやっているのかと言えば、これが良く分からない。えぇ?夫婦別姓?それ今議論する必要あるんですかね。

しっかりした方針を打ち出すリーダーに変えて欲しい、と切に願うのは僕だけではないと思うのだが。

コメント

  1. 山童 より:

    合理的に考えると、パナマは米国が押さえてくれた方が世界の運輸的には良いでせう。
    スエズをブリカスに返せは反対てすが。
    グリーンランドにしても、レアアースがある以上、安くはならないがデンマークじゃ採掘開発する底力なさそうだし。ただ…トランプ米国が力押しでそれやっちゃうと、世界中の領土問題に点火せんか?そこ怖いすねぇ。大ぶりな意見でスマソですが、第二次大戦後の長い「戦後≒現代史」が終わろうとしている気がする。

    • 木霊 木霊 より:

      札束を使った外交で押さえるのでしょうから、ロシアのように武力を使ったやり方に頼らなければ「領土問題」には発展しないでしょう。
      でも、トランプ氏は「領土拡大」という凄いメッセージを出しちゃったので、それで荒れる展開ですよね。
      まあ、良くも悪くも目立つ方なので。

      • 山童 より:

        ただ……米国がグリーンランド開発してくれれば、代償は高くても中国の独壇場を崩せると想うんですよ。
        それは日本の安全保障にも関わってくると想うんですね。ロシアが近い事も不安要素なわけで。
        それと現実的に温暖化により北海航路運用が現実となった時に、日本は欧州とアジアのハブになると想うので、米国が支配する方がリベラル(ケッ!)な北欧に任せるより安全性が高い。
        日本が1枚噛むには浮上の心配が無い原潜を持つ必要はありますが。

  2. 砂漠の男 より:

    米国はブッシュ父時代にパナマ侵攻(1989年)を行い、一時パナマを占領し、ノリエガ将軍を”逮捕”しました。米国が「警察権を行使した」ということは、米国が施政権をもつという主張ですが、当時のパナマは共和制主権国家でした。
    あまり考えたくないことですが、トランプ第2次政権は対支那強硬派の集まりで、支那と昵懇のパナマから運河を奪回するつもりでいます。冗談抜きで。
    すでに米識者やパナマ当局者から、2度目のパナマ侵攻云々の発言が出ているのは不吉です。

    • 木霊 木霊 より:

      流石に今の時代、ノリエガ将軍逮捕みたいなことはやらんでしょうが……。
      でも、中南米はアメリカの裏庭ですから、余り勝手なことをやらかされると、アメリカが軍事的な介入をする展開はあるかもしれませんね。

    • 山童 より:

      私は歓迎なんです。
      ノリエガの件は書いて下さりありがとう。
      スエズとパナマは世界物流の拠点です。これが2つの大洋を結ぶ結節点ですから!
      だったら、パナマ侵攻してでも米国が支配してくれる方が、西側的には物流が安定する可能性があるかと。
      グリーンランドも金と武力で奪ってしまえと考えてます。
      嫌な話ですが、日本は今は米国とは切り離せないというか、独立しようのない段階ですよね。単独で自国を守れない状況だもの。なら米国の野郎が物流とレアアースを支配してくれる方が、今は役立つと想うすが。思考の浅い男なので、暴論とは想うのですが、砂漠の男様や木霊様の御意見を伺いたいです。
      私は21世紀は水や食糧やエネルギーの争奪戦になると考えていまして、19世紀の帝国主義的な世界に戻ると考えてます。
      いいように従属させられるのは嫌ではありますが、単独で自国を護れない我が国にとって、暴力的でも米国が主導するのは仕方ないと思っているんです。

      • 山童 より:

        トランプの無茶振りを利用して、少しでも自国防衛を自立できる方向に持ってゆくべきと思います。

      • 砂漠の男 より:

        米国というよりトランプ第2次政権は、支那のグローバルな影響力を殺ぐ、排除していく政権です。そして、それは今や必要不可欠なことだと思っています。
        支那は、国際法を無視し、他国に損失を与えるアウトローという一定の評価が出来上がっていますし、他民族や自国民を弾圧する専制国家でもありますから。
        そういう支那が、国際物流や軍事拠点の要衝を押さえることは安全保障上の脅威なので、(米国一強も大問題には違いないんですが、)毒をもって毒を制すごとく、米国に支那を封じ込めさせ、弱体化させることが、日本にとって最善の選択肢でしょう。
        ただ、米国に頼りっぱなしの日本というのも卑下た話なので、日本の未来は『日本人』が選択できるようにしませんと。それはこれからの我々次第ですね。

      • 木霊 木霊 より:

        この問題の根幹は、現状で日本が単独で自国防衛ができるのか?という点にあると思います。
        武力侵攻があれば、それを海上自衛隊や航空自衛隊で撃退し、最終防衛ラインを陸上自衛隊にお任せするという発想であると思いますが、これはあくまで物理的な侵攻に対してのみであると思います。
        通商破壊やそれに類するシーレーン防衛を考えると、もはや単独で自国防衛をすることは叶わないのが現状でありますが、それでも独自である程度は守り切る必要があります。それに関して、多少は備えがあって解釈の範囲内ではありますが、現行法制下でも防衛はできると思います。
        が、食糧や水のトラブルを考えると話は一気に複雑になります。あと半導体の供給網なども含めて考える必要があるのでしょうが。

        そこで唯一の同盟国であるアメリカの力、というかアメリカの威を借りるということになるわけですが、個人的にはアメリカを信用するのは危険で、クワッドや日英同盟、AUKUSなどの枠組みを増やしてその一翼を担える存在感を示す必要があると思っています。
        何かあればアメリカとの同盟を大切に考えるべきだという論陣を張っている弊ブログでありますが、その「同盟」はもっと広く戦略的に作り上げるべきでしょう。そういう意味で、GCAPの存在はなかなか秀逸だと思っています。まあ、戦闘機が完成すれば、の話でありますが。
        そして、レアアースの問題に関しては、日本海に多数あるのですから、そこの開発をして採算ベースに載せられなくとも、いざとなったら自前で賄える体制を構築していくべきだと思います。開発に関わる技術自体は無駄になりませんしね。

        • 山童 より:

          おふたりとも丁寧な解答ありがとうございます。リアリズムという点でとても納得のゆくご返答でした。中国をここまで世界秩序の脅威としてしまった米国や日本の下心にも責任はありますが、なった以上は抑え込む工夫するしかない。ただその時に無条件に米国を信用するのはヤバいという御言葉も解る。トランプ政権は米国ファーストと公言しているのだから、
          国益に沿わねば日本を裏切る可能性は常に視野に入れねばなりないと。難しい時代てすが、それが日本人の試練なのでしょう。

  3. BOOK より:

    >領土拡大
    もし日本が米国の51番目の州になったら、、、
    人口・州兵軍事力・経済力の全てで飛び抜けたトップ州に踊り出て 日本(州)は米国を支配出来る。てジョークを思い出しました。

    もういっそ トランプ政権スタッフのチョンボで、 日・英・加・台・豪 ぐらいを併合

    の積もりがが逆に支配され、、、 と思ってたら、あらあら史上最高・最強の(米)帝国

    ついでに 天皇家、エリザベス家の輪番君主政とかなると面白いなあ、、、と妄想(笑)

    • 木霊 木霊 より:

      現実問題として51番目の州になるというのは、なかなか賛成できない話であります。
      結局のところは日本の象徴たる天皇を失うか否か、というところで躓くのだと思います。

  4. さと より:

    そういえば日本がアメリカの51番目の州になり気が付いたら日本人が大統領になっていたという漫画がありましたなあ。多分40年くらい前のショートギャグマンガでしたが。
    ちょっと調べたら2005年にそのような題の本が出てました。こちらは大統領にはなっていないようですが。

    • 七面鳥 より:

      横合いから失礼。

      当方が新入社員当時、会社の先輩が同じような事言ってました。
      曰く、
      「日本を51番目の州にしたとして、日本人の人口から言って、結託すれば大統領を当選させられる」
      まあ、アメリカの選挙制度から言うと難しいのですが(全体の総数ではなく、各州で勝つ必要がある)……やり方次第では、有り得る話かと。

      ※似たようなことを、地方自治体と、事もあろうに国政選挙でやられている某島国がありますが……大陸と半島に浸食されるのを、ここらでくい止めないと……

    • 木霊 木霊 より:

      日本の48番目の県にするくらいの気概を持ちたいと思っていますよ。