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どうしても増税したい自民党と石破政権

経済
この記事は約6分で読めます。

タイトルに「自民党」と入れるのはどうかと思うのだけれど、皆さん減税には消極的だからなぁ。

防衛増税 法人税2026年4月から 所得税2027年1月から実施検討案

2024年12月11日 15時09分

防衛財源を確保するための増税について、政府・与党は、法人税は2026年4月から、所得税は2027年1月から実施するなどとした案をもとに、検討を進めることになりました。検討案では、それぞれ「防衛特別法人税」、「防衛特別所得税」という名称となっています。

NHKニュースより

防衛財源が必要だという点に反対するつもりはない。むしろ、安定財源を確保しろというスタンスではある。でも、今「増税」する必要があるの?

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防衛は最優先事項だが

隠しておきたい税収上振れ

ええと、2023年の記事ではあるが、先ずコレを引用しておこう。

今年度も上振れが予想される税収

2023.07.24

~~略~~

近年、国の税収が上振れている。当初予算との対比でみれば、2021~2022年度にかけて2年連続で上振れており、平均上振れ額は+7.7兆円にも上る。また、補正後予算との対比では2020~2022年度にかけて3年連続で上振れしており、平均上振れ額は+3.9兆円となっている。

中でも、2022年度は名目GDP成長率が当初予算時点での見通し+3.6%から実績は+2.0%に下振れしたにもかかわらず、税収が上振れしている。具体的に同年度の税収を見ると、当初予算時点で65.2兆円だったのが、補正後予算で68.3兆円に上方修正されている。そして決算時点に至っては71.1兆円にまで上振れしている。

第一生命研究所のサイトより

「今年度も」と書かれているが、実のところ2024年も同じ状況である。

img

実際、ここ10年程で前年比でマイナスに転じたのは2016年と2019年の2回。

今年度補正予算案で国債6.7兆円追加発行、税収上振れ分も活用-関係者

2024年11月28日 14:04 JST 更新日時 2024年11月28日 15:50 JST

政府が策定した総合経済対策の裏付けとなる2024年度補正予算案は、一般会計総額が13兆9433億円となる見通しであることが分かった。過去最高水準が見込まれる税収の上振れ分などを充てるが、不足分は新規国債を6兆6900億円追加発行して賄う。複数の関係者が明らかにした。

Bloombergより

2024年も好調で、税収の上振れが見込まれる3兆8270億円と、税外収入1兆8668億円に加えて前年度剰余金1兆5595億円が財源として見込まれる話をしている。

予算編成をして、予想税収の上振れをした場合には「余剰金」という扱いになる。

で、財務省の資料を参考にしてここで「余剰金とはなんぞや」というお話をしたいところなのだが、会計資料を読み解くには僕の手に余るので、この辺りは別のサイトを引用しながら説明していきたい。

余剰金の話

何処を引用するかと言えば、新宿会計士様のところである。

じつは財務官僚は数字に弱い?毎年巨額の剰余金を計上 | 新宿会計士の政治経済評論
一般会計では毎年巨額の剰余金が生じているという実態があります。財務省が公表している決算データを眺めてみると、コロナ禍が深刻化した2020年においてはじつに36兆9814億円、また、直近の2023年においても12兆6227億円という巨額の剰余...
減税を巡って「剰余金」と「埋蔵金」を混同する人たち | 新宿会計士の政治経済評論
国民民主党・玉木雄一郎氏が主張する「剰余金」を、(旧民主党政権時代の)「埋蔵金」になぞらえて批判する人が出てきました。「剰余金」を正体不明の「埋蔵金」になぞらえる時点でずいぶんとセンスがないことですが、たちが悪いことに、(立憲民主党やれいわ...

基本的な用語解説をしておくと、「余剰金」とは、年度末決算時に生じる余ったお金のことであり、例えば税収の上振れであったり、予算として確保したお金の使い残しであったりする。

全部が使えるお金という意味ではないんだけど、予算として振り向けられる余地があるという意味では、間違いなく「使える」わけだ。

img
新宿会計士様のサイトより

このグラフなんかが分かり易いんだけど、余剰金というのは常に出ていて、国債償還なんかに使われているようだね。

ここで問題なのは、「国債償還は本当にその時点でする必要があるのか」ということだ。予定外の収入があったので繰り上げで国債償還に使うというスタンスなので、財政的に余剰金が国債償還に予定されていたらおかしい。

とまあ、そんなわけで、財政の見積もりが甘いよね、財務省さん。だから、増税無しでも予算を捻り出せるよね、という理屈は成り立つ。もちろん、全額賄えという積もりはないが、その辺りの議論無しというのは如何にも不自然だ。

防衛力強化のための財源

必要ならば予算確保の必要はある。

だけど、バケツから水が漏れていることが分かっているのに、水漏れの対処をしないで更に水を増やすとかいう話は論理的ではない。

これについて政府・与党は、来年度の税制改正に合わせて開始時期を決める方針で、その検討案が明らかになりました。

それによりますと ▽法人税は2026年4月から「防衛特別法人税」として、納税額に4%の付加税を課す方式で実施するとしています。

▽所得税は2027年1月から「防衛特別所得税」として、納税額に1%の付加税を課す方式で実施し、一方で「復興特別所得税」の税率を1%引き下げ、課税期間を延長します。

また ▽たばこ税については、2026年4月に加熱式たばこの税率を引き上げて紙巻きたばことの差をなくしたうえで、2027年4月から3年間、1本当たり0.5円ずつ段階的に増税を行うとしています。

NHKニュース「防衛増税 法人税2026年4月から」より

与党「案」を見ると、批判の少ない辺りから手をつけようとしているように見える。

たばこ税に関しては、加熱式煙草に関しても課税しようという動きであり、こちらは煙草を吸う人が少なくなってきているだけに批判は少なかろうと思う。

「防衛特別所得税」に関しては個人から納税して貰うけれども、「復興特別所得税」を1%引き下げて相殺する予定なので「実質、負担無し」と言っている方々がいらっしゃるんだけど、そもそも復興特別所得税は「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保」という名目で採用された時限立法である。

個人の方に係る復興特別所得税のあらまし|国税庁

所得税は2013年(平成25年)1月1日からの25年間の予定で、税額に2.1%を上乗せする形で徴収されているもの。「課税期間を延長」と寝言を言っているけど、2038年に終了する予定だったものを引き続き課税するよということを言っているのだから、実は何も得をしていない。むしろ、将来的に増税すると言っているも同じである。

更に、「防衛特別法人税」は4%課税といっていて、法人から徴収することになっているんだけど、復興特別税として10%追加徴収されているんだよ。こちらも期間延長の対象になっている上に相殺されていない。実質増税だよね。

何故この議論を今しなければならないのかが、良く分からない。日本の景気が良くなれば税収は増えるのだから、寧ろ今は景気刺激する位の話を何故しないのかが分からない。増税は何れは必要かも知れないけれど、他の方法で賄えるのだから先ずそっちを優先したらどうなのよ。

防衛も経済も両輪を回していくことが大切なのだ。必要だからとるという理屈は分かるが、それは増税しなくともなんとかなるうちに出す話ではない。国民との信頼関係がないうちからこんな話を持ち出して、本当にセンスがない首相である。

コメント

  1. 山童 より:

    ども。極めて現実的なお話。実際!たしかに生きてる保証の最たるものてある国家安全保障は優先事項です。ただ仰るように、
    両輪を回さねば息切れる!
    戦闘中にお金が尽きて補給できませんとか、後方で飢餓が起きてますとか、極端な例えたけど、そういう事が跛行だと起きる。んで、予算てきる余地があるのにやらんのは、単に財務省の権力維持と、官僚の出世(増税すると出世する)欲の為てせう。
    国民の為どころか国家の為てすらない。
    そしてね、先日のマクロン評で書きましたように、高IQ高学歴エリートの存在価値が今ほど下落した時代もないんですね。
    これはトランプ氏を始め!アメリカの政治家の高齢化が表してる!
    何で高齢化するかと言うと、事業家を中心に他分野での成功した人物を選びたがるからなんですね。事業家として成功して60前後に第二の人生で政治を選べば、そりゃ軒並みに高齢化する。
    対する政治家やトップの若返りが起きているのかEUなんですが、マクロンといい東欧の女性首相の退陣といい!この「若いトップ」が成果を出せずに右派に押し切られつつあるのが現状。
    これ私は構造的問題と思うです
    いわゆる上級国家公務員試験みたいのは、全国から神童を集めねばならなかった明治時代とかの戦略てして
    今は機能してない!
    て、成功経験ある事業家は山程おるに、社会で何の実績も出してない官僚と政治家が経済政策を仕切ってる。
    実績かない!!
    はっきり何らかの企業または自営で、成果を数値にした経験者を政治家にすへきだし、国家公務員はAIなどで精査した実績で昇級を決め、国家公務員に上級も中級も下級もヒエラルキーを撤廃、すべて「実績」で決めるようにすべきだと思うです。

    • 山童 より:

      ただし…「経済学者」を政治に据えるのは止めませう!!
      私が学生であった時に経済学部で、こういうジョークがあった。

      ①政府が経済政策を10人の経済学者に立案を依頼したところ、「13の案」が提示された

      ②無人島に物理学者と化学者と経済学者が漂着した。とりあえずの食糧は缶詰数個。
      しかし缶切りがない!
      いかにしようか?
      物理学者はテコとパチンコの原理で缶詰をこじ開ける道具の設計を地面に描いた。
      化学者は手持ちの資材から酸を作り、蓋を溶かして手に入れる策を提案した。
      それで、経済学者の君は経済学の観点からどのような策を提案するね?
      経済学者「うむ。先ず缶切りは『在る』と仮定しよう。そして……」

      このように当時すでに経済学者の言うことに即効的な実現性が無いことを経済学部で笑われてました????

    • 山童 より:

      エリートが如何に頼りにならないか!
      例えば10月にイエリン財務長官が、ウクライナに対して日本円で3兆円の支援を行い、
      ロシアの凍結資産をそれに充てると発言。
      にゃるほど。
      では、その3兆円の凍結資産を現金化するには、買い手はどこにいるの??
      んな危ねー資産を買う資産家いるの??
      米国政府が買い取るならば、まぁ税金投入になり、その買取で損失出した時はどう弁済するわけ??

      このネット時代、ちょいと考えれば私の如き凡人でも疑問に思うこったね!!
      ようするにマクロンのその場しのぎ(おい、仏軍のウクライナ参戦はどうした?)な発言の数々を観ても、てきとーに言っておけば国民を騙せるというネット以前の古臭い思考なのですな!
      とーころが、今はこちらのブログ観ても、木霊様や砂漠の男様(砂漠の狐にハンドル変えませんか?)や七面鳥様や、皆様方のような「自分で考える能ある人たち」が黙ってないのが21世紀なんすよ!
      はっきり言って、エリートたる政界や官界に身を投じ、ある程度以上の地位より上がる事を求める者は、強制的に3カ年の兵役を必須条件とする! また3カ年の公益法人での経営で実績を上げた経験者のみ、経済政策を発言出来る!このように法制度化するべきです!
      第一次大戦の時に最も戦死者を出したのは英国の貴族や郷士などの階級でした。
      それはノブレス.オブ.リージュの概念が生きていたからです。
      今の日本の政治家やら官僚やらに、そういうやついます??
      沖縄取られたらシナに擦り寄りそうな奴はまかりではないですか??
      はっきし言ってクーデターでも起きて欲しい。

  2. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    単純に、今、ドカンと一発「減税」すれば人気回復なのにね。
    その皮算用が出来ないあたり、浮世離れした人はダメなんですね。

    ※浮世に阿る政党が良いというわけでは決してナイ。