リトアニアはかなりお怒りのようだな。怒りのペルソナ・ノングラータ指定で支那も激怒という展開らしい。
中国、リトアニアの大使館職員追放に「対抗措置」警告
2024年12月2日 18:29
中国政府は2日、リトアニアが中国代表事務所の外交官3人を追放したことを受け、「対抗措置」を取る可能性があると警告した。リトアニアと台湾の関係や、バルト海の海底ケーブル損傷に中国船の関与が疑われていることなどから、両国の関係は悪化している。
AFPより
それにしても、「犯人は支那だ」と冗談で言っていたんだけど、本気で犯人っぽいな。
インフラ破壊は罪が重い
ペルソナ・ノングラータだ!
この話は、先日のバルト海の海底ケーブル切断事件に関連している。その時の記事はこちら。
「こ、これは支那の仕業か?!(混乱)」と出だしで書いたのだけれど、本当になってしまった(混乱)。
先月、バルト海のスウェーデン領海内で、リトアニアへ向かうものを含む通信ケーブル2本が断線した。切断1件をめぐっては、当時、周辺を航行していたことが追跡サイトで確認されている中国船「伊鵬3」の関与が疑われている。
リトアニア外務省は先月30日、中国の外交官3人を「好ましくない人物」として国外追放処分にした。国外追放処分とした理由については、「ウィーン条約とリトアニア法に違反する活動」と主張するにとどめた。
AFP「中国、リトアニアの大使館職員追放に「対抗措置」警告」より
この話でリトアニア外務省が怒っているのは、リトアニアに多大な迷惑がかかったためなんだよね。
バルト海 海底の通信ケーブル 切断や損傷が相次ぐ 当局が捜査
2024年11月20日 9時08分
北欧のバルト海で海底の通信ケーブルが切断されたり損傷したりしているのが相次いで見つかり、沿岸のスウェーデンなどの当局が捜査を始めました。ドイツの国防相は破壊工作の可能性が高いという見方を示し、ロシアへの警戒感をあらわにしています。
ドイツとフィンランドの両政府は18日、両国を結ぶバルト海の海底通信ケーブルが切断されているのが見つかったと発表しました。
バルト海ではその前日にもスウェーデンとリトアニアを結ぶ海底通信ケーブルに損傷が見つかり、リトアニア国内のインターネット通信が制限されるなどの影響が出ています。
NHKニュースより
NHKニュースでは軽く「リトアニア国内のインターネット通信が制限されるなどの影響」と報じているが、実害は少なくともそんな軽い話ではないのである。
破壊工作に鉄槌を
何が問題かと言えば、このバルト海には重要なインフラが敷設されている点だ。面白半分でやっていいことではないのだ。
バルト海で海底ケーブル2本が切断、「ハイブリッド戦争」の懸念高まる
2024.11.19 Tue posted at 19:42 JST
バルト海で通信用の海底ケーブル2本が突如として切断された。海底ケーブルをめぐっては、米国が最近、主要な海底ケーブルの周辺でロシアが軍事活動を活発化させているのを検知したと発表していた。
~~略~~
寸断されたもう一つのケーブルはフィンランドとドイツを結んでいた。ケーブルの運営に携わるシニア社が明らかにした。問題のケーブルはフィンランドと中欧を結ぶものとしては唯一直接接続されており、全長は約1200キロ。ガスのパイプラインや電力のケーブルなど他の主要なインフラと並んで敷かれている。
CNNより
今回はピンポイントで通信ケーブルが破壊され、インターネットは迂回路も作られているから事なきを得たのだが、実際に破壊された直後はトラフィックが上がって通信の混乱はあったようだ。
万が一、電力ケーブルやガスのパイプラインを損傷することがあれば、人命に関わる可能性だってある。この時代にネットワークを攻撃するという事自体、かなり罪が重いのである。
そういう事情があって、リトアニアは支那の外交官3人を「好ましくない人物」(ペルソナ・ノングラータ)として国外追放処分にした。恐らくはケーブル破壊だけが問題ではないんだろうけれど(追放処分にしたという性格上、スパイ行為をやっていた可能性は高い)、それだけだとしても事件に関わっていた疑いがあれば十分に国外追放処分にする理由にはなる。

やっていることはかなり悪質なんだよね。
明らかに怪しい動き
何がそんなに悪質なのかと言えば、どうやら破壊工作の意図があったことが確実視される情報が出てきたからである。

この図を見て頂くと、工作活動に従事したと疑われている支那船籍の貨物船「伊鵬3号」(YI PENG3)は、2箇所のケーブルを切断したうえ、その手口は海底に碇を下ろして引き摺るというやり方であったそうで。
台湾海峡でもピンポイントで碇を下ろしてケーブル切断をやっていたが、他の箇所でも色々とやっていて、アメリカも支那の船が世界カ国の海底ケーブルをターゲットにして「破壊工作をやっている疑いが濃厚だ」と指摘している。
つまり、「いつもの手口だった」ということだ。
更に悪質なことに、図にあるように「No AIS Signal」とあるが、貨物船「伊鵬3号」は工作活動に従事するために、AIS(船舶自動識別装置)をカットしていたことが判明している。
国際海運に関するリアルタイムデータを提供する分析会社のKplerは、「穏やかな気象条件と制御可能な波の高さを考慮すると、偶発的に錨が引きずられてしまった可能性はほぼ皆無と思われます」とウォール・ストリート・ジャーナルに語っています。
GIGAZINEより
また、貨物船「伊鵬3号」の航路は完全にCライオン1ケーブルと呼ばれる海底ケーブルに沿って航行していたことが判明しているため、これも偶然とは考えにくいとのことだ。
このような破壊工作は、多数の市民の生活に影響が出る他、国際取引などにも影響が出る可能性があって、非常に嫌われる。
中国外務省の報道官は2日、「この無謀で挑発的な措置を強く非難し、断固拒否する」と声明で発表。さらに「リトアニアに対し、中国の主権と領土の一体性を損なう行為を直ちに停止し、2国間関係に困難をもたらすことをやめるよう求める」と述べた。
AFP「中国、リトアニアの大使館職員追放に「対抗措置」警告」より
支那は、「ちょ、ま、待ってくれ」と慌てているようだが、リトアニアとしてはこの件を有耶無耶にする気はないようだ。報道によっては、リトアニアの決断はこの破壊工作とは関連しない可能性も示唆しているようだが、正直、それはないんじゃないかな。
リトアニアは27日、欧州検察機構(ユーロジャスト)の支援を受けてスウェーデンおよびフィンランドとケーブル断線に関する合同調査チームを立ち上げたと発表。
AFP「リトアニア、中国代表部職員3人を国外追放」より
とことんまでやると思うよ。
コメント
海底ケーブルはノルドストリームとかと違って、かなりな深さですよね。爆雷で切断できるような代物でなく(できるなら真っ先にロシアがやってるでしょ)、専用の無人潜水ドローンとか、それも耐圧で作業用マニピュレーターとかのついた奴が必要?
特集な機材と設備と訓練された人員が必要で、言い逃れはできないのでは?
んで、そうした装備を連中のどの部署が所有してるか知りませんが、軍や諜報機関の関与は疑いない。だとすると、想うに対外治安組織のグリップが利いてないのでは?
もちろんプーさんの命の可能性は大ですが、それにしても今の時期に、んなバレバレに面倒な事を勅命するか??
んでんで、グリップが利いてないとなると、
今後も二度三度と起きて、そのうち深刻な紛争になる可能性が……。
このケーブル切断の手口は判明していて、錨を海底におろして引き摺りながら航行すると、結構簡単に切断できるみたいですよ。
当然、ケーブルの位置をしっかり把握できていなければ無理ですが、世界各地で実績のある手法です。
無人ドローンなどを使ったという話ではなさそうです。
支那人の船長も給料録に貰っていないみたいですから、ロシアから小金を貰えば、結構簡単に犯行に及ぶのでは?と、そんな風に思っています。
えー、そ、そんなシンプルなやり方で出来るんですか!
ううむ……これは盲点でした。
リトアニアと支那の外交関係に深刻な亀裂が入ったようなので、今後支那に不審感を強めるバルト海沿岸諸国が、不審船(支那船)の無差別臨検や海軍監視を始める可能性がありそうです。
ウクライナ戦争が大詰めを迎えて、ウクライナとロシアの双方が、表でも裏でも活発に工作しているのでしょう。
先日ドイツの外相が、「ロシアに戦争協力するな」と支那を強烈に非難しました(12/1ロイター)
https://tinyurl.com/3fzk3bnx
なにやらドイツも、支那に相当腹を据えかねている模様ですが..
リトアニアは今回の件でかなり腹に据えかねているようで。
ドイツの件は知りませんでしたが、これ、EU全体で支那を締め出す方向に動き出しているようですね。
そこまでロシアの影響力が落ちているということかもしれません。
こんにちは。
現場押さえてないから物証はないけど、心証的にも状況証拠的にも「真っ黒に近いグレー」ですよね。
トランスポンダ消してる時点で、シーマンシップ的にはアウト。
こんな船と船主は、保険会社からリジェクトされてしまえば良いのに。
※そういや、韓国海運が保険会社から総スカン食らった件はどうなったのだろう……
こんにちは。
いやもう、真っ黒でしょう。
流石に今回のこれ、言い逃れできないですよ。
ペルソナ・ノン・グラータの指定も無理ない話。