さー、盛り上がって参りました。
フィリピン軍、米ミサイルシステム「タイフォン」取得へ 中国反発
2024-12-23 17:31
フィリピン軍は23日、自国の海洋権益を守るためとして、米軍の中距離ミサイル発射システム(MRC)「タイフォン」を取得する計画を発表した。
時事通信より
これはまた、支那は激怒するのでは?と思って記事を読んだが、早速激怒していた模様。
事実上の第一列島線封鎖
中距離ミサイル発射システム
まだ、取得計画の段階なんだけど、早速過激に反応しているようだ。
取得計画の発表を受け、中国外務省の毛寧報道官は「フィリピンによる中距離ミサイルシステムの導入は挑発的で危険な行動」とし、「地政学的対立と軍拡競争を引き起こす」と警告した。
時事通信「フィリピン軍、米ミサイルシステム「タイフォン」取得へ」より
嫌なんだろうねぇ。
先ずは、中距離ミサイルシステム「タイフォン」について。

トマホークとSM-6が統合された発射基、射撃管制システム、支援機材一式を搭載する車輌システムが「タイフォン」の正体で、こんな格好をしている。
1基のランチャーに4発のミサイルが搭載できて、これを4基搭載できるので、合計16発のミサイルを発射できるのだとか。
コレが実現すれば、フィリピン陸軍は中長距離攻撃能力を手にすることができることになるんだが、アメリカ陸軍ですら導入されたのは2023年のことである。随分と気が早いな。
日本にも配備計画が
これ、未だ話題だけの話なので、騒ぐようなことでもないのだが、実は日本に配備しようという話もあるのだ。
U.S. eyeing midrange missiles in Japan for drills, U.S. Army secretary says
Sep 7, 2024
The U.S. has expressed an interest in deploying a midrange missile system to Japan for joint military exercises, the U.S. Army secretary has said, in a move that would be sure to anger China.
~~対訳~~
米陸軍長官、日本での中距離ミサイル訓練を検討中と発言
アメリカは合同軍事演習のために日本にミッドレンジ・ミサイル・システムを配備することに関心を示していると、アメリカ陸軍長官が語った。
Japan-timesより
この件については、在日米軍に配備されるのか、陸上自衛隊に配備されるのかは定かになっていない。だが、現実的に考えれば陸上自衛隊か航空自衛隊の所属になるハズだ。
実際、パトリオット(自衛隊では「ペトリオット」と称する)は航空自衛隊に配備されているからね。

恐らくコレは、飛行状態にあるミサイルを撃ち落とす意味で航空自衛隊管轄ということになっているのだろうが、タイフォンは地対地ミサイルだからなぁ。どうなることやら。
まあ、何れの軍が持つにせよ、戦力が増えることは好ましいことだし、なにより中距離ミサイル発射システムとはいえ、SM-6は射程が370kmで、トマホークミサイルがブロック4で1600km程度である。
日本としてはこのレンジでミサイルが発射できれば十分といえよう。
フィリピンに展開
そして、この日本に配備する話が持ち出された背景には、既にフィリピンに展開していたからという事情がある。
In April, the U.S. Army deployed the Typhon launcher — which is capable of firing Tomahawk cruise missiles, with a range of 1,600 kilometers and SM-6 missiles — to the Indo-Pacific region for the first time, for joint military exercises in the northern Philippines. That deployment is set to end sometime this month.
~~対訳~~
米陸軍は4月、フィリピン北部での合同軍事演習のため、射程1,600キロのトマホーク巡航ミサイルとSM-6ミサイルを発射できるタイフォン・ランチャーを初めてインド太平洋地域に配備した。この配備は今月中に終了する予定だ。
Japan-timesより
尤も、合同演習のために一時的に持ち込んだというのがアメリカ軍側の説明ではあるんだけど、フィリピンに配備したときに十分使えるのかということを検証したかったんだろう。
で、良好だったからフィリピン陸軍が「欲しい」と、こういう流れみたいだね。何というか、最初から売り付ける気は満々だったのでは。
そうした中、フィリピン陸軍のロイ・ガリド中将は会見でタイフォン取得計画を発表。取得するシステムの総数は「経済的状況」に依存すると述べた。
ただし、フィリピン軍が新たな兵器システムを取得するには通常、計画段階から少なくとも2年以上かかるとし、2025年の予算にはまだ計上されていないと付け加えた。
時事通信「フィリピン軍、米ミサイルシステム「タイフォン」取得へ」より
というわけで、何時ものアレだ。

1600Kmというのは、案外広いね。
日本はトマホーク取得へ
さて、一方で日本向けの「トマホーク」巡航ミサイルがアメリカ国防総省の発表した契約に明記された。
「けっこうな数だな!」自衛隊向け巡航ミサイル 米政府が調達にゴーサイン
12/23(月) 17:12配信
アメリカ国防総省が2024年12月19日に発表した各種装備の契約で、日本向けの「トマホーク」巡航ミサイルの明記が確認されました。
この資料によると、日本向けは78発、モデルは最新型のブロックV(ファイブ)です。
~~略~~
なお、海上自衛隊では今年9月3日の海上幕僚長会見で、「トマホーク」の発射機能を最初に備える護衛艦は「ちょうかい」であると明言しています。
乗り物ニュースより
大変結構なことではないか。

こんごう型護衛艦4番艦「ちょうかい」にトマホーク巡航ミサイルが搭載されることが明らかになったので、例えば「ちょうかい」を沖縄に派遣するとなると、こうなるわけだ。

まあ、支那は嫌がるよねぇ。
コメント
タイフォンというとイージスシステムの前にアメリカ海軍が開発したタイフォンシステムを思い出した
ギリシャ・ローマ神話由来ネーミングが好きなアメリカはギリシャ文明からの白人文明の後継者コンプレックスなんだろうか
テュポーンでしたっけ。
ガイアとタルタロスの子、エキドナの夫、巨人の上半身と蛇の下半身を持つ最強最悪の化け物という触れ込みでしたな。
ギリシャ・ローマ神話由来ネーミングが好きなのは、単に中二病の気があるというだけのような気はします。
今日は。
コンプレックスというよりは、合衆国を建国した移民が神話と認識しているのは、ギリシャ・ローマ神話+北欧神話だったからではないでしょうか。建国したのが200年前では、既に神々の時代ではなく、独自の神話は持ちようがありませんから。
こんにちは。
実に喜ばしい事です。
まあ、今のご時世、ミサイルも発射機も量産するのに人手も材料も足りない(ウクライナ向けでそれどころじゃない)という、メーカにしてみれば嬉しい悲鳴状態なのでしょうが……
ブロックVがブロックIV最終型でもいいから、一刻も早く欲しいものです。
※ブロック違いでシステムインテグレーションの手間が増えるのは勘弁ですが。
※「売れ残りのオンボロ」とか言ってた人達は、最近はどうしているのでしょうね……
こんにちは。
急がないと行けない事情があるだけに、素早い対応をお願いしたいところですね。
今日は。
12式地対艦誘導弾能力向上型の開発終了が2028年ですから、制式化と量産、配備期間を考慮すると、トマホークは早期配備が必須ですね。
こりゃ良いや!
日比のミサイル網で中国南岸の経済・工業都市、港湾はすべて網にかかる事になる。
ドゥテルテ旋風が去ったからか、はたまたドゥテルテが暴れたお陰か。どちらにしても両国に喜ばしい事になりますな????
日本も在日米軍か自衛隊かはともかく、配備が決まれば地対地攻撃で的に収める事ができるでせう。
本当に新冷戦が始まるわけですが、こうした配備は冷戦が熱戦に進めない為の楔になる。御花畑はまた「刺激するな!」とギャアギャア騒ぐのでせうが、懐にドスを忍ばせて交渉につくのは、常にどの時代も定石ですからね。有り得ぬ夢が醒める時が来ただけで、何も変わってはいない!
後は戦後民主教育を信じてる世代がくたばるのを待つたけですな。間に合えば……ですけれどね。