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支那、チベットに世界最大級のダム建設を決定

中華人民共和国ニュース
この記事は約7分で読めます。

コメントを頂いたけれども、これはちょっと触れておきたい。ああ、サムネに使っているのは、三峡ダムの建設中の写真なので、今回の話とは直接は関係しない。

中国がチベットに世界最大級のダム建設決定、「川を武器化」と批判するインドとの対立激化か

2025.1.9(木)

中国がチベットに建設する世界最大級のダムが周辺国に波紋を広げている。特に反発を強めているのが、中国がダムを造る川の下流に位置するインドだ。中国が2021年に計画を明らかにしてから、インドは「川を武器化している」と批判しており両国の対立激化は必至だ。

JB Pressより

最近、JB Pressの記事にはやや疑念を抱いているのだけれども、チベットにダムを建設する話は事実だ。

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巨大ダムは兵器にもなる

巨大ダム計画はチベットに

先ずはロイターから引用しておく。

中国、チベットに世界最大級の水力発電ダム建設へ

2024年12月26日午後 4:09

中国はチベット自治区を流れるヤルンツァンポ川の下流に世界最大級の水力発電ダムを建設する計画を承認した。

中国の二酸化炭素(CO2)排出量削減目標の達成において大きな役割を果たし、関連産業を刺激し、チベットでの雇用を創出すると期待されている。新華社通信が25日に報じた。

ダム建設費用は、2542億元(348億3000万ドル)を要した三峡ダムを上回ると予想されている。

ロイターより

場所がしっかり明記されていないし、ロイターの記事hでどのような計画かはっきりはしないのだが。

FORUMに関連記事があった。

中国共産党が武器化する 水

3月 6, 2024

水は天然資源の中で最も貴重なものだ。中国は、1950年代初頭に毛沢東(Mao Zedong)率いる中国共産党が併合するまでインドとの緩衝地帯として機能していたチベット高原を今も統治しているため、アジアの水を支配している。

2022年半ば以降、中国は水資源に恵まれた高地を源流とする国際河川の越境流を、危険なダム建設計画によって武器化しようとする動きを強め、安全保障上の懸念を引き起こしている。

FORUMより

この記事にあるように、蔵木ダムと呼ばれるダムが既に完成していて、その周囲に更に大規模なダムを造る計画らしい。

蔵木ダムは既に完成

こちらの蔵木ダムもヤルンツァンポ川をせき止めてダム建設をするとして、インドから非難の声があがった計画である。

チベット最大の水力発電所建設が着工、ヤルンツァンポ川がせき止められる―中国

2010年11月15日(月) 16時53分

2010年11月13日、湖南日報によると、チベット高原を流れるヤルンツァンポ川(中国名・雅魯蔵布江)がせき止められ、蔵木水力発電所の主要部分の建設が始まった。

記事によると、同水力発電所は総投資額79億元(約984億円)かけてヤルンツァンポ川主流の中流部に建設、チベットで初めての大型水力発電所となる。2014年から部分的に稼働を開始する予定で、チベット中部地域の電力不足の緩和に期待が寄せられている。

レコードチャイナより

レコードチャイナの記事なのだが、写真が公開されていたので引用した。

支那にとってはこんな感じの河川なので、「便利に使ってやるぜ」くらいの話なのだろうけれど、この下流にある国にとっては困った話。

この蔵木ダムは完成してから物議を醸し出した。

中印で水資源の争奪戦が勃発? チベットのダム稼働で高まるインドの警戒感

2015年1月6日

中国チベット自治区にヤルツァンポ(雅魯藏布)川という渓谷を縫って流れる美しい河川がある。この河川にチベット地区で初の大型水力発電所が作られ、11月に発電機の一組が稼動し、発電を開始した。しかし、この大型ダムに対して下流のインドで批判的報道がなされ、警戒感が高まっている。中国との国境係争を抱え、兵士の越境事件が起きているインドにおいて洪水の可能性や生態系の破壊だけでなく、水資源の支配権を握られるのではないかという戦略面での不安が増しているのだ。

Wedgeより

支那にとってかなりの発電能力が期待できるのだが、ダムの規模自体はさほどではなかった。当時はね。

藏木水力発電所のダムの高さは116メートル、貯水量は8660万立方メートル。年間発電量は25億kWh(黒部第4ダムは年間10億kWh、黒部川全体で30億kWh)見込まれ、発電量世界一の三峡ダムの高さ185メール、393億立方メートルの総容量、2240万キロワットと比べかなり小さく、日本一の黒部ダムと比べても小型だ。

Wedgeより

小型のダムであっても、水を堰き止められればインド側も困る。

インドのメディアはヤルツァンポ川(下流のインドでプラマプトラ川と呼称)での水力発電所建設がインドの国家利益を損なうと批判している。発電所が2010年9月末に着工してからインドの懸念が高まる一方だが、この間『DAM999』という映画さえ作られた。ダム決壊で町がのみ込まれ多くの犠牲者が出るというパニック映画だが、興味深いのは映画の冒頭で藏木ダムへのあてつけのように「中国で1975年に起きたダム大惨事の犠牲者25万人に捧げる」(河南省の板橋ダムが決壊し、25万人が犠牲になったと言われる)とテロップが流れる。ダム決壊を伝える報道シーンでも中国での惨事に言及している。

Wedgeより

とはいえ、この時の主張はややインドのプロパガンダ的な側面が強かった。

ダムが崩壊すれば水害は避けられない

だが、大規模なダムともなると三峡ダムのように下流には甚大な影響を及ぼす可能性がある。

毎年のように三峡ダム崩壊のリスクが囁かれるが、今のところは大丈夫ではあるようだ。だが、建設過程からして怪しい部分もあるので、万が一のことがあれば、下流に大規模な影響を及ぼす事は避けられない。

三峡ダムは世界最大のダムだが、それをはるかに凌ぐのがブラマプトラ川プロジェクトだ。この巨大ダムは、軍事化されたインドとの長い国境に危険な状態で接近することになる。中国がインド最北端のラダックに密かに侵攻して以来、両国はヒマラヤ国境沿いで3年以上にわたって緊迫した軍事的にらみ合いを続けている。メガダムによって、中国はインドに対する影響力を得ることになる。2020年後半、中国共産党の機関紙「環球時報(Global Times)」はインド経済を「窒息 」させる可能性のある越境水域を「中国がどのように武器化しうるか評価する」ようインドに促した。

ブラマプトラ川は、チベット人にとっては「ヤルン・ツァンポ(Yarlung Tsangpo)」として知られており、チベット文明の発祥地であり、最初のチベット帝国が置かれたとされるヤルン渓谷に由来する。この小さくも戦略的に重要な谷は、ブータンとインドへの古代交易路を支配していた。

FORUM「中国共産党が武器化する 水」より

下流にあるインドやバングラデシュとしては、利水の点でも懸念を持っているが、それ以上にダムの崩壊があった場合のリスクを訴えている。

それにもかかわらず、インドとバングラデシュはダムに対する懸念を表明している。このプロジェクトは、地元の生態系だけでなく、下流の川の流れや流路をも変える可能性があるとみられているためだ。

ロイター「中国、チベットに世界最大級の水力発電ダム建設へ」より

当然の懸念ではあるんだよね。何しろ、計画通りに作られれば、貯水量は三峡ダムの4倍になるんだとか。

地震の懸念

このインドやバングラデシュの懸念は、先日のような地震の発生とも関係している。

中国 チベット自治区で地震 95人死亡 家屋被害1000棟以上

2025年1月7日 23時11分

中国地震局によりますと、7日午前、チベット自治区のネパールとの国境近くでマグニチュード6.8の地震があり、国営メディアはこれまでに95人が死亡し、1000棟あまりの家屋で被害が出ていると伝えています。

中国地震局によりますと、現地時間の7日午前9時5分ごろ、日本時間の午前10時5分ごろチベット自治区のシガツェ市ティンリ県を震源とするマグニチュード6.8の地震がありました。

震源の深さは10キロと推定されています。

NHKニュースより

過去にも、四川大地震(2008年5月12日)のような大きな地震があり、チベットにも大きな影響があったが、今年の1月7日にもまた大きな地震が発生し、多くのチベット人が亡くなっている。

お悔やみ申し上げたい。

こういった地震はチベット周辺で割と発生している。そもそもエベレストを含むこの辺りの山脈は、地殻変動によって作られたのだから地震が発生し易いとしてもさほど不思議はない。

だが、そういった巨大地震が「不幸にも」発生すると、下流にある国としてはたまったものではないだろう。

コメント

  1. 山童 より:

    この手の話はアフリカも中東も西アジアもあり、水資源問題に無感心すぎるよ日本は。おそらく日本の水源地買い占めするシナから金を貰った売国マスゴミがシナの為に封じてるんでせうが。
    んで、シナはもう各国とやり合ってますが、
    同じ核保有国のインドを挟んだ地域でゴタゴタしてくれるのはありがたい。身も蓋もない事を言いますとね。
    さすがにインドは脅せませんからね。高地での軍事衝突を「素手と棒と石」という石器時代レベルで行ったの見れば解る。
    やりすぎてインドが核を撃ち込んだら? があるから、いつもの非核保有国を脅すやり方は通用しない。
    そこに少数民族問題やイスラム宗教問題が絡むので、その「監視予算」は奴らの軍事リソースを削ぐことになる!
    こうやって水資源を奪うほど、シナを敵対視する方向に転がり、どんどんリソースが国内(辺境)の監視に奪われる。
    それは日本にとって当面は良い動きと想うんですね。

    • 匿名 より:

      なるほど、そういえば昨今の印中紛争はアインシュタイン予言を先取りした徒手空拳でしたね。少林寺拳法 vs カラリ・パヤットだった?(笑)

      わーくには何で戦うのが良いのだろう? MMA・空手系、柔道・相撲 系なら「後者」が「日本」を主張し易いかな?

      ところで「前者」 MMA・空手:一方のルーツは唐手 = シナ、発展 フルコンタクト空手 元祖 大山倍達氏は日本占領地(現 韓国)籍で、「日本」を主張しにくい。

      脱線すると、、、
      言いたかった事(笑)(ゴメンなさい)

      空手を半島に持ち帰った韓国人はなぜ これはチェ・ベダル(大山倍達)創始のフルコンタクト空手と主張せず、

      テコンドーなる素っ頓狂なネーミングで起源主張したのだろう?

      通常、日本人はラーメンのルーツは中国と認めるが、

      同じように、フルコンタクト空手はチェ・ベダル(大山倍達)創始、 則ち韓国人創始と

      ちゃんと説明・主張されれば認めると思うが、、、何故(?_?)

      • 七面鳥 より:

        横合いから失礼。

        恐らくは、御存知の上で問題提起されているのだと邪推する者ですが……

        かの半島において、起源主張がかまびすしいのは
        「半島発祥で、世界に通用する文化がほぼ存在しない」
        「仮に過去にあったとしても、何一つ資料が残っていない」
        からであって、大中華はもちろん、「弟の国」であるはずの日本が文化的に世界に冠たる地位を占めているのが全くもってカンシャク起こるニダ!って事だと理解してます。
        ※で、万能壁画の登場になるわけですね(笑)

        もちろん、文化的な優位に加えて、底に連なるお金も目的でしょうけれど。
        文化って、勝ち負けじゃなくて、その土地の最適でしかないのですが、何でもかんでも勝ち負け、特にわーくにに対しては絶対勝利を運命付けられている国は、いろんな意味で大変ですよね……同情はしませんが。

        ちなみに、わーくには薩摩ホグワースで薩摩隼人(ジョブ:魔法使い)を育てるのがよろしいかと……

    • 木霊 木霊 より:

      高地を占領するのは、戦略の基本ですから。
      飲料水問題と考えずに、武力紛争であると考えるのであれば、かなり支那にとっては有利な話です。
      インドとしてはそういう意味で劣勢なんですよね。
      ただ、人口問題があるのでタイムスケールを考えると長期的にはインドの方に分がありそうです。問題が長引けば長引くほど人的リソース不足に陥りガチなのが支那でありますから、まあ、興味深く、注意深く見守りたいものです。

  2. 山童 より:

    韓国のテコンドールールは(顔面パンチ・ローキックなし・ポイント制&防具有り極真もどき)、そもそも成立過程で大山総裁の協力で産まれてるんですね。んで総裁は帰化して改名してますから。それに成立時はカラテの方がはるかに世界的でしたから。
    あとカラテには「実戦格闘術」的なイメージが当時はあって、「あくまで規格統一したスポーツ」という路線で西欧へ普及しようという韓国政府の「路線」があって、わざと分けたのでは?
    カラテはどちらか言うと米国社会で認知され、そこから途上国まで広がった経緯があるぽい。その時にブルース・リーのカンフーブームと重なって、
    「武道や武術はスポーツと違う」ちう色づけされたのだと想うすよ。
    プロレス観ると大元の米国プロレスは、そのファンまで「台本ある格闘演劇」と認めてますが、日本は「柔道の木村と力道山の勝負」から始まっていて、異種格闘戦から伝搬した為に変なリアルファイト路線(力道山→猪木→前田明→グレイシー柔術に敗北で神話崩壊)があるんですよ。
    このように昭和日本の格闘スポーツは、どうしても興行に真剣勝負味がつくのが特徴でした。韓国としては、その辺の味付けが、ヨーロッパ伝播には邪魔だと判断したんでないすか?
    あと諸説ありますが、本土の柔も沖縄の唐手も、陳元贇が元だろう言われてます。
    日中混血の海賊大将に鄭成功いますね。
    彼が明朝復興のため台湾アジトで清朝と戦ってる時に、援軍要請を徳川幕府に送り込んで来るんですよ。陳元贇はその使者のボディガードです。
    沖縄で琉球王朝の武士たちに南派拳法を。
    日本の武士に柔術を伝授したとされます。
    半島にはチャクリキ(借力)という武術があり、それの有用性は大山総裁が認めていたし。かつてk1グランプリで暴れ回ったブランコ・シカティックは、北朝鮮チャクリキを習ったクロアチア軍人で、ユーゴ紛争で活躍してますね。PRIDEで活躍したミルコ・コップはその弟子だったような。
    チャクリキがなんなのか今一つんからんのですが、それらと日本統治時代の空手が結びついたものなような気がします。
    まぁ連中のコムドがそうだが、直刀剣の国なのに「剣道は韓国起源」言う奴らなので
    信じても仕方ないのですけど。

    • 山童 より:

      陳元贇(ちん・げんぴん)した。

    • 山童 より:

      ちなみに直接打撃は極真が最初じゃありません。もともと大山総裁は松涛館空手てすけれど。戦前の松涛館空手は「当てて」たんですよ。 ただ競技試合としてはフルコンタクトでなかった。
      初期の大山道場時代の大山空手を弟子筋の再現映像みると、かなり投げ技とか使ってるし、組み討ちもする。分裂前の埼玉支部長であった盧山師範の道場稽古に似てるかと。私は日本拳法出身で、大道塾(空道)と盧山師範道場の双方で組手してますけど、
      今で言う総合スタイルながら、それぞれ違う。あと弱いとされる中国拳法ですが、
      太気拳は強い、てか危ないですよ。
      極真とも交流試合していたし。神宮の杜の稽古で、極真や芦原会館の黒帯の友人が顔を豚饅にされてた(笑)
       私は「お腹いたい」「素人です」と死んだふりしてました(笑)

  3. 山童 より:

    コムドが半島起源の剣術ならば、両刃直刀の剣術で「剣道のようにならない」すけどね。竹刀は直線たけど、そもそも剣道の動きを見れば「打ち刀の武術」なのは明らかでないすか。
    袈裟斬りがなくなったことで、わかりにくくなってはいますが。きちんと型や動作を観察すれば、中国の片手剣や西洋両手剣の技とは違い、「刀術」なのは明らかなんですけれどねぇ。
    七面鳥様のおっしゃる「劣等感の塊」なので、(キムチの食いすぎでなく)頭に血がのぼって検証できんのでせうね。