この件には出来れば触れたくなかったんだけど、やっぱり驚きのニュースが出てきてしまうと、ね。
尹大統領の逮捕状をソウル西部地裁に請求した高位公職者犯罪捜査処に批判の声…ウリ法研究会出身の令状担当部長判事が発付
2025/01/01 14:05
高位公職者犯罪捜査処(公捜処)は30日、内乱などの容疑で尹錫悦大統領の逮捕状をソウル中央地裁ではなくソウル西部地裁に請求したが、これが今問題になっている。
朝鮮日報より
よくもまあこんな捜査令状出したなとは思っていたんだけど、そのカラクリがあったというわけだ。知っている人はピンときたんだろうね。
世界に誇るK-司法
判事ショッピング
ええと、先ずは記事をもう少し読んでいこう。
そのため今回公捜処に対して「令状発布に有利な判事を選び、いわゆる『判事ショッピング』を行った」との指摘が出ているのだ。野党・共に民主党が憲法裁判官候補に推薦した鄭桂先ソウル西部地裁長と馬恩赫長判事はいずれも西部地裁所属だ。
朝鮮日報「尹大統領の逮捕状をソウル西部地裁に請求した高位公職者犯罪捜査処に批判の声」より
「判事ショッピング」というのはなかなか面白い語幹の言葉だね。
このような事態が起こった背景には、そもそも高位公職者犯罪捜査処(公捜処)という組織が作られたばかりで、法整備が不十分であるというような事情が関わっているようだ。
法律によると、捜査段階で令状を請求する際には管轄する裁判所の判事に請求することになっている。ところが公捜処は検察とは違い管轄する裁判所が明確ではない。公捜処法には「公捜処の検事が起訴した事件の一審裁判は中央地裁が管轄する」としか定められていない。
ところが尹大統領をめぐる事件は公捜処には起訴する権限さえなく、捜査後に事件をソウル中央地検に送り起訴を求めることになっているだけだ。その際ソウル中央地検の管轄裁判所はソウル中央地裁だ。
朝鮮日報「尹大統領の逮捕状をソウル西部地裁に請求した高位公職者犯罪捜査処に批判の声」より
公捜処にとって、令状請求をする手続きは今回が初めてではなかったんだとは思うが、恣意的に運用されていたというのはほぼ間違いなかろう。
法律の抜け穴についても、わざと作っておいたのだろうね。
慣例に基づけば、公捜処が令状請求すべきはソウル中央地検になるハズだったのに、その法的な根拠が曖昧なため、ソウル西部地裁に令状請求をしたと。
記事には、「尹大統領をめぐる事件は公捜処には起訴する権限さえない」と恐るべき事が書かれているが、これは内乱罪の起訴権限がないという意味だろう。
お仲間に令状を発布して貰った
そして、ソウル西部地裁に令状請求した理由はこちら。
また令状を発布した李舜衡令状担当部長判事は革新系判事グループのウリ法研究会出身だという。
朝鮮日報「尹大統領の逮捕状をソウル西部地裁に請求した高位公職者犯罪捜査処に批判の声」より
ウリ法研究会?
何処かで聞いたことのある話だと思ったら、アレだ。
日韓揺らす徴用工判決に準備を モラロジー研究所教授・麗澤大学客員教授・西岡力
2018/8/8 11:20
日韓関係を揺るがす重大事態が近く出現するのではないか。韓国の最高裁判所(大法院)が、日本企業を相手に韓国人徴用工らが起こした裁判で、日本企業の敗訴を確定する判決を近く下す可能性が高まっているからだ。
~~略~~
金命洙長官は最高裁裁判官を次々に左派と交代させている。8月3日、金命洙長官が指名した3人の裁判官が任命されたが、うち2人が左派だ。1人は国家保安法の廃止を訴え、北朝鮮のスパイ事件の弁護をし、違憲政党として憲法裁判所が解散決定を下した極左政党「統進党」の弁護団長を務めた。もう1人は「ウリ法研究会」出身の判事だ。長官を含む最高裁裁判官14人の構成は李明博氏任命1人、朴槿恵氏任命5人、文在寅氏任命8人となる。
産経新聞より
応募工裁判で出てきている組織の名前で、左派革新系のグループらしい。
大法院長の「大ウソ」で露見、韓国司法の歪みと建前
2021.2.9(火)
韓国で、金命洙大法院長(最高裁判所長官)の「ウソ」を巡って、同院長の辞任を求める声が巻き起こっている。
金大法院長は、裁判で文在寅政権の意向に反する判決を出す裁判官は昇進させず、代わりに進歩系弁護士グループである「ウリ法研究会」と「民主社会のための弁護士会(民弁)」に所属する弁護士を司法府の幹部に取り立て、裁判所を左翼的性向の濃い機関に変えてきた人物である。
さらに今回、与党「共に民主党」の意向を忖度し、司法府の独立を棄損していた実態が暴露されてしまったのだ。
JB Pressより
野党「共に民主党」が与党だった時代に、ムン君のお仲間で染め上げた大法院の人事が問題になったことがあったが、この時にもウリ法研究会の名前は出てきた。
時には、北の手先だと疑われるような人物が……。
[社説]朴時煥最高裁判事は「ウリ法研究会」の解散を先導すべきだ
January. 29, 2010 09:29,
与党ハンナラ党の司法制度改善特別委員会は、司法府内の個人組織である「ウリ法研究会」のイデオロギー・政治的性向を示す証拠として、メンバーの判事らが書いた文章の一部を公開した。朴時煥最高裁判事は、この会の論文集に「この会の狙いは、メンバーらの実力向上ではなく、問題意識を持つメンバーらが、裁判や司法運営に参加し、裁判所を理想的方向へと変化させることだ」と書いた。司法府内の勢力化、裁判や司法運営を巡る集団的影響力の行使を公然と叫んでいる内容だ。それにも関わらず、この会の性格を「純粋な学術団体」と主張するのは、正直でないばかりか、国民を馬鹿にする態度だ。判事らがこのようなうその主張ばかり並べ立てるのなら、国民は彼らによる判決を果たして信頼することができるだろうか。
東亜日報より
韓国司法の左派汚染は随分と前から進行していて、ノムタンの時代(盧武鉉大統領時代)にかなり従北勢力の浸透があったという噂である。検証しようのない話なので、あくまで噂の範囲で留めておいて欲しい。
が、今回、大統領に対する捜査令状がよくもまあ出たなと思っていたが、そういうカラクリがあったのであれば納得である。
内乱罪の捜査
さて、序でに内乱罪の話が書いてあるので少し言及しておく。
ソウル中央地裁は先日、内乱容疑で金竜顕元韓国国防部(省に相当)長官の逮捕状を発布した際「検察庁法第4条第1項により検事が捜査を開始できる犯罪の範囲内に相当する」と説明した。検察庁法第4条第1項とは「警察公務員の犯罪はその容疑に関係なく検察が捜査できる」と定めている。内乱容疑で逮捕された趙志浩警察庁長らと共犯のため、検察に捜査権があるということだ。これに対して公捜処は現在捜査中の警察公務員がないため問題になっているのだ。
朝鮮日報「尹大統領の逮捕状をソウル西部地裁に請求した高位公職者犯罪捜査処に批判の声」より
ソウル中央地裁の判断では、内乱罪の捜査は検察庁法第4条に基づいて行われるとしている。
つまり、「警察公務員の犯罪はその容疑に関係なく検察が捜査できる」との規定であり、内乱罪の捜査は検察が行うという意味である。この判断に基づいて、警察庁長が逮捕されたわけだが、この法律は公捜処に援用されていない。
つまり、このことは公捜処が大統領の内乱罪を捜査するにあたっての法的根拠がないことを意味するのである。
また、「検察が捜査できる」と表現されているけれども、本来的には内乱罪の捜査は警察が行う。
この問題の多くは捜査の初期段階から指摘されていた。例えば、内乱罪の捜査権を巡る議論や、公捜処の人員不足など、予測可能な課題への対応が不十分だったと批判されている。内乱罪の捜査権を持つ警察と、起訴権を持つ検察が公捜処と合流して合同捜査本部を設置していれば、防げた可能性もある。「このような結果になるのであれば、公捜処が事件を引き継ぐ必要があったのか」という声も上がっている。
AFPより
そうすると、本当に公捜処が捜査に乗り出したことが正しかったのかは、疑問が残る。
2度目の逮捕状が
とまあ、そんな状況で2度目の逮捕状が請求されたとのこと。
2度目の逮捕状…尹大統領の身柄確保へ、公捜処「最後の覚悟」
2025年1月8日 11:00
内乱首謀の疑いがかけられている尹錫悦韓国大統領に対し、ソウル西部地裁は7日、再び逮捕状を発付した。これにより、合同捜査本部の手に再び逮捕状執行が委ねられることとなった。
~~略~~
今回の再発付にあたり、合同捜査本部は不必要な論争を避けるため、執行期限や担当裁判官の情報を公開しない方針を示した。これには、1回目の逮捕状発付後、裁判官に対する批判が集中したことが影響しているとみられる。
AFPより
内容を一部伏せたままの逮捕状が再発付されたわけだが、これが適正なモノであるかどうかという議論を避けるために、内容を一部伏せたと言うから、乾いた笑いすら出てこない。
流石である。
ユンユンは、今度は逃げ切れるのだろうか?
共に民主党はやりたい放題
なお、こんな話もあって、苦笑いをするしかない。
共に民主党、「尹大統領支持率40%」と発表した韓国世論評判研究所を告発へ
記事入力 : 2025/01/07 15:10
尹錫悦大統領の支持率が約40%だと発表した世論調査機関に対し、韓国最大野党・共に民主党が公職選挙法違反の疑いで告発することを決めた。尹大統領の弾劾手続きが進められている中、この世論調査は世論をごまかしているというのだ。
朝鮮日報より
ええと……。
そういえば、韓国左派メディアが騒いでいたっけ。
「尹錫悦支持率40%」の世論調査の「秘訣」…偏った質問で支持層を結集させる方式
登録:2025-01-07 06:46 修正:2025-01-07 08:16
尹錫悦大統領の支持率が異常に高い世論調査の結果が、極右勢力と与党「国民の力」の支持層で共有され、世論の流れを歪曲している。
6日、韓国世論評判研究所(KOPRA)が「アジアトゥデイ」の依頼で全国の18歳以上の1000人を対象に今月3~4日に行った調査(信頼水準95%、誤差範囲±3.1%、回答率4.7%)で、尹大統領の支持率は40%だった。問題は、この調査の設問設計が一般的な世論調査では見られないほど偏っていたという点だ。
ハンギョレより
凄い記事だよね。「世論の流れを歪曲している」って断言しているんだけど、調査の結果を公開したら歪曲だという話になっちゃった。
何か、調査方法がダメだったという判定らしい。
調査の質問を見ると、1番目の項目で尹大統領を支持するかどうかを、2番目の項目で支持する政党を尋ねている。3番目では「尹大統領に対する逮捕状の違法性をめぐり議論になっているにもかかわらず、高位公職者犯罪捜査処が現職大統領を強制連行することについてどう考えるか」という質問が続く。逮捕状が違法だと主張する尹大統領側の主張のみ言及し、それに関する見解を問うやり方だ。「尹大統領が非常戒厳宣言の理由として言及した中央選管委電算システムのハッキングおよび不正選挙の可能性に対する疑惑を解消するため、選管委の選挙システムに対する公開検証が必要だと考えるか」、「選管委の不正選挙疑惑を提起する行為に対して処罰する法案を発議することについてどう考えるか」という質問もある。正常な世論調査機関なら、特定のスタンスの回答者が過度に集まること(バイアス)を懸念し、避けるはずの質問方式だ。
ハンギョレより
日本のメディアも良くやっているよ、この手の調査。ダメなんだってー。
共に民主党の趙承来首席スポークスマンは6日、国会で開かれた高位戦略会議の終了後に報道陣に会い「最近、世論調査を通じて世論をごまかそうという試みが多い」「韓国世論評判研究所(KOPRA)の偏向的な世論調査に対し、公職選挙法違反の疑いで告発を推進している」と語った。
朝鮮日報より
で、告発することにしたんだと。
K-司法だと、これも通ってしまうんだろうね。ウリ法研究会の活躍はまた見られるかもしれない。
追記
徹底抗戦って感じなのかな。
韓国大統領の拘束令状を再発付 公邸にはバリケードや鉄条網増設、衝突なしの尹氏の拘束は困難
2025/1/7 20:08
韓国の尹錫悦大統領が宣布した「非常戒厳」について捜査する捜査機関「高位公職者犯罪捜査処(公捜処)」や警察でつくる合同捜査本部は7日、内乱首謀容疑などによる尹氏の拘束令状が裁判所から再発付されたと発表した。有効期限は明らかにしなかった。
捜査本部は3日に大統領公邸で令状執行を試みながら大統領警護処の要員らに阻止され、断念した。近く再度の執行に乗り出すもようだ。ただ、警護処は執行を全力で阻止する構えで、公邸にはバスなど車両によるバリケードや鉄条網が増設された。衝突なしの執行は困難とみられている。
産経新聞より
なるほどねぇ。

どうなることやら。
コメント
今日は。
日本に日教組あれば韓国に全教組あり、日本に青法協あれば韓国にウリ法研究会ありでしょうか。左翼が教育や司法に食い込むのは相似形ですね。
こんにちは。
日教組も問題ですが日弁連も問題ですよね。
教育に食い込んでプロパガンダ活動を行うのは、昔から世界中で行われてきた手法でありますから、韓国で行われていても不思議はありませんが……。韓国でやられている手法は寧ろ支那でやられている手法のに似ている印象です。
まあ、活動家のルーツは同じなのかも知れませんね。
こんにちは。
公捜処って、要するに「共に民主党」が与党時代に、自分達を護る為に造った組織で、
「大統領を含む政府高官に対する訴状が出た際に、実際にそれを訴追するかどうかを決める」権限だけ持ってる、そういう機関という認識なのですが。
これって、ユンユンが大統領になったら、自分が有利なようにも使える両刃の剣だったのでは……
それを、そのまま(左派に有利なまま)放置しておいた現与党、現政権の脇の甘さと来たら……
これに限らず、ユンユンのすべき事は(経済立て直しは言うまでもなく)ムンムンのやったメチャクチャを元に戻すか、少なくとも正常化させることだったはずなのに。
過半数取れてないから出来ない、は良い訳でしかない。
結局、ユンユンも所詮は検事のトップでしかなく、政治家ではなかった、という事なんですが……
その意味で「最も『韓国の政治家』らしい」イジェミョンに次の大統領になってもらった方が、10年後100年後の結果は良くなるんじゃないかって思ってます。
向こう10年か20年か、あるいは100年は、韓国は泥水すすることになるでしょうけれど。
こんにちは。
公捜処はムン君が自身が逮捕されないためだけに作った組織でして、そもそも捜査権を行使するだけの能力は与えられていませんでした。彼らの仕事は主に事実の隠蔽だったようですね。
ですから、ユンユンが大統領になってからは、大統領に対する抵抗勢力になっちゃいまして。色々と通信情報をせっせと集めていた話は出回っていますが、実際に誰かを捜査して起訴したという話は聞いたことがありません。片刃の剣になるように設計されたのでしょう。
次の大統領は、バリバリの左派ですから「韓国らしさ」は出てくるのでしょう。
日本としてはますます手を組めない相手になるんですがね。
>次の大統領は、バリバリの左派
ユンユンがどれだけ抵抗しても、もう既定路線でしょうね。
逆に、(あえてこう呼びますが)ミョンミョンのタイーホまでユンユンが引っ張ることに成功したとして、次のタマが保守革新どっちにもないという……詰んでますね。
※保守だろうが革新だろうが、反日には変わりないこ所がなかなかに芳ばしいのですが。
現状は、ミョンミョン大統領爆誕の流れは避けられないと思います。
逮捕が間に合えば、最悪な事態は回避できますが……。
次点候補が左右両方に居ないというのは、確かに困った話ですね。