近況は「お知らせ」に紹介するようにしました。
スポンサーリンク

ルーマニアで大統領選やり直しが決定

北欧ニュース
この記事は約6分で読めます。

ここのところ困った話が多すぎる。

憲法裁が大統領選やり直し決定 親ロシア候補に不正疑惑―ルーマニア

2024年12月06日23時46分配信

ルーマニアの憲法裁判所は6日、決選投票を8日に控えていた大統領選挙をやり直す必要があるとの判断を下した。政府に対し新たな日程を組み直すよう求めた。

時事通信より

韓国の唐突な戒厳令にもびっくりしたけれど、ルーマニアの選挙やり直しもどうなのこれ。

スポンサーリンク

ロシアの政治介入

TikTokの政治利用

先ずはルーマニアの場所から。

ウクライナの隣国である。

まあ、それ以上説明が必要なのか?というレベルの話ではあるんだけど、当然にロシアによる政治介入もある。

11月24日に実施された第1回投票では、「泡沫(ほうまつ)候補」と見なされていたロシア寄りのジョルジェスク氏が予想に反して首位を獲得。中国系短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の不正利用疑惑が持ち上がり、選管が再集計を実施した。当局も調査に乗り出し、「ロシアの介入」(チョラク首相)があった可能性を指摘していた。

時事通信「憲法裁が大統憲法裁が大統領選やり直し決定」より

問題視されたのはTikTokの政治利用なんだけど、そんなことある?というような感じはする。でも、アメリカ大統領選挙もそうなんだけど、日本の環境とは随分違って、TikTokが政治利用されることが多いようだ。

TikTokの監視強化 ルーマニア大統領選で不正疑惑―欧州委

2024年12月05日23時37分配信

欧州連合(EU)欧州委員会は5日、ルーマニア大統領選で情報操作などの不正の疑いがあるとして、中国系短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」に対する監視を強化したと発表した。IT企業に違法コンテンツ対策を義務付けたデジタルサービス法(DSA)に基づく措置だとしている。

時事通信より

EUも問題視されているTikTokだが、日本では「SNSの利用で選挙が捻じ曲げられる」という話が出ているのだけれど、似たような構図で選挙活動が展開されているらしい。

外国の友人に聞いてみたのだけれど、TikTokをどうやって政治利用しているか聞いてみたら、短いフレーズで思想誘導する目的の動画を作っているらしい。Youtubeのショートみたいな感じだと言っていた。ただ、繰り返し繰り返し流されることと、かなり虚偽の内容が含まれること、などなど、割とYoutubeショート界隈と似たような構図になっているらしい。ただ、どうにも意図的にフィルタリングされている疑いがあるという感想は頂いた。

ショート動画の弊害

少し一般的な話になるのだが、よく、新聞記事のタイトルと内容の乖離について問題にされたり、Youtubeの釣りサムネが問題視されたり、切り取り的な情報の断片を集約することで、印象を操作する手法が指摘されている。

ショート動画も似たような傾向にあって、嘘は言っていないんだけど誤解を招くような作り、煽りを入れている作りで、印象操作が出来るように思う。

TikTok禁止法支持 「敵対国家から自由守る」―米控訴裁

2024年12月07日11時09分配信

米首都ワシントンの連邦控訴裁判所は6日、短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の禁止法を巡り、米運営会社と中国親会社の字節跳動(バイトダンス)が法律の施行差し止めを求めていた訴えを棄却した。禁止の権限があるとする司法省の主張を支持する判断を示した。

時事通信より

アメリカ大統領選挙でも、メディアのあり方について問題があると言われていて、事前の調査ではバイデン氏が圧倒的に強く、その後継者のカマラ・ハリス氏の勝利は確実だと思われていたが、蓋を開けてみたらトランプ氏の圧勝。

メディアの調査能力が低下しているという意味でもあるのだろうけれど、ネット上の情報戦略が大きく選挙を左右する時代になっているという意味だと思う。

そうした点で、アメリカはTikTokに危機感を持っていて、何度も使用禁止にするとか安全保障上の問題点について指摘されている。ただ、「表現の自由」という部分をおされると、なかなかTikTok禁止というのはアメリカで合っても難しいようだ。

モルドバ大統領選挙でも

さて、そういった根本的な問題を抱えていて、TikTokそのものが問題というよりも、ネットを使った選挙手法に割と悪用が容易だという点が相まって、今後、真剣に考えていかねばならない。

で、モルドバの話なんだが。

モルドヴァ大統領選の決選投票、親EU派サンドゥ現大統領が勝利宣言 ロシアの干渉指摘される中

2024年11月4日

東欧モルドヴァで3日、先月実施された大統領選の決選投票が行われ、親EU派の現職大統領マイア・サンドゥ氏(行動と連帯、PAS)が再選を宣言した。サンドゥ氏はほぼすべての開票が終わった時点で、親ロシア派のアレクサンドル・ストヤノグロ氏(社会党、PS)を僅差でリードしていた。

BBCより

結果として親EU派の現職大統領が続投という結果にはなったものの、マイア・サンドゥ氏の対立候補だった親ロシア派のストヤノグロ氏との票差は僅差。

51年間にわたり旧ソヴィエト連邦の構成共和国だったモルドヴァは、ウクライナとルーマニアの間に位置する欧州最貧国の一つ。人口は250万人で、国外居住者は120万人。

モルドヴァ当局は以前から、親ロシア派でロシア在住のモルドヴァ人実業家および政治家のイラン・ショール氏がロシア政府のために、3900万ドルを費やし、13万8000人のモルドヴァ人に金銭を支払うなどして票を買収しようとしていると警告していた。

ショール氏は不正行為を否定しているが、EUに対して「断固としたノー」を突きつける自身の呼びかけに賛同する用意のある者に金銭を支払うと約束している。

BBC「モルドヴァ大統領選の決選投票、親EU派サンドゥ現大統領が勝利宣言」より

買収工作があったことは事実のようなので、選挙結果から見ても結構危うい状況だったと言えると思う。ネット工作の有無は言及がないが、おそらくそういう面もあっただろう。

ルーマニアではやり直しに

というわけで、冒頭で言及したように、なんと選挙のやり直しが決定してしまった。

親露派が首位だったルーマニア大統領選の第1回投票が無効に 露の選挙干渉工作を問題視か

2024/12/7 00:15

東欧ルーマニアの憲法裁判所は6日、11月24日に実施された大統領選の第1回投票の結果を無効と判断し、選挙のやり直しを命じる決定を下した。大統領選は、親ロシア派で極右の大学教授、カリン・ジョルジェスク氏(62)と野党の中道右派「ルーマニア救国同盟」のラスコニ党首(52)との決選投票が今月8日に実施される予定だった。

無名の泡まつ候補と目されていたジョルジェスク氏は動画投稿アプリTikTok(ティックトック)を駆使した選挙運動を展開して第1回投票で首位を獲得。落選した候補らは、ロシアが選挙に干渉した可能性があるとして憲法裁に選挙無効を申し立てていた。

産経新聞より

判断理由はさっぱりわからないが、やり直しって大丈夫なのだろうか。

報道にしろネットにしろ、偏向があることで選挙に影響があるということは、今に始まったことではない。日本でも兵庫県知事選挙でネットの影響が問題にされていて、名古屋市長選挙もそういった噂はある。

ただ、やり直しという議論はなかった。

ルーマニアでどのような選挙介入があって、何が問題視されたのかはさっぱりわからないのだけれど、憲法裁判所は「やり直し」を決定してしまった。

韓国の戒厳令の話といい、民主主義、大丈夫?

おそらくは外国の選挙介入が問題視されたということなんだろうと思うし、おそらく決定を出すだけの証拠があったのだろうと思う。

ただ、そんなことで簡単に政治が麻痺してしまう民主主義の弱みが如実に現れたということでもあると思う。

コメント

  1. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    ダマスカスが堕ちるのが思いの外早くて(まあ、機械化部隊が障害無しに突っ走れば一日でハマあたりから辿り着けなくもないので、有り得るとは思ってましたが)、びっくりしたというか政府軍側が逃げ腰極まれりなのだと思ったわけですが、近隣各国の親露政権が雪崩を打って崩壊しているのでしょうか。
    プーチンの怒髪天をつく様子が目に浮かぶ、というか、側近達は胃潰瘍で死ぬんじゃないですかね。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      政府軍側は本当に抵抗したのかが疑問になるほどアッサリでしたね。
      兵站が崩壊していたのか、別に理由があるのか。アサド氏もアッサリ亡命しましたから、ある程度諦めていたのではないか、と。

      プーチン氏、怒髪天をつく……。髪の毛が生えてきたらちょっと面白いと思ってしまいました。失礼。