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2025年の中国経済は内憂外患路線

中華人民共和国ニュース
この記事は約7分で読めます。

支那経済の話を先日軽く触れたが、もうちょっと掘り起こしておきたい。

2025年の中国経済は「内憂=内需低迷」「外患=貿易戦争」 輸出先変更で新たな摩擦も

2025/1/1 11:00

2025年の行方を占う上で注目されるのが世界2位の規模を誇る中国経済の動向だ。中国経済は不動産不況を背景とした内需低迷という〝内憂〟で失速したが、25年にはトランプ次期米政権との貿易戦争という〝外患〟も見込まれている。中国共産党指導部は景気対策の強化方針を決めるなど臨戦態勢を示しているが、経済安定への道のりは険しい。

産経新聞より

趣旨としては、前回紹介した記事と似たものだが。

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内憂が加速する支那経済

内需低迷も

まずは、前回記事の紹介から。

支那はアメリカとの貿易戦争が始まりそうで戦々恐々としているよという内容を紹介させてもらった。

つまり、外需に不安があるという指摘なのだが、産経新聞には内需に関しても不安がある点を指摘していたので引用した。

北京市中心部の商業施設の一角で「全商品1割引きから」「低価格」「節約」などと書かれた小売店が若者や子連れの来店客でにぎわっている。賞味期限間近といった訳あり商品などを相場よりも低価格で販売する格安スーパー「HitGoo」だ。中国メディアによると、21年の設立後、猛スピードで出店を続けて今では500店に迫る。「低価格を求める若者がターゲット」という。中国各地では今、格安スーパーが出店競争を繰り広げている。

中国経済の病巣ともされるのが内需低迷だ。

産経新聞「2025年の中国経済は「内憂=内需低迷」「外患=貿易戦争」」より

デフレ経済が進んでいるという事実の紹介で、この話に似たニュースを朝鮮日報も扱っていた。

泥沼にはまる中国経済 中産階級2000万人が配車アプリのドライバーに殺到

2025/01/04 07:03

~~略~~

高氏は中国経済の現状を「活気あふれる老年層、意気消沈した若い世代、希望を失った中年層」と要約しました。老年層が予測可能な老齢年金に期待して安定的な消費生活を送る一方、働き口がなく未来の収入増に対する希望も失った青年層は衣食にかける費用を節約しながら何とか持ちこたえているというのです。中国31省・直轄市の統計によれば、若年層の割合が高い地域ほど消費の伸びが低下しているといいます。

朝鮮日報より

若年失業率が高まっていることもあって、若年層の消費が冷え込んでいることと、この結果不動産の売れ行きも下落している。

就業者数についても同様の分析を示しました。中国の都市部の就業人口は、コロナ流行が始まってから急激に減少し、ゼロコロナ政策が終了した2023年に回復を始めましたが、まだ長期的な増加傾向と一致するほどには増えてはいないということです。それをもとに試算すると、4700万人の失業者がいるというのが高氏の分析でした。これは2023年末現在の中国都市部の就業人口(4億7000万人)の10%に当たる数値です。

~~略~~

付氏は「地方の現場に調査に出向くと、過去2年間で配車アプリのドライバーが突然2000万人も増えていたが、彼らはどこから来たのか。答えは中産階級の没落だ」と指摘しました。不動産バブル崩壊、大量失業、給与低下などで没落した中産階級が生計を維持するために配車アプリのドライバーに殺到しているとの分析でした。

朝鮮日報より

中産階級の所得水準に達していない低所得層は全体人口の65%で約9億人いるとされていて、一部の老人が金を持っているだけの状況となっている模様。

そりゃ、内需低迷するのも仕方がない。

金利を下げろ

当然ながら、こういった点に関して支那当局もナニカ手を打つという動きは出ている。

中国経済減速 日中金利逆転の意味するもの【中国経済コラム】

2024年12月15日 0時32分

金利の世界で日中逆転が起きました。

11月中旬に30年ものの国債の利回りで中国が日本を下回ったのです。高い成長を続けてきた中国の金利が長らくデフレに苦しんだ日本の金利を下回ったのは実質的には初めて。

背景にあるのは中国の景気減速とデフレ懸念、そして中長期的な成長鈍化です。不動産不況によって行き場を失ったマネーが債券市場に流入しています。

NHKニュースより

支那人民銀行は2024年、複数回利下げをして金融緩和に踏み出しているのだけれど、これが銀行の収益悪化や人民元安を招くという悪循環になっている。

だが、デフレ懸念が続いているため、2025年も引き続き金融緩和政策を続けるということを発表していて、経済が好転するキッカケは見えていない。

支那国内での流動性が悪化しているので、金融緩和政策を取るというのは方策はアリのようにも思えるのだが、内需低迷により効果的な政策になっていない。それに加えて人口減少や少子高齢化、それに伴う労働人口の減少があって、更に経済を冷え込ませている。

デフレ経済が進んでいる要因ということだ。

実は、この経済工作会議が開かれる前の11月に、地方債務対策費として10兆元の財政出動がすでに決定された。では、これらの中国版バズーカ砲の景気対策は中国経済のデフレ進行を食い止めることができるのだろうか。

残念ながら、答えはノーである。なぜならば、中国経済の病根は有効需要が著しく弱くなっているのに、政府が発動する政策は政府部門と生産者(サプライヤー)を助けるものだからである。

Yahooニュースより

この対策として支那当局が地方債務対策費として10兆元を積み上げることにしたのだが、その有効性は疑問視されている状況だ。

つまり、こういった支那経済における内需低迷が加速する中で、トランプ氏が対支那経済戦争の引き金を引くと、更にダメージを負いかねない状況を迎えているというわけだ。

当然ながら、外国に投資をしてもらわないことには、外貨も得られなくなるのでそこはなんとしても改善したい。

人民を締め上げる

で、この対策のためにどうするかというと、検閲に勤しんでいるらしい。

中国の検閲当局は年の瀬にある作業に追われています。民間の経済専門家が「実体経済は政府統計よりはるかに悪い」と発言し、それがインターネットメディアやソーシャルメディアで急速に拡散すると、関連記事や映像を削除していると言うのです。

朝鮮日報より

それどころか、収容施設を作って逮捕するような動きも。

中国全土に新たな収容施設、汚職への粛清拡大で建設相次ぐ

2025.01.01 Wed posted at 16:33 JST

中国は全国200カ所以上で特殊な収容施設を建設もしくは拡張し、収容者を尋問している。彼らは習近平国家主席が主導する反汚職キャンペーンで容疑をかけられた人々だ。CNNの調査で明らかになった。習氏の弾圧の対象は共産党の枠を超え、公的部門の膨大な範囲に広がっている。

~~略~~

しかもここへ来て、当局者を抑えつける目的で導入された最も恐ろしい手法の一部が、従来より格段に広範な社会領域を対象に行使されている。民間の起業家から、学校や病院の運営者に至るまでその標的は拡大した。相手が9900万人強の共産党員かどうかはもう関係がない。

対象を広げたこの拘束システムは「留置」と呼ばれ、収容者はパッド入りの壁に囲まれた施設に入る。全ての監房には24時間態勢で看守が付き、収容者を最長で半年拘束できる。この間、弁護士や家族との面会は認められない。

これは共産党が統制を発揮し、党員に恐怖を植え付ける目的で長年用いてきたシステムの拡大版だ。

CNNより

何処まで信用できる記事かはわからないが、なかなか凄い話になってきている。建設業は冷え込んでいるものの、こんな施設には金をかけている辺りがどうかしているね。

当局は「留置」用施設の基準となる建設規則を制定していたようだ。そこにはこれらの施設を23年から27年にかけて建設するとの全国的な計画も含まれており、CNNが目を通した政府文書や入札公告で再三引用されている。

北西部の甘粛省にある全国で有数の貧しい都市、定西市は、3億500万人民元規模の収容施設をCCDIとNSCが指定した要件に従って建設するとした。「留置」用施設として「標準化され、法に基づいたプロフェッショナルな運営」を目指すという。

この巨大な施設には542の部屋があり、そこに32の大監房と住み込みで勤務する捜査官及び看守の宿泊場所を含む。彼らの日々の必要を満たす他の設備も設置される。同市の反汚職部局が作成した24年の予算で明らかになった。

CNNより

汚職に関わった人々を留置する施設ということになっているが、汚職の容疑をかけられれば留置されてしまう状況らしく、虚偽の自白を強いられて拘束され、酷い扱いを受けると指摘されている。

日本が経済的な結びつきを強める相手としては、あまりにリスキーだと思うんだけど。

コメント

  1. 山童 より:

    収容所に入りたくなければ金を払え!
    収容所から出してほしければ金を払え!
    そういう新しい資金稼ぎなのでは??

    なんかあの国は歴代王朝ずっとそういう事をしている気がする。

    • 木霊 木霊 より:

      洒落にならない話ですが、ありそうで怖い。
      権力のあるところに汚職ありというのがアノ国なんで、仕方がないのですが。ただ、この収容所、汚職した人を収監する場所なんですよねぇ……。

  2. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    支那は、ゲームやアニメの世界でかなりの存在感を示してきているのに、当局はそこの締め付けをおっぱじめましたからね。
    日本のゲーム会社がつまらん二次元ソシャゲで糊口を凌ぐ間に、オープンワールド系三次元ゲームで技術力も資金も高めてきたのに、そこを潰しに来る共産党の頭の悪さと来たら……まあ、そういう方向で人民が目覚めてしまうと、共産党の屋台骨が軽く傾ぎますからね。アニメも同じ事ですが。

    「巨大過ぎて潰せない」かも知れないですが、そうやって巨大な腫瘍を放置すると全身が死にますから、ここは半身を捨てる覚悟で潰さないといけない時に来ているのだと思ってます。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。
      アニメは微妙なものが多いのですが、ゲームはかなり進んでいる印象です。ただ、そこを法規制される流れになって笑っちゃいましたが。
      アニメの方はシナリオがかなり微妙な印象なのは、やっぱり言論統制されているからなんでしょうね。

    • 山童 より:

      私も荒野行動やってたのですが、バイオハザードやコールオブデューティーの作り込みには敵わぬものの、なかなかでした。
      韓国のスマホ縦読みマンガも、もう生成AIの活用でフルカラー劇画が勢い良い!
      まだ日本のラノベやカクヨミの原作をベースにしとるだけ良いのですが、一昔前の違って、ストーリーや読み応えは確実に上がってます。中韓のコンテンツは!
      ベルセルクの三浦建太郎先生が亡くなられたように、俺だけレベルアップの件のマンガ家さんの訃報には韓国嫌いの私が悲しく思いましたからね。
      しかし、ここはフリーレンのように高品質なのを連打して、お株を奪われないで欲しいものです。それ奪われるとガンプラしか残らない。(ガンプラは金型技術の産物なので、地味な努力しない連中に奪われる事はありませんけれど)

      • 七面鳥 より:

        山童様、木霊様

        それが何であれ、形(物理的だけでなく、紙の上でも、なんなら描く技術でも)あるものは必ず盗まれる、あるいはコピー可能だと認識してます。
        ただ、発想力だけはコピーのしようが無い。
        で、発想力は、育ってきた文化の影響がモロに出る。
        ここが、差別化のキモだと思ってるのですが……

        ……今の「ラノベ原作の量産漫画」は、テクニックだけで描いてますからね……