近況は「お知らせ」に紹介するようにしました。
スポンサーリンク

ホンダと日産が経営統合して持株会社を設立へ

科学技術
この記事は約9分で読めます。

ネタに困ったので、自動車会社の合弁の話などを。

ホンダと日産 来週にも基本合意書締結へ 持ち株会社設立を検討

2024年12月19日 5時47分

経営統合に向けて協議を進めているホンダと日産自動車は、来週にも基本合意書を締結し、具体的な交渉に入る見通しです。持ち株会社を設立したうえで、両社を傘下におさめる方向で検討していて、出資比率や統合に向けたスケジュールなどが焦点となります。

NHKニュースより

完全にしてやられた感じなんだけど、ホンダも日産もプライドないのかな。

スポンサーリンク

ハードウェアの問題ではない

自動車会社にまつわる思惑

最近、車を新しくするってな話があって、色々とディーラーを回ってみたのだが。実は日産がかなりヤバいのは肌で感じた。

トヨタも販売できる車がない状態で、「あれで本当に商売になるのか?」と心配にはなった。

トヨタに初の是正命令 「型式指定」の不正で 国交省

2024年7月31日 19時18分

自動車などの大量生産に必要な「型式指定」の取得に関して自動車メーカーなどが不正を行っていた問題で、国土交通省は31日、新たにトヨタ自動車の7車種で不正が見つかったことを明らかにし、道路運送車両法に基づく是正命令を出しました。トヨタに是正命令が出されるのは初めてで、1か月以内に抜本的な再発防止策を報告するよう求めています。

NHKニュースより

以前、この話は少し触れたのだけれど、この型式指定の話は本当にクソで、国交省がトヨタを潰しにかかっているのではないか?と、疑った程だった。

実際に、型式指定の申請にともなう試験に関しては「トヨタが不正」と報じられているが、車両の性能自体には問題がないことが確認されている。では何が問題だったのか?といえば、適切な検査手法を選択しなかったということだ。

詳細は省くが、外国に輸出するための検査のほうが厳しい内容だったので、これを流用したトヨタは、「適切な検査をしなかった」と是正命令の対象になった。

似たような検査をやって、更に厳しい内容だったのだから、代替できるようにしてくれればいいのに。検査費用もトヨタ持ちで、類似検査を同じ車種に国ごとにやる。バカバカしいにも程がある。

もちろん、トヨタが手続きを無視したという点に瑕疵はある。大企業だからと胡座をかいていた部分もあっただろう。でも、この話はユーザーの誰も困らないんだよね。だったら、手続きの簡素化をするのが筋ではないか。

ホンダや日産はEVに

さて、トヨタの話はさておき、ホンダや日産はこういうことにはならなかったかというと、そうでもないんだよね。

日産、完成車検査で未実施など新たな不正発覚

2018年9月26日 17:07

日産自動車は26日、完成車検査の不正に関する調査の報告書を公表した。7月に明らかにした排ガス・燃費測定で国の基準を逸脱した事例に加えて、他の工程でも検査の未実施やデータ書き換えが複数見つかった。いずれも事後の検証で「国の保安基準を満たすと確認できた」(同社)としている。国は同社の報告書を精査した上で、今後の対応を決める。

日本経済新聞より

日産は過去に、ホンダはトヨタほどやり玉に上がらなかったが、トヨタと同じ時期に、マツダとかスズキと共にやられている。

国交省 ホンダ本社に立ち入り検査 車の性能試験で不正

2024年6月10日 10時18分

自動車などの大量生産に必要な「型式指定」の取得に関して自動車メーカーなど5社が不正を行っていた問題で、国土交通省は10日、東京 港区にあるホンダ本社に対して立ち入り検査を始めました。この問題で立ち入り検査が行われるのは4社目です。

NHKニュースより

この影響で一部車種の販売に影響が出ていたのだが、トヨタほど大きな影響は出なかったようだ。

が、経営面への打撃はそれとは別にあって、結局、日産とホンダが経営統合の方向に向かって動き出したというのが冒頭のニュースである。

ホンダと日産自動車は、経営統合に向けた協議を進めていて、関係者によりますと、持ち株会社を設立したうえで、それぞれの会社を傘下におさめる形で統合する方向で検討しています。

統合が実現すれば、販売台数が700万台を超える世界3位の巨大グループが誕生します。

NHKニュースより

ホンダにしても日産にしても、日本を代表する技術集団を持っているわけで、十分に経営に活かせれば良いのだが、この2社の共通項は何かというと、EVである。

日産もホンダもエンジンに強みを持つ会社であったはずなのに、どういうわけかEVに特化していくことを決めてしまった。バカなの?

EVは支那の独壇場

実際のところ、EVのシェアトップこそアメリカが握っているものの、世界への販売台数では支那がブッチギリという状況。

2023年の世界のEV販売台数は35%増の1,380万台、IEA見通し

2024年04月30日

国際エネルギー機関(IEA)は4月23日、「世界EV見通し2024」を発表した。2023年の世界の電気自動車(EV)(乗用車のみ)新車販売台数は前年比35%増の1,380万台となった(注1)。伸び率は前年(54%増)を下回ったが、全新車販売台数に占めるEVの比率は18%と、前年(14%)から拡大した。IEAは同見通しの記者会見において、EVが普及している理由として、(1)気候変動対策、(2)石油依存に対する経済安全保障上のリスク回避、(3)イノベーションの3つを挙げた。

2023年のEV販売台数を主要国・地域別にみると、中国が前年比37%増の810万台と最も多く、欧州が22%増の330万台、米国が40%増の139万台となった。中国は同年の世界のEV販売台数の60%近くを占め、続く欧州の約25%、米国の10%を合計した上位3カ国・地域での販売が世界全体の約95%を占めた。

JETROより

支那の場合は国内販売台数と、押収への販売台数の多さが目立つ。

が、こちらの記事で引用したように、支那のEV販売にはからくりがある。

相次ぐ工場閉鎖 中国「過剰生産」の実態とは?

2024年12月18日 19時47分

EV=電気自動車や太陽光パネルの価格がいま下落しています。

中でも太陽光パネルはこの1年半で価格が半分ほどに急落。背景にあるのは中国の「過剰生産」です。

NHKニュースより

多額の補助金を突っ込んで、国内で激しい競争をさせているのである。そして、大量の不良在庫の山を抱えている。

日産やホンダは単独で開発していくのに限界を感じたので、手を組むことにしたという話になるのだけれど、正直、支那は勝てる相手ではない。更にEVの将来性が高いか?というと、かなり疑問である。

EV=電気自動車や自動運転、次世代の車に欠かせないソフトウエアなどの開発では、アメリカのテスラや中国のBYDといった新興メーカーが先行し、既存のメーカーを脅かす存在となっています。

このため、両社は経営統合によって巨額の開発費などを分担するとともに、強みがある技術などを持ち寄り対抗していくねらいがあるとみられ、次世代の技術などをめぐる競争が自動車メーカーに変革を迫っています。

NHKニュースより

尤も、EVはソフトウェアの部分が重要なので、ハードの方は軽視されがちである。日産やホンダが磨いてきた技術はエンジン技術にウェイトが置かれていたことが裏目に出たということでもあるんだろうけれど、そもそも自動車会社って電子制御の分野はあまり得意じゃないんだよね。

そういう意味では、トヨタも随分と苦戦するだろうことが予想されていて、何年も前からソフトウェアの分野の強化を模索している。

が、日本の自動車産業がEVに舵を切っていくのだとすれば、おそらくは衰退は避けられまい。「EVはデカいスマホだ」とは誰が言ったのか。トヨタが危惧しているのは、自動車の筐体だけを作る会社になってしまえば、利益はソフトウェアを作る会社に持っていかれてしまうということだった。

EVが主流になれば、おそらくその傾向はエンジン車よりはるかに強くなる。そして、EV市場は支那が破壊しているので、今や自動車産業も大混乱なのだ。

ホンハイが目論む日産買収

そういう流れがあるので、日産の買収に鴻海が動いたというニュースは、「なるほど」と思っていた。

「ホンハイの日産出身幹部が渡仏」ルノーと日産株買い取りの交渉か

2024年12月20日 11時34分

台湾の中央通信社は19日、台湾の電機大手・鴻海(ホンハイ)精密工業が、日産自動車の大株主の仏ルノーと日産株の買い取りを交渉するために、日本人幹部をフランスへ派遣していると報じた。日産とホンダが経営統合に動いたのは、ホンハイによる買収を避けるためだとの見方がある。

中央通信は「ホンハイは当初、日産へ直接株買い取りを打診したが、同意が得られなかったためにルノーの持つ日産株へ目標を切り替えた」としている。ホンハイは電気自動車(EV)分野を成長の柱としたいと考えているとされる。

朝日新聞より

日産とホンダの経営統合が、鴻海による買収を避ける目的だったという話、意外に納得感のある話だが、ちょっと前にはこんなニュースも。

日産合弁、ファーウェイと提携 苦戦外資が中国テコ入れ

2024年11月15日 18:51

15日に開幕した「広州国際汽車展覧会」にあわせ、日本や欧州の車大手が中国企業との連携を打ち出した。日産自動車の合弁会社は中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)と戦略提携し、独フォルクスワーゲン(VW)傘下のアウディも現地合弁相手と新ブランドのコンセプト車を展示した。

日本経済新聞より

戦略提携の意味が、日本と支那では多分違うだろうから、非常に危険だと思っていたが、鴻海に買収されるなら「まだまし」なのかもと。

結果はホンダと日産との経営統合という判断にはなったようだが、正直、明るい未来は見えてこない。

結局のところ、EVは既存の自動車会社にとっては明るい未来に繋がらない。「緩やかな自殺」なのである。何故なら、今まで蓄積してきた技術は無駄にはならないものの、それだけでは武器にならないからだ。自動運転が本格化すれば、ソフトウェア会社のほうが遥かに有利になる。

そして、「実に不思議なこと」に国交省は日本の自動車会社の味方ではないのだ。

なかなか厳しい時代になったものである。

追記

どうやら、ホンダと日産で手を組む方向で話は進みそうだね。

ホンダと日産、経営統合に向け25年6月最終合意へ-NHK

2024年12月23日 10:04 JST

ホンダと日産自動車は、経営統合を巡り、2025年6月の最終合意を目指すとNHKが関係者の話を基に23日報じた。

報道によると、両社は、同日にもそれぞれ取締役会を開き、基本合意書を締結して経営統合に向けた本格的な協議に入る見通しで午後にも記者会見を開催する予定。

三菱自動車のトップも出席して協議への参加検討を正式に表明するという。

Bloombergより

確か、コメントで誰かが指摘されていたが、三菱自動車も一枚噛むことになりそうだ。

ホンダと日産にとって三菱自動車が一枚噛むというのは、割と朗報だろう。少なくともモーターや電源の仕組みに関しては、三菱電機の協力が得られればかなり有利になる。結局のところ、餅は餅屋なのだ。

ただ、それでも三菱電機はソフトウェアについてはポンコツな方なので、NECや富士通辺りに声を掛けることになるかもしれない。利益配分を巡ってかなり揉めそうな布陣だが、そうでもしないと外国企業と対等に戦っていけないのである。それでも勝ち目は怪しいけれど。

トヨタはどうするんだろうね。

この構図がどう塗り替えら得られるのか。

コメント

  1. 山童 より:

    ホンダかぁ……実は自動車だけでなく、マウンテンバイク・タウンヒル用の自転車まで開発してたんすよ。乗り物は何でもやる主義で。自転車は競技用レーサーだけだったけれど。本田宗一郎は息子に継がせず、息子は息子で改造パーツメーカーの無限を立ち上げて、オヤジの会社とレースで張り合うなど、なかなか魅力的なメーカーした。
    まぁ時代の要請で仕方ないのでせうね。
    そういや元グリーンベレーを雇い脱出した
    カルロス・ゴーンどうしてるだろう?
    レバノンなら行かない方が良かったかも。
    あの脱出劇の行動力は認めてるんすが。

    • 木霊 木霊 より:

      ホンダのアシモは結構画期的だったし、ジェット機も作っていますから、技術力がないというわけじゃないんですよね。
      ただ、資金力の面ではどうしても国家がバックに付いた大会社に負けてしまうのでしょう。

      頑張って欲しいのですが、日産もホンダもプライド高そうですよね。

  2. 匿名 より:

    相当昔から、日本の色々な官僚機構が日本の敵なのは不思議ですね。

    田中角栄、カルロス・ゴーン、政治資金パーティー 帳簿類不備

    偶に「大捕物で存在感見せ付けてやる」的なセコい動機で勲章モノの大功労者を貶めてるようにも一見、見え

    、、、更にだんだんネタ尽きてセコくなり、最後のなど ポッケナイナイしてる訳でもなければ額も「何かグループ公金チュウチュウ」より随分少ないぐらいなのにマスゴミは鬼の首取ったような裏金レッテル

    陰謀論に片足突っ込んでますが
    、左の国々からも、連合軍側からも、随分ハイブリッド調略され放題な結果にみえます。

  3. 砂漠の男 より:

    最近のルノーは業績好調で、カネに困っているわけではないでしょうけど、日産の不甲斐ない業績悪化を見て、フォックスコンからの提案に前向きと聞きます。おそらくルノーは、もう日産・三菱との連携にある程度は見切りをつけているんでしょう。
    日産・ホンダの経営統合は、経産省が推し進めているそうで、流れ的に三菱も日産・ホンダ連合に合流しそうな雲行きです。
    日経によると、フォックスコンが日産株の敵対的買収に乗り出すときは、ホンダが日産のホワイトナイトになると表明していたそうなので、ホンダが日産の吸収合併を考えていることが透けて見えます。年間生産台数が420万台(2023年)のホンダが、単独で生き延びられる未来はないでしょうから、そういう経営判断なんでしょうね。
    個人的には、日産がまた経産省の言いなりで、もはやどう仕様もないな、と見ていますが、日産・ホンダ経営統合は、日産がシャープのようにフォックスコンにしゃぶり尽くされてボロボロにされるよりは遥かにマシなので、致し方ないのかなぁという感想しか出てこない。
    ただ、フォックスコンがルノーから日産全株お買い上げとなれば、口出しする大株主となって、アレコレ寄越せと言ってくるんでしょうね。ルノーが日産株を放出しないといいんですけどね。

    • 木霊 木霊 より:

      ルノーは一時期苦戦していましたが、最近は良いみたいですね。

      そして、多くの自動車産業は電機メーカーやソフトウェアメーカーと組みたがっています。
      トヨタさんの中の人からしか話を聞いていないのですが、やはりその道のプロとは違うことを苦戦してやっている実情に、力不足を感じてるようですね。
      日産・ホンダの統合は、そういう意味でも外資に売り渡すよりは遥かにマシなんですが、未来はないのかなと。

      ルノーはハイブリッドに手を出していたのが功を奏した印象なんですが、将来的には未だナニカ投資しなければならず、サムスンとの連携がヤバそうなんで他の道を探すのでしょう。
      鴻海(フォクスコン)はイケイケですね、今は。でも、台湾勢の強さの原資が、支那にルーツを持つことを考えると、なかなか危うい感じはするんですが。

  4. 匿名 より:

    ホンハイは台湾企業であるが、中国政府から補助金ガッツリ受けており、また中国本土に大量の共産党員を抱えている、かなり中国に近い企業。ホンハイトップはかつて親中の国民党から総統選への立候補も検討してたぐらい。
    こうした企業に買収されるぐらいならホンダのが良いと経産省主導の統合。

    • 木霊 木霊 より:

      鴻海の動きはかなり怪しいですよ。
      随分と支那に技術を横流ししている可能性が。
      あそこと手を組むと、中から食い破られるんでしょうね。