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15日、CPTPPにイギリスが参加

外交
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イギリスがCPTTPに参加!はい、拍手ー。

TPP、英国15日に加入 12カ国体制、トランプ関税に対抗

2024年12月13日16時14分配信

日豪など11カ国の環太平洋連携協定(TPP)に15日、英国が加入する。2018年のTPP発効後、新規加盟は初めて。インド太平洋地域の経済連携の枠組みは欧州に拡大し、12カ国体制になる。

時事通信より

時事通信はまた、嫌らしいタイトル付けているけれど、誤報だからね、これ。

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加盟申請待ちは結構いる

加盟決定は2023年

時間がかかったねぇ。

2023年7月には正式に新規加盟が決まったのだけれど、実際に参加できるのは2024年12月15日になったというから、1年以上時間を要したことになる。

インドネシア、TPP申請 新規加盟で輸出競争力強化 輸出が10%超増える見込み

2024/9/26 16:01

インドネシア政府は26日までに、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に加盟申請した。ハルタルト調整相(経済)は「自国製品の競争力を高め、輸出増を狙う」と述べた。申請は19日。

産経新聞より

今年の9月にはインドネシアが加入申請していたのだが、最近にはこれ以外にもCPTTPの話が。

CPTPP加盟、コスタリカが交渉開始

2024年11月29日 12:55

赤沢亮正経済財政・再生相は29日の閣議後の記者会見で、中米のコスタリカが包括的・先進的環太平洋経済連携協定(CPTPP)加盟に向けた交渉を始めたと明らかにした。米国離脱後の新たなTPPの枠組みに加わる交渉を始めるのは英国に続き2カ国目となる。

日本経済新聞より

そう、コスタリカである!

……どこだよ。

まあ、中南米のコスタリカの話はさておき、イギリスの加盟申請が2021年2月に行われて、そこから各国の了解を取り付けて加盟の運びとなった。

そう、手続き開始の時期を考えても、どう考えてもトランプ関税に対抗してこの話を推進した訳ではなかったことは理解いただけると思う。そもそもCPTTPは対支那包囲網なのだから。

トランプ関税に関係があるか

さて、そういった事情から時事通信のタイトルはおかしいのだが。

米国では、TPP離脱を決めたトランプ前大統領の返り咲きが来年1月に控える。広域での自由貿易を推進し、高まる保護主義に対抗する。

時事通信「TPP、英国15日に加入」より

ただ、トランプ関税に全く無関係かというと、そういうわけでもない。イギリスからの製品購入やサービス提供にあたって、TPP加盟国同士では殆ど関税をパスできる。特定品目に関しては関税が掛けられるシステムになっていて、イギリスは「何を守る」のかは知らないけれども。

TPP イギリスが新たに加入し12月15日までに発効見通し

2024年8月30日 6時34分

日本などが参加するTPP=環太平洋パートナーシップ協定が、新たにイギリスが加わる形でことし12月15日までに発効する見通しになりました。TPPの経済圏は初めてヨーロッパに広がることになります。

~~略~~

イギリス政府は、国内の経済効果について、2040年までに年間およそ20億ポンド、日本円でおよそ3800億円の押し上げにつながるとしています。

一方、日本としても、精米などの関税が撤廃されるため、イギリスへの輸出の拡大が期待されています。

NHKニュースより

ともあれ、トランプ氏は国内の産業を守るために関税を上げることを表明している一方で、イギリスは関税をなくすことで産業を活性化させようという狙いだ。

尤も、CPTPPの元になったTPPの計画にはアメリカ自身も参加していたのであって、その狙いは支那包囲網だ。そういう意味で、トランプ関税に対抗するために、というのは筋違いにも程があるのだが、イギリスにとって関税のかからない国との貿易はメリットも出てくるのは事実。アメリカを揺さぶる材料にもなるので、全く無関係とも言えない。

支那は順番待ち

なお、以前にも書いたが、「TPPに参加したい」と表明した台湾に対抗して、支那も手を上げている。「俺も仲間に入れろ」と。

焦点:中国のTPP加盟申請、最大のハードルは「政治」

2023年8月1日午後 1:25

中国は環太平洋連携協定(TPP)への加盟を申請しており、貿易専門家によると、要件的には加盟基準を満たせるはずだ。従って現加盟各国は、もともと中国の影響力拡大に対抗するために作られたTPPに中国を参加させるかどうかという、政治的に厄介な決断を迫られている。

英国は7月、ニュージーランドのオークランドで開かれた会議で、TPPへの加盟を正式承認された。申請から2年余りでの実現だ。

これにより、加盟国が中国、台湾、ウクライナ、コスタリカ、ウルグアイ、エクアドルからの加盟申請を検討する道が開かれた。

経済規模が圧倒的に大きい中国は、申請順に処理されれば次の順番になる。ただ、申請順と決まっているわけではない。

TPP議長国ニュージーランドのオコナー貿易相は、次の申請検討に一定の時間的枠組みはあるかとの質問に 「無い」と答えた。

ロイターより

ただ、「次は俺の順番だ」と思ってワクワクしていた支那は、コスタリカに先を越されてかなり怒りを滲ませた。

台湾も、コスタリカに先を越されたことで失望を口にした。

CPTPPは新規加盟にオープンとカナダ、台湾の失望表明受け

2024年12月3日午後 2:26

カナダ政府は包括的・先進的環太平洋経済連携協定(CPTPP)について、台湾を含め加盟を希望する国・地域に対し引き続き門戸を開いていると表明した。

台湾行政院(内閣)は先週、CPTPP加盟国がバンクーバーで開かれた閣僚会合で台湾の加盟を検討する作業部会を設置しなかったことに失望を表明し、政治的な配慮があってはならないと訴えた。

ロイターより

ただ、台湾はともかく支那がCPTTPに参加できる目処は立っていない。支那の横槍が入るのを恐れたのか、台湾の加盟を検討する作業部会の設置も見送られてしまったが、支那はそもそもWTOに定めたルールすら守ることの出来ない国家である。

透明性の高い貿易など、とてもではないがやれないのだ。まあ、いつまでも待たせておけば良いよ。

コメント

  1. 匿名 より:

    さようならグローバリゼーション
    お帰りブロックエコノミー

    安全保障とセットなので中国は入れないとは言うと角が立つ
    貿易ルールを守る国だけが入れると言えば韓国も排除できる

    • 木霊 木霊 より:

      グローバリゼーションって、みんなが同じ方向を見ている時に見る夢みたいなもので、条件が揃わないと容易に崩壊します。
      「同じ方向むこうぜ」という、ブロック経済の方が成立しやすいですよね。ただ、これやると、ブロック経済の外から攻撃されるというデメリットが。

      表向きは「安全保障とセットじゃない」と言いつつ、その実態は安全保障とセットですから。
      だから、韓国に入ってもらうのも困るんですよねぇ。一番弱い輪になりますから。被害担当になってもらうにしても、ちょっと信用がなさすぎるのが困りもの。

  2. 山童 より:

    いいですねぇ。待たせるのは排除じゃありませんから(笑)
    トルコがEU加盟について永遠に待たされ、エルドアンがはなれてゆくように、待たせて離れてゆくのを生暖かく見守れば(笑)
    幸いにEUにとってのトルコと、アジアにとっての中国.韓国は役割が違う。
    トルコはNATOで米国に次ぐ軍事力の国で、
    NATOから離脱されると西欧は困る。なので
    あまり冷たくしてNATO離脱されると困るので、永遠に待たせる方向できたのでないかと推測してます。
    (まぁ時間切れぽいですけれども)
    対して中国はそのものがアジアの安全保障の悩みの種ですから、待たせてむくれられても困らない(笑)
    韓国にしても頼りにならないのは明らかてありますし。

    • 木霊 木霊 より:

      支那はいつまでも待ってもらうしかありません。
      前提条件が揃うまでは、そこで。

      NATOでのトルコの立ち位置は面白いですね。
      地政学的にかなり有利な国ですから、ロシアが敵である以上はトルコはかなりワガママが言えるという。
      かつては、韓国がその位置にいると言われていましたが……、ワガママをやりすぎたということですかね。